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岩谷産業が水素事業に1,780億円投資……「セルフ水素スタンド」なども推進[2023.06.26]


TEXT:福田 雅敏、ABT werke
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岩谷産業の水素戦略「PLAN27」の概要(出典=岩谷産業)

水素価格が上昇しているが岩谷産業は価格を据え置き
トラック・バスのFCEV向け水素ステーションの設置も推進

【THE 視点】岩谷産業は6月21日、水素事業の強化を発表した。同日公開した「2023年~2027年度中期経営計画(PLAN27)」には、脱炭素関連の需要拡大を捉えた液化水素ビジネスの拡大、CO2フリー水素サプライチェーンの構築などが盛り込まれている。投資規模として1,780億円を計上している。

また本戦略では、水素から生成されるアンモニア・合成メタン・合成燃料等についても、その課題や開発等の時間軸も踏まえつつ、導入を戦略的に進めていくとしている。

今月に入り、国・水素製造関連企業・自動車メーカーなどが今後の水素事業について相次いで発表を行なったが、岩谷産業は具体的な投資規模を提示した格好だ。

トヨタは、先日開催した「トヨタテクニカルワークショップ2023」において、水素事業の強化を発表した。乗用・商用のFCEV(燃料電池車)の開発を進めるだけではなく、FCを活用した定置式発電機の開発と実証運転・水素内燃エンジン車の開発など、水素を「つくる/はこぶ/ためる/つかう」の各領域において、様々な業界のパートナーとの取り組みを進めているという。

岩谷産業もそれに対応する形で、水素の「つくる/はこぶ/つかう」の各領域を強化するが、今回の発表で注目したのは「つかう」面の「水素ステーションの増設および収益化」である。具体的には、トラック・バスなどに対応した水素ステーション整備と、セルフ化の推進などによる運営コストの削減だという。

現実に岩谷産業が運営する水素ステーションのセルフ化は始まっており、筆者も利用している。国内で水素ステーションを運営するエネルギー各社は、今年に入ってから水素価格を約1.5倍に値上げしている。しかし岩谷産業のステーションは、実は価格を据え置いているのだ。

この取り組みは、岩谷産業の水素事業の強化にかける意気込みを実感できる例ではないだろうか。水素普及に向けた取り組みは具体的に始まっている。なお、このセルフ式の水素ステーションは非常にユニークなので、その利用方法などは別途レポートしたい。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)

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★★東京都、FCEVフォークリフトの導入支援事業を開始……トライアルに車両と水素充填設備を提供する事業者とトライアル事業者を募集しマッチング支援、6月30日(金)〜7月13日(水)まで募集

★「アバルト500e」が俳優のトム・クルーズとともにレッドカーペット上に……映画「ミッションインポッシブル/デッドレコニング・パート1」の公開イベント<イタリア・ローマ>にて、劇中車の初代「アバルト500」とともに展示

★EVモーターズ・ジャパン、北九州市に小型EVバスを納車……「F8 シリーズ4-ミニバス」を使用し、島郷庁舎・若松病院などのルートをコミュニティバスとして運行

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★ボッシュ、電動車用のバッテリーのオンライン診断ソフト「Esitronic 2.0 Online」を公開……テスラの「モデルS」「モデルX」にも対応

★ベントレー、英国本社工場に次世代型のソーラーパネルを導入……10MWの発電能力(2,370世帯/年に相当)、工場の電力を100%賄うことが可能

★フォーミュラE第12戦ポートランド、ニック・キャシディ(エンヴィジョン)が優勝……10番手スタートからトップに、日産はノーマン・ナトーの9位が最高

★MotoE第4戦オランダ、マッテオ・フェラーリ(フェロ・グレシーニ)がレース1・2ともに優勝……日本人の大久保 光(テック3)は14位(レース1)と12位(レース2)

デイリーEVヘッドライン[2023.06.26]

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