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モリタ・メビウス・コンセプト(photo=福田 雅敏)
TEXT:福田 雅敏
消防にも電動の波……「東京国際消防防災展」にて国内大手「モリタ」がEV消防車を初公開

5年ぶり開催の消防展は電動化が目立つ展示内容 日本最大級の消防・防災に関する展示会「東京国際消防防災展2023」(主催:東京消防庁/東京ビッグサイト/東京国際消防防災展2023実行委員会)が、6月15日〜18日に東京ビッグサイト<東京都江東区>にて開催された。 本イベントは5年に1度のペースで開催されており、今回は11回目となる。出展数は、前回を上回る325社・団体となった。 展示内容としては、「消火・救急・救助・避難・誘導」「防災・減災・災害対策」「情報システム・通信サービス」「消防防災に関する製品・サービス・その他」の4分野に加えて「非常用電源」の展示、そして東京消防庁が、火災・災害から身を守るための最新の技術や注目の製品を紹介していた。また、国内外の消防車のほか、レストアされた消防車や米軍基地所属の消防車も多数展示された。 筆者は今年に入ってから、チューニングカーから建設機械に至るまでさまざまな展示会に足を運んでいるが、全てにおいて電動化が進んでいることが確認できた。今回は消防であるが、やはりここも同様である。今回はEVの消防車ほか関連する車両・機器について写真とともにレポートする。 帝国繊維、デザインも美しいオーストリア製「ローゼンバウアーRT」を出展 まずは、「デイリーEVヘッドライン」でもお伝えした、オーストリアの「ローゼンバウアー」(輸入元:帝国繊維)のEV消防車だ。「ローゼンバウアーRT」は欧州車ともあり、日本車とは違うそのボディデザインとも相まって、会場でひときわ目立っていた。 ボルボのパワートレインを採用した前後2モーター式の全輪駆動に、4WS(全輪操舵)機能も備える。ちなみにモーターは、1基あたりの最高出力が180kW(245ps)なので、システムの総合出力は360kW(490ps)となる。   バッテリーは、電圧が650V・最大容量132kWh(66kWh×2)のものに、バックアップ用として225kW(306ps)のディーゼルエンジンを積む。厳密に言えば、この車両はプラグイン式のシリーズ型ハイブリッド車(PHEV)であり、長時間に及ぶ作業にも対応が可能となっている。 他にも帝国繊維のブースでは、「Vetter EIS」EV隔離消火システムも展示。EVの火災消火後の再燃を防ぐため、一旦消火した後に「Vetter EIS」で車両を包み、その中に水を入れて消火する。 モリタホールディングス、「三菱ふそう eキャンター」ベースのEV消防車を国内初公開 モリタは、日本初となるEV消防ポンプ自動車「MoEVius concept(メビウス・コンセプト)」を展示。 三菱ふそうの「eキャンター」をベースに、独自開発した「ePTO」(電動ポンプ駆動システム)と「e-Fireポンプ」(EV専用ポンプ)を搭載し、高いエネルギー効率を実現。2024年の発売に向け開発中と言う。 合わせて、今後登場するであろうEV消防車のための汎用ユニットで、ePTOとe-Fireポンプを一体化させた「MoEVius(メビウス)」(EN規格準拠 搭載型電動水ポンプ)を展示していた。 また、多目的消防戦術ロボット「ウォルフR1」を展示。バッテリー駆動の遠隔操作型消防用ロボットで、2,000L/分の電動放水銃を装備。倉庫火災・トンネル火災など危険な現場で威力を発揮するという。 東京消防庁、「トヨタ・ミライ」ベースの査察広報車を出展 今回の主催者でもある東京消防庁は、様々な消防車両を展示・デモをしていた。EV関係では、FCEVの「トヨタ・ミライ」、「三菱エクリプスクロスPHEV」をベースにした査察広報車を出展。災害現場での情報収集や広報活動を支援する車両だという。 またEVの特殊救急車として国内で初めて導入(2020年)された「日産NV400」を展示。この車両は欧州仕様となる。バッテリー容量は33kWhで130kmの航続が可能。電動ストレッチャーまで装備する。 ここまで大手を中心に紹介したが、展示されていた電動系の消防機器はこれだけではない。次回は後編として、電動の消防支援車両・機器を紹介したい。

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FC用電動ターボコンプレッサ(photo=IHI)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
過給音が燃料電池(FC)から聞こえる理由とは⁉︎……IHIがFC向けの電動ターボを開発[2023.06.28]

空気が薄い高高度でもFCの化学反応を安定化させ機内の圧縮空気での稼働も可能 トラックなどパワーの必要な大型FCEVへの転用も期待 【THE 視点】IHIは6月16日、燃料電池(FC)向けの電動ターボコンプレッサーを開発したと発表した。 航空機への搭載を想定したもので、燃料電池本体に圧縮空気を供給し、水素と酸素の反応を促進させるもの。空気の薄い上空でも大量の空気をFCに供給し発電を促進させ、安定した飛行が可能となる。 空気浮上式ガス軸受電動モーターを搭載したことで、世界最高レベルとなる出力(従来比3.5倍)を発揮するという。また、燃料電池から排出される水蒸気を動力としても活用が可能。これにより、100kW(136ps)の出力が得られるとのこと。飛行中の薄い外気を圧縮して客室空調へ供給しつつ、客室の圧縮空気を逃がすエネルギーを動力源とすることも期待できる。 IHIは、「小型旅客機用の水素燃料電池推進システム」「機内使用電力用の燃料電池発電システム(ガスタービン発電機の代替として脱炭素化に寄与)」「現在運航している民間航空機の後継機となる中型旅客機の空調の省エネ化などの実現」に活用できるとしている。 なお本開発は、IHIが国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託業務「次世代電動推進システム研究開発 電動ハイブリッドシステム」において実施したものである。IHIは、2030年の実用化を目指すという。 今回の製品は航空機への搭載を前提としたものだが、実はIHIは、既に燃料電池車(FCEV)の「メルセデス・ベンツ GLC F-CELL」に電動ターボを搭載している。こちらも、FCスタックに送る圧縮空気用に排出される空気でタービンを回すので、今回発表されたものと同じ構造を持つと推測できる。 このターボを使えば、アメリカのパイクスピークなど4,000mを超える高地にFCEVで上れる。また、排出空気を再利用できる点においては、モーターユニットの小型化と高回転・高出力化が期待できる。それは、取り付けのためのスペース確保が容易になるということだ。 このターボはFCEVトラックにも有用であろう。積載状況や配送ルートによっては大パワーを必要とするため、このターボがあれば急坂なども登りやすくなる。より効率的かつ柔軟なルートの選択につながると考えられる。 FCターボは、航空機だけではなく自動車の分野でも有用であるはずだ。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★名鉄協商とドコモ、カーシェアにEVを共同で導入……ドコモの「dカーシェア」で利用可能な名鉄協商の「カリテコ」にEVを順次導入、名古屋市中村区内の名鉄協商パーキング2ヵ所に「日産サクラ」を各1台ずつ6月28日(水)より利用開始 ★★エネチェンジ、決済向けアプリ「EV充電エネチェンジ」と充電スポット検索アプリ「EVsmart」を統合……統合版の新アプリ「EV充電エネチェンジ」が6月28日(水)から開始[詳細はこちら<click>] ★★国土交通省・経済産業省・環境省、「令和5年度商用車の電動化促進事業」の公募を合同で開始……EVトラックやタクシーの導入費を集中的に支援、2023年6月27日(火)〜2024年1月31日(水)まで募集 ★★DHLジャパン、配送用にEVトラック19台を追加で導入……「日野デュトロ」18台に加えて、「三菱ふそう eキャンター」を1台 ★ポールスター、SUVの「ポールスター2」を改良……新型のモーターやバッテリーを採用、シングルモーターの長距離モデルは654km(WLTP値)の航続距離に ★経済産業省、「第1回 充電インフラ整備促進に関する検討会」を開催(終了)……エネチェンジ/テラモーターズ/eモビリティ・パワーなどが出席、事務局提示のロードマップについて参加団体から意見を聴取 ★シナネンホールディングス、EVワイヤレス充電の「ワイトリシティ」(アメリカ)と協力……ワイヤレス充電設備を日本導入、シナネンが代理店に ★DUALホールディングス、近畿日本ツーリストと業務提携……「EV充電コンシェルジュ」サービスを開始、近畿日本ツーリストの取引先(旅館・ホテル)に直接ヒアリングが可能となり、充電インフラ問題の解決を目指す ★テラモーターズ、EV用充電器の受注台数が4,700超え……2022年の事業開始から14ヵ月で達成 ★ボードリー、茨城県境町にて運行中の自動運転EVバス(レベル4)にてHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)の実証実験を開始……市光工業製のディスプレイを設置し、右左折やあいさつ文などを表示 ★三井物産、マイクロ波によるリチウム鉱石精錬技術を開発へ……マイクロ波化学と共同開発、煆焼のプロセスを電化しCO2を削減 ★レクシブ、「しずおか連携中枢都市圏」(静岡市/島田市/藤枝市/焼津市/牧之原市/吉田町/川根本町)にてEV導入をサポート……「脱炭素先行地域選定のための計画提案書作成業務の事業者」に選定 ★テラモーターズ、電気・通信インフラのエクシオグループと業務提携……相互のインフラ技術を活用し充電インフラの普及加速を狙う ★日産、香川県丸亀市とEVを活用したまちづくりで連携……公用車に「リーフ」を導入、災害時のEV電力の活用や電力の地産地消の促進など デイリーEVヘッドライン[2023.06.28]

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FCフォークリフトと水素発生装置「シンプルフューエル」(photo=トヨタ自動車)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
東京都、FCフォークリフトの導入を推進、導入検討事業者に一定期間の利用を無償支援[2026.06.27]

一定期間内に無償利用できるよう東京都が支援 事業用EVにFCを導入する流れが加速 【THE 視点】東京都は6月22日、燃料電池(FC)フォークリフトのマッチング導入支援事業への参加事業者を募集すると発表した。 FCは、水素を化学反応させ発電後に水を排出することは広く知られていると思う。そんなFCは、大型トラックなど商用車への導入事例が加速している。理由のひとつに、水素の充填時間が短く長時間の運転が可能という点が挙げられる。それはフォークリフトにおいても有用な点となる。物流業界等の脱炭素化と水素利用の拡大のために重要な特徴であり、都は、燃料電池フォークリフト(FCFL)の実装を加速する。 今回の事業は、FCFLの導入を検討している民間事業者を対象に、都の負担により無償(上限あり)にて一定期間、FCFLをトライアル利用できるというもの。都内においてのFCFLの導入拡大を図るのが狙いだ。 公募対象者は、「FCFLのトライアル利用を希望する事業者」と「トライアル利用者にFCFLを提供する事業者及びトライアル利用者に水素充填設備を提供する事業者」となる。トライアル期間は、1事業者あたり最大2ヵ月とし、2事業者を募集する。また、FCFL提供者・水素充填設備提供者については、各1〜2事業者としている。 FCFL提供事業者や水素充填設備を提供できる事業者は、現状トヨタ自動車や豊田自動織機(L&F)など限られたメーカーだ。 特にトヨタは、再生可能なエネルギーである太陽光発電を活用し、水素を製造・貯蔵・供給できる小型の水電解式水素発生充填装置「SimpleFuel(シンプルフューエル)」を、愛知県豊田市の元町工場に導入した事例(2019年)もある。現在は数十台のFCFLが稼働している。稼働から4年が経ち、運用ノウハウは相当なものになっているはずだ。 トヨタおよび豊田自動織機は、今回の東京都のFCFL事業にも協力すると思われる。やはりFCは、その充填の速さがウリのはずだが、導入には水素の供給も含めたパッケージとして検討しないと、肝心なFCが稼働できない。 今回のFCFL導入支援事業は、導入を検討している事業者には非常にありがたい取り組みと言える。やはり時間が問題の商用のEVには、FCを組み合わせる方がメリットが多いとの認識が進みつつあるようだ。 FCFLの導入を検討している事業者には是非ともこの機会に応募して頂きたいものである。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★東京都、都営バスの営業所内に水素ステーションを設置・運営する事業者を公募……FCEVバスの運行用に ★★ヒョンデ、年間販売目標を2030年までに200万台へ引き上げ……中長期的な事業計画「ヒョンデ・モーター・ウェイ」を発表、今後10年間で109.4兆ウォン(約12兆円)を投資 ★★トヨタなど、タイでバイオガス由来の水素を製造……専用装置を年内に稼働、タイのカーボンニュートラル実現の手助けに ★★IHI、燃料電池(FC)用の電動ターボを開発……FC航空機の実現に向けて、空気の薄い高度でも圧縮空気により燃料電池の反応を促進 ★経済産業省、「第1回アジア・ゼロエミッション共同体高級実務者会合(AZEC SOM)」を開催……インドネシア・ジャカルタにて、水素およびアンモニアのマスタープラン策定などを確認 ★オペル、ブランドのロゴ・マークを変更……電動化を見据え、旧来のイメージを残しつつも稲妻らしさを強調 ★IHI、「プラスチック磁石ローター」を使用したモーターの開発に成功……モーターの小型・大出力化・コスト削減に寄与、電動航空機・自動車への搭載を見込む ★テラモーターズ、総額40億円を「シリーズCラウンド」(※)により調達……大阪ガスなどが出資、国内シェア1位を目指す (※)スタートアップに対する投資ラウンド、シリーズCは黒字経営が安定し始めた段階 ★三菱ケミカルグループ、リチウムイオン・バッテリーの負極材事業を強化……韓国の正極材メーカーL&Fと協業、2024年の量産化を予定 ★KDDIグループのエナリス、家庭用蓄電池・EV等を群管理し仮想発電所化……電力需給調整に活用可能か検証、群管理で大規模なエネルギーソースに ★日産、福井県越前市とゼロカーボンシティ実現に向け共創……災害時のEV電力の活用なども ★「EVの次もEVを選ぶが充電設備が足りない」……エネチェンジがEVユーザーに行ったアンケートを公表、EVからEVへの乗り換え検討者は87%も、集合住宅に設備がないとの声が91.7% デイリーEVヘッドライン[2023.06.27]

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岩谷産業の水素戦略「PLAN27」の概要(出典=岩谷産業)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
岩谷産業が水素事業に1,780億円投資……「セルフ水素スタンド」なども推進[2023.06.26]

水素価格が上昇しているが岩谷産業は価格を据え置き トラック・バスのFCEV向け水素ステーションの設置も推進 【THE 視点】岩谷産業は6月21日、水素事業の強化を発表した。同日公開した「2023年~2027年度中期経営計画(PLAN27)」には、脱炭素関連の需要拡大を捉えた液化水素ビジネスの拡大、CO2フリー水素サプライチェーンの構築などが盛り込まれている。投資規模として1,780億円を計上している。 また本戦略では、水素から生成されるアンモニア・合成メタン・合成燃料等についても、その課題や開発等の時間軸も踏まえつつ、導入を戦略的に進めていくとしている。 今月に入り、国・水素製造関連企業・自動車メーカーなどが今後の水素事業について相次いで発表を行なったが、岩谷産業は具体的な投資規模を提示した格好だ。 トヨタは、先日開催した「トヨタテクニカルワークショップ2023」において、水素事業の強化を発表した。乗用・商用のFCEV(燃料電池車)の開発を進めるだけではなく、FCを活用した定置式発電機の開発と実証運転・水素内燃エンジン車の開発など、水素を「つくる/はこぶ/ためる/つかう」の各領域において、様々な業界のパートナーとの取り組みを進めているという。 岩谷産業もそれに対応する形で、水素の「つくる/はこぶ/つかう」の各領域を強化するが、今回の発表で注目したのは「つかう」面の「水素ステーションの増設および収益化」である。具体的には、トラック・バスなどに対応した水素ステーション整備と、セルフ化の推進などによる運営コストの削減だという。 現実に岩谷産業が運営する水素ステーションのセルフ化は始まっており、筆者も利用している。国内で水素ステーションを運営するエネルギー各社は、今年に入ってから水素価格を約1.5倍に値上げしている。しかし岩谷産業のステーションは、実は価格を据え置いているのだ。 この取り組みは、岩谷産業の水素事業の強化にかける意気込みを実感できる例ではないだろうか。水素普及に向けた取り組みは具体的に始まっている。なお、このセルフ式の水素ステーションは非常にユニークなので、その利用方法などは別途レポートしたい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★東京都、ZEV(ゼロ・エミッション・ヴィークル)がテーマのイベントを開催<丸の内行幸通り(東京都千代田区/7月2日(日))>……「フォーミュラE」を展示、脇阪寿一選手と小池都知事のトークショーも ★★東京都、FCEVフォークリフトの導入支援事業を開始……トライアルに車両と水素充填設備を提供する事業者とトライアル事業者を募集しマッチング支援、6月30日(金)〜7月13日(水)まで募集 ★「アバルト500e」が俳優のトム・クルーズとともにレッドカーペット上に……映画「ミッションインポッシブル/デッドレコニング・パート1」の公開イベント<イタリア・ローマ>にて、劇中車の初代「アバルト500」とともに展示 ★EVモーターズ・ジャパン、北九州市に小型EVバスを納車……「F8 シリーズ4-ミニバス」を使用し、島郷庁舎・若松病院などのルートをコミュニティバスとして運行 ★東京都、臨海副都心エリアにて自動運転プロジェクトを実施……自動運転による移動サービスモデルを構築、「ナビヤ・アルマ」「BYD J6」などのEVバスも使用 ★ボッシュ、電動車用のバッテリーのオンライン診断ソフト「Esitronic 2.0 Online」を公開……テスラの「モデルS」「モデルX」にも対応 ★ベントレー、英国本社工場に次世代型のソーラーパネルを導入……10MWの発電能力(2,370世帯/年に相当)、工場の電力を100%賄うことが可能 ★フォーミュラE第12戦ポートランド、ニック・キャシディ(エンヴィジョン)が優勝……10番手スタートからトップに、日産はノーマン・ナトーの9位が最高 ★MotoE第4戦オランダ、マッテオ・フェラーリ(フェロ・グレシーニ)がレース1・2ともに優勝……日本人の大久保 光(テック3)は14位(レース1)と12位(レース2) デイリーEVヘッドライン[2023.06.26]

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小型実証設備第1プラント(photo=出光興産)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
出光、全固体電池用電解質の生産を増強……自動車メーカーへの安定供給を目指す[2023.06.21]

「小型実証設備第2プラント」を7月より稼働し安定生産体制を強化 脱炭素のなか生き残りをかけて事業を再構築する石油企業 【THE 視点】出光興産(以下、出光)は6月19日、全固体リチウムイオン二次電池(以下、全固体電池)の普及・拡大へ向け、固体電解質の「小型実証設備第1プラント」の生産能力を増強すると発表した。2024年度内の完工を計画している。 加えて本年7月より、「小型実証設備第2プラント」の稼働も開始し、自動車メーカーやバッテリー・メーカーなどへの供給体制を強化する。全固体電池およびそれを搭載したEVの実用化に必要不可欠な固体電解質の性能向上と、量産技術の開発を加速させ、全固体電池の普及・拡大に貢献する構えだ。 全固体電池は、EVの航続距離の拡大・充電時間の短縮・安全性向上が期待されている。自動車メーカーやバッテリー・メーカーは、全固体電池を次世代型バッテリーの主力と位置付けて開発を加速しており、材料のニーズが一層高まっている。 先日トヨタが、全固体電池搭載型EVを2027年頃に実用化するとアナウンスした。日産も同時期に全固体電池EVの実用化を目指している。両社の開発競争は熾烈な状況であろう。 ということは、今が全固体電池の固体電解質の開発が一番活発な時期のはずだ。そのニーズを逃がさないために、出光は供給能力の増強を決定したのではないだろうか。安定供給体制が構築できれば、出光製の材料のニーズが安定するので、供給体制の構築を急いだのだと考えられる。もちろん、今後縮小するであろう化石燃料事業の穴埋めを見込んでの決定と思われる。 出光は、EV事業においてもタジマモーターコーポレーションと超小型EV「イデタ」の試作車を開発し、系列サービスステーションを通じ7月1日から実証走行に入るとも発表している。全固体電池材料や自社製EVの開発・展開することで、生き残りをかけるものと思われる。他の石油会社も他人事ではない。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★スズキ、空飛ぶクルマ事業に参画……スカイドライブと基本合意書を締結、スズキの工場を活用し、2024年春からeVTOL機(垂直離陸式EV航空機)を生産[詳細はこちら<click>] ★★九州電力とヤナセ、EVの普及に向けて業務提携……集合住宅向けのEVインフラ構築などを目指す ★★グリーンチャージ、無会員登録・従量課金型の急速充電器(最高出力50kW)を6月19日に国内初稼働……花川運動公園<静岡県浜松市中区>にて、クレジットカードまたはQRコードで決済 ★自動運転EVバスのボードリー、運行管理システムに安全管理の新機能を搭載……走行中の乗客の立ち歩きを検知し、遠隔監視者に通知 ★テスラ、「イオンモール幕張新都心」<千葉市美浜区>にて特別展示を開催……「モデル Y」「モデル 3」を展示、6月24日(土)・25日(日)の2日間 ★半導体のローム、ヴィテスコ・テクノロジーズと協業契約……SiC(炭化ケイ素)パワーデバイスの長期供給契約、EV関連の開発パートナーシップの一環 ★スギノマシン、EV用部品加工に適した工作機械「ギガフィーダ」を開発……比較的小型の機械ながらも、EVに多用される大型アルミダイカスト部品の切削加工が可能 ★リマック、EVスーパースポーツ「ネヴェーラ」の納車を継続……米国の顧客へ2台目を引き渡し、淡いブルーのカラーリングが特徴 ★ボルボ、建材の世界大手ハイデルベルク・マテリアルと提携……積載や運搬などにEVを活用、CO2の排出量削減を目指す デイリーEVヘッドライン[2023.06.21]

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EVモーターズ・ジャパン「F8 Series2-City Bus」(photo=福田 雅敏)
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
「大阪・関西万博」用にEVバスを100台納入契約 EVモーターズジャパン[2023.06.20]

大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)に納入 導入予定の大型路線バスは高い静粛性が特徴 【THE 視点】EVモーターズ・ジャパンは6月15日、大阪市高速電気軌道(大阪メトロ)とEVバスの大口契約を結んだことを発表した。2025年に開催予定の「大阪・関西万博」向けに、EVバスを計100台納入する。 導入が発表されたEVバスと契約台数は以下となる。 「F8 Series4-Mini Bus」(35台)……小型コミュニティバス/全長7m/定員29名/バッテリー容量114kWh/航続距離290km 「F8 Series2-City Bus」(65台)……大型路線バス/全長10.5m/定員77名/バッテリー容量210kWh/航続距離280km この2機種を7月より順次納入するとのこと。 小型コミュニティバスは、今年3月に東京都渋谷区に2台納入され、「ハチ公バス」として運行されている実績を持つ。 大型路線EVバスは、先日開催された「バステクフォーラム」にて試乗車として用意された車両で、筆者も乗ることができた。当日は試乗車として3台のEVバスが用意されていたが、そのうち最も静かに感じたのが、このEVモーターズ製のバスであった。 EVモーターズ・ジャパンは、現在北九州に工場を建設中。しかしこのタイミングでの納車となると、いずれのEVバスも中国生産車となる。 日本では現在EVバスが百数十台が走っていると言われその多くがBYD製のようだ。しかし、今回の100台の導入で一気にEVモーターズ・ジャパンのシェアが高くなる。日本のEVバス保有台数も一気に増加することになる。 北九州工場が完成すれば事実上の国産となるわけで、渋谷での運用実績に加えて、国産化されるという信頼性が、今回の大型受注に繋がったのだろう。 このほか大阪メトロは、「大阪・関西万博」にて、自動運転バスや走行中給電(ワイヤレス充電)バスなども走らせる計画だ。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★出光興産、全固体電池向けの固体電解質の供給能力を増強……次世代バッテリーEVの普及に貢献、「小型実証設備第2プラント」を7月より稼働 ★★e-モビリティ・パワー、公道上のEV用充電ステーションを新設……JR信濃町駅南口付近(東京都新宿区)に50kWタイプを1基 ★BYD、九州エリアに初出店……「BYD AUTO 福岡西」<福岡県西区/アウトレットモール「マリノアシティ福岡」内>が7月1日(土)にオープン ★出光興産、リチウムの安定生産・供給体制を構築……オーストラリアでリチウム鉱山を所有する企業「DLI」に出資、株式保有率が15%に ★e-モビリティ・パワー、ABB製の急速充電器のソフトウェアをアップデート……充電器1口の最高出力が最大150kWに ★ミシュラン、EVにも効果のある低燃費タイヤ「e・プライマシー」に新サイズを追加……14〜16インチの3サイズ ★メルセデス・ベンツ、EVバス「eシターロ」のライン・オフが1,000台を達成……欧州のジャーナリストなどからも高評価 ★武蔵精密工業のEVユニットを搭載したインド製EVバイクが完成へ……インドの新興BNCが12月より販売開始、125ccに匹敵する性能のクラシカルなEVスクーター ★ヤマハ、原付二種のEVスクーター「E01」のリースを募集……実証実験の第3弾、月額2万円で3ヵ月間の契約 ★ヒョンデ、「アイオニック5」の試乗キャンペーンを実施……映画「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」のペアチケットを、各拠点にて20組40名に ★ステランティス、空飛ぶクルマ開発の「アーチャー」の株式保有数を増加……米ジョージア州のeVTOL(垂直離陸型EV航空機)機製造工場の建設も順調 デイリーEVヘッドライン[2023.06.20]

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TEXT:福田 雅敏
建設機械にもEVの波……「第5回 建設・測量生産性向上展」より写真レポート前編[THE視点]

第5回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO2023)が5月24日(水)~26日(金)まで「幕張メッセ」<千葉市美浜区>にて行われた。 本イベントを簡単に説明するならば「建設機械の展示会」である。建機はEV(電気自動車)と関係ないように思われるかもしれない。しかしいざ会場についてみると、建機にもEVの波がかなり押し寄せていることが分かった(以下、「EV建機」と表記)。前編(今回)と後編に分け、写真とともにEV建機の現在をレポートする。 自動車以上に進み先進的な建設機械のEV化 EV建機には、多くの人が知っているであろう大手各社から出展があった。そして測量については、水中用でも陸上用でも3D計測と5G通信が共通の認識となっているようだった。 EV建機で共通の認識となっているのが「ヨーロッパ市場」である。ヨーロッパでは、建機においてもカーボン・ニュートラルが待ったなしの状況で、建機メーカー各社が電動化への対応を急いでいる。そのため、本イベントに展示されていたEV建機も、必然的にヨーロッパ向けとなっていた。建設機械の電動化などは、我々が考えている以上に進んでいる。 クボタ……「チャデモ」に対応したEVバックホー クボタは、欧州市場向け電動バックホー「KX038-4e」を展示していた。 機械質量は3,870kgで17.8kWのモーター出力。稼働時間は、120分の急速充電を行うと4時間以上だという。 充電ポートには、日本の急速充電規格である「チャデモ」が採用されていて、ブースにはニチコン製の急速充電器も展示されていた。本機は欧州向けではあるが、日本での展開も見据えているのかもしれない。 住友建機……重量8tクラスの中型EVバックホー 住友建機は、中型バックホー「SH75E」を展示。現在開発中で、今回発表されていた仕様は、バケット容量0.28m3・機械質量8トンクラス・モーターの最高出力は50kW。こちらもヨーロッパ市場を見込んだ製品だという。 日立建機ティエラ……日本未導入のミニショベル 日立建機ティエラは、「ZAXIS ZX55U-6EBミニショベル」を展示。 すでにヨーロッパでは発売済みとのこと。重量5.5トンクラスに最高出力33kW(45ps)/最大トルク258Nm(26.3kgm)のモーターに、最大容量39.4kWhのバッテリーを搭載している。

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TEXT:福田 雅敏、ABT werke
コスモ石油、EVの新サービスを開始……軽商用EV「ASF2.0」をリース

サービスステーションや加盟店にて定額で充電とメンテナンス ASF社のブランド価値を高めるためにしっかりとサポートを 【THE 視点】コスモ石油マーケティング(コスモ)は5月31日、ASF(資本業務提携契約を締結したEVの企画および開発を行うスタートアップ企業)が製造する軽商用EV「ASF2.0」の取り扱いを開始すると発表した。同社が展開する「コスモMyカーリース」において展開する。 コスモエネルギーグループは、カーボンニュートラル実現に貢献すべく、「グリーン電力サプライチェーン強化(発電~需給調整~売電サプライチェーンによる高付加価値化)」の経営計画「ヴィジョン2030」を掲げている。 これまでコスモは、カーリースやカーシェア事業でのEVの活用を、法人や自治体に提案してきた。今後もカーボンニュートラル事業の需要が拡大することを想定し、国産EV向けのサービス「コスモmyカーリース」に、ASFの軽商用EV「ASF2.0」の導入を決めたという。 ASFは、日本国内でのEV普及促進を図るために設立されたファブレスメーカー(工場を持たない製造業)で、国内EVベンチャーのFOMMより、技術協力を得て事業を進めている。佐川急便と7,200台の「ASF2.0」の供給契約も締結している期待のベンチャー企業である。 「ASF2.0」は、最大容量30kWhのリン酸鉄リチウムイオン・バッテリーを搭載し、航続距離は209km。最大積載量は350kgで、ラストワンマイルの配送に適した性能を持つ。駆動系統はニデック(旧日本電産)製を採用しているため、十分な信頼性があると言える。 「コスモMyカーリース」にラインナップするにあたり、「EV向けメンテナンスパック」の提供も開始した。ASFの充電やメンテナンスを定額で、コスモのSSほか加盟店で受けられることになる。 そのような拠点が多ければ、車両を酷使する配送業に安心して車両を導入できる。法人や小規模な事業を営むところなどへの拡販が、大きく期待できることになる。 ただ、ASF自体は国内では無名と言えるメーカーだ。設計上のクオリティは高いとはいえ、現場での信頼性を得るには、根気強くサービスを提供してゆく必要があるだろう。ともあれ、軽商用EV市場の熱気が高まることは歓迎したい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★トヨタ、「水素ファクトリー」を新設……7月1日付けの組織改正にて、燃料電池の開発を加速[詳細はこちら<click>] ★★「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」の累計生産台数が5万台を達成……生産開始から約1年で達成 ★ボルボ、コンパクトSUVの新型EV「EX30」の内装を一部情報公開……リサイクル素材と再生可能素材を活用[詳細はこちら<click>] ★エネチェンジ、JR沼津駅前の商業施設「Plaza Fontana-Numazu Station-」にEV用充電器を設置……施設内有料駐車場に最高出力6kWタイプを2基 ★テラモーターズ、埼玉県三芳町にEV用充電器「テラチャージ」を導入……三好町役場など5ヵ所の公共施設に ★LG、バッテリーの材料「カーボンナノチューブ」の生産を加速……4ヵ所目の専用工場を建設、三菱自動車にも供給予定 ★ステランティス、オー・ド・フランス地域にて大規模バッテリー工場を開設……トタル・エナジーズとの合弁会社が運営、2023年末までに生産ラインを稼働 ★EVバイクシェアのハロー・モビリティ、「BIGFUN平和島」<東京都大田区>にてEVスクーターのシェアサービスを開始……交換式バッテリーを採用、区内のバッテリーステーションの利用も可能 ★テスラ、「広島T-SITE」<広島市西区>にて展示・試乗会を開催……6月1日(木)〜25日までの長期 ★ボッシュ、EV船事業を推進……EVで培った品質・技術を活用、小型ボート用に電動システムを開発 ★太田房江経済産業副大臣とデイビッド・イービー・カナダ・ブリティッシュコロンビア州首相が会談……水素燃料電池の研究開発について企業連携の後押しなどを確認 デイリーEVヘッドライン[2023.06.01]

TAG: #THE視点 #商用EV #国内ビジネス
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
商用EVにも地殻変動か、三菱ふそうと日野が経営統合

それぞれの親会社のトヨタ自動車とダイムラー・トラックが合弁会社を設立 三菱ふそう車にトヨタのFCが載る可能性も 【THE 視点】日野自動車と三菱ふそうトラック・バス(三菱ふそう)は30日、経営統合することで基本合意したと発表した。三菱ふそうの親会社であるダイムラー・トラックと、日野の親会社であるトヨタ自動車の4社で基本合意書を同日付で締結した。 トヨタとダイムラー・トラックが合弁会社を設立し、日野と三菱ふそうの両ブランドを残しながら、商用車の開発・調達・生産分野で協業し、水素をはじめとする「CASE(※1)」技術開発を加速させる。 これで、トヨタの燃料電池(FC)を活用した日野のバス「ソラ」や、大型FCEVトラックの技術をダイムラー側が、一方で三菱ふそうの小型EVトラック「eキャンター」の技術や、ダイムラー傘下のメルセデス・ベンツ等がもつ大型バッテリー式EVトラック・バスの技術をトヨタ側が手に入れることになる。 今や単独で「CASE」技術を開発するには限界が見えたのだとみられる。双方が持つ技術を、双方が使えるようになれば、新たなシナジーも生まれよう。 筆者が予想するには、大型トラックの電動化はFCEV、中・小型トラックはバッテリー式EVという方向に明確に進むと思われる。大型車はやはり、充電時間と走行距離を考えると、バッテリー式は難しいところがある。 日本では、刺身にする鮮魚のような鮮度最優先の生鮮食品の輸送もある。充電に時間がかかるバッテリー式の大型EVトラックの場合、大きなタイムロスが発生してしまう。 なお同日行われた会見では、トヨタを中心とする「CJPT(※2)」への、三菱ふそう側の参加については発表やコメントがなかった。 日野は、バスに関してはいすゞと製造部門を統合した「ジェイ・バス」も抱えている。どのような影響が出るのかも気になるところだ。たとえばダイムラー・トラックは、傘下のメルセデス・ベンツ名義で大型EVバスをドイツで製造・販売して公共交通機関に納入するなどの実績を持つ。あわよくば、そのEVバスの導入もあり得る。 ともあれ、三菱ふそうとの事業統合は、国内の商用車業界に大きく影響しそうである。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ※1:CASE……「コネクテッド」「自動化」「シェアリング」「電動化」の英語の頭文字をとった造語 ※2:CJPT……「コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ」の略語、トヨタが中心となりいすゞも参画する次世代商用車の開発団体 ★★メルセデス・ベンツ、新型EV「EQS SUV」を日本で発売……7人乗りに対応、メーカー初のEV専用プラットフォームを採用[詳細はこちら<click>] ★関東鉄道、茨城県初の路線型の大型EVバスを導入……「BYD K8」(定員81人)を採用、6月1日より守谷営業所管内で運行開始 ★東京都、お台場や有明地区などの臨海部でEVバイクシェアリングを5月29日より開始……ドコモ・バイクシェアと共同事業、前二輪のトライクタイプの小型EVを導入 ★メルセデス・ベンツ、EVのトラクター・ヘッド「eアクトロス」シリーズの長距離テストを実施……ドイツのヴェルト工場からトルコのアクサライまで3,000km、秋に量産開始 ★東北大学、「カルシウム蓄電池」の500回以上の充放電に成功……レアメタル不使用の次世代型バッテリー、トヨタ北米先端研究所も研究に協力 デイリーEVヘッドライン[2023.05.31]

TAG: #THE視点 #商用EV #国内ビジネス
TEXT:福田 雅敏
観光型EVバス普及で浮き彫りになる問題……専用の充電インフラがない[THE視点]

「2023 バステクフォーラム」が5月12日、大阪・舞洲スポーツアイランド「空の広場」<大阪市此花区>にて開催された。前編[詳細はこちら]では、会場にて試乗ができた路線型のEVバスを紹介した。 しかし会場には、路線型以外にも観光型のEVバスが展示されていた。現在、日本はインバウンド需要などが再び高まり、観光バスの出番も増えていると聞く。今後導入が検討されるであろう観光型のEVバスは一体どのような特徴があるのか、むしろ、無視できない問題が浮き彫りとなってきた。 EVモーターズ・ジャパンが提案する観光型のEVバス EVモーターズ・ジャパンが会場に持ち込んだもうひとつのEVバスが、観光型の「F8 シリーズ6 コーチ」だ。 全長8.85m×全幅2.49mの観光バスで、定員は35人。最大容量210kWhのバッテリーで、280km(社内基準値)の航続距離を持つ。モーターは最高出力240kW(326ps)。ステンレスのシャシーにFRPのボディや「アクティブ・インバーター」を搭載しているところなど、根底の設計は路線バスタイプと同じだ。 この観光タイプも現在は中国生産だ。内外ともに品質のレベルは高いが、内装面ではUSBソケットが付く程度。簡素ではあるが、国内の観光バスのクオリティに合わせるには、価格やバッテリー容量の問題を解決しなければならないのだろう。 ちなみにバッテリーは、床下はもちろんトランク・ルームにも設けられていた。価格は5,500万円(標準車)で、観光型としてはリーズナブルに思える。 EVモーターズ・ジャパンは現在、北九州にEVバス工場を建設中であり、完成次第国内生産に切り替える予定だという。国産化するということは、内外の完成度に相当のクオリティが求められることになる。 しかし逆に捉えれば、国産の観光型EVバスのリーディングカンパニーになれるチャンスとも言えよう。是非とも日本の商用EV企業としての底力を見せて頂きたい。 ちなみに参加者には、帰る際にアンケート代わりにシール3枚が渡され、それを良かったブースに貼って帰るのがこのイベントの特徴。今回印象的だったのは、私が帰る時点で、EVモーターズ・ジャパンに一番多くのシールが貼られていたことだった。

TAG: #EVバス #EVモーターズ・ジャパン #THE視点
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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コラム
電欠したから仲間のクルマに急速充電器まで引っ張ってもらう……は厳禁! EVが牽引できない理由とは?
結局「全固体電池」ってなに? どんなメリットがある? 「夢の電池」と言うには時期尚早な次世代バッテリーの中身
「セダンであり、5ドアクーペであり、SUV的でもある」という謎の表現! でも確かにカッコイイ「ボルボES90」をデザインのプロはどう見る?
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インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
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試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
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イベント
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
売り物ではなく概念を展示するモデリスタ! 正体不明なトヨタbZ4Xはブランドの「新化」という概念を示すスタディモデルだった【大阪オートメッセ2025】
子どもに大人気の電動バギーに大迫力のエアロキットや色が変わるフィルムまで登場! 大阪オートメッセのEV関連出展物はどれもユニークすぎた
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