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ついに宇宙へ到達したホンダ!
モビリティショーという名が表す通り、従来の自動車を中心としたモーターショーから大きく領域を拡大させ、さまざまなモビリティを対象としたショーへと生まれ変わったジャパンモビリティショー。フルサイズで行われるショーとしては2回目となる2025年、ホンダブースはトヨタ、スズキと並び広範囲のモビリティを展開したブースとなった。
もともと四輪だけでなく、二輪や船外機、芝刈り機に代表されるようなホームプロダクトまで網羅するモビリティ企業ではあるが、モーターショーの名を廃することで自社のプロダクトや世界観をもっとも広く表現できるようになったのはホンダではないだろうか。
前回(2023年)は自社開発の航空機「ホンダジェット」を持ち込んで空まで領域を広げたのも束の間、今回はその範囲を宇宙にまで広げてロケットの展示もしたのだから。
とはいえ、もっともブースの目立つ位置に鎮座していたのは、2050年のカーボンニュートラル実現を目指すホンダにとっての象徴的存在、電気自動車(EV)の新シリーズ「Honda 0 Series(ホンダ・ゼロシリーズ)」であった。
そのホンダ・ゼロシリーズを中心に、別記事で取り上げたN-ONE e:ベースのホットハッチモデル「Super-ONE Prototype」を除く注目の展示車両を紹介したい。
Honda 0 SALOON
本邦初公開となったホンダ・ゼロシリーズ。「Thin, Light, and Wise.(薄い、軽い、賢い)」という独自の開発アプローチで、ゼロから独創的な発想で創り出されたこのシリーズは、スーパーカーと見まごう程ボンネットの先端が低く、全体的にもローフォルムな「Honda 0 SALOON(サルーン)」をフラッグシップに据える。
これまでホンダの広報画像で見るだけにとどまっていたサルーンだが、実車はホンダの言う通りとにかく「薄い」。さぞ、室内はタイトなのだろうと思い見せていただくと、グラスルーフの効果もあるが想像以上に明るく開放的でそのうえ広い。着座位置は確かに低いが、いわゆるスポーツカーのような姿勢を強いるのではなく、サルーンの名の通り十分にくつろげる姿勢になるのだとホンダは説明する。
ハイデッキなリヤスタイルのおかげで後席のヘッドクリアランスと足元スペースも十分。外見から想像するよりはるかに快適そうな空間が創り上げられていた。
EVならでは低重心と着座位置の低さを活かして走りはスポーティに仕上げつつも、ホンダ伝統の基本思想「M・M思想(マンマキシム・メカミニマム)」とホンダ・ゼロシリーズの「薄い」という開発アプローチを掛け合わせ、既存のどのクルマにも当てはまらない、まったく新しいジャンルのクルマになったと見ることができる。
Honda 0 SUV
それはホンダ・ゼロシリーズ最初の販売予定モデルとされるミドルサイズSUVのホンダ・ゼロSUVにもいえることで、リヤデザインをサルーンと同意匠としながらも、SUVに求められる力強さや面構成の美しさは独自に表現され、十分な室内空間と開放的な視界を確保している。
どちらのクルマもインパネまわりは大型ディスプレイを中心に設計され、先進性と斬新さが感じられる作りとなっている。これらを司るのはホンダ独自の車載OS「ASIMO(アシモ)OS」で、使えば使うほど所有者の志向に合わせてパーソナライズされるそうだ。しかし、その具体的な機能や得られる体験については検討を深めている最中とのことで、今回のショーで明言されることはなかった。




















































































































