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期待度MAXの国産新型BEV2台! トヨタbZ4Xと日産リーフを比べてみた


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/トヨタ自動車/TET編集部
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国産EVが同じタイミングで新型に!

トヨタがモデルチェンジを行った新型bZ4Xと同じタイミングで導入された新型日産リーフにはどのような違いがあるのか、日本国内で購入できる最新電動SUVがどれほどのコスト競争力を実現しているのかを詳細に比較分析します。

まず新型bZ4Xでは内外装デザインを刷新しつつ、バッテリーやモーターなども改良することで、ベースのEV性能を高めてます。航続距離は最長746kmと、日本メーカーの発売するEVとしては最長航続距離を実現しながら、急速充電の安定性でもバッテリープレコンディショニングシステムを実装することで、マイナス10度という環境下でも、平温時と同等の充電性能を実現可能となりました。また、新型bZ4Xの電費性能はモデルチェンジ前と比較して大幅に向上しています。これは、シリコンカーバイドを採用するリヤインバーターに切り替えたことで、電力損失を大幅低減されたことがプラスに働いています。

トヨタbZ4X

そして74.7kWhグレードの値段設定を据え置きしながら、その上で57.7kWh搭載エントリーグレードは480万円からと、約70万円もモデルチェンジ前のモデルと比較して、値下げしています。この金額は、CEV補助金を活用すれば実質390万円で購入可能となり、これはトヨタのSUVであるハリアーと同等の値段設定です。

その一方で、このSUVセグメントに同じタイミングで日本に投入されたのが、新型の日産リーフです。まず車両サイズについて、bZ4Xは全長4690mm、全幅1860mm、ホイールベース2850mmというミッドサイズ級に該当するものの、リーフは全長4360mm、全幅1810mm、ホイールベース2690mmと、コンパクトセグメントに分類されます。

日産リーフ

なので、bZ4Xと本来比較検討するべきは、リーフではなくアリアのほうであるという点は、念の為お伝えしておきます。ちなみに、日産は2025年度末までにアリアのモデルチェンジを行う方針を示しており、その新型アリアの進化度にも注目が集まるはずです。

さて、この同じタイミングで出た両車種ですが、まず注目すべきはグレード構成です。bZ4Xとリーフはどちらも似通った2種類のバッテリー容量をラインアップしています。その一方で日本WLTCモードにおける航続距離はbZ4Xが746kmに対してリーフは702kmとbZ4Xがリード。とくに電費性能について、bZ4X Zグレードが113Wh/kmであるのに対して、リーフB7 Xグレードが130Wh/kmと、bZ4Xが一歩リードしている点も見逃せません。

トヨタbZ4X

また充電性能は両車種ともに最大150kWという同等の充電性能であるものの、充電時間はbZ4Xが28分とややリード。とはいえbZ4Xに対する懸念点として、1日4回の急速充電回数制限の問題が挙げられます。新型モデルから急速充電回数制限の撤廃を行ってきているのかは、とくに長距離走行性能が重要視される欧米市場において気になる動向と言えそうです。

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