EVヘッドライン
share:

最新鋭のEV消防車「ローゼンバウアーRT」が「東京国際消防防災展2023」にて日本公開[2023.06.19]


TEXT:福田 雅敏、ABT werke PHOTO:福田 雅敏
TAG:
ローゼンバウワーRT(photo=福田雅敏)

総合出力490psの2モーター式AWDに4WS機構を搭載
世界で導入実績のあるEV消防車の日本導入に期待

【THE 視点】6月15日(木)~18日(日)まで「東京国際消防防災展2023」が東京ビッグサイト<東京都江東区>にて開催された。本年はEVの防災車両が展示されると聞いて訪れた。そこでひときわ存在感があったのが、オーストリアの「Rosenbauer(ローゼンバウアー)」(輸入元:帝国繊維)のEV消防車「RT」だ。ユニークな機構を備えていたので、この場にて紹介する。

「RT」のデザインは、ローゼンバウアーが手がけたオリジナルもので、無駄のない直線的なデザインは特殊車両ならではのものだが、日本のデザインにはない雰囲気がある。

ボディサイズは全長7,600×全幅2,350×全高2,900mm。最高出力180kW(245ps)のモーターを前後に搭載した全輪駆動で、電圧650V・最大容量132kWh(66kWh×2)のバッテリーを装備する。ちなみにパワーユニットはボルボ製だ。

車体は大柄だが、4WS(四輪操舵)機構を持つため小回りが効く。デジタルミラーも採用され先進的。ノンステップのドアのため、スピーディな乗降が可能だ。

なお、本車両はEVと発表されているが、実はバックアップ用として、最高出力225kW(306ps)のディーゼルエンジンの発電機を持つプラグイン式のシリーズ型HV(PHEV)である。緊急作業は長時間に及ぶこともあり、この巨体が電欠になってしまってはどうしようもない。他車からのバックアップを要するようでも、現場では混乱が生じるだろう。このパワートレインの採用は、むしろ必然と考える。

消火能力も十分で、水タンクの容量は 1,000L〜4,000L、泡タンクの容量は50L〜400L。通常ポンプと、常圧・高圧併用ポンプの両方が使用可能となっている。利用可能なすべてのポンプは、電気モーターを介してバッテリー電源のみで動作するのだが、特に長時間の動作の場合は、エネルギーバックアップシステムを介してディーゼルエンジンで動作することもできる。

メーカーの本国オーストリアのウイーンをはじめ世界各国で11台以上が稼働しているという「RT」。輸入元の帝国繊維では、日本への導入は検討中とのこと。ひときわ存在感のあるEV消防車だが、その力強い見た目通りの活躍を、日本でもしてくれるだろう。導入先があることを期待したい。

なお、「東京国際消防防災展2023」にはこの他にもEVの緊急車両の展示が多数あった。別途レポートを展開するので、ぜひご覧いただきたい。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)

★★ロータス、SUVの新型EV「エレトレ」を日本で予約開始……0〜100km/h加速は2.95秒(エレトレR)、最大航続距離は600km(エレトレS/WLTP値)詳細はこちら<click>

★★横浜ゴム、「三菱ふそう・eキャンター」に「RY01C」が純正採用……高い耐摩耗性と転がり抵抗の低減を両立した小型トラック向けタイヤ

★★メルセデス・ベンツ、EVスーパースポーツのコンセプト・マシン「ヴィジョン・ワン・イレブン」を公開……古のコンセプト・カー「C111」をオマージュ

★みずほリース、EV関連事業を強化……EVの管理・運用ソリューション企業の「モーション」と連携

★小澤征悦(俳優)が「BMW i7 M50 xDrive」に試乗……J-WAVEの番組「BMW FREUDE FOR LIFE」にて感想を放送<6月17日(土)・24日(土)>

★横浜ゴム、「パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム」に出場する「テスラ・モデルS」に「アドバンA005」を供給……サステナブル素材を33%使用しながらグリップは従来と同等

★アウディ、「Audi RS e-tron GT Tyrol Alps Tour」を開催……8月07日〜11日でドイツとオーストラリアをツーリング、6月16日(金)〜25日(日)まで参加受付

★ニデック(旧日本電産)、空飛ぶクルマ事業へ参入……ブラジルの航空機メーカー「エンブラエル」と合弁会社を設立へ

デイリーEVヘッドライン[2023.06.19]

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
いすゞがピックアップトラック「D-MAX」にBEVを用意! バンコク国際モーターショーでワールドプレミア予定
more
ニュース
日産からセダンのEVが出るぞ! 中国向け車両「N7」を初公開
過酷なダカールラリーで排気量998㏄の「水素小型エンジン」を鍛える! HySEが2025年の参戦を発表
コレクターズアイテムになること間違いなし! 「FIAT × ルパン三世」のクリスマスコラボプレゼントを実施中
more
コラム
自宅で充電できないけどEVを買う人が増えている! ただしいまのインフラ状況だと「セカンドカー」で乗るのが正解
充電が無料でできる施設は税金のムダ遣い? 地方自治体の取り組みの是非を考える
EVの走りはむしろ好き! エンジン車も同時に所有! それでもEVライフを終了した理由をオーナーが激白
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
EV専業の「テスラ」とEVに力を入れる従来の自動車メーカー「ヒョンデ」! モデルYとコナを乗り比べるとまったく違う「乗りもの」だった
more
イベント
外からもまる見えな全面ガラスドアも高齢化が進む地域のモビリティとして最適!? タジマの超低床グリーンスローモビリティ「NAO2」が斬新すぎた
EVはレアメタルが詰まった都市鉱山! CEATEC2024でBASC展示が提唱するサーキュラーエコノミーというバッテリーとは
畳めるバイク! 階段を上り下りできるカート! 自由な発想のEV小型モビリティが作る明るい未来を見た!!
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択