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TEXT:TET 編集部
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定

バンコク国際モーターショーでワールドプレミア 2024年3 月27 日(水)から4 月2日(火)まで、タイのバンコクで開催される「BANGKOK INTERNATIONAL MOTOR SHOW 45th」(バンコク国際モーターショー)。 いすゞ自動車は参考出品として、ピックアップトラック「D-MAX」のバッテリーEV(BEV)を世界初公開する。 D-MAXはいすゞが製造する1トン積みのピックアップトラック。2002年に登場し、現在で3代目となる。グローバル戦略車として、現在はアジア、欧州、中東、アフリカ、中南米、オセアニアなど100カ国以上の国と地域で販売されている。2022年度のグローバル販売台数は約34万台で、1トン積みピックアップトラックの最大市場であるタイでは約18万台を販売した。 D-MAXのBEVはピックアップトラックのタフな基本性能はそのままに、商用・乗用の幅広いニーズに対応できるよう開発。新開発のeアクスルをフロントとリヤに搭載したフルタイム4WDシステムにより、高い悪路走破性およびBEV特有のリニアな加速感と、低騒音・低振動を両立させた。 また、既存のディーゼルエンジンモデルと同等の使い方もできるよう、高出力を発揮する電気モーターの採用や、堅牢なフレームとボディの設計により高い牽引能力を確保している。 いすゞは、ピックアップトラックが多様な用途で使われていることを念頭に、動力源の選択肢のひとつとしてD-MAXのBEVの開発を進めている。2025年にノルウェーをはじめとする欧州の一部から販売を開始し、今後、英国や豪州・タイなど他のエリアについても、各国・地域のクルマの使われ方やインフラの整備状況などを踏まえて、顧客とコミュニケーションを図り、ニーズに応じて展開・拡大していく。

TAG: #バンコク国際モーターショー #ピックアップトラック
TEXT:高橋 優
BEV大国の中国で販売が失速! ここ数年でPHEVのシェアが伸びていた

2024年1月の中国EV普及動向を確認 中国市場における直近の2024年1月のEV普及動向が判明しました。とくに、EVの販売台数が大きく落ち込むなか、プラグインハイブリッド車の販売が好調です。2024年シーズンに想定される中国EVシフトの注目ポイント、注目の新型EV、新規EVメーカー勢の最新動向についても含めて解説します。 まず今回取り上げていきたいのが、世界最大のEV市場である中国市場の最新トレンドです。このグラフは、2019年末以降からの月毎の内燃機関車の販売台数を水色、そして、バッテリーEVとPHEV、水素燃料電池車を含めた新エネルギー車の販売台数をピンクで示したものになります。 このとおり、ピンクで示された新エネルギー車の販売台数がこの数年間で急速に増加している様子を確認できます。 そして、2023年12月における新エネルギー車の販売台数は、なんと94万7000台と、歴史上最高を更新しながら、新車販売全体に占める新エネルギー車の販売割合を示す電動化率が、ついに大台の40%に到達するという快挙を2カ月連続で達成していました。 つまり、中国で売れた新車販売全体のうち、5台に2台がバッテリーEVかPHEVであったということになるわけであり、まさに驚異的なEVシフトの様子を確認可能です。 ただし、直近である2024年1月単体の電動化率については32.8%と、2023年末の電動化率から急落している様子も確認可能です。この理由に関しては、新エネルギー車の販売シェアが大きいBYDやテスラといったメーカーが、揃って販売台数を落としたこと、および内燃機関車の販売を行う既存メーカーのEV販売比率も低下したことが要因かと思われます。 その一方で、1月単体の電動化率を追ってみると、2021年シーズンから、6.81%、17%、25.6%、そして直近の32.78%ということから、じつは1月単体という観点ではむしろ着実に電動化が進んでいることが見て取れるわけです。 1月という月自体が、例年販売台数、シェア率ともに低下する特殊な月であるということが見て取れるので、この電動化率の低下というのは、大きく懸念する必要がないわけです。 他方で、この新エネルギー車のなかでも、販売動向に変化が出てきているという兆候も重要です。それが、このグラフで示されている、ピンクで示されたバッテリーEVと、水色で示されたPHEVの販売台数の変遷です。 このとおり、中国市場においてはPHEVではなく、バッテリーEVが圧倒的な販売の中心を占めていたものの、この数年でPHEVの販売シェア率が急増中です。とくに最直近である1月に関しては、なんと新エネルギー車販売のうち、じつに43%がPHEVという、PHEVのシェア率が非常に大きくなっている様子を確認できます。 ただし、このトレンドに関しても1月に関しては特殊な月であり、なおかつPHEV販売で急速にシェアを伸ばしているファーウェイのAITOの存在なども相まって、一時的にシェア率が急増した月であると考えたほうがいいとは思います。 そして、バッテリーEVに絞った販売動向を確認してみると、1月のシェア率は18.5%と、やはり年末に記録した25%オーバーというシェア率からは低下しているものの、それでも5台に1台近くがバッテリーEVにシフトしているという点は、やはり中国のバッテリーEVの人気が伺えると思います。 ただし、それでもバッテリーEVのシェア率の増加具合を見ると、やや鈍化傾向にあることも見て取れることから、PHEVに押されているという様子も確認可能なわけです。 また、世界と比較してバッテリーEVのシェア率がどれほどであるのかを俯瞰してみると、水色で示された中国市場が、世界でもトップクラスのシェア率を維持していることが見て取れます。緑で示された日本市場と比較すると、そのシェア率は10倍以上と引き離している様子も確認可能です。 いずれにしても、世界最大のEVマーケットを有する中国市場が、2024年シーズン、どれほど成長するのかに世界が注目している状況なわけです。 それでは、この1月においてどのようなEVが人気であったのかを確認していきたいと思います。 まず初めに、このグラフは1月単体の新エネルギー車の販売ランキングトップ20を示したものです。このランキングにおいてもっとも注目するべき存在は、2023年中国でもっとも売れた自動車のテスラ・モデルYを抑えて第2位にランクインしたファーウェイのAITO M7の存在です。 最大40kWh級のバッテリーを搭載したレンジエクステンダー車であり、なんといっても絶大なブランド力を有するファーウェイが設計開発を行いながら、ファーウェイストアで展示・販売されていることで、中国EVスタートアップの弱みであるブランド力、知名度という観点では申し分なし。よって、モデルYを凌ぐ販売台数すら実現してしまっている状況なわけです。 また、黄色で示されているのが中国BYDの新エネルギー車であり、じつに7車種がランクインしている状況です。トップ10に絞ると、6車種がランクインしているというレベルです。 他方でBYDに関しては、1月の販売台数を大きく落としている状況であり、2023年末に在庫を一掃した反動という要因もあるものの、やはりここにランクインしているBYDの主力モデルたちに対して、2024年モデルが設定されるという噂がすでに広まっていたことによって、旧正月前に車両を購入することを回避したユーザーも多いと言われています。 この中国BYDに関する2024年モデルの最新情報、並びに2023年モデルの在庫一掃のために、現在大幅な値引き措置を行っているという最新動向についてはまた別記事で詳細に取り上げるものの、いずれにしても、これまで中国EV市場を支配してきたBYDが、2024年シーズンもリードし続けることができるのかに注目です。

TAG: #中国 #電気自動車
TEXT:高橋 優
中国市場でファーウェイのEVが爆発的人気! ライバルを凌ぐ激安っぷりと超豪華内装のAITO M9とは

スマホでお馴染みファーウェイが作った新型EV 中国市場において、ファーウェイの新型EVとなるフラグシップSUVのAITO M9の正式発売がスタートしました。現状考えられる最高レベルのスペックやありとあらゆる装備内容をフル搭載しており、2024年のベンチマーク的なEVとなっています。実際、発売2時間で1万台以上の確定注文が入り、現在もファーウェイストアは人でごった返しているとのこと。この2024年のEV動向を語る上で避けては通れない新型EVについてを解説します。 今回取り上げていきたいのが、中国市場における「AITO」ブランドの存在です。このAITOというのは、中国の巨大テック企業であるファーウェイと、中国の中堅自動車メーカーであるSeresがタッグを組んで立ち上げたEV専門ブランドです。実際の車両開発や販売についてはファーウェイが主体で行い、あくまでもSeresについては、その車両生産を中心に担うという分業体制をとっています。 ところが、2021年末から発売をスタートしているAITOの販売ペースを確認してみると、発売開始後1年となる2022年末以降、むしろ販売台数は減少していたという背景が存在します。 やはりいくらファーウェイといえども、EVの知名度という観点では劣るわけであり、その時点ではまだ大規模にファーウェイストアにおいて車両を展示することもできておらず、販売プロモーションも追いついていませんでした。 その一方で、ファーウェイについては、最新スマートフォンであるMate 60を発売し、現在iPhone15を大きく上まわる爆発的なヒットを記録中です。そして、それに合わせて、AITOのEVたちの展示も精力的に展開することによって、知名度が急速に高まり、実際に販売台数につながり始めたわけです。 直近の12月については、月間3万台の販売台数を実現し、すでにXpengやNIOなどという主要な中国EVメーカーを超えるような販売規模にまで急成長しています。 このような背景において今回、新たにAITOが3車種目の新型EVとして、3列目シートを搭載した大型SUVとなるM9の正式な発売をスタートしてきたのです。このM9については、これまでラインアップしていたM5と同様に、バッテリーEVとともにレンジエクステンダーEVもラインアップすることで、長距離走行に不安を抱えるユーザーのニーズにも対応しています。 レンジエクステンダー版については、42kWh、もしくは52kWhという大容量バッテリーを搭載することで、EV航続距離は最大275kmに到達しています。さらに、発電専用エンジンを併用することで、その航続距離は最大で1400kmオーバーを実現しています。バッテリーEV版については、100kWhを搭載することで630kmという航続距離となっています。 また、燃費性能についても、レンジエクステンダー版は100km走行あたり6.9リットルと、たとえばM9の競合として設定されている、BMW X7などのドイツメーカーのフラグシップSUVと比較しても、かなりの優位性を発揮しています。 さらに、バッテリーEVについては、800Vシステムを採用することによって充電時間を短縮し、最高出力は390kW、最大トルクも673Nmを発揮することで、0-100km/h加速も4.3秒、制動距離についても34.9mと、運動性能にも優れていると言われるドイツメーカーを凌駕しています。 そしてM9に関しては、これらのEV性能や動力性能だけではなく、それ以外の装備内容にこそ魅力が存在します。 まず注目するべきは、エアサスペンションの搭載によって、乗り心地や静粛性までも向上させていることです。後席から乗り降りする際は40mm車高を自動で調整し、最大渡河性能も540mmと、都市型SUVとは思えないほどのオールラウンダーな実力を発揮しています。 静粛性についても、時速120kmの巡航時における静粛性は、メルセデス・ベンツGLSやBMW X7を凌いでいるといいます。 音響システムについても、ファーウェイ独自開発の最大2080Wの25スピーカーシステムで、7.1.4システムにも対応。ヘッドライトも、X Pixelと名付けられたマトリックスヘッドライトを採用することで、対向車線の複数車両を、それぞれうまく避けて照射することが可能であり、しかもこのヘッドライトから、最大100インチもの映像を投影することさえ可能です。まさに、EVならではの大電力を使用しながら、屋外で映画を楽しんでキャンプするなんて使い方だってできてしまいます。

TAG: #HUAWEI #中国車 #電気自動車
TEXT:高橋 優
日本のEV販売動向に衝撃! 果たして2023年に日本では何台のEVが販売されたのか?

日本のEVシフトは本当に遅れているのか? 2023年は、日本国内における電気自動車の販売シェア率が大きく低下した1年であったことが判明しました。そして、2024年シーズンに関しても、このEV減少トレンドが続く可能性とともに、期待の新型EVに関する最新動向を取り上げます。 まず初めに、12月におけるバッテリーEV、およびPHEVの販売台数の合計は1万台オーバーを実現した一方で、2022年シーズンと比較すると、むしろ販売台数が低下していることが見て取れます。 この前年同月比割れというのは、2023年中でも初めてのことであり、2021年の2月以来、3年弱ぶりのことでもあります。いずれにしても、EVシフトが減速しているように見えるわけです。 次に、EV販売台数とともに、新車販売全体に占めるEVの販売シェア率についてですが、直近の12月については3.38%と、前年同月である2022年末に記録した歴史上最高の4.12%を下まわる結果になっています。 また、そのなかでもBEVに絞って見てみると、BEVの販売シェア率に関しては、直近の12月において2.19%と、やはり前年同月に記録した歴史上最高の3%オーバーと比較すると、かなり低下していることが見て取れます。 また、日本メーカー勢のBEVと、輸入メーカー勢のBEVの販売台数の内訳を見てみると、輸入EVについては歴史上最高水準の販売台数を実現しているものの、日本メーカー勢の、軽EVを除いた台数は、2023年で最低を記録してしまいました。 ちなみに、2023年の年間販売台数という観点では、2022年を上まわる販売台数であったものの、その伸び率という観点で、前年比2.5倍程度を実現していた2022年シーズンと比較すると、2023年シーズンはたったの1.3倍程度の成長と、販売ペースが鈍化してしまっていることも確認可能です。 そして、現状のEVの普及率が、世界の主要先進国と比較してどれほどであるのかを確認してみると、日本の2.19%というBEVのシェア率については、世界のなかでも最低水準です。 アメリカはすでに7%越えを実現し、欧州についても11月の段階で17%に到達。さらに新興国のタイ市場については20%の大台を突破、そして、世界最大のEV市場を有する中国市場については25%オーバー。 2020年のスタート時点ではどの国も横一線であったにも関わらず、3年が経過した段階で、これほどまでの差がついていることが見て取れるわけです。

TAG: #EVシフト #販売台数 #電動化
TEXT:高橋 優
いまタイで2番目に売れているクルマはBYDドルフィンだった! 東南アジア・タイに見る新興国の驚きのEVシフト動向

新興国で急速に普及が進むEV EVシフトはかなりゆっくりと進むと言われている新興国での最新のEVシフト動向はどのようになっているのでしょうか? 今回はそのなかでも、日本メーカーの販売シェア率が優位となっている東南アジア市場、とくに成長著しいタイ市場の最新EV動向についてを取り上げていきたいと思います。 まず初めに、タイ市場に関する前提知識について簡単に共有します。 ・人口は7000万人以上、急速に人口規模が拡大中 ・国土面積はおよそ50万平方kmメートルと、日本の1.4倍というサイズ感 ・2022年のタイ自動車販売台数はおよそ85万台、対する日本市場は420万台と概ね5分の1程度の市場規模 ・2023年の車両生産台数は195万台と予測、約100万台を輸出する東南アジアにおける自動車生産のハブ それでは、実際のEVシフト動向を見ていきましょう。最新の11月におけるタイ国内のバッテリーEVの登録台数については、ズバリ9000台弱とグラフの通り、前年同月比で7倍という歴史上最高の登録台数を更新しました。 また、新車登録台数全体に占めるバッテリーEVのシェア率も、じつに14.8%と、急速なシェア率増加の様子を確認することができます。 実際に、日本をはじめとする主要先進国とのバッテリーEV比率を比較してみても、すでにタイのシェア率は、欧州の主要国と比較して遜色のないレベルにまで到達している様子を確認できます。日本と比較すると、その差がさらに歴然であることも見てとれるでしょう。 次に、このタイ市場で人気のEVについて見ていきたいと思います。トップに君臨したのが、日本でも発売中の中国BYD「ドルフィン」です。続いて、同じくBYD「Atto 3」、中国の新興EVメーカーNetaのコンパクトSUV「Neta V」などが人気となっているものの、ここで注目するべきは、黄色で示されている中国メーカー勢のEVたちの存在です。 この通り、人気車種トップ10のうち、じつに9車種が中国メーカー勢のEVが席巻しています。 また、第9位にランクインしたテスラ「モデルY」についても、現在は中国の上海工場で生産された車両を輸入しているので、タイで人気のEVは例外なくほぼすべて、中国で生産された車両となっているのです。

TEXT:TET 編集部
年間20万台のEVの生産が可能なメガファクトリー! ヒョンデが韓国・蔚山に新EV専用工場を建設

ヒョンデが29年ぶりに韓国で工場を新設 2023年11月13日、Hyundai Motorsは韓国の自動車産業の中心地である蔚山(ウルサン)の複合施設において、電気自動車(EV)新工場の起工式を執り行った。 Hyundai Motorsが韓国国内で工場を新設するのは1996年の牙山(アサン)工場開設以来、29年ぶりだ。 蔚山に建設されるEV専用工場は、54万8000㎡の敷地に年間20万台のEVを生産する能力を有する。本プロジェクトには約2兆ウォン(約15億3000万ドル)が投資された。本格的な建設は2023年の第4四半期に開始され2025年に完了する。車両の量産は2026年の第1四半期に開始される予定だ。 Hyundai Motor GroupのラグジュアリーブランドGenesisの電気自動車SUVが、この工場で生産される最初のモデルとなる。 この工場にはシンガポールのHyundai Motor Group Innovation Center(HMGICS)が開発した、革新的な製造プラットフォームを採用。これにより、施設の将来性を高め、従業員の安全性、利便性、効率性を確保していくという。 また、起工式では蔚山工場の50年を振り返る展示会も開催された。 「The Beginning of a Dream(夢の始まり)」、「The Realization of a Dream(夢の実現)」、そして「Our Dream, Dreams Ever Dreamt(私たちの夢、これまで夢見た夢)」の3つのテーマで構成され、EV試作車「ソナタ(Y2)EV」も展示。 なお、展示会は2024年1月より、蔚山工場文化センターのヘリテージホールにて一般公開される予定だ。

TAG: #EV #工場
電動水素ターボブロア・プロトタイプ(photo=IHI)
TEXT:福田 雅敏/磐城蟻光
燃料電池(FC)もターボチューン……IHIがFC航空機向け「電動水素ターボブロア」を開発[2023.11.16]

燃料電池の“排出ガス”から水素を回収し再利用 大型FCEVトラック/バス向けの転用も期待 【THE 視点】IHIは、水素燃料電池(FC)向けの大容量再循環装置「電動水素ターボブロア」を開発し、実証運転に成功した。 航空機機体製造装置メーカーの三栄機械、そして秋田大学と連携して開発したもので、航空機用FC向けの補機となる。独自開発の「ガス軸受超高速モーター」を採用することで大容量化を達成した。FCから排出される水蒸気の中には未反応の水素がある。「ターボブロア」でそれを大量に回収し、FCの燃料極(負極:アノード)に再循環・再利用でき、発電の効率を上げることができるという。 「ターボブロア」には、独自開発の「ガス軸受」を用いた超高速モーターを採用している。これにより、再循環装置の大容量(高効率)化・小型化・軽量化を同時に実現できた。「ガス軸受」は潤滑油を使用しないため、潤滑油で水素を汚染することもない。 さらに、水素雰囲気中で使用するための密閉構造化や、大容量化に必要なモーター排熱性能の向上(熱によるモーターへのダメージを低減)も行なっている。航空機用として必要な電力出力400kWを超える大型FCの水素再循環は、従来の小容積型ブロアでは複数台並列で運転せざるを得なかったが、「ターボブロア」を採用すれば1台で足りるようになる。 プロトタイプは、そうまIHIグリーンエネルギーセンターおよび秋田大学の電動化システム共同研究センターで特性評価を行なった。その結果、これまで難しいとされていた環境(燃料電池燃料極排気ガスの水素ガス環境や水蒸気を含んだ高湿潤環境)で必要性能が得られることを確認したという。 今後2024年中を目標にFCシステムに乗せて検証を行ない、同じく開発を進めている「航空機推進用大出力電動モーター」、FCの空気供給を担う「電動ターボコンプレッサ」「高磁束プラスチック磁石ローター」と組み合わせ、2030年代のFC航空機の実用化を目指す。ちなみにIHIのFC向け「電動ターボ」は、以前に本欄でも触れているのでご一読いただきたい[詳細はこちら<click>]。 IHIは今回、「この成果は、航空機にとどまらず。今後、大出力化が期待される燃料電池モビリティにおいて、船舶や大型トラックなどの開発にも貢献することが期待される」とも発表した。 今回の「電動ターボブロア」の開発は、FCシステム全体の小型化/軽量化/コストダウンなどに寄与するものとなる。2030年以降とされるFC航空機の開発も加速されるものと推測される。 ただ、忘れてはいけないのが地上面。400kWクラスのFCといえば、大型トラック用としても対応できる。航空機だけでなく大型自動車のFC化も推進されているのは度々報じている。IHIといえば自動車用ターボチャージャーの開発の大手だ。願わくば、上記の表明にもあるようにFCEVトラック/バス、そして乗用車への転用も期待したい。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★トヨタ、欧州で商用バンにEVを追加 ……欧州向けの商用バン「プロエース」にEVモデルを追加する。最大サイズのボディを持つ「プロエース・マックス・エレクトリック」の航続距離は420km(WLTP)となる。 ★★プジョー、新型バン「Eトラベラー」本国で発表 ……スタンダード(全長4.98m)とロング(5.33m)の2つのボディタイプを用意。最高出力100kW(136ps)/最大トルク260Nm(26.5kgm)のモーターを搭載。バッテリー容量は50kWと75kWから選択でき、75kWタイプの航続距離は350kmとなる。 ★「ポールスター4」、2023年末にデリバリー開始 ……ボルボの高級ブランドであるポールスターが、SUVモデル「ポールスター4」の生産を開始した。2023年末に中国のユーザーに出荷し、正式発売は2024年に行なうとのこと。 ★「トヨタ・クラウンセダンFCEV」を都内で展示 ……岩谷産業が運営する「イワタニ水素ステーション芝公園」<港区>内に設置されているトヨタ自動車のFCEVのショールーム「MIRAIショールーム」に、11月15日(水)〜20日(月)の6日間限定で展示する。 ★レクサス、各地域のモビリティショーに「RZ」を出展 ……名古屋/大阪/福岡/札幌の各地域で今後開催が予定されている各地域の「モビリティショー」に、EV専用のSUVモデル「RZ」を出展する。各地域のモビリティショーは、11月23日(木)の「名古屋モビリティショー」を皮切りに、2024年1月まで上記の順で開催される。 ★メルセデス・ベンツがEVで出張整備 ……メルセデスベンツは、ユーザー向けの出張整備サービスをドイツ国内で開始する。使用車両は小型バンの「eヴィト」。簡単な修理や車両確認などに対応するという。 ★茨城県阿見町のアウトレットにEV充電器 ……ユビ電は「あみプレミアム・アウトレット」にEV充電器を設置した。11月14日よりサービスを開始している。最高出力6kWタイプの普通充電器を10基導入し、任意の時間設定で買い物中に利用ができる。 ★パワーエックス、新規電力事業を開始 ……法人向けの電力事業「X-PPA」を開始する。日中の太陽光発電で蓄電池に電力を貯め、夜間にその電力をオフィスビルや商業施設に販売する。2024年夏頃に東京電力エリアで15MW(メガワット)の供給を行なう。 ★パナのEV充電インフラをOKIが保守 ……パナソニックとOKI(沖電気工業)がEV充電サービスで提携した。パナが展開するEVチャージャーのシェアリングサービス「エブリワ・チャージャー・シェア」のインフラ設備の保守・運用サービスをOKIが行なう。 ★郵便局に大型蓄電池 ……パワーエックスと日本郵政は、カーボンニュートラル社会の促進に向けて協業に合意した。大型蓄電池を郵便局に導入し電力最適化サービスを展開するほか、再生可能エネルギーの利用促進も図る。 ★スポーツEV「アイオニック5ドリフトスペック」が「ラリージャパン」で見られる ……ヒョンデモビリティジャパンは、「フォーラムエイト・ラリー・ジャパン2023」<愛知県豊田市周辺/11月16日(木)〜19日(日)>に展示ブースを構える。イギリスのラリーイベント「グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード」で公開されたスポーツEV「アイオニック5 N」と「アイオニック5・ドリフトスペック」を出展する。 ★オペル、シリーズハイブリッドモデルを発表 ……発電用にガソリンエンジンを積んだ2モーター式AWDのシリーズハイブリッドモデル「GSe」を発表した。設定されるモデルは「アストラ」「アストラ・スポーツツアラー」「グランドランド」となる。 デイリーEVヘッドライン[2023.11.16]

TAG: #THE視点 #テクノロジー #燃料電池(FC)
マンの新型EVトラック(photo=マン・トラック&バス)
TEXT:福田 雅敏/磐城 蟻光
ドイツで高性能EVトラック続々登場……マン、航続800kmの「eTGX/eTGS」発表[2023.11.15]

最高740ps・4速トランスミッションを搭載でディーゼル車に追いつくか 2030年には2台に1台がEVトラックになると自信 【THE 視点】ドイツに本拠を置く大手トラックメーカーのマン・トラック&バスは、新型EVトラック「eTGX」「eTGS」を発表した。 「eTGX」は長距離輸送向けのモデルで、「eTGS」は一般的な流通向けのモデルとなる。それぞれトレーラーヘッドも含めて2軸〜3軸のボディ・シャシーが用意され、早ければ2024年から納入を開始する。すでに600件の注文や問い合わせがあり、2025年からドイツ・ミュンヘンの工場に生産を拡大するという。 搭載するモーターは、最高出力245kW(333ps)・最大トルク800Nm(81.6kgm)/同330kW(450ps)・同1,150Nm(117.3kgm)/同544kW(740ps)・同1,250Nm(127.5kgm)の3種類。モデルにより2速または4速のトランスミッションを備える。 バッテリーの搭載量も調整可能。モジュラー式のバッテリーパックを使用しており、3パック〜6パックの間で選択できる。1パック80kWhの容量で、最大の6パック搭載版の航続距離は最大800kmとなる。ちなみにバッテリーや駆動ユニットなどが発する熱エネルギーをキャビン内の空調に活用し効率を向上するシステムも搭載している。 充電関係は、現状は「CCS規格」に対応した最高出力375kWの急速充電が可能。しかし将来的にはメガワットの充電に対応予定とのこと。販売開始時には750kWに対応しその後1MW(メガワット)まで増強することを計画している。 問題は充電拠点だが、マンはダイムラー・トラックなどと共に充電インフラの合弁会社を設立しており、欧州全土の高速道路・物流ハブに高性能充電スポットを1,700ヵ所設置するという。業界をあげて商用EV向けの超急速充電インフラを拡充・増強していく構えだ。 「eTGX」および「eTGS」は、従来のディーゼルエンジンのトラックと同様のシャシーのバリエーションと走行性能を備えていると言える。メガワットの超急速充電に対応するなどEVトラックの普及に本腰を入れ「2030年にはトラック2台のうち1台がEVになる」とも表明している。 先日、ダイムラートラック傘下のメルセデス・ベンツ・トラックも、120万kmの耐久性能を持つEVの「eアクトロス」を発表している[詳細はこちら<click>]。ドイツ全体でトラックのEV化を推進していることが窺え、「2台のうち1台がEV」という表明は絵に描いた餅とはならなさそうだ。ドイツは、夢物語ではなく計画的に物流の電動化を図っている。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ホンダ、米オハイオ州にバッテリー研究センター ……ホンダのアメリカ法人アメリカン・ホンダ・モーターは、オハイオ州にバッテリーセルの研究センターを設置する。センター開設にあたり、同州とパートナーシップを結んだ。 ★★フォーミュラE東京大会が来年以降も継続へ ……フォーミュラEアソシエーションは、2025年シーズンの同選手権に東京大会を組み込むことを目指していると発表した。日程は5月17日を希望している。 ★スズキとエリーパワーがパートナーシップを強化 ……大型リチウムイオンバッテリーと蓄電システムを手掛けているエリーパワーに100億円の追加出資を行ない筆頭株主となった。業務提携のうえモビリティに活用するバッテリーを共同開発する。 ★塩湖がリチウムの生産拠点に!? ……住友金属鉱山は、南米の塩湖かん水からリチウムを回収する技術の確立に挑戦する。2023年中に南米チリで実証実験を行ない、リチウム資源の安定調達や金属資源の有効活用などを目指す。 ★独シュトゥットガルト空港で完全自動駐車実装へ ……メルセデス・ベンツは、自動駐車機能「インテリジェント・パーク・パイロット」が実装準備に入ったと発表した。ドイツ・シュトゥットガルト空港の駐車場P6で機能が使えるようになる模様。搭載車種は「EQE SUV」「EQS SUV」など。 ★大阪ガスがEV充電とエネマネの統合サービスを開始 ……大阪ガスの子会社Daigasuエナジーは、業務用・工業用顧客向けのサービス「D-Charge」を開始した。EV充電とエネルギーマネジメントを組み合わせ、充電時間をずらすピークカットやピークシフトなどを活用し、効率的なEVの充電・運用に繋げるサービスとなる。 ★草津温泉で「日産・サクラ」のカーシェア ……GNホールディングスと草津ホテル1913が協業し、「草津ホテル」<群馬県草津町>を拠点にEVのカーシェアリングサービスを開始した。導入車両は「日産・サクラ」。 ★沖永良部島にEV充電器 ……DMM.comは、鹿児島県沖永良部島にある知名町と和泊町にEV用充電器を導入する。6kWタイプの普通充電器を2024年度中に設置する。 ★ヒョンデ、自動車生産を改革へ ……「ヒョンデモーターグループ・シンガポールグローバルイノベーションセンター」を開設した。ベルトコンベア生産を脱した先進的な次世代生産方式を導入するという。 デイリーEVヘッドライン[2023.11.15]

TAG: #EVトラック #THE視点 #ニューモデル
フォーミュラE2023年シーズンより(photo=ポルシェ)
TEXT:福田 雅敏/磐城 蟻光
「東京ビッグサイト」がサーキットに……「フォーミュラE」東京大会のコースが決定[2023.11.14]

交通への影響を最小限に抑えたと見えるコースレイアウト マシンの充電にはグリーン電力も積極的に活用してほしい 【THE 視点】フォーミュラEアソシエーションは、「フォーミュラE」の東京大会「Tokyo E-Prix」<2024年3月30日開催>のコースレイアウトを正式発表した。「東京ビッグサイト」<江東区>周辺の公道と港湾施設を利用。全長2.582kmでコーナー数は18ヵ所のレイアウトとなる。 コースの特徴は長いストレートが3本あることと、ターン1から8にかけてタイトなコーナーが連続する点であろう。「フォーミュラE」はピットインがなく電池残量との戦いでもあるため、ストレートを飛ばしすぎると電力を使いすぎてチェッカーを受けられない可能性が出てくる。 そのため、ストレートでは電車のように1列に隊列を組んで、お互いに空気抵抗を減らしながら走るシーンが見受けられるのだが、その代わりコーナーが続くセクションでは追い抜きが頻繁に行なわれる。今回の東京大会のコースは、ホームストレート後の1コーナーから90度コーナーが連続するようなレイアウトのため、この辺りでのバトルが熾烈になるのではないだろうか。ホームストレートからのブレーキング勝負は見ものだろう。 東京史上初めて、レースのために公道を封鎖するという点もトピックだ。今回のコースレイアウトを見るに、公道を使用するのは「東京ビッグサイト」周辺の一部にとどまった。この辺りは乗用車よりもトレーラーや港湾関係車両が多く走る道だ。 市街地戦なのでもっと公道を多めにと思うかもしれないが、ただでさえ大混雑している東雲付近の公道を大規模に止めるとなれば大混乱は必至だ。それを考えると今回のレイアウトは妥当ではないだろうか。「東京ビッグサイト」も関連施設として活用できそうである。 気になるのは電力関係の設備だ。およそ20台のマシンとはいえ、その辺の電柱から電気を引っ張るわけにはいかない。各ピットに専用の充電設備が必要になるはずだが、そのインフラをどう構築するかも気になるところ。また、その電力にどれほどの再生可能エネルギーを活用するのかも注目している。限りなくCO2排出ゼロに近づけたレースとなってほしい。 東京の市街地を封鎖しての開催とは歴史的な行事であるが、これも音が静かで排ガスも出ないEVだからこそ実現できたものであろう。高回転のエンジン音に酔いしれながらレースを見るのも良い。しかし、東京臨海部の潮風に吹かれながら静かにレースを観戦するのも悪くはないと思う。当日は是非とも現地観戦したいものだ。 そういえば先日、お台場にレーシングチームのトムスが運営するEVカートのサーキットが完成した[詳細はこちら<click>]。お台場近辺が、ZEV(ゼロ・エミッション・ヴィークル)モータースポーツの“聖地”となったら面白い。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ボルボ、EVミニバン「EM90」を発表 ……かねてから登場を予告していたEVのMPV「EM90」が発表された。「トヨタ・アルファード」のような豪華ミニバンタイプで、特にセカンドシートは旅客機のビジネスクラスのような仕様となっている。まずは中国に導入されるという。 ★★世界最高加速度のハイパーEV日本見参 ……0-60mph(約96.6km)加速1.72秒、最高速度413km/hのハイパーEV「アスパーク・アウル」が、大阪にあるアスパーク本社(エンジニアリング人材サービスを展開する企業)に展示される。販売価格は290万ユーロ(約4億7,000万円)。 ★アウディ、屋久島でEVのレンタカーを開始 ……アウディの正規販売店を運営するファーレン九州は、鹿児島県屋久島町で「e-tronレンタカーサービス」を11月14日より開始する。導入車両は「e-tron」と「e-tronスポーツバック」各1台。 ★薄型の公共用急速充電器が発売 ……新電元工業は、最高出力50kWの「CHAdeMO」対応急速充電器「SDQCシリーズ」をリニューアルした。奥行350mmの薄型ボディが特徴。公共充電カードはもちろん様々な充電サービスに対応できるという。 ★リチウムイオン式を超える密度をもつバッテリーが実現か ……東京理科大学は、ナトリウムイオンバッテリーやカリウムイオンバッテリーに使用するための「ハードカーボン」の合成に成功した。両方のバッテリーの負極材として優れた特性を示し、リチウムイオンバッテリーを超える312Wh/kgのエネルギー密度を達成したという。 ★法人向けの「エネオス・チャージ・プラス」にロードサービス ……「EV駆け付け充電サービス」を展開するプレステージインターナショナルが、「エネオス・チャージ・プラス法人充電カード」の付帯サービスとして展開する。提供開始は11月13日から。 ★充電スポットの撮影・投稿でNFTゲット ……駐車場検索アプリの「ヴィーモ」は、EV充電スポットのレビューキャンペーンを開始する。写真付きでレビューを投稿すると、先着30名にNFT(非代替性トークン)の一種である「SBT」(ソウルバウンドトークン)をプレゼントする。応募期間は2月13日まで。 ★“水素再利用ターボ”の実証に成功 ……IHIは、航空機向け燃料電池(FC)用の「電動ターボブロア」を開発した。FC内の未反応の水素を回収し再循環する装置で、これまで困難だった高湿潤環境での性能を実証したという。 デイリーEVヘッドライン[2023.11.14]

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東北自動車道・西那須塩原ICと「那須千本松牧場」(photo=磐城 蟻光)
TEXT:福田 雅敏/岩城 蟻光
降りて2分で爆速チャージ……パワーエックス、「西那須塩原IC」近くに150kWの充電器[2023.11.13]

10分の充電接続で130km分の電力を充填可能 高速道路の「充電退出」を見越したインフラ 【THE 視点】パワーエックス は、ホウライが運営する「那須千本松牧場」<栃木県那須塩原市>に、最高出力150kWのEV充電スポット「那須千本松牧場チャージステーション」を2023年12月にオープンする。 同社初の「経路充電拠点」となるステーションで、東北自動車道・西那須塩原ICから2分の場所に位置している。ICからアクセスも利便性も高い充電スポットと言えよう。東北方面や首都圏へのアクセスのための利用はもちろんだが、那須周辺の観光スポットに訪れる際の利用にも適している。 ステーションは「那須千本松牧場・第1駐車場内」に導入される。蓄電池式の超急速EV充電器「ハイパーチャジャー・スタンダード 」1基を導入。充電規格は「CHAdeMO」に対応し、2台の同時充電が可能で24時間営業となる。2023年12月中の運用開始を予定している。 最高出力150kWの速度は相当なもので、10分の充電時間で130km分を充填可能だ(対応車種は要確認)。専用アプリを使用し事前予約をすれば、待ち時間なくスムーズに充電が出来る。一般の急速充電器にある「充電1回30分まで」という規制(30分ルール)はなく、最大60分まで充電接続が可能。電欠ギリギリで充電を開始しても十分な量を回復することができるだろう。 パワーエックスは超急速充電器の設置に積極的だ。アウディの正規ディーラー「アウディ八王子」や[詳細はこちら<click>]、東京・南青山と目黒のビル駐車場にも導入済み[詳細はこちら<click>]。今後2023年末までに「新丸の内ビルディング」や「成田空港第1ターミナル」などを含む約10拠点のチャージステーションを拡大する予定である。 以前本欄でも紹介したが、経産省が主導するEV用充電器の設置に関する今後の計画の中で、超急速充電設備の拡充や、充電のための高速道一時退出を許可する制度の構築を打ち出している[詳細はこちら<click>]。 今回のパワーエックスの発表は、経産省の指針や制度変更などを見越したものと見て間違いないだろう。西那須塩原ICから2分の位置で「30分ルール」がなく最高150kWの急速充電ができるのは画期的。さらに言えば、パワーエックスは従量課金制の導入といった新たな運用方式を採用している。充電インフラの新機軸を構築しようと勢いづいているように映る。 近年のEVは、航続距離の延伸とともにバッテリーの搭載量(容量)が増えてきている。「充電には時間がかかる」というイメージを崩すためにも、パワーエックスの今後の展開を応援したい。 (福田 雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★「ウーバー・ハイヤー」にテスラ車 ……ウーバージャパンは、タクシー企業の日の丸交通と連携し、アプリからハイヤーを配車できる「ウーバー・プレミアム」を11月10日より開始する。車両タイプが選択可能で「プレミアムEV」に「テスラ・モデルY」を導入する。 ★「MINIカントリーマン」の生産が開始 ……BMWのライプツィヒ工場で、SUV型の新型EV「カントリーマンSE・オール4」の生産を開始した。同工場は、BMWの「i3」の生産も担った歴史を持つ。 ★硫酸化物固体電解質の新しい生産技術の開発に成功 ……AGC(旭硝子)は、車載用全固体電池の材料として有力視される「硫化物固体電解質」の新生産技術の開発に成功した。ガラスと化学の技術を融合させた独自の溶融法を確立したという。 ★オペル、新型商用EV「コンボ・エレクトリック」を発表 ……小型の商用EVバンとなる。最高出力100kW(126ps)のモーターを搭載し、航続距離は330km(WLTP値)。100kWの急速充電に対応し、バッテリーの電力を30分で80%まで回復が可能。 ★宮古島にEVトゥクトゥク ……旅行会社のH.I.S.は、3輪の自動車「EVトゥクトゥク」のレンタルサービス「エモビ」を沖縄県久米島・宮古島に導入する(11月15日から)。サービス拠点は「リゾートホテル久米島アイランド」と「ウォーターマークホテル&リゾート沖縄宮古島」の2ヵ所。料金は3,000円/時から。 ★「人力シリーズハイブリッド」のEVバイクが特許 ……ペダルで発電機を回しモーター・タイヤを駆動するエンネの特定原付「T250」が特許の登録を完了させた。自転車型のEVバイクで、バッテリーによるEV走行のほか、ペダルで発電機を回しモーター・タイヤを駆動するユニークな機構を持つ。 デイリーEVヘッドライン[2023.11.13]

TAG: #THE視点 #充電インフラ #超急速充電器
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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小型化・充電時間短縮・コスト削減を可能にする! 日産が建設中の全固体電池パイロット生産ラインを公開
レクサスが世界最大のデザインイベント「ミラノデザインウィーク2024」に出展! EVコンセプトカー「LF-ZC」にインスパイアされた2作品を展示
70.5kWhの高電圧バッテリー搭載で一充電走行距離は591kmに延長! メルセデス・ベンツが新型EQAを発売
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コラム
イケイケだったテスラに何があった? イーロンマスクが1.5万人規模のリストラを発表!
固体電池を早くも実用化! 中国のEVセダンは競争激化で「価格も航続距離も性能も」驚異的な世界に突入していた
日産が発表した中期経営戦略! 2026年に100万台の販売増加を打ち出した「The Arc」に立ちはだかるハードル
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インタビュー
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
災害に強いクルマは「PHEV+SUV+4WD」! 特務機関NERVがアウトランダーPHEVを選ぶ当然の理由
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試乗
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
誰もが感じる「ポルシェに乗っている」という感覚! ポルシェはBEVでもやっぱりスポーツカーだった
佐川急便とASFが共同開発した軽商用EV「ASF2.0」に乗った! 走りは要改善も将来性を感じる中身
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イベント
レース前に特別に潜入! フォーミュラEに参戦する日産チームのテント内は驚きと発見が詰まっていた
日産がフォーミュラE「Tokyo E-Prix」開催前スペシャルイベントを開催! 六本木ヒルズアリーナに1夜限りのサーキットが出現
全国約30カ所を巡る! BYDが展示&試乗イベント「Hello! BYD Caravan」を開催
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