EVヘッドライン
share:

ステランティスが2023年後半に新型商用EV「ラム・プロマスターEV」発表、大型契約も[2023.06.16]


TEXT:福田 雅敏、ABT werke
TAG:

「フィアット E-デュカト」の兄弟車がアメリカの配送業者から1万2,000台の受注
信頼と実績ある商用EVの導入を日本企業も検討すべき

【THE 視点】ステランティスは、商用バンの新型EV「ラム・プロマスターEV」を2023年後半に発表する。また、アメリカの配送企業「Merchants Fleet」と、1万2,500台の納入を契約したと発表した。アマゾンなどへの納入も計画されている。

「ラム・プロマスターEV」は、ステランティスとラムブランドが北米で展開する初のEVバンである。「プロマスター」のベースは、同じステランティス傘下にあるフィアットの「デュカト」で、こちらのエンジンモデルは日本への導入が始まったばかりだ。

ステランティスは、「デュカト」を商用車の世界戦略車と位置付けているようである。本国イタリアでは、EVモデルの「E-デュカト」が発表済みで、「ラム・プロマスターEV」は、その北米仕様と考えられる。

「ラム・プロマスターEV」のスペックは発表されなかったが、参考までに「E-デュカト」の仕様は、最高出力90kW(122ps)/最大トルク280Nm(28.6kgm)を発生するモーターが搭載され、バッテリーは最大容量47kWhと79kWhの2つのタイプが用意されている。ちなみに、47kWhタイプの航続距離は最大170km(WLTPサイクル)、79kWhのバッテリーは最大280kmとなり、30分の充電で100kmの走行が可能だ。

今回、ステランティスは「Merchants Fleet」に1万2,500台の納入というまとまった台数の契約をした。宅配を中心に使われるはずだ。

「プロマスターEV」と「E-デュカト」は、「フルゴネット・バン」に分類されるが、日本ではメジャーではないカテゴリーだ。両車が日本に導入されれば、宅配を中心にきっと引き合いがあるはずだ。

日本でも、大手配送企業数社が中国新興系の軽商用EVを数千台規模で契約しているが、納車・実装したという話が一向に聞こえてこない。恐らくは製造上の問題で遅れているのだろう。

しかし、「E-デュカト」はイタリアにて実績がある車両で、兄弟車である「プロマスターEV」のアメリカでの納車もスムーズに進むと思われる。日本においても、中国新興系の安価なEVを開拓するもの良いが、信頼と実績のあるメーカーの車両を導入するのも手で、そのほうが顧客からの信頼も得られよう。「E-デュカト」および「プロマスターEV」を、ぜひ日本でも正規販売をしてほしい。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)

★★モリタ、EV消防車「メビウス・コンセプト」を日本初公開……「東京国際消防展2023」<東京ビッグサイト(東京都江東区)/6月15日(木)〜18日(日)>にて、独自開発のEV専用ポンプシステムなど搭載

★★トヨタ、「レクサス充電ステーション」を初開設……「東京ミッドタウン日比谷」<東京都千代田区>内にて、レクサスオーナー専用のステーション

★★EVモーターズ・ジャパン、大阪市高速電気鉄道と100台の路線型EVバス(小型・大型)を納入契約……2025年開催の「大阪・関西万博」にて運用予定

★ボルボ、「EX30」の実車が日本初公開……ボルボスタジオ東京<港区南青山>にて、小型SUVの新型EV[詳細はこちら<click>

★オペル、2024年に全モデルに電動パワートレイン車を設定(ハイブリッド含む)……小型SUVの新型EVも登場予定

★ボグゾール、「アストラ・エレクトリック」の価格を公表……3万9,995ポンド(約714万円)から、2023年夏後半より納車開始

★ダイムラー、ドイツ・ベルリンに最新鋭のバス専用サービスセンターを開設……4台のEVバスを最高出力150kWで同時充電、FCEVバスへの対応も予定

★GM、商用EVのバン「ブライトドロップ Zevo600」をフェデックス・カナダに納入……50台を引き渡し

▲リコール▲「プジョー E-208」、電動パワートレインECUに不具合……セーフモードにより走行停止のおそれ

デイリーEVヘッドライン[2023.06.16]

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
BYDの売り上げ鈍化に注目しても意味なし! むしろ心配すべきはテスラか? BYDは利益率も投資額も驚くべき水準だった
more
ニュース
地元の再生可能エネルギーを使って小田原・箱根を駆け巡ろう! BYD ATTO 3とドルフィンがカーシェアリングサービス「西湘・足柄レンたび」に登場
2025年大阪・関西万博開催へ向けてラストスパート! EVモーターズ・ジャパンが大阪メトロに小型乗合EVバスを28台納車
マンションの機械式駐車場にもEV用充電器を! ユビ電とファムが集合住宅における充電問題解決へ向けて大きな一歩を踏み出した
more
コラム
まるでペットのようにゴミ収集車が人についていく! 三菱ふそうの自動運転技術にビックリ!!
「日本の急速充電器って遅くない?」にちょっと待て! 「急速充電器=ガソリンスタンド」という考え方自体を変えるべき
150kWの高出力を謳っているのに2台同時に充電したら90kW程度しか出ない! 日本の「EVの急速充電器」の謎
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
子どもに大人気の電動バギーに大迫力のエアロキットや色が変わるフィルムまで登場! 大阪オートメッセのEV関連出展物はどれもユニークすぎた
大阪は電動モビリティも元気いっぱい! ヒョンデの超注目EVにスズキ初の電動モペットなど見どころたくさん
小型3輪モビリティはカッコかわいいだけじゃない! 造船会社ならではの超絶クオリティで魅せるe-NEOの「NEO-ONE」&「NEO-Light」【大阪オートメッセ2025】
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択