「フィアット E-デュカト」の兄弟車がアメリカの配送業者から1万2,000台の受注 信頼と実績ある商用EVの導入を日本企業も検討すべき 【THE 視点】ステランティスは、商用バンの新型EV「ラム・プロマスターEV」を2023年後半に発表する。また、アメリカの配送企業「Merchants Fleet」と、1万2,500台の納入を契約したと発表した。アマゾンなどへの納入も計画されている。 「ラム・プロマスターEV」は、ステランティスとラムブランドが北米で展開する初のEVバンである。「プロマスター」のベースは、同じステランティス傘下にあるフィアットの「デュカト」で、こちらのエンジンモデルは日本への導入が始まったばかりだ。 ステランティスは、「デュカト」を商用車の世界戦略車と位置付けているようである。本国イタリアでは、EVモデルの「E-デュカト」が発表済みで、「ラム・プロマスターEV」は、その北米仕様と考えられる。 「ラム・プロマスターEV」のスペックは発表されなかったが、参考までに「E-デュカト」の仕様は、最高出力90kW(122ps)/最大トルク280Nm(28.6kgm)を発生するモーターが搭載され、バッテリーは最大容量47kWhと79kWhの2つのタイプが用意されている。ちなみに、47kWhタイプの航続距離は最大170km(WLTPサイクル)、79kWhのバッテリーは最大280kmとなり、30分の充電で100kmの走行が可能だ。 今回、ステランティスは「Merchants Fleet」に1万2,500台の納入というまとまった台数の契約をした。宅配を中心に使われるはずだ。 「プロマスターEV」と「E-デュカト」は、「フルゴネット・バン」に分類されるが、日本ではメジャーではないカテゴリーだ。両車が日本に導入されれば、宅配を中心にきっと引き合いがあるはずだ。 日本でも、大手配送企業数社が中国新興系の軽商用EVを数千台規模で契約しているが、納車・実装したという話が一向に聞こえてこない。恐らくは製造上の問題で遅れているのだろう。 しかし、「E-デュカト」はイタリアにて実績がある車両で、兄弟車である「プロマスターEV」のアメリカでの納車もスムーズに進むと思われる。日本においても、中国新興系の安価なEVを開拓するもの良いが、信頼と実績のあるメーカーの車両を導入するのも手で、そのほうが顧客からの信頼も得られよう。「E-デュカト」および「プロマスターEV」を、ぜひ日本でも正規販売をしてほしい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★モリタ、EV消防車「メビウス・コンセプト」を日本初公開……「東京国際消防展2023」<東京ビッグサイト(東京都江東区)/6月15日(木)〜18日(日)>にて、独自開発のEV専用ポンプシステムなど搭載 ★★トヨタ、「レクサス充電ステーション」を初開設……「東京ミッドタウン日比谷」<東京都千代田区>内にて、レクサスオーナー専用のステーション ★★EVモーターズ・ジャパン、大阪市高速電気鉄道と100台の路線型EVバス(小型・大型)を納入契約……2025年開催の「大阪・関西万博」にて運用予定 ★ボルボ、「EX30」の実車が日本初公開……ボルボスタジオ東京<港区南青山>にて、小型SUVの新型EV[詳細はこちら<click>] ★オペル、2024年に全モデルに電動パワートレイン車を設定(ハイブリッド含む)……小型SUVの新型EVも登場予定 ★ボグゾール、「アストラ・エレクトリック」の価格を公表……3万9,995ポンド(約714万円)から、2023年夏後半より納車開始 ★ダイムラー、ドイツ・ベルリンに最新鋭のバス専用サービスセンターを開設……4台のEVバスを最高出力150kWで同時充電、FCEVバスへの対応も予定 ★GM、商用EVのバン「ブライトドロップ Zevo600」をフェデックス・カナダに納入……50台を引き渡し ▲リコール▲「プジョー E-208」、電動パワートレインECUに不具合……セーフモードにより走行停止のおそれ デイリーEVヘッドライン[2023.06.16]