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TEXT:TET 編集部
トヨタの新型モビリティでお台場周辺が一気に便利になる! 「eパレット」と「C+walk」が街全体の活性化にも貢献

異なるモビリティを用いるサービスの狙いとは トヨタが9月15日から発売を開始した多目的モビリティの新型バッテリーEV「e-Palette(以下、eパレット)」について、早速そのマルチパーパス性を活かした事例が発表されたのでお伝えしたい。 eパレットが用いられるのは、東京都港湾局が公募したお台場周辺の臨海副都心エリアで進める「シンボルプロムナード公園における次世代モビリティの運行事業者」に、トヨタグループのマーケティングサービスやモビリティサービス事業などを展開する「トヨタ・コニック・プロ」と、運転管理業務やバス事業などを営む「大新東株式会社」の2社による共同事業体が東京ベイ賑わい創出コンソーシアムの一員に選ばれ、10月10日(金)からeパレットを活用した次世代モビリティサービス「PALETTE RIDE(パレットライド)」だ。 そこでは臨海副都心エリアの各事業者と連携しながら、モビリティの力でエリア全体の回遊性を高め、街全体を活性させることを目的に、パレットライドをはじめとした全3種類のモビリティサービスを展開するという。 eパレットのマルチパーパス性を活かしたふたつのサービス 先陣を切るのはトヨタeパレットを用いたパレットライド。10月10日(金)からシンボルプロムナード公園において、ゆりかもめの台場駅付近からセントラル広場を通り、東京臨海高速鉄道りんかい線の東京テレポート駅、そして青海に新たに登場したアリーナ施設「TOYOTA ARENA TOKYO」や、夢の大橋東側までを繋ぐ基本運行ルートを往復する移動サービスが開始される。 年末年始を除く毎日10時から20時(10月中は11時から18時まで)まで約5~15分間隔で運行され、しかも運賃無料で利用することができるのだという。TOYOTA ARENA TOKYOでイベントが開催される際や、公園内で開催されるイベントや混雑状況によっては、運行時間や運行ルートが変更になる場合があるというので、最新情報はパレットライドの公式サイトで確認いただきたい。 ふたつ目のモビリティサービスは、eパレットの高い空間性を活かした「PALETTE MARCHE(パレットマルシェ)」の実施だ。 これはeパレットをさまざまな店舗形態に換装し、東京テレポート駅周辺の「夢の広場」などでドリンクやフード、トヨタ自動車やバスケットBリーグ「アルバルク東京」などのグッズ販売を10月10日から開始するというもの。こちらも、時期やイベント等に合わせて開催日程や場所などが適宜変わるため、公式サイトでスケジュールを確認してもらいたい。 歩行支援モビリティ「C+Walk」を用いたシェアリングサービスも実施予定 3つ目のモビリティサービスは、eパレットではなくトヨタが開発した歩行支援モビリティ「C+walkシリーズ」を用いた「小型モビリティレンタル(仮称)」だ。 11月末以降からサービスを開始する予定だというこのサービスは、散歩コースとしても最適な青海・お台場エリアの周遊に、最高速度6km/hで操作が簡単な歩行支援モビリティの「C+walkシリーズ」をシェアリングするというもの。いわゆる貸出返却場所となるポートは、シンボルプロムナード公園内に数か所設置予定だという。 トヨタ・コニック・プロは、今回のプロジェクトに対し次のようにコメントしている。 「パレットライドは、まちの魅力を創出する新たなモビリティサービスとして、自治体や地域事業者との連携を深め、さまざまな取り組みに挑戦していきます。これからのサービス展開にご期待ください」 東京ビッグサイトからゆりかもめの駅を挟んだ向こう側から、台場駅の方向まで長く伸びるシンボルプロムナード公園は、ジャパンモビリティショー開催時にはクルマを複数台展示しても歩行に支障がないほど歩行エリアは広く、景観の良さに加え毎週末さまざまなイベントが開催されることから多くの人出で賑わう人気エリアだ。そのエリア内の移動を環境負荷の少ない2種類のEV、eパレットとC+Walkで利便性を向上させるこの取り組み。10月30日からのジャパンモビリティショーをはじめ、各種イベントなどでお台場を訪れた際に利用してみてはいかがだろうか。

TAG: #C+Walk #eパレット #トヨタ #次世代モビリティ
TEXT:TET 編集部
ホンダがカーボンニュートラル実現に向け二輪の電動化を加速中! 欧州でネイキッドモデル「WN7」を発表

ホンダ初の固定式バッテリーを採用した電動ネイキッドモデル ホンダの英国現地法人ホンダモーターヨーロッパ・リミテッドが、現地時間9月16日にホンダにとって欧州初となる電動モーターサイクルの新型モデル「WN7」を発表した。 ホンダは2050年を目途に、ホンダが関わるすべての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラルの実現を目指していることは周知の通りで、二輪製品は先行して2040年代のカーボンニュートラル実現を目標に取り組みを進めている。 2024年を電動二輪車のグローバル展開元年と位置付けたホンダは、現在グローバルで電動ラインアップの拡充を進めており、今回発表されたWN7もそのひとつである。 WN7はEICMA2024(ミラノショー)に出展した「EV Fun Concept」の量産モデルにあたり、ホンダ初の固定式バッテリーを採用したFUN領域向けの電動ネイキッドモデルだ。モデル名のWN7は、Wが開発コンセプトの「Be the Wind(和訳:風になる)」、Nが「Naked(ネイキッド)」、7が出力クラスの数字に由来し命名されている。 固定式バッテリーはリチウムイオンタイプを採用し、一充電航続距離は130km以上とされる。欧州のEV急速充電器用コネクター規格CCS2での充電に対応し、30分で20%から80%までの急速充電が可能なのだという。 出力は600㏄、トルクは1000㏄の内燃エンジン車に匹敵する性能を有し、EVならではのスリムで未来的なフォルムのマシンを力強く走らせる。 ホンダはこのWN7に、75年以上にわたる二輪車開発の経験や知見を注ぎ込み、内燃エンジン車とは異なる静かでスムーズな乗り味を与えたという。むろん電動モデルであっても、操る楽しさと走る喜びを高次元で実現しているのはいうに及ばずだ。ホンダが目指すカーボンニュートラルの実現に向け、四輪だけでなく二輪も電動モデルのバリエーション展開を強化し、ここからさらに加速していくことが見込まれる。今後登場する電動モデルにも期待したい。

TAG: #カーボンニュートラル #ホンダ #新型車情報 #電動バイク
TEXT:TET 編集部
新車価格約3000万円も補助金を使えば半額で買える! トヨタのカワイイ新世代モビリティ「eパレット」の販売がスタート

移動販売車? 小型バス? どっちもOK! トヨタはさまざまなモビリティサービスに活用できる新型バッテリーEV「e-Palette」(イーパレット)を発表。9月15日からトヨタ自らが販売窓口となって受注生産方式での販売を開始した。 このeパレットは、広い室内空間や大型のウインドウガラスがもたらす開放感を活かし、人々の移動手段に用いるだけでなく、移動型店舗や各種サービス空間など、マルチな使い方に対応する設計がなされている。 トヨタが発表した使用例としては、朝晩の通勤時間帯にはシャトルバスとして使用し、日中は充電しながらキッチンカーなどの店舗営業を実施。さらに、夜は広い室内空間を活かして音響や通信機器を設置してスポーツ観戦空間に仕立てるなど、工夫次第で使い方が無限大に広がる可能性があるとしている。 また、車内外に設置されたデジタルサイネージも納入先が自ら編集できるように開発されているから、eパレットの活用シーンに合わせて表示を自由に変更することができる。 モビリティ本来の「ヒトを運ぶ」という観点で言えば、このeパレットも最新電動モビリティのトレンドに則してユニバーサルデザインを採用している。フロアの高さは370mmに抑えられ、大開口スライドドアの採用により、スムーズな乗り降りを可能としている。 加えて、オプションの車高調整機能を使えば270mmまでフロアを下げることが可能になり、電動スロープを使うことで歩道高さ15cmから車いす利用者が自力で乗降することもできるのだという。 レベル4自動運転を見据えた拡張性の高いモビリティ eパレットは、現時点でレベル2相当の自動運転システムに対応が可能なだけでなく、2027年度にはレベル4に準拠した自動運転システム搭載車の市場導入を目指して、継続的に機能を実装をしていく方針が明らかにされた。 これらの実現には、トヨタの車両制御インターフェース「VCI(Vehicle Control Interface)」に対応して開発された、さまざまな会社が開発する「ADK(Automated Driving Kit)」と呼ばれる自動運転制御ハードウェアやソフトウェア、カメラ、LiDARといったセンサーなどを含む自動運転システムを搭載することで行われる。 そして、システムの堅牢性や信頼性を高めるための冗長システムを搭載した車両制御システムと、自動運転システムの接続を標準化し、安全・安心な走行の実現を目指す。さらには、自動運転用の運行管理システムとの連携も将来的には可能になる見込みだ。 eパレットは自動運転だけでなく、従来通り運転手自らが操作することも可能だ。ステアリングの操作量を軽減することで、運転手の負担を軽減する「ステアバイワイヤシステム」を導入し、異形ステアリングを採用するなど、コクピットまわりにも先進性が感じられる。 eパレットはバッテリーEV車両なので、充電方式が急速と普通の両方に対応しているのはもちろんのこと、給電機能も持ち合わせているので、非常時の電源として活用されることも期待されている。 eパレットのメーカー希望販売価格は税込2900万円からとなっているが、2025年9月15日時点では環境省の「商用車等の電動化促進事業」対象車両のため、1583万5000円の補助を受けることが可能だ。 全長約5mで、座席と立席を含めた乗車定員は17名、一充電航続距離は約250kmという適度にコンパクトで開放感のあるデザイン。そしてさまざまな活用シーンが想像できる汎用性の高さに加え、レベル4自動運転の実現に向けたプラットフォームとしての拡張性の高さなど、トヨタが言う「新世代モビリティ」としてのポテンシャルは十分以上といえそうだ。今後街中で目にする機会が増えることを願いたい。

TAG: #eパレット #トヨタ #新型車情報 #次世代モビリティ
TEXT:TET 編集部
これまでに40万人が参加したeモータースポーツイベント! 「Honda Racing eMS 2025」の開催が決定

世界3エリアで決勝進出者を選考 2023年の初開催から、これまで累計40万人以上が参加した人気のeモータースポーツイベント「Honda Racing eMS 2025」が今年も開催される。 ホンダのモータースポーツ事業を担うホンダレーシング(HRC)が主体となり、リアルレーシングシミュレーター「グランツーリスモ7」を用いて行なわれるこのイベントは、より多くのひとにモビリティを操る楽しさと、身近にモータースポーツの感動を感じてもらうことを目的に開催されるイベントだ。第2回目となった昨年の大会では、世界70か国から延べ20万人が参加し、その注目度の高さが話題となった。 大会は大きくふたつのセクションに分けて実施される。まずは、オンライン予選「Online Qualifer」を8月29日(金)から9月28日(日)まで開催。グランツーリスモ7のオリジナルコース「レイク・マジョーレ」を舞台に、当イベントオリジナルの特別リバリーをまとった「ホンダNSX コンセプトGT ’16」でタイムアタックを行う。参加条件は8月29日時点で年齢が満7歳以上(日本在住者は満6歳以上)で、プレイステーション5または4でグランツーリスモ7のオンラインプレイが可能な方に門戸が開かれている。 なお、この特別リバリー車両は、大会参加賞として予選に参加したすべての方にプレゼントされるので、グランツーリスモ7のマシンコレクターも参加不可避のイベントだ。 オンライン予選の成績上位者で、年齢が満18歳以上の選手は、続く12月6日(土)・7日(日)に行なわれるオンライン決勝大会「Grand Final」に進出する。決勝レースは「欧州・中東・アフリカ」、「北米・中南米」、「アジア・オセアニア」の3つの地区に分けて開催され、それぞれの地区トップがチャンピオンとなる。なお、「アジア・オセアニア」地区の決勝レースのみ、昨年大会の優勝者である佐々木拓眞選手がシード権を持って出場するため、他地区に比べ1名少ない9名が決勝レースに挑む形となる。 また、Honda Racing eMSアンバサダーには、昨年に引き続き223万人ものチャンネル登録者を抱える人気Vチューバー「戌神ころね(いぬがみころね)」が起用され、より多くの方に向けてeモータースポーツの魅力を伝えていくとしている。 昨年大会は、U17クラスが設けられたり、Hondaウェルカムプラザ青山に予選を勝ち抜いたプレイヤーを集めてオフライン形式の決勝ラウンドを開催したりと、非常に手の込んだイベントであったが、一転今年はシンプルで分かりやすいフォーマットに変更。見る側も見やすくなったと言えそうだ。だが、eモータースポーツは走ってナンボ。腕に覚えのあるeモータースポーツプレイヤーは、この機会にぜひ挑戦してもらいたい。

TAG: #eモータースポーツ #HRC #イベント #ホンダ
TEXT:TET 編集部
ついに「コルベットがEV」に!? 2種類のコンセプトカーでシボレーが未来のハイパフォーマンスカー像を描く

4輪モーターで2000馬力オーバーの怪物 米国カリフォルニア州モントレーで行なわれたイベント「ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」で、シボレーが未来のハイパフォーマンスカーの展望を指し示す2台のコンセプトカーを8月15日に発表した。 公開されたのは「コルベットCX」と「コルベットCX.R ビジョン グランツーリスモ」の2台。両車とも市販化の予定はないものの、「これから何年にもわたって、コルベットのデザイン言語に影響を与えるインスピレーションの源になるモデル」とシボレーは説明。そのうえで、70年以上にわたるパフォーマンスの革新を背景に、アメリカンスポーツカーの伝統を称え、未来を切り拓いていくものだとしている。 GMモータースポーツ・エアログループとシボレー・パフォーマンス・スタジオの協業で設計されたエクステリアデザインは、究極のパフォーマンスを追求しながらも、コルベットを象徴する伝統的な要素はきっちりと押さえられている。前方に突き出したノーズに、ボディの上部と下部とを際立たせる水平に走るシャープなライン、歴代コルベットに共通するデュアルエレメントテールライトなどがそれだ。 一方で、動力面は世相を反映している。コンセプトカー「コルベットCX」は、伝統的なV8エンジンを捨て、EVになることを決断した。90KWhのリチウムイオンバッテリーを備え、4輪にそれぞれモーターを搭載。システム合計出力は2000馬力オーバーに達し、4輪トルクベクタリングで圧倒的なグリップとコーナリング性能を見せるのだという。 さらに、革新的な機構を採り入れることで、そのパフォーマンスを余すことなく路面に伝えようとしている。内蔵されたファンがオープンチャネル構造を通じて空気を吸い込み、強大なダウンフォースを発生させる「バキュームファンシステム」を採用するとともに、リヤディフューザー上の気流を調整して、リアルタイムで空力バランスを最適化する。 また、フロントディフューザーとリヤウイングは、どちらもドライバーの操作に応じて自動的に調整される。こうしたアクティブエアロとバキュームファンシステム、そして全輪モーターにより、コルベットは新次元の走りのステージへと駆け上がるのだ。これは、あくまでも市販予定のないコンセプトモデルでの話だが……。 インテリアは斬新で、アメリカ軍の最新鋭戦闘機F-35を彷彿とさせる前方開閉式キャノピーを採用し、ドライバーが車両に近づくと自動で上方に開く機構を備えている。当然車内は圧倒的なパフォーマンスに備えてドライバーオリエンテッドに設計され、ホールド性の高いシートや視線移動の少ないデジタルウインドウスクリーンを備えるほか、アメリカを代表するスポーツカーにふさわしいラグジュアリー性も兼ね備えている。 なお、コンセプトカー「コルベットCX」には、もうひとつのモデルが存在する。それが「コルベットCX.R ビジョン グランツーリスモ」だ。

TAG: #eモータースポーツ #コルベット #コンセプトカー #シボレー
TEXT:TET 編集部
ホンダが2026年に発売予定の新型EVは「アシモ」も搭載! アキュラRSXプロトタイプを米国・モントレーで初披露

Honda 0 Series用と思われたASIMO OSをAcuraブランドにも展開 ホンダは、北米で展開する高級車ブランド「Acura(アキュラ)」の新型EVとして、SUVタイプの「アキュラRSXプロトタイプ」を、米国カリフォルニア州で開催された自動車イベント「モントレーカーウィーク」の会場で世界初公開した。 アキュラRSXプロトタイプは、アキュラブランドの次世代EVモデルの方向性を示すコンセプトモデル「アキュラ・パフォーマンス・EVコンセプト」をベースに、2026年後半の発売を見据えて作り上げられたプロトタイプモデルだ。 モントレーカーウィークで世界初公開されたアキュラRSXプロトタイプの注目点は、ホンダが独自に開発した次世代EVプラットフォームを採用する最初のモデルであること。そして、ホンダ独自のビークルOSとしてCES2025で発表され、ホンダ・ゼロシリーズに搭載すると伝えられた「ASIMO(アシモ)OS」を採用していることだ。 これらにより、ホンダはユーザーごとの好みや運転行動を学習し、”超・個人最適化”された移動体験を実現すると公式リリース内でコメントしている。 また、デュアルモーターによるAWDや、スポーティなセッティングを施したダブルウィッシュボーン式のフロントサスペンション、ブレンボ製ブレーキを標準装備するなど、低重心設計による没入感のある魅力的な走行体験を提供すると付け加えている。 デザインと先進技術でアキュラを再定義する デザイン面では次世代EVプラットフォームが可能にするデザインの自由度を最大限に生かし、クーペのようなシルエットに深く彫り込まれた形状のサイドパネルを備え、力強いプロポーションを与えることに注力されている。加えて、21インチの大径マルチスポークホイールとそれを覆うホイールアーチ、ロングホイールベースと車体の四隅に配置されたタイヤによって前後のオーバーハングは切り詰められ、現代的で走りの良さを予感させるデザインに仕上げられている。 むろん、フロントフェイスはアキュラ独自のダイヤモンド・ペンタゴン・デザインを進化させて採用。上段に配置されたシャープな形状のデイタイムランニングライトと、下方に設置されたLEDヘッドライトによって、上下分割型の印象的なヘッドライトデザインが構築されている。 アメリカン・ホンダモーターでアキュラのデザイン・エグゼクティブを務める土田康剛氏は、「アキュラRSXプロトタイプは、優れた空力性能がもたらすパフォーマンスを、スポーティなクーペスタイルで表現しています。このモデルを皮切りに、パフォーマンス性や独自性を表現した普遍的な美しいデザインと先進技術を軸にAcuraブランドを再定義していきます」とコメントした。 EVとしての美点を運動性能とデザイン性の両面に活かしたアキュラRSXプロトタイプ。量産モデルはハイブリッドを含むICE(内燃エンジン)搭載車とEVの混流生産が可能で、米国におけるEV生産のハブ拠点とホンダが位置付けているオハイオ州メアリズビル四輪車生産工場で生産され、2026年後半の発売を予定しているとのことだ。

TAG: #アキュラ #プロトタイプ #ホンダ #新型車情報
TEXT:TET 編集部
ファッション&アウトドア好きにも刺さるEV! ヒョンデ「インスタークロス」が先行予約開始でいまなら秋キャンプにも間に合う

冒険心を持つお客さまへ 今年発売されたヒョンデのスモールEV「インスター」に早くも新たな仲間が加わった。 9月の発売開始を前に8月8日から先行予約が始まったのは、「インスタークロス」と呼ばれるアウトドアテイストを内外装に盛り込んだ、アクティブなイメージの新グレードだ。「タフで存在感のあるアクティブなデザインに仕上げ、インスターが持つ高い実用性はそのままに、冒険心を持つお客さまのニーズに答えていく」とヒョンデは語っている。 インスタークロスは専用デザインの前後バンパーと、サイドシルプロテクター、17インチアルミホイールに加え、アウトドアテイストあふれるクルマの定番アイテムとなった大型ルーフバスケットを装備。アクティブグレードらしい外観とアウトドアシーンに必要な大型ギアを満載できる実用性を兼ね備えたEVに進化している。 ボディカラーはインスタークロス専用色となるアマゾナスグリーンマット、ダスクブルーマット、アンブリーチドアイボリーを含む全5色展開。いずれもアウトドアシーンに映える色使いが魅力だ。 それはインテリアでも同じ。スタンダードなブラックモノトーンの内装色に加え、グレーとカーキのコンビネーションシートに、ライムイエローのアクセントがあしらわれて「ダークグレーライトカーキ」と呼ばれる内装色が用意されている。 オシャレと航続性能はトレードオフ? EVとしての性能はほぼインスターのボヤージュまたはラウンジと同等。最高出力85kW、最大トルク147Nm、総電力量49.0kWhという値も一緒ならば、2輪駆動という点も変わらない。しかし、全長15mm、全高100mm拡大したボディに加え、ラウンジに対し車体重量が10kg増加した影響か、WLTCモードの電力量消費率は18%ほど悪化し、141Wh/kmとなっていることに注意が必要だ。このため、一充電走行距離はボヤージュ・ラウンジの458kmに対し393kmと発表されている。 ただし、アウトドアテイストが存分に感じられるスモールEVという存在は唯一無二。だから航続距離にはひとまず目をつぶり、このデザインだけで飛びついたとしても決して悪い選択ではないはずだ。 先行予約特典と早期納車情報 なお、9月10日からの正式発売に先立って行なわれる先行予約に申し込むと、次のうちどちらかの特典が受けられるという。 ①INSTER 5年 Health Care 「ヒョンデ・アシュアランス・プログラム」のヘルスケアを通常の3年から5年に延長し、4年目の法定12カ月点検基本料金と5年目の車検基本料金を無料で提供 ②INSTERアウトドアセットをプレゼント プレミアムネッククッション、オーガナイザー&サイドテーブル、助手席シートバックボードテーブル、折り畳み式チェア、ピクニックマットの5点セットをプレゼント また、ヒョンデは秋の行楽シーズンにインスタークロスの納車を間に合わせるべく、早期に納車が可能な初回生産車を合計25台用意した。25台の内訳は、外装色トムボーイカーキと内装色ダークグレーライトカーキの組み合わせが15台、外装色アンブリーチドアイボリーと内装色ブラックモノトーンの組み合わせが10台、それぞれ先着順ということなのでお早めに。 ファッション感度に優れた方からも支持されそうな、魅力ある内外装を備えたヒョンデ・インスタークロスの車両本体価格は、税込み372万9000円となっている。 近年需要が高まっている電化製品を用いたキャンプスタイルと、外部給電(V2L)機能をもったEVの組み合わせは親和性が高く、アウトドアシーンでの新たなトレンドになりつつある。そこにきてインスタークロスの登場はまさにドンピシャのタイミングともいえる。

TAG: #SUV #ヒョンデ #輸入車
TEXT:TET 編集部
一充電走行可能距離はついに1000km超え! 日本でもっとも長く走れる新型EV「Audi A6 e-tron/S6 e-tron」シリーズが登場

PPE採用第2弾モデルのA6 e-tronとS6 e-tron ボディは2タイプ用意 2024年9月にドイツでデビューを飾ったアウディの電気自動車(EV)「A6 e-tron」シリーズが、日本でも7月24日から発売された。 A6 e-tronシリーズは、アウディとポルシェが共同開発した新しいBEV専用プラットフォーム「PPE(Premium Platform Electric)」を採用した第2弾モデル。このプラットフォームにより、優れた走行性能、一充電走行距離、効率、充電、そしてアッパークラスに匹敵する広い居住空間が可能になったとアウディは主張している。 ボディタイプは、4ドアクーペの「スポーツバック」とステーションワゴンの「アバント」という2タイプ。それぞれ正式名称を「A6 スポーツバックe-tronパフォーマンス」、「A6 Avant e-tronパフォーマンス」と呼ぶ。 アウディ伝統のラインアップに則って、四輪駆動「クアトロ」を採用したスポーツグレードの「S6 スポーツバックe-tronクアトロ」および「 S6アバントe-tron」も設定され、全部で4グレードの構成とされた。 内外装にアウディの先進技術が盛りだくさん 車両の詳細については発表時の関連記事に譲るが、低く力強い空力性能に優れたスポーティなエクステリアをまとったAudi A6 e-tronは、A6 Sportsback e-tron performanceがアウディ史上でもっとも優れたCd値0.21(A6アバントe-tronパフォーマンスのCd値は0.24)をマーク。ボディの上面、下面、そして側面に徹底した空力処理を施しながらも、筋肉質で魅力あふれるエクステリア処理を行い「テクノロジーの可視化」を図っている。 それは近年のアウディらしさを構成する重要な要素「ライティングテクノロジー」にも現れている。マトリクスLEDヘッドライト、ならびにデジタルOLEDリヤランプは、車内の「MMI(Multi Media Interface)」を介して8パターンのライティングが可能。リヤに関しては毎秒数回の画像生成が行なえるという。 これらは見栄えだけでなく、危険を察知した際には周囲へ注意を促す仕組みが内包されており、自車および周辺を走行する他車への安全な走行環境づくりに貢献する機能が含まれている。 インテリアのデジタル化も一層進み、独自のMMIパノラマディスプレイは局面デザインとOLED技術を備えた11.9インチのAudiバーチャルコクピットに加え、14.5インチのMMIタッチディスプレイで構成される。オプションのテクノロジーパッケージを選択すると、助手席用の10.9インチMMIフロントパッセンジャーディスプレイが装備され、運転席から助手席まで続く巨大なディスプレイ空間が完成する。 運転に必要な情報をフロントガラスに仮想表示するARヘッドアップディスプレイや、第2世代のバーチャルエクステリアミラーがオプションメニューにラインアップされるなど、アウディの先進的なデジタル技術が余すことなく用意されている。

TAG: #A6 e-tron #S6 e-tron #アウディ #輸入車
TEXT:TET 編集部
走るために必要な電力は太陽光発電で自給する! ソーラーパネルを装備した3輪モビリティ「スリールオータ」の特別仕様車を限定30台発売

これはまさに「走る小さな発電所」 かねてより開発中であった世界初のソーラーパネルで自車の走行電力を発電し、貯めることができる3輪モビリティが完成し、8月1日から全国30台限定で販売が開始された。 開発と販売を行なうのは東京都のEVジェネシスだ。三輪車の有用性に着目し、独自のセミオーダー方式で使用ユーザーに最適なモビリティの提案を行なっている同社だが、3輪モビリティ「スリールオータ」のルーフ部分に高効率なソーラーパネルを2枚搭載することで、太陽光による発電のみで30kmから40km程度を走行可能な車両の開発を行なってきた。 そしてこのほど完成を記念して、30台限定ながら特別な装備を施した特別仕様車の販売を開始した。 ソーラーパネル搭載型のスリールオータ特別仕様車には、先述の通り高効率ソーラーパネル2枚が装着されるほか、航続距離60kmのスタンダードモーター搭載リン酸鉄リチウムイオンバッテリーSサイズ、最大電力点追従制御装置の「MPPT」、貯めた電気を家電等に使用するための電配機能付きインバーター、スタンダード仕様のスリールオータではビニールタイプとなるドアがハードドアに変更されるなど、装備の充実化がなされている。 また、外装色はスタンダード仕様がホワイトだけなのに対し、ソーラーパネル搭載型特別仕様車は、ピンク、ペパーミント、ホワイト、バイオレットの全4色を設定した。 これだけの装備を有していながら、特別仕様車はスタンダード仕様の税抜き98万円に対し、実質12万円の追加だけに留まる税抜き115万円(モニター価格・通常は140万円)という意欲的な価格を実現した。 モニター価格との注釈はあるものの、自ら発電して走行し、貯めて外部へ給電することもできる、まさに「走る小さな発電所」たるソーラーパネル搭載型のスリールオータは、世界でも他に類を見ない3輪モビリティだから、メーカーもユーザーからのフィードバックに期待する部分があり、それが今後への試金石となることを見込んでいることだろう。 スリールオータは「側車付き軽二輪またはミニカー登録」となるから、車検はもちろん車庫証明も不要。年間の自動車税は3600円で、重量税も新規登録時にかかる,900円のみと、ランニングコストだけでなく維持コストも極めて少ない。 SDGsの観点からは自家発電型のモビリティはある種の究極系といえる。ソーラーパネル搭載型スリールオータが切り開いた新分野の発展に期待したい。

TAG: #EVジェネシス #スリールオータ #ソーラーEV #三輪車
TEXT:TET 編集部
ホンダの軽EV第2弾「N-ONE e:」がいよいよ見えてきた! 今秋デビューを前に先行予約&ティザーサイトをオープン

N-ONEを電気自動車仕様にリデザイン 今秋の発売が予定されているホンダの新型電気自動車(EV)「N-ONE e:」が、8月1日より先行予約を開始した。それと同時にティザーサイト(先行情報サイト)もオープンし、徐々にホンダの軽EV第二弾にあたるこのクルマの全容が見えてきた。 ベースとなったN-ONEは、ご存知のようにホンダの人気軽自動車「N」シリーズの一翼を担うプレミアム軽自動車として確固たる地位を築いているクルマだ。そのN-ONEをEVモデルに仕立てるにあたっては、バッテリー、インバーター等のEV特有のパワーユニットを軽自動車規格の枠内に収めるため、デザインチームは設計に苦慮したという。 同じ顔のN-ONE e:は2台と無い!? フロントデザインは再設計され、内燃機関モデルのN-ONEに比べると幾分ボンネットを中心に角張らせた印象。一方フロントグリルを含む各種開口部はミニマムに設計され、シンプルかつモダンな印象を与えている。 ホンダの軽EV第1弾にあたるN-VAN e:でも採用されたバンパーリサイクル材は、さらなる改良が加えられてN-ONE e:にも引き継がれた。そもそもバンパーリサイクル材とは、生産過程で廃棄されたバンパー材を回収・洗浄・粉砕まで行って再利用したもので、その過程の妙で表面に現れる白い粒子状の斑点が1台ごとに異なる。 N-VAN e:用のバンパーリサイクル材に比べ、あえて斑点がしっかりと視認できるよう改良が施されたというN-ONE e:用のバンパーリサイクル材を使用したフロントグリルは、視覚的な特徴にもなっている。むろん、現代に求められるサスティナビリティを追及したがゆえの表現ではあるが、同じ模様のフロントグリルが他には存在しないと考えればなかなか面白い取り組みだ。 ほかにもフロアカーペットにはホンダ従業員の作業着を再資源化して活用するなど、環境性に配慮した創意工夫がそこかしこに散りばめられていて、エコロジー意識の高いユーザーにとっても満足度が高いといえるだろう。

TAG: #N-ONE e: #ホンダ #新型車情報
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VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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