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TEXT:栁 蒼太
フォード、北米の複数の生産工場でEVの生産を拡大

フォードは、顧客の高まるEV需要に応えるため、クアウティトラン、デトロイト、カンザスシティの製造拠点でマスタング・マッハ-E、F-150 ライトニング、 E-トランジットなどの人気EVモデルの生産を拡大する。 また、2023年に販売を予定している新型4車種(Super Duty、Ranger、Mustang、Escape)の販売準備も進める。 フォードの販売状況は? フォードはアメリカの自動車総合ブランドとしてNo.1の販売台数を誇り、またトラックやSUVの車両分野でもトップだ。 なお、フォードの電気自動車の販売台数は68%増加している。2月のフォードの米国市場シェアは、21.9%の販売増に後押しされ、1.4ポイント増の13.3%となっている。 人気EV「マスタング・マッハ-E」、ピックアップトラックを増産 メキシコでは、すでにマスタング・マッハ-Eの増産に着手しており、工場のオペレーションを変更することで、時間当たりの生産台数をほぼ倍増させることが可能となった。同社は、年末までに年間生産台数を21万台にすることを目標としている。 ところで、マスタング・マッハ-Eは、2022年の米国のEV販売台数でフォードを2位に押し上げている。同車種の顧客の3分の2以上は他メーカーからの顧客となっており、フォードに新しい顧客をもたらす、重要な車種となっている。 ミシガン州のルージュ電気自動車センターでは、ベストセラーのEVピックアップトラック「F-150ライトニング」の生産台数を3倍に増やすことを計画、2023年末までに年間生産台数15万台を達成する目標を立てている。 ところで、米国で最も売れている電気トラックであるF-150ライトニングは、2022年に記録した15,617台に加えて、2月までの販売台数が3,600台となった。F-150ライトニングの増産のために、フォードはミシガン州の3工場に20億ドルを投資し、3,200人の組合員の雇用を増やすとしている。 EV拡大のその先へ 日本市場から撤退してしまいいまやあまり馴染みがないフォードであるが、米国を中心とした業界の先駆者であることはいうまでもない。同社には、あまり日本では聞かない、装備を備えた車も存在する。例えば、先述したF-150ライトニングに目を向けたい。同車種は、他のEVを車車間充電できる機能をオプション設定している。これは「プロパワーオンボード」と呼ばれるもので、発電機と大容量バッテリーシステムによって、他のEVを車車間充電することができるのだ。 このようなユニークな機能性を備える車種もラインナップする同社が、生産を飛躍させ、どのようなモビリティの未来を創っていくのが楽しみだ。

TAG: #E-150 #マスタング
TEXT:栁 蒼太
フォルクスワーゲン、2022年のEVの納入数が前年比26%増の57万2,100台

フォルクスワーゲングループは 2022 年、供給の混乱、原材料やエネルギーコストの上昇による逆風にもかかわらず、収益性を改善し、堅調な業績を達成した。特に、ポルシェAGのIPOの成功、ザルツギッター(ドイツ北西部)にあるセルギガファクトリーの起工によるバッテリー会社パワーコの立ち上げ、米国での電気自動車ID.4の生産開始などによって、それらを達成させた。 全体的に堅調な伸び 全体の売上高は、2021年比11.6%増の2,792億ユーロとなった。全電気自動車(BEV)の納車台数は大幅に増加したが、半導体の不足、ロジスティクスチェーンの混乱、中国での供給停止により、総納車台数は7%の微減となった。 なお、特別項目計上前営業利益は225億ユーロ(前年:200億ユーロ)に増加し、特別項目計上前売上高営業利益率は8.1%(8.0%)に相当します。税引前利益は9.5%増加し、220億ユーロ(201億ユーロ)となった。税引後利益は2.6%増の158億(154億)ユーロとなっている。また、自動車部門のネット・キャッシュ・フローは48億ユーロ(86億ユーロ)となっている。これは主に、不安定な供給状況と、年末のロジスティクスチェーンの混乱に起因している。結果として、年末の運転資本、特に完成品、原材料及び貯蔵品の在庫は計画を大幅に上回り、2022年度末の運転資本の増加は、2023年度中にほぼ解消されると見込まれている。 EVの納車状況と展望 バッテリー電気自動車(BEV)の納車台数は2021年比 26% 増加し、2022 年には合計 572,100 台となった。なお、グループ納車台数に占めるそれらの割合は 7%に増加している。同社は、 2025 年に納車台数全体に占める BEV シェア 20%、2030 年には 50%を目指している。なお、2023年のグループ見通しとして、納車台数は約950万台に増加、売上高は10~15%増加、売上高営業利益率は7.5~8.5%の範囲にあると見込んでいる。 積極的な投資、見据えた見通し 同社グループは、2024年からの主要製品の発売に向けて、変革活動を加速し、ソフトウェア、バッテリー事業、ICEだけでなくBEVプラットフォームへの投資を行っている。その結果、2022年の研究開発費は189億ユーロに増加し、自動車部門の売上高に対する研究開発比率は8.1%となった。また、設備投資額は127億ユーロで2022年の自動車部門の売上高に対する設備投資比率は5.5%に相当する。 同社グループが掲げる課題には、特に経済環境、競争の激化、不安定な原材料・エネルギー・外国為替市場、排出権関連の規制の強化などがあるとしている。

TAG: #フォルクスワーゲン
TEXT:烏山 大輔
高速道路初、新東名のSAで150kW級急速充電器が運用開始

NEXCO(ネクスコ)中日本と株式会社e-Mobility Power(イーモビリティパワー)は、「EVを高出力の急速充電器で充電したい」とのニーズに応えるため、高速道路のサービスエリア・パーキングエリアにおける急速充電器の整備を進めている。今回e-Mobility Powerは国内の高速道路で初めて1口最大150kW級の急速充電器を新たに設置し、3月2日から運用を開始した。この急速充電器は既設充電器の利用頻度が高い「新東名高速道路 浜松サービスエリア(上下)」と「新東名高速道路 駿河湾沼津サービスエリア(上下)」に設置されている。 1口最大150kW級の急速充電器はABB(エービービー)株式会社製の「Terra 184 JJ-X」が設置される。2台同時充電時は1口最大90kWとなる。また1口最大出力90kWの急速充電器はニチコン株式会社製の「NQM-UCY04P」が設置される。こちらは同時充電の台数に応じ総出力が200kW以下となるよう制御される。 高速道路のサービスエリア・パーキングエリアでは、特に休日に充電器の空き待ちをしているクルマも見られるようになってきた。東京―大阪間の中間付近に位置する浜松サービスエリアで最大8台も同時充電ができるようになったことは、充電器の空き待ちを解消する大きな助けになるだろう。 EVユーザーに「選ばれる」サービスエリア・パーキングエリアになるには、充電器の充実が必須になってくるかもしれない。 各サービスエリアに設置した急速充電器の概要、基数および口数 浜松サービスエリア(上り):計8口 ①ABB株式会社製 Terra 184 JJ-X:2口 総出力:180kW 特 徴:1口最大出力150kW(充電開始時から最大15分) 特 徴:2台同時充電可能(2台同時充電時は1口最大90kW) ②ニチコン株式会社製 NQM-UCY04P:6口 総出力:200kW 特 徴:1口最大出力90kW(充電開始時から最大15分) 特 徴:6台同時充電可能(同時充電台数に応じ総出力が200kW以下となるよう制御) 浜松サービスエリア(下り):計8口 ①ABB株式会社製 Terra 184 JJ-X:2口 総出力:180kW 特 徴:1口最大出力150kW(充電開始時から最大15分) 特 徴:2台同時充電可能(2台同時充電時は1口最大90kW) ②ニチコン株式会社製 NQM-UCY04P:6口 総出力:200kW 特 徴:1口最大出力90kW(充電開始時から最大15分) 特 徴:6台同時充電可能(同時充電台数に応じ総出力が200kW以下となるよう制御) 駿河湾沼津サービスエリア(上り):計6口 ①ABB株式会社製 Terra 184 JJ-X:2口 総出力:180kW 特 徴:1口最大出力150kW(充電開始時から最大15分) 特 徴:2台同時充電可能(2台同時充電時は1口最大90kW) ②ABB株式会社製 Terra 184 JJ-S:4口 総出力:120kW 特 徴:1口最大出力90kW(充電開始時から最大15分) 特 徴:2台同時充電可能(2台同時充電時は1口最大56kW) 駿河湾沼津サービスエリア(下り):計6口 ①ABB株式会社製 Terra […]

TAG: #充電
TEXT:烏山 大輔
EVを大きく進化させる技術に期待、日本発の技術の展示会「スマートエネルギーWeek春」

スマートエネルギーWeek春が3月15日(水)から17日(金)まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される。2050年カーボンニュートラル実現に向け、ますますの普及が期待される再生可能エネルギー。世界最大級の新エネルギー総合展であるこの展示会は、水素・燃料電池、太陽光発電、二次電池、スマートグリッド、洋上風力、バイオマス発電、ゼロエミッション火力などあらゆる技術が出展される。その中でEVの発展に貢献することが期待される3社の技術を紹介したい。 シャープ、「PV EXPO 春 2023 第16回 国際 太陽光発電展」に出展 シャープはEVへの搭載を目指している高効率太陽電池や、都市部や市街地に適した太陽電池モジュール、EVと住宅用太陽光発電・蓄電池システムが連携する「V2Hシステム」、法人向け自家消費ソリューションなどを展示する。 主な出展内容 1.世界最高水準の車載用高効率太陽電池などの新技術である、薄型・軽量かつフレキシブルなペロブスカイト太陽電池をはじめ、人工衛星などの宇宙や航空分野、EVなどの移動体への応用を目指し、世界最高の変換効率を実現した化合物太陽電池を出展。公道での実証実験を行っている化合物太陽電池搭載のプラグインハイブリッド車(PHV)も展示し、シャープの太陽電池技術の先進性を紹介する。 2.都市部などに適した住宅用太陽電池モジュールや将来EVとの連携が可能な住宅用太陽光発電・蓄電池システムに関して、屋根スペースが限られる都市部などの住宅でも効率的に設置できる、小型サイズの住宅用太陽電池モジュールを出展する。また2024年春発売予定のEV用コンバーターを初公開。EVと住宅用太陽光発電・蓄電池システムが連携する「V2Hシステム」の全体像を展示する。 3.初期投資ゼロで設置可能な産業用太陽光発電システムといった法人向けソリューション工場や大型店舗などに、初期投資ゼロで自家消費用の太陽光発電システムを導入するビジネススキームを提案する。さらに農地で農業と太陽光発電を両立させる営農型太陽光発電や、メガソーラーの発電診断・リパワリングなどを紹介する。 出展小間番号:No.52-4 ジェイテクト、「第14回 国際 二次電池展 バッテリージャパン」に出展 株式会社ジェイテクトは自動車業界のみならず、様々な産業のニーズに応える主電源装置としてのモジュール、主電源装置の力強い相棒となる補助電源、バックアップ電源ユニットなど、キャパシターを用いた様々な電源デバイスを提案する。 主な出展製品 1.高耐熱リチウムイオン・キャパシター 独自特許技術により、世界で初めて-40~85℃の動作温度範囲を実現した。厳しい温度環境での利用や大電流で繰返し充放電する際の自己発熱にも耐え、信頼性の高い電源構築に貢献する。 2.高耐熱リチウムイオン・キャパシター モジュール高耐熱化によって、大電流での連続使用が可能となった、その堅牢性、信頼性はダカール・ラリーという過酷なフィールドで実証済である。自動車分野から産業用途まで、幅広いニーズに対応する。環境規制対応の12V鉛蓄電池代替モジュールも用意している。 3.高耐熱リチウムイオン・キャパシター搭載 多機能化電源システム 自動車分野における自動運転化、電動化に伴う12V系補機系電源の強化機能、およびメイン電源失陥時のバックアップ機能を1ユニットで実現する、小型・軽量な多機能化電源システムを提供する。電圧冗長による高効率運用、電流冗長による高出力運用、電源バックアップまで、信頼性の高い電源システムを提供する。機能安全対応、サイバーセキュリティ―対応可能な商品である。 4.高耐熱リチウムイオンキャパシター搭載 水素燃料電池 ドローン株式会社ロボデックス製の水素燃料電池ドローンに弊社の高耐熱リチウムイオン・キャパシターと補助電源システムを搭載。水素燃料電池では難しいとされる大出力供給、電力変動吸収を担い、ドローンの上昇速度・加速力の向上、姿勢制御性能を強化します。主電源故障時のバックアップ電源としても活用できるよう、機能を拡張中である。 出展小間番号:No.29-39

TAG: #イベント #バッテリー
TEXT:烏山 大輔
ペットと乗れるEVバイク「PONY」を発売、イベントで試乗可能

合同会社グッドシェイプはペットとお散歩できるバイク、The Dog Bike「PONY」を、「第16回ワンOne day at 柏の葉T-SITE」に出店する。このイベントは2023年3月11日(土)、12日(日)に千葉県柏市にある柏の葉T-SITEで行われ、当日は特設コースで「PONY」の試乗ができる。 ペットと一緒に乗れる電動バイク、The Dog Bike「PONY」 家族であり、人生のパートナーでもある「ペット」。そんな大切な存在であるペットが歩行が難しい老犬になっても、気軽にもっと遠くへ一緒に行きたい、もっと楽しく幸せな時間を過ごしたいという開発者の思いから生まれた電動バイクである。 自転車や電車でペットと一緒に遠出するのは大変だ。この「PONY」があれば歩いて行くには遠いお気に入りの公園、ドッグラン施設やお買い物に車がなくても一緒に出かけることができる。 The Dog Bike「PONY」の特徴 ・ペットをシート下のケージまたは前方のキャリーケースに乗せてお出かけが可能。 ・原付バイクの免許以上の保有・ヘルメット着用で運転可能。その上で公道走行ができる。 ・保安部品の装備(LED前照灯・尾灯・ナンバー灯・ナンバープレートホルダー・ミラー・前背後方向指示器・速度計) ・大容量リチウムイオン・バッテリー搭載。バッテリーは外して家のコンセントでも充電できる。(約6時間の充電、バッテリーはリチウムイオン・バッテリー、15Ah、走行距離約40km) ・最大20度の坂道でも走行可能。 ・より安全に軽快に走るために、前後に衝撃吸収装置(ダブルサスペンションフレーム)を装着。 路面の凸凹を吸収する。 ・運転中に両足を置くフットレスト。出し入れは足先でボタンをワンプッシュ。 ・ハンドルバーを折りたたんで車のトランクスペースなどに積載可能。 ・キーロックした状態で振動を感知すると、大音量で警報を鳴らす盗難防止装置を搭載。 The Dog Bike「PONY」の仕様 ・ボディカラー:メタルグレー または サーモンピンク ・本体サイズ:約横1070mm×高1070mm×幅330mm ・ペット用ケージサイズ:横底辺400mm(上辺500mm)×高さ320mm×幅210mm ・折り畳みサイズ:約横1070mm×高さ670mm×幅330mm ・本体重量:約28kg ・モーター:400W/48V ・ブレーキ:前輪ディスク式、後輪ドラム式 ・最高速度:時速35km (法定最高速度は時速30km) ・最大積載:140kg

TAG: #PONY #電動バイク
TEXT:烏山 大輔
Olympic(オリンピック)、スーパーマーケット28店舗にEV充電インフラ「テラチャージ」を導入

Terra Motors株式会社(テラモーターズ)は株式会社Olympicが首都圏で展開するスーパーマーケットなどの店舗「オリンピック」の駐車場にEV充電インフラ「Terra Charge(テラチャージ)」を導入した。 オリンピックは地域に根差した店舗運営で、社会のライフラインとして地域社会への貢献を重視している。SDGsと地域社会に貢献が出来るという点において、これまでもEV充電設備を導入し来店者に限らずに開放してきた。 今回、充電設備の交換のタイミングで、初期費用・ランニングコスト無料で導入することができるテラモーターズの「テラチャージ」の導入に至った。アプリで充電時間の設定や料金決済ができるため、オリンピック側で充電料金の管理などの負担が減ることも特徴である。今後も地域社会の拠点となり、EVユーザーにとっても利用しやすい環境の構築を両社で進めていくという。 2022年、日本国内のEV販売台数が前年比3倍以上に伸長するなど、EVのニーズが高まっている。一方で、一般開放されているEV充電インフラは、アメリカ11.4万基、韓国10.7万基に対して、日本は2.9万基と数の少なさが課題とされている。低コストで充電設備を設置できるサービスが広がることは、この課題解決に向けた大きな切り札になり得る。日常的に訪れる機会の多いスーパーマーケットに充電できる箇所が増え、EVオーナーの新しいスタンダードになっていくことを期待したい。 ■Terra Charge導入店舗(28店舗) オリンピック本羽田店(東京都大田区本羽田1-23-25) オリンピック下丸子店(東京都大田区下丸子4-21-4) オリンピックおりーぶ志村坂下店(東京都板橋区東坂下2-12-8) オリンピック高井戸店(東京都杉並区高井戸東3-21-17) オリンピック三鷹店(東京都三鷹市新川3-13-10) オリンピック国立店(東京都国立市北3-39-1) オリンピック小金井店(東京都小金井市貫井北町4-3-1) オリンピック田無店(東京都西東京市田無町5-7-10) オリンピック瑞穂店(東京都西多摩郡瑞穂町大字箱根ヶ崎1347-1) オリンピック相模大塚店(神奈川県大和市上草柳112-1) オリンピック藤沢店(神奈川県藤沢市渡内1-3-12) オリンピック今宿店(神奈川県横浜市旭区今宿東町1640) オリンピックおりーぶ東戸塚店(神奈川県横浜市戸塚区川上町52-1) オリンピック洋光台店(神奈川県横浜市磯子区洋光台5-1-9) オリンピック港北ニュータウン店(神奈川県横浜市都筑区茅ケ崎中央27-10) オリンピック鶴見中央店(神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央4-42-11) オリンピック行徳店(千葉県市川市塩焼3-1-10) オリンピック千葉桜木店(千葉県千葉市若葉区桜木北1-2-4) オリンピック千葉東店(千葉県千葉市中央区星久喜町170-1) オリンピック柏花野井店(千葉県柏市花野井738-12) オリンピック鎌ヶ谷店(千葉県鎌ヶ谷市北中沢1-17-5) オリンピック所沢西店(埼玉県所沢市若狭1-2617-1) オリンピックおりーぶ新座店(埼玉県新座市中野2-1-38) オリンピック朝霞台店(埼玉県朝霞市西原1-1-20) オリンピック武蔵浦和店(埼玉県さいたま市南区別所7-3-1) オリンピック宮原店(埼玉県さいたま市北区奈良町6-1) オリンピック墨田文花店(東京都墨田区文花1-31-9) オリンピック平塚店(神奈川県平塚市代官町33-1)

TAG: #テラモーターズ #充電
TEXT:烏山 大輔
BYDの乗用車は六価クロム不使用と公表

BYDジャパン株式会社は2月27日、BYDの乗用車に六価クロムを使用していないと発表した。 BYDの乗用車は、欧州議会と欧州委員会のEU ELV指令に準拠している。この指令は、自動車からの廃棄物発生抑制と廃車時の環境負荷の低減を目的に定められたもの。附則 II(※1)に記載する事例ならびに定められた条件に適合する場合を除き、六価クロムを含む4物質を含有しないことを定めている。日本自動車輸入組合は、国内に輸入される加盟各社の自動車が当指令に適合(※2)していることを確認している。 2023年1月より日本で販売している「BYD ATTO 3」をはじめ、今後販売を予定している「DOLPHIN」 ならびに「SEAL」など BYD の乗用車も、この指令に準拠しているため、お客様の安全や地球環境に影響を及ぼすことはないとした。 BYDジャパン株式会社は2月23日にBYD製のバスに六価クロムが使用されていたと発表した。その際に乗用車にも六価クロムが使用されているかどうかを調査するとしており、今回の発表はその結果となった。 (※1)EU ELV 指令は、乗員9名以上の車両と、車両総重量3.5トン以上の物流車両は対象外。附則IIについては、以下の資料内『ANNEX II』を参照のこと。 https://byd.co.jp/uploads/CELEX_02000L0053-20200306_EN_TXT-ELV(2).pdf (※2)日本自動車輸入組合:2022年11月7日:『輸入車の重金属4物質等の削減・使用廃止に関する対応状況について』 https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/sangyo_gijutsu/haikibutsu_recycle/jidosha_wg/pdf/057_s03_04.pdf

TAG: #ATTO3
TEXT:TET編集部
コンチネンタル・タイヤが「PremiumContact 7」(プレミアム・コンタクト・セブン)を発売、電気自動車(EV)時代を意識したプレミアムタイヤ

コンチネンタル・タイヤは2023年2月28日、コンフォートタイヤのフラッグシップ・モデルとして「プレミアム・コンタクト・セブン」を2023年4月より発売すると発表した。当初用意されるのは17~19インチの15サイズで、順次拡大予定する。価格はオープンプライス。 電気自動車(EV)時代を見据えた新設計 「お客様に常に安心・安全で上質なドライビングを提供するというコンチネンタルの目標のもと、最大限の安全性に焦点をあてて開発した」というこのモデルは、最近のサステナビリティを最優先として燃費性能に重点を置いて設計されるトレンドとは一線を画しているという。 「プレミアム・コンタクト・セブン」は、幅広い車両コンセプトに対応するために自動車のサイズ、重量、駆動方式に応じて「テーラーメード・コンストラクション」を採用した。一般に従来の内燃機関車より2〜3割車重が大きいとされる電気自動車にも対応する。専用に開発されたレッド・チリ・コンパウンド、アダプティブ・パターンの3つの技術により、転がり抵抗低減と優れた耐摩耗性、あらゆる駆動方式の車両で高いグリップ力と短い制動距離を実現するなど、相反する性能を高次元で両立することを目指したという。 プレミアム・コンタクト・セブンは、「ADAC」や「AutoBild」をはじめ、国際的に著名な自動車系メディアや自動車連盟が実施した多数のタイヤテストで優秀な成績を収めた「プレミアム・コンタクト・シックス」の後継モデルに位置づけられ、主要性能全般で従来モデルをしのぐ実力を備えているという。

TAG: #コンチネンタル
TEXT:烏山 大輔
日本初、「電気自動車、自動運転」の教育・研究に特化した専門職大学が2023年4月開学、この春入学の学生も募集中

学校法人赤門学院は、電気自動車と自動運転に特化した日本初の高等教育機関「電動モビリティシステム専門職大学」を山形県飯豊町に2023年4月に開学する。この学校は電気自動車、自動運転の教育・研究に特化した、日本初となる専門職大学である。次代を担う人材『Pioneer in e-Mobility system(電動モビリティシステム開拓者)』を養成し、第一線で活躍する電気自動車、自動運転の研究者、開発者、設計者を日本のみならず世界の自動車関連産業に輩出することを目的としている。 現在、下記日程で2023年度(令和5年度)の学生を募集中です。 詳細については下記ホームページをご確認ください。 <https://www.mobility-ac.com/post/追加の学生募集要項(総合型選抜)を公表します> B日程 出願期間:令和 5年 3月 3日(金)〜 3月10日(金)17時      試験日:令和 5年 3月17日(金) C日程 出願期間:令和 5年 3月13日(月)〜 3月16日(木)17時      試験日:令和 5年 3月24日(金)  学士(専門職)の学位を取得できる 「電気自動車システム工学部」「電気自動車システム工学科」を設置。電気自動車システムの専門4分野「電池」「モーター・インバータ」「車体」「自動運転」を基軸に、関連する知識・技術・スキルを体系的に学ぶことができ、卒業時には大学の学位である「学士(専門職)」を取得することができる。 教授陣は世界の研究をリードする選りすぐりの人材を国内外から招く。日本における電気自動車のパイオニア、モーター制御・自動運転など各分野の第一人者、リチウムイオン電池原理の発明者の中の一人など多分野にわたる。また、入学定員40名/1学年に対し専任教員23人を配置するなど手厚い教育体制を構築している。 専門職大学で学ぶということ 専門職大学の教育上の大きな特徴は、講義の内容を実験、実習及び専門企業の開発・研究現場における実習(インターンシップ)等を通じて、理論と実践力を深く学ぶことができること。さらに1年次から研究室に所属し、研究活動を始めることで発想力や創造力を磨き、技術の本質や研究とは何かを学び、研究課題の設定法や研究計画の立案方法に関しての能力を獲得していく。3年次後半からは、卒業研究に本格的に取り組み、研究論文を纏めることで、電気自動車と自動運転のパイオニアとして研究者、開発者、設計者としての実践的かつ応用的な能力を身につけることができる。

TAG: #大学 #山形
TEXT:曽宮 岳大
純正ホイールに変化。MINI(ミニ)が電気自動車に採用したホイールはエコなだけでなく、スタイリッシュで空力にも配慮

自動車に使われる素材に変化が見られつつある。最近では、環境保護の観点から本革不使用をうたうメーカーが出てきたり、リサイクル素材の使用を強化するなど、エコな素材の利用を模索する取り組みが加速している。そうしたなか、BMWグループはMINI(ミニ)の限定の電気自動車「ミニ・クーパーSEコンバーチブル」に、リサイクルアルミで作られたホイールを採用。強度や品質を確保しつつ、CO2排出量を大幅に低減し、さらに空力面にも配慮した革新的なホイールを完成させた。 CO2排出量を最大75%削減 「ミニ・クーパーSEコンバーチブル」に純正採用されるアルミホイールは、リサイクル素材のみで作られている。アルミホイールへの完全リサイクル素材の採用は、量販モデルでは同ブランド初という。なお同ホイールは、アルミホイールメーカー、ロナール(Ronal)とBMWのコラボレーションにより実現したもの。参考までにロナールは現在、アフターマーケット用ホイールとして有名なSPEEDLINE(スピードライン)の供給元でもある。 BMWグループによれば、再生アルミニウムを使用することで、原材料の消費を抑えられるだけでなく、製造工程においてエネルギー消費の大きい電解工程を省けるため、CO2排出量を大幅に抑えられるという。具体的にはアルミニウム1kgあたりのCO2排出量は0.16kg で済み、従来品に比べると工場でのCO2排出量を最大75%削減できるとのこと。 ディスク面に空力デザインを採用 完成したアルミホイールは、デザインも特徴的。4本あるスポークのうちの1本がセンターキャップと繋がった非対称デザインを採用となっており、ミニらしいユニークかつ目を惹くディスク形状となっている。 さらに細かに見ていくと、スポーク間の空間を半分ほど覆うインレイが設けられている点に注目したい。これはホイール内への空気の巻き込みを防ぐことで、空力を向上させるもの。通常のホイールではブレーキの冷却のため、スポーク間の空間を確保したものが一般的だが、ミニ・クーパーSEコンバーチブルはEVゆえ、通常のブレーキ以外に回生ブレーキで制動力を生み出すことができるゆえ、このような特殊なデザインを採用しやすいのかもしれない。

TAG: #MINI #ホイール
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VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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