EVを牽引する際は注意が必要
バッテリー残量があるうちはまだセーフだが、電気を使いきってしまたった場合、いわゆるEVが「電欠」を起こした場合はどうなるのだろうか。この点に関しては、現行の内燃機関車に対するEVのウイークポイントとしてずっと懸念されてきた問題だ。内燃機関車の場合は、燃料を調達(携行缶などに入れて補給)するだけで再び動けるようになるのだが、EVの場合はどうすればよいのか。非常時の動力源となる電気エネルギーの確保、これがEVの直面する問題となっている。
タンクローリーならぬ電力供給車があれば、電欠した車両のバッテリーに緊急充電することで急場をしのぐことができると考えてもしまうが、問題は電力供給車の電源の種類だ。交流電源を蓄電池とすることはできず、充放電可能な電池はすべて直流となっている。しかし、現状のEVは、交流電源(AC100V、AC200Vなど)による充電にしか対応しておらず、もち運び可能な電池(直流)による充電には対応していない。つまり、大容量電池搭載による電力供給車の存在そのものが成立しないのだ。
では、交流電源の発電機を積んだ救援車にすればよいのではないか、と瞬間的に考えそうになってしまうが、二酸化炭素の排出を避けるため強く普及が図られているEVに対し、二酸化炭素を排出する発電機(化石燃料)を使っての供電はいかがなものか、という本末転倒した話になってしまう。
なので、基本的に電欠(動力用電池)したEVの救援は、充電用の電源を電欠EVのところまで運ぶのではなく、電欠EVを充電設備のあるところまで運ぶ、というのが解決方法となっている(JAFの救援車なども存在はするが)。では、どうやって電欠EVを搬送するか、この方法が問題となる。
現状、取り得る方法はふたつ。
積載車に「載せて運ぶ」か、別のクルマで「牽引して運ぶ」か、このいずれかである。積載車(セフティローダーなど)に載せる方法は、電欠EVが完全停止した状態での移動となるので問題はないが、牽引の場合は注意が必要だ。