官⺠連携で全274駐⾞区画にEV充電コンセントを導⼊ 今年の夏は例年にも増して厳しい暑さで、ニュースでも「過去最高気温」や「猛暑日連続」といった言葉が並び、気候変動を肌で感じる日々です。そんななか、「環境問題の改善に向けて日常生活をどう変えていけるか」を考えるきっかけとなるイベントが八王子市で行われました。 これまで、自宅にEV充電器を設置することが比較的簡単な戸建て住宅に比べ、集合住宅では住民の方々の合意形成や敷設資金の問題など、大きなハードルがありました。そんな集合住宅の全274駐車区画にEV充電設備を導入した東京都八王子市の大型マンション「グレーシアパーク八王子みなみ野(東京都八王子市、2000年竣工、総戸数225戸)」において、EV充電サービス「WeCharge」を提供するユビ電株式会社が、公益財団法人東京都環境公社 東京都地球温暖化防止活動推進センター(以下、「クール・ネット東京」)、一般社団法人日本自動車販売協会連合会 東京都支部(以下、「自販連東京都支部」)と連携し、マンション住民向けEV試乗会を開催したのです。 マンション暮らしのEV課題をクリアした注目事例 EVに関心があっても、マンションに住んでいると「充電どうするの?」という声が必ず上がります。都内住宅の約7割が集合住宅である(※総務省住宅・土地統計調査)ことから、マンションでの充電環境整備がEV普及のカギを握っています。 駐車場に電源がない、設置工事が高額、管理組合の合意形成が難しい……。こうした課題が集合住宅におけるEV普及の”壁”とされてきました。 今回の舞台となった「グレーシアパーク八王子みなみ野」では、その壁を突破し、なんと全274区画の駐車場にEV充電コンセントを設置。築20年以上の大型既存マンションでこの規模の導入は全国的にも珍しく、先進的な試みです。 背景には、東京都の「クール・ネット東京」政策の後押しや、補助金制度を活用したコスト負担軽減の工夫があったことはもちろんながら、管理組合による住民への丁寧な説明会を経て「資産価値の向上にもつながるなら前向きに」と合意形成を進めた点も注目すべきポイントです。