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EVバスを導入したい自治体や事業者の救世主となるか!? ヒョンデ中型EVバスを2024年末までに国内投入


TEXT:TET 編集部 PHOTO:ヒョンデ
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中型EVバス「ELEC CITY TOWN」の気になる中身

ELEC CITY TOWNの主な特徴は以下の通りだ。

・リチウムイオンバッテリーを搭載し200km以上の航続距離を確保(乗車人数、外気温、空調の使用状況により航続距離は変動)
・充電方式はCHAdeMOを採用。90kWh×2の入力に対応し短時間での充電が可能
・駆動モーターはZF製セントラルモーターを採用。静かで力強い走りを実現
・VDC(車両安定装置)やEDSS(ドライバー異常時対応システム)をはじめ日本のバス事業者から要望の多い安全装置を標準装備
・日本のバス車体規格ガイドラインに準拠。ワンマン路線バスに必要な装備の架装に対応
・新規車両登録後からフロントガラス、サイドミラー(片側)は10年間、タイヤパンクは5年間にわたり修理・交換サービスを提供する

ヒョンデの中型EVバス「ELEC CITY TOWN」車両諸元スペック表

上記を含めもう少し詳細にELEC CITY TOWNのことを見ていくと、バス事業に必要不可欠な安全運行への装備と、運行事業社の負担軽減およびメンテナンス性の充実が図られていることがわかる。

ELEC CITY TOWNは、乗客が乗降車する際の死角地帯の障害物を感知する「SEW-Near」機能を装備し、乗客の安全を確保する。また、各種センサーで車両の挙動を測定し、モーターの出力・ブレーキを制御することで悪天候や滑りやすい路面でも車両のコントロールを容易にする「VDC(車両安定装置)」をはじめ、路線バス運行で求められている各種安全装置を標準装備し、安全な運行をサポートする。

ヒョンデの中型EVバス「ELEC CITY TOWN」の乗降口周辺および運転席まわり

そして、運行事業社の負担軽減およびメンテナンス性の面では、次のようなアプローチが取られている。

働き方改革法案によりドライバーの労働時間に上限が設定された、いわゆる「2024年問題」に対する取り組みとして、車両管理の省力化を実現するOBD2コネクタを介したテレマティクスサービスの導入準備がなされている。また、バス事業者の車両故障や修理対応による稼働時間減少(ダウンタイム)への対策として、現在ヒョンデが販売中の大型観光バス「ユニバース」の部品と同様に、国内翌日納品率95%以上を目指して初期部品在庫を準備しているなど、日本各地のバス事業者から好評を得ている各種アフターサービスとノウハウを活かし、ハードとソフトの両面から運行事業社の負担を軽減していくとしている。

ヒョンデの中型EVバス「ELEC CITY TOWN」の運転席 OBD2コネクタを介したテレマティクスサービスの導入順が施されている

大型路線バスではハイブリッド車はもちろんのこと、水素や電気をエネルギー源としたバスを目にする機会が日を増すごとに増えてきている。これは運行区間が決まっており、稼働時間と距離が概ね決まっていることから、充電タイミングを計画しやすくEVの恩恵を受けやすいからだ。

しかし、ヒョンデが指摘しているように中型の路線バスではまだまだEVの導入は大型に比べれば緩慢だといわざるを得ず、ELEC CITY TOWNの国内投入により活性化されていくのか今後の動向を注視したい。

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