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TEXT:TET編集部
大阪オートメッセ2023では「EVゾーン」に注目!

2023年2月10(金)〜12(日)にかけてインテックス大阪(大阪府)で実施される「大阪オートメッセ2023」には、昨今のトレンドであるEVの展示を集めた「EVゾーン」が設置される。開幕直後の風景をさっそくお届けしよう。 日系メーカー、海外メーカー、チューニングパーツメーカー、超小型EVメーカーと幅広いバラエティ 日系自動車メーカーでは三菱、マツダ、ニッサン。海外自動車メーカーではVW、BMW、BYD、ヒョンデがそれぞれ市販モデルを展示。BYDはEVゾーンに隣接して東京オートサロンに続き独自ブースを出展、新しいブランドの価値観を来場者に伝えるよう努めている。 総合チューニングパーツメーカーであるブリッツは「アリア」、車高調整式サスペンションを主に手がける自動車パーツブランドであるクスコおよび、テスラ車のメンテナンスに注力しオリジナル・パーツも提供するA PIT東雲は「テスラ・モデル3」を持ち込んだ。 独自の超小型EVを持ち込んだのは「KGモータース」と「EVランド」の2社。KGモータースの「ミニマムモビリティコンセプト」は東京オートサロンとは異なるイエローで、丸目仕様のヘッドライトが採用されていた。EVランドの「ジンマ」「ジンマプロ」は、中国生産ながらオリジナルの製品を開発。250cc以下の軽二輪という規格ながら3輪ということで、前者では3人、輸送用のトランクを備える後者では1人乗車となる。 開催概要はhttps://ev-times.com/2023/02/09/2752に詳しいが、日曜18時まで絶賛開催中なので関西地区のカーファン、とくにEVに注目する方々はぜひチェックしてほしい。 最新情報は公式ウェブサイト、SNS公式アカウントから 公式ウェブサイト https://www.automesse.jp/ [Facebook] https://www.facebook.com/OsakaAutomesse/ [Twitter] https://twitter.com/osakaautomesse [YouTube] https://www.youtube.com/user/AutomesseAssociation [Instagram]  https://www.instagram.com/osaka_automesse/

TAG: #BYD #ブリッツ #大阪オートメッセ2023
TEXT:烏山 大輔
出光とブリヂストン、超小型EV用タイヤ「エアフリーコンセプト」の実証実験を開始

出光興産株式会社と株式会社ブリヂストンは、2023年2月から、超小型EVに装着するための次世代タイヤの実証実験を開始する。この超小型EVは出光興産千葉事業所構内での移動用に使用される。 今回、実証実験を開始するブリヂストンの次世代タイヤ「エアフリーコンセプト」は空気の充填が不要で、タイヤ側面に採用した特殊形状スポークによりパンクせず、空気圧管理などのタイヤ・メインテナンスが不要になることを目指している。このスポークは地面に接地するゴムとホイールを繋ぎ、荷重を支えると共に衝撃を吸収する機能を持つ部材である。将来的にこれらの技術によってユーザーの利用価値向上が期待される。 すり減ったタイヤのゴムの部分を貼り替えして再利用できるだけでなく、独自開発した再生可能なスポーク部分の樹脂をリサイクルすることで、資源の効率的な活用と環境破壊のリスクを低減させる経済システムであるサーキュラーエコノミーの実現に貢献していく。 両社は多様な省資源・資源循環ソリューションを世の中に提供するという観点において共感したという。この実証実験を通してEV普及の促進、カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みを加速させる。将来的に出光が開発に携わる超小型EVにブリヂストンの「エアフリーコンセプト」を実装することを視野に検証を進めていく。 超小型EVは過疎化とガソリンスタンドの廃業が進む地方で地域住民の大切な移動手段になる可能性も秘めているので、「エアフリーコンセプト」タイヤと超小型EV、両方の開発に今後とも注目していきたい。

TAG: #ブリヂストン #出光 #超小型EV
TEXT:烏山 大輔
BMWがライプツィヒ工場でリチウムイオンバッテリーの生産プロセスを開始

BMWはドイツのライプツィヒ工場で、リチウムイオンバッテリーの重要な部品である「セル」のコーティングラインを稼働したと発表した。 「i4」や「iX1」のバッテリーを生産 セルは陽極、陰極、セパレーター、電解液からなる電池そのもので、まさにBEVの核となる部品だ。車載されるバッテリーの生産は、主にセルのコーティング、セルを集合させたモジュールの製造、バッテリーの組み立ての3工程に分けることができる。モジュールは制御装置や冷却装置、車両に接続するためのコネクターとともに、アルミ製のハウジングに収められる。筐体の大きさや形状、モジュール数を車種によって変えることで、それぞれのクルマに最適なバッテリーが出来上がる。 セルのコーティングとは、コーティング前のセルの外側をレーザービームで削り、セルに付着した酸化物やゴミを取り除くプラズマ洗浄を行い、セルを2層にコーティングし、紫外線で硬化させセルを絶縁させるまでの一連の工程を指す。その後、3段階の品質検査でコーティングの厚みと表面品質を確認、さらに高電圧検査も実施しコーティングに問題がないことを確認する。 今回稼働したコーティングラインは1本だが、2024年までに4本が追加される予定。さらにモジュール組立ラインは既存が2本、2024年までに3本目が加わり、同じく2024年までに高電圧バッテリー組立ラインも2本が追加される予定。こうした取り組みにより2024年以降ライプツィヒの工場で、高電圧バッテリー製造の全プロセスを稼働できる。 新しいコーティングラインは、年間1,000万個以上、1時間に2,300個以上のセルを処理することができる。コーティングされたセルは、ライプツィヒのバッテリー・モジュール生産ラインで使用され、BEVのBMW i4およびBMW iX1用のモジュールとなる。BMW i4は324個のセルを使用しているため、年間約31,000台分の生産量となる。

TAG: #BMW
TEXT:TET編集部
大阪オートメッセ2023に「EVゾーン」開設 「BYD ATTO3(アット3)試乗体験」ほか各国の主要EVが勢揃い

「クルマのワクワク」をEVにも 2023年2月10日(金)から12日(日)までの3日間、大阪市住之江区のインテックス大阪において「第26回 大阪オートメッセ2023」が開催される。クルマとカスタマイズの楽しさを題材にした「エンターテインメント・モーターショー」だ。1997年から毎年、開催されているこのショーは、500台以上の車両が展示され約25万人が集まる巨大イベントに成長した。 今年の注目は「EVゾーン」の設置と、つい先日発売されたばかりの「BYD ATTO3(アット3)」の試乗体験イベントだ。「EVゾーン」には国内外の主要EVメーカーの市販モデルに加えて、ブリッツやクスコといった著名ブランドによりカスタマイズされたEVや、新しいモビリティとして注目されるコンパクトEVが展示される。 関西地域で初めてBYDアット3の日本仕様に試乗できる 「BYD アット3」の試乗イベントは会場内の特設コースで実施される。関西地域では初めて試乗が可能になるイベントで、用意される車両も日本仕様であるところが注目点だ。 試乗イベントの参加には大阪オートメッセ2023の入場券が必要。下記URLから事前予約できるが、当日の受付も可能なので会場にて状況をチェックしたい。 https://byd.co.jp/e-life/event/ EVゾーン展示車両 ・三菱自動車  ekクロス EV ・マツダ    MX-30 EV ・日産自動車  サクラ、アリア ・フォルクスワーゲン ID.4 ・BMW     i7、i4 ・BYD      アット3 ・ヒョンデ    アイオニック5 ・ブリッツ    ブリッツ アリア ・クスコ     テスラ ・KGモータース ミニマムモビリティコンセプト ・A PIT     A PIT東雲オリジナルテスラモデル3 ・EVランド   ジンマ、ジンマプロ   CARトップ&EV TIMESブース ・ブレイズ   ネクストクルーザーEV、スマートEV、EVスクーター ・マセラティ  ギブリ ・マクラーレン アルトゥーラ ・マツダ    CX60 XD-HYBRID Premium Modern、CX60 BIO FUEL ・三菱自動車  エクリプスクロスPHEV ・ヒョンデ   i20 N WRC  Rally 1 大阪オートメッセは関西地域の自動車文化のパワーを集め、「クルマのワクワク」を満喫できるイベントとなっている。「水曜日のカンパネラ」「ナオト・インティライミ」ほか著名アーティストが集うライブイベントや、SUPER GTドライバーによるトークイベントなど催しも充実し、フードパークには全国の味覚が一同に会するなど、家族で楽しめる構成が組まれている。中学生以下入場無料、U-22特別優待チケットも若いカーファンにとって嬉しい設定だ。 前売チケットの販売は本日2月9日までだが、会期中も当日券を入手できる。詳細は下記を参照されたい。 開催概要 展示会名称 […]

TAG: #BYD #大阪オートメッセ2023
TEXT:Text:曽宮岳大
双日自動車がBYDのディーラー事業に参入 横浜と名古屋に店舗設置へ

双日株式会社は、BYDの日本法人であるBYDオートジャパン株式会社と、乗用車ディーラーに関する契約を締結したと発表した。 双日自動車では、日本、アジア、中南米などで卸売・小売事業を展開しており、韓国ブランド車や中国ブランド車の取り扱いを強化している。BYD事業では、輸入ブランド車の販売などで実績のあるグループ会社がBYDオート横浜中央(2023年4月中に開業予定)、ならびにBYDオート名古屋北(2023年度中に開業予定)の2店舗を運営することを発表した。 また、これらの店舗オープン前には開発準備室を設け、1月31日に発売された「BYD ATTO 3(アット3)」の受注・販売を行う。開発準備室は、神奈川県横浜市中区(2023年4月オープン予定)と、愛知県清須市春日に設置する予定だ。 BYD ATTO 3は、BYDブランドの日本向け第1弾となる電動クロスオーバーSUV。ボディサイズは、全長4455mm×全幅1875mm×全高1615mmと、コンパクト-ミッドサイズ(Cセグメント)に位置するSUVモデルで、58.56kWhのリチウムイオン・バッテリーを搭載し、航続距離485kmを誇る。車両価格(440万円)に対する航続距離の長さでは日産リーフを凌駕し、国内での売れ行きに注目が集まる。 なおBYDオートジャパンでは、2025年末までに100を超えるショールームの設置を目標に掲げており、それまでの期間は商談や試乗の案内ができる開発準備室を設置し、BYD車の販売とブランドの認知向上を図っていく。 並行してラインナップの拡充を図り、2023年中にEVコンパクトカーの「DOLPHIN(ドルフィン)」を投入。2023 年後半にはセダンの「SEAL(シール)」の国内展開も予定している。

TEXT:栁 蒼太
スズキ、2030年度に向けた成長戦略を発表

スズキ株式会社は、2030年度に向けた成長戦略を発表した。 「価値ある製品」づくりをモットーに、モノづくりの根幹である「小・少・軽・短・美」、柔軟さ・素早さ・チャレンジ精神を忘れない「中小企業型経営」、机上の空論を排した「現場・現物・現実」の三現主義で行動し、「スズキらしい2030年度に向けた成長戦略」の表明となった。 スズキは2030年度に向け、主要事業地域である日本・インド・欧州を核にして、カーボンニュートラル社会の実現とインド、ASEAN、アフリカなどの新興国の経済成長に貢献を望んでいる。 2030年度に向けた主な取り組み 各国政府が掲げる達成目標時期に基づき、日本・欧州で2050年、インドでは2070年のカーボンニュートラルの達成を視野に入れ、グローバルでの対応を進める。 日本では、2023年度の軽商用BEVの投入を皮切りに、小型SUV・軽乗用などの投入を予定しており、2030年度までに6モデルを用意。また、軽自動車や小型車向けに新型ハイブリッド・システムを開発し、BEVと併せることで幅広い顧客層に対応する。 欧州では、2024年度よりBEVを投入し、SUV・Bセグメントなどに広げていき、2030年度までに5モデルを展開。欧州各国の環境規制やお客様ニーズに適したシリーズの拡大を進める。 さらにインドでは、「Auto Expo 2023」で発表したBEVを2024年度に投入し、2030年度までに6モデルを展開。BEVだけではなく、ハイブリッド車・CNG※・バイオガス・エタノール配合の燃料などを使用したカーボンニュートラルな内燃機関モデルも継続的に投入する。 ※CNG(Compressed Natural Gas):圧縮天然ガス 未完全、だからこそ面白い BEVの導入を中心にしたパワートレインの刷新にあたっては、先進国から新興国までの幅広いユーザーを踏まえ、各国の環境や規制事情に対応して展開する必要があるため、一様の手段では乗り切れないようだ。中には、THE EV TIMESが注目をしているEVだけではなく、内燃機関での対応も必要になるケースがある。ある意味、EVの技術革新の傍らで内燃機関の進化からも目を離せないと言えるだろう。 EVの魅力は確かに多い。ただ、視野を広げるとまだまだ対応出来ない「未完全」な部分がある。それを補うかのように内燃機関の技術も存在し、発展を続けている。両者の長所短所をうまく擦り合わせた技術にも期待が膨らむ。今後の技術革新が面白そうだ。

TAG: #スズキ
TEXT:TET編集部
ヒョンデが「大阪オートメッセ 2023 」に IONIQ 5(アイオニック5) と i20 N Rally1 レースショーカーを展示

ヒョンデは2023年2月10日(金)~12日(日)にインテックス大阪にて開催されるクルマ・エンターテインメントを追求する関西最大級のモーターショー、「第26回大阪オートメッセ2023」に出展し、同社の市販電気自動車(EV)IONIQ 5(アイオニック5)およびWRCラリー・ジャパン2022で1位を勝ち取ったティエリー・ヌービル選手のマシン「i20 N Rally1」のショーカーを展示する。 当日はヒョンデの展示ブースへの来訪者に向けたギブアウェイ・イベントが開催される。「アイオニック5ブース」ではヒョンデの会員登録をした先着100名に「アイオニック5・ピンバッジ」を贈呈。さらに、「アイオニック5・ポストカード」が先着500名に送られる(当日用意した数量が無くなり次第、終了)。 また「i20 N Rally1 レースショーカーブース」では、ブースの写真を#WRC #Hyundai #オートメッセのいずれかのハッシュタグをつけてSNS投稿した来場者先着100名にリーフレットおよびステッカーパックが贈呈される。さらに、「i20 N Rally1 レースショーカーポストカード」を先着500名にプレゼントされる。 [大阪オートメッセ2023IONIQ 5&i20 N Rally1 レースショーカー展示] ■開催日程:2023年2月10日(金)、11日(土・祝)、12日(日) ■開催時間:9:00〜18:00(初日9:00〜13:00はサイレントタイム※) ■会場:インテックス大阪(大阪国際見本市会場)6A号館 ■公式ウェブサイト https://www.automesse.jp/   

TEXT:栁 蒼太
京都でヒョンデのZEVを体験―Hyundai Mobility Lounge 京都四条―

ヒョンデはオートバックス・グループのフラッグシップ店舗「A PIT AUTOBACS KYOTO SHIJO」において、同社のZEVを体験できるスペース「Hyundai Mobility Lounge 京都四条」を2023年2月4日(土)よりオープンする。  PIT INだけではないトータルサポートを提供 同施設では、ヒョンデが展開するZEV※、電気自動車(EV)「IONIQ 5(アイオニック ファイブ)」と燃料電池自動車(FCEV)「NEXO(ネッソ)」が体験できる。展示、試乗はもちろん、購入相談を実施し、専用の納車空間も設置している。 さらにヒョンデは、「A PITオートバックス京都四条」とZEV整備の技術提携しており、ヒョンデ車両の点検整備・保証整備・他メインテナンスを実施することで、購入から納車、アフターサービスの顧客ケアも用意している。 ※ZEV(Zero Emission Vehicle):走行時に⼆酸化炭素等の排出ガスを出さない電気自動車(EV)や燃料電池自動車(FCEV)の総称

TAG: #オートバックス #ヒョンデ
TEXT:岩尾 信哉
ホンダの将来に向けた水素事業プラン 次世代燃料電池システムの利用拡大を目指す

ホンダは2023年2月2日、水素事業に関するメディア向け説明会を開催した。これまでの燃料電池車(FCEV)開発などによる水素利用の取り組みを拡大して、燃料電池システムのコストダウンを含めたさらなる技術進化によって、水素を広く社会的に活用していくことを目指す旨を明らかにした。 FCEV、商用車、定置電源、建設機械がターゲット ホンダは今回の説明会において、「カーボンニュートラル社会の実現に向け、製品の電動化の促進のみならず、エネルギーキャリアとしての水素の活用拡大にも積極的に取り組み、水素事業の拡大を目指す」と表明した。 水素事業のコアとなる燃料電池システムのさらなる進化に基づいて、燃料電池システム活用の核となる要素として、「FCEV」「商用車」「定置電源」「建設機械」の4つと定め、他社との協業にも積極的に取り組んでいくとしている。 まずFCEVについては、ホンダはGM(ゼネラル・モーターズ)と共同開発している次世代燃料電池システムにおいて、耐久性2倍、コスト3分の1の実現を目指すという。これらの目標値は2019年に販売を終了したホンダの燃料電池自動車「クラリティ・フューエルセル」の最終仕様に搭載したシステムとの比較となる。 このGMとの取り組みに加え、燃料電池の本格普及が見込まれる2030年頃に向けて、上記の目標からさらに耐久性2倍、コスト半減(GMとの共同開発による次世代燃料電池システムとの比較)を目標値として設定。従来のディーゼルエンジンと同等の使い勝手やトータルコストの実現を目指して要素研究を開始している。 過去を遡れば、ホンダはカーボンニュートラル社会の実現に向けて、いち早く水素の可能性に着目。1990年頃から30年以上にわたり水素技術やFCEVの研究・開発に取り組んできた。 ホンダは2013年からはGMとともに、次世代燃料電池システムの開発を進めており、2022年北米で発売した「CR-V」をベースに、次世代燃料電池システムを搭載した新型FCEVを2024年に北米と日本での発売を予定している。 短い燃料充填時間で長距離を走行できるFCEVの特長に加え、プラグイン機能により、家庭で充電できるEVの利便性も兼ね備えているとのことだ。 商用車に関してホンダは、日本ではいすゞ自動車との共同研究による燃料電池大型トラックのモニター車を使った公道での実証実験を2023年度中に開始予定。 中国でも東風汽車集団股份有限公司と共同で、次世代燃料電池システムを搭載した商用トラックの走行実証実験を2023年1月より湖北省で開始している。 水素利用の拡大のさらなる要素として、燃料電池システムの外販開始と適用先の拡大が挙げられる。 ホンダは「2020年代半ばに年間2,000基レベルで燃料電池システムの社外への販売を開始し、段階的に拡大。2030年に年間6万基、2030年代後半に年間数十万基レベルの販売を目指す」としている。 ホンダは世の中の環境動向を踏まえ、コア技術である燃料電池技術の適用先を自社のFCEV以外にも拡大していくことで、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するという。 産業部門に関しては、ホンダは開発ターゲットとする「定置電源」が社会実装として重要となる。近年のクラウドやビッグデータ活用の広がりにより、データセンターの必要電力が急伸し、BCP(Business Continuity Planning:事業継続計画)の観点でも非常用電源へのニーズが高まっているという。そこで発電に関して、クリーンで静かな非常用電源から、燃料電池システムの適用を提案する。 準備段階として、米国カリフォルニア州の現地法人アメリカン・ホンダモーターの敷地内に「クラリティ・フューエルセル」の燃料電池システムを再利用した約500kWの定置電源を設置し、今月下旬よりデータセンター用の非常用電源として実証運用を開始した。 今後はグローバルのホンダ工場やデータセンターへ適用していくことで、自社で排出した温室効果ガスの低減も図るとしている。 建設機械については、ホンダは建設機械市場の中で大きなセグメントを占める、ショベルやホイールローダーから燃料電池システムの適用に取り組むとしている。 従来の固定式の水素ステーションだけでは対応が難しいとされる建設機械への水素供給について、業界団体や関係者と連携して課題解決を図っていくという。 この他の技術開発として、ホンダは将来的に宇宙領域での燃料電池技術・高圧水電解技術などの水素技術の活用も視野に入れ研究開発を進めるとしている。

TAG: #ホンダ
TEXT:曽宮 岳大
マツダ、CX-90を米で世界初公開。日本向けのCX-80に継承される技術とは

マツダの北米法人は現地時間1月31日、フラッグシップモデルとなる3列シートSUV「CX-90」を初披露した。CX-90は、日本への導入予定はないものの、これよりもボディ寸法を抑えた3列シートSUV「CX-80」の導入を予定している。そこでCX-90の内容をチェックしつつ、そこから日本向けのCX-80に生かされそうな技術やポイントについても探っていきたい。 デザインにおけるCX-90とCX-80の共通項 CX-90やCX-80は、マツダのラージ商品群に位置付けられるモデルで、CX-90は北米向け、CX-80は日本ならびに欧州が主要マーケットとなる。いずれも3列シートを備え、多人数乗車を可能とする点は共通する。ラージ商品群は、2022年6月に投入された「CX-60」が第一弾で、CX-90やCX-80はそれに続くモデルとなる。 マツダのデザインは、CX-60からそのテイストに変化が見られるようになった。従来からマツダが標榜するデザインテーマ「魂動」を継承しつつ、新たに「引き算の美学」という言語が用いられるようになった。これは、従来モデルよりもシンプルな形状としつつ、存在感あるスタイリングの実現を図ったもの。この引き算の方程式はCX-90にも生かされている。同様のデザインテイストはCX-80も用いられるだろう。

連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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