インタビュー
share:

電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来


TEXT:遠藤正賢 PHOTO:増田貴広/ロータス
TAG:

ロータスのロータスのアジア太平洋地区担当CEOにインタビュー

2017年に中国のジーリーホールディングスグループ傘下となって以降、BEVラインアップの拡大、そしてグローバルでの市場拡大を急速に進めているロータス。

グループ・ロータスのアジア太平洋・中東・アフリカ担当社長兼CEO、ダン・バーマー氏が来日し、BEVメーカーに生まれ変わろうとしている今後のロータスについて本誌に語った。

グループ・ロータスのアジア太平洋・中東・アフリカ担当社長兼CEOのダン・バーマー氏

──2017年にジーリー傘下となって以降、どのようなシナジー効果が得られたとお考えですか?

バーマー:ジーリー社がロータス社の最大の株主となりましたが、ジーリー社はロータス社のブランド、歴史、伝統を保ちたいという自立性をよく理解してくれています。同時にロータスとしてはジーリーの技術や投資、リソースを活用できるような関係性となっています。

ジーリーはボルボやポールスターもそうですが、それぞれのブランドのアイデンティティを損なうことなく成長させることに成功しています。我々としても、ブランドとしていままでの伝統、歴史を損なうことなく、継続的な成長が達成できると確信しています。

そしてロータスとして、経営面だけではなく事業全体でグローバルな体制を整えており、ルーツはイギリスですが、現在は真のグローバルブランドとして成長しています。

──ロータスが電動化へと大きく舵を切った理由を改めて説明していただけますでしょうか?

バーマー:我々としては、世界中で起きている電動化の動きを十分に認識しています。たとえばテスラやルシッド、リヴィアンなど、中国でもNEV(新エネルギー車)を含めて多くのスタートアップが起業しています。

ですが、ロータスとしては、我々の伝統や歴史、ストーリー性を絶対に失いたくありません。そこで何ができるかというと、大きいクルマ、SUVやGT=スポーツセダンが、パッケージ的にも車格的にも電動化にふさわしいと考えています。

ロータス・エレトレのフロントスタイリング

とくにここ5年間ほどはSUVの電動化が進んでいるので、成長がもっとも大きいその市場において、マーケット性があるクルマを作りたいということで、エレトレを開発してきました。

──電動車の販売動向は?

バーマー:電動車に関しては、エレトレの日本仕様をすでに発表していますが、まだ路上で見かけることはないと思われるものの、今年の後半には徐々に増えてくると思います。

ほかの地域でも販売は進めていますがまだ早期の段階で、ひとついえるのは、韓国では今後どんどん導入が進むのではないかということです。タイやマレーシアでも非常に大きな反響を得ていますね。

──日本市場のユーザーやファン層がロータスに求めるものは、ほかの市場とどのように異なるのでしょうか?

バーマー:日本のお客さまはイギリスのお客さまと似ていて、ドライビングを楽しみたいという方が多いですね。道路も似ていて、たとえば箱根のような非常に運転が楽しめる道が多くあります。ですから走行性能やドライビングプレジャーを重視しているお客さまが多いと思います。

ロータス・エミーラの走行シーン

一方、我々の新しいBEVはコネクティビティ、オンラインナビ、リモート機能をふんだんに装備していますので、日本のユーザーにも技術的アピールができると思います。過去のロータス車にはそれらが決してありませんでしたので、最新の技術に魅力を感じてロータス車をご検討いただけるお客さまは今後増えていくと考えています。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本は3年連続「日産サクラ」がトップ! じゃあ中国・欧州・アメリカで一番売れてるEVってなにか調べてみた
電気自動車って「お金的に」得? エンジン車と諸々の費用を比べてみた
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
more
ニュース
新型エルグランドがいよいよe-POWERで登場!? 「EVの雄」日産のジャパンモビリティショー2025は電動モデルが盛り盛り
トヨタの新型モビリティでお台場周辺が一気に便利になる! 「eパレット」と「C+walk」が街全体の活性化にも貢献
ホンダがカーボンニュートラル実現に向け二輪の電動化を加速中! 欧州でネイキッドモデル「WN7」を発表
more
コラム
なぜBYDは軽EVを日本に導入するのか? 現在じゃなく未来を見据えた周到な戦略とは
現時点のEVの頂点ってどのクルマ? パフォーマンスのTOP10を並べたら2000馬力だの400km/hだのインフレがヤバすぎた!!
これまでクルマ酔いしなかった人でも酔う! 「EV酔い」はなぜ起こるのか?
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
ダイハツ「ミゼットX」はただの軽貨物車じゃない! ママチャリに代わる大発明モビリティだ【ジャパンモビリティショー2025】
生活に寄り添う電動モビリティがてんこ盛り! ジャパンモビリティショー2025のスズキのブースは楽しいぞ
EVだけじゃなく水素でも世界をリードする! 「ヒョンデ」がジャパンモビリティショー2025で新型ネッソを本邦初公開
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択