#EVバス
TEXT:TET 編集部
世界初の自動運転EVバスが2台定常運行! マクニカが常陸太田市に新たな路線バスを投入

マクニカ「evefleet」とNavya「EVO」が地域交通の未来を創造する 茨城県常陸太田市で、マクニカが提供する特定環境下でレベル4に対応した自動運転EVバス「Navya EVO」が、世界初となる2台定常運行が2025年2月18日からスタートしている。 常陸太田市ではこれまでにも、同市の中心市街地「東部地区」における多様な移動ニーズへの対応、環境に配慮した交通システムの構築、次世代技術との融合による魅力ある街づくりの一環として、マクニカなど関係各社と連携し、自動運転EVバスの実証実験(2023年2月)や、Navya社製自動運転EVバス「EVO」の自動運転レベル2での定常運行(2024年2月から1年間)を行なってきた実績がある。   「じょっピー」の愛称で親しまれる自動運転EVバスの定常運転開始から1年が経過し、市民から要望の多かった常陸太田駅と鯨ヶ丘方面に新しいバス停を追加。さらに2台目の自動運転EVバスを追加し、2台を公道で定常運行させる世界初の取り組みを行うことで、走行ルートと距離を拡大し、市民の交通利便性を向上させる。 なお、2台のバスの位置情報や車内の混雑具合、バス停周辺の店舗情報などは「常陸太田デジタルマップ」で一元的に可視化され、常陸太田市の行政情報アプリ「じょうづるさんナビ」を通して市民に提供される。 それらの情報や運行管理には、マクニカの「everfleet」という遠隔運行管理システムが活用されており、リアルタイムで車両データや走行状況がモニタリングされている。これにより、安全性と効率的な運行が確保され、将来的には自動運転レベル4の運行(現状ではレベル2での運行)を目指す。 また、この取り組みは持続可能な街づくりの構築に貢献するため、他の自治体への自動運転EVバス導入にもつながることをマクニカは期待している。 常陸太田市での運行は1日6便、南まわりと北まわりでそれぞれ3便ずつが運行され、乗車は予約なしで無料で利用することができる。 使用される自動運転EVバス「EVO」のボディサイズは、全長4780mm、全幅2100mm、全高2670mmとコンパクトで、最大速度は18km/h(運行時は平均速度15km/h程度)、乗客人数は最大9名となっている。1回の充電で約100km走ることができ、緊急時にはオペレーターが手動で介入できる仕組みを採用している。 マクニカの「evefleet」とNavyaの「EVO」の組み合わせにより、安全を確保しながら自動運転バスの運用を高度に効率化し、運行にかかる人員を削減しつつ増便につなげられる可能性がある。市民の足を確保したいものの、バス運転手不足が叫ばれる現代社会において、自動運転バスの複数台同時運行実現は救いの一手であり、今後のさらなる開発に期待したい。

TAG: #EVバス #マクニカ #交通インフラ #自動運転
TEXT:TET 編集部
2025年大阪・関西万博開催へ向けてラストスパート! EVモーターズ・ジャパンが大阪メトロに小型乗合EVバスを28台納車

EVモーターズ・ジャパン製を導入 EVモーターズ・ジャパンが、大阪市高速電気軌道(通称:大阪メトロ)に小型乗合EVバスを28台納車すると発表した。 この小型乗合EVバスは、「2025年大阪・関西万博」の開催期間中、大阪市内の森之宮エリアと西エリア・港エリアにおいて2025年10月31日までの期間限定で、オンデマンド方式のバスとして運行される。西・港エリアでは、すでに2025年1月27日から運行されており、森之宮エリアでも順次運行が開始されるという。 今回納車される小型乗合EVバスはエアサスを標準搭載しており、ニーリング機能を働かせることで最低地上高の調整が可能になっている。これにより車いすの乗客もスムーズに乗り降りすることができるのが特徴だ。 また、全長はEVモーターズ・ジャパンがラインアップするEVバスのなかでももっとも短い5.38mとなっており、そのコンパクトさから狭い路地が続くエリアでも運行が可能。乗車定員は10名で、設計値の航続距離は215kmと発表されている。 大阪メトロが小型乗合EVバスを導入した背景 小型乗合EVバスを導入する大阪メトロは、4月に開幕する「2025年大阪・関西万博」の開催にともない、会場へのアクセス路線の大阪メトロ中央線では乗客が大幅に増えることを見込んでいる。その反面、普段から中央線を利用する沿線住民にとっては、交通利便性が低下してしまう恐れがある。その対策として、小型乗合EVバスの導入に踏み切ったと発表している。 オンデマンド方式での運行となるが、これは運行エリア内に乗降場所を路線バスよりもきめ細やかに設け、乗車日時や乗降場所を事前予約で指定することで、バス利用ユーザーのニーズに沿って運行される乗合バスのことを指す。 乗降場所は西エリア(西区および港区の一部区域の約4.6平方キロメートル)にバーチャル乗降場所を含む計79か所、港エリア(港区および西区の一部区域の約4.9平方キロメートル)にも同様に計76カ所設置されるから、通常の路線バスと比べると事前予約の手間はあるものの、かなり細かくポイント設定されていて利便性は高い。 なお、現地に目印が無いバーチャル乗降場所については、大阪メトロが発行する「e METROアプリ」に地図や写真を用いて表示されるという。そして運行時間は7時から22時までとなっている。 いよいよ開幕が迫ってきた2025年大阪・関西万博に向け、地域住民の足にも変化が現れてきたようだ。 ■EVモーターズ・ジャパン 小型乗合EVバス 諸元表 車名:E1乗合 エアサス仕様 全長(mm):5380 全幅(mm):1900 全高(mm):2720 ホイールベース(mm):3130 最小回転半径(mm):6000 座席数:10 内訳(座席7+跳ね上げ座席2+運転席1) 乗車定員(人) :10 内訳(座席7+跳ね上げ座席2+運転席1) バッテリー容量 (kWh): 105.3 航続距離(km)※設計値:215 登坂能力(%):≥25

TAG: #EVバス #大阪・関西万博
TEXT:TET編集部
BYDが日本専用の中型EVバス「J7」の年内納車を発表! そして次に日本で狙う市場はEVトラックだった

BYDのEVバス日本参入10周年でEVトラックにも進出 BYDジャパンが1月24日(金)に開催した「BYD事業方針発表会2025」で、日本市場向けに専用開発した中型EVバス「J7(ジェイセブン)」を初披露。年内に納車が開始されることを発表した。 また、今後のBYD商用車部門の事業方針のひとつとして、EVバスに続き、日本国内のEVトラック市場にも新規参入することを宣言。 BYDジャパンは、乗用車部門が2023年1月に日本市場での販売を開始する遥か前である2015年から、日本のEVバス市場に参入している。以来、累計350台のEVバスが全国に納車されたというが、EVバス市場参入10年という節目を迎えた2025年、今度は日本のEVトラック市場に参入することになる。 EVトラックの販売開始時期は2026年以降とされ、順次ビジネス展開を始める予定だという。BYDは「今後はEVバスとEVトラックの両輪で、多様性あふれる商用EV車両の販売を強化し、さらなる日本の公共交通ならびに物流分野での車両の電動化を力強く推進するとともに、日本のカーボンニュートラル社会の発展に向け、取り組みを強化していきたい」と意気込みを表明している。 新型の中型EV路線バス「J7」でフルラインアップ完成 さて、初披露された中型EVバス「J7」の話に戻そう。BYDのEVバスは、現在小型の「J6」および大型の「K8」がラインアップされている。とくにJ6はモデル名が示すように、日本市場のニーズに合わせて開発された日本専用設計の小型EVバスだ。 そこに、中間サイズといえる車幅2.3mの中型EVバス「J7」が今回新たに加わり、これで大中小3つのEV路線バスのラインアップを完成させた。 J7の全長8.99m、全幅2.3m、全高3.25mというボディサイズは、まさに日本市場における中型路線バスのサイズにぴったり収まる寸法だ。また、電動駆動システムであるeアクスルも専用設計され、完全に日本市場にアジャストして設計された日本向け中型EV路線バスになっている。 駆動用バッテリーは、BYDのEVを象徴するリン酸鉄リチウムイオンバッテリーの「ブレードバッテリー」を搭載している。天井部分と後部に容量192.5kWhのバッテリーを効率よく搭載することで、「J6」「K8」と同様に、乗車後の段差がないフルフラットな床面を実現している。 なお、この中型EVバス「J7」の全国メーカー希望小売価格は、3650万円(税別)となっている。 BYDの商用車部門は、日本全国に6拠点の事業所を構え、主にサービス関連のサポート業務を行っている。また、2024年からは緊急時の対応として、24時間365日対応のロード・サービス、「BYD(EV)バス サービスコール」と「BYD(EV)バスロードサポート」の運用もスタートしている。 これらにより、運行事業者はBYDのEVバスを安心して使用することができるわけで、その結果、日本国内のEVバス市場においては、BYDが7割強のシェアを獲得するまでに至っているそうだ。 今後参入するEVトラック市場でも、EVバスの実績を携えシェアを奪いにいくのか、その動向が注目される。

TAG: #BYD #EVトラック #EVバス
TEXT:TET 編集部
「クルマづくり」と「システム最適化」を分業して自動運転バスの普及を目指す! アイサンテクノロジーが「Minibus 2.0」の販売を開始

自動運転のパイオニアと測量システムの雄がタッグを組む 現在、全国各地で社会実験が進められている自動運転バス。これに新たなモデルが登場する。 そのモデルは、自動運転の一般化に向けたオープンソースソフトウェアを開発しているティアフォーが開発を行った。一方で販売は、測量に関わるシステムの技術開発を祖業とし、現在は高精度な地理空間情報プラットフォームを用いて、モビリティ分野にも進出を図っているアイサンテクノロジーが担う。なお、両社はともに愛知県名古屋市に本社を構える企業だ。 「Minibus 2.0」と呼ばれる新型の自動運転EVバスは、日本政府が定める自動運転レベル4の基準に準拠している。従来モデルの「Minibus1.0」よりも安全性を向上させるための冗長システムをさらに強化しているという。 開発元のティアフォーは、先に述べた通りオープンソース型の自動運転技術開発を行っている。2023年には「ファンファーレ」という自動運転機能に対応した電気自動車(EV)の生産を加速させる新たなソリューションの提供を開始している。 このソリューションは、無人自動運転移動サービスの事業化を各地で進めていくにあたって、一般公道での走行が可能な道路運送車両法の保安基準に準じた、レベル4水準の自動運転EVの調達が難しいことが開発背景に挙げられる。 そこで、ティアフォーでは、完成車メーカーから提供される車両、つまりは保安基準に適合した車体に対し、ステアリングやブレーキ等の駆動系の電動化モジュールと、レベル4水準の自動運転機能を実現するアーキテクチャを開発することで対処している。加えて、納入先ごとに異なる自動運転機能の定義に対応していく総合的なソリューションが「ファンファーレ」だという。 一方の販売元であるアイサンテクノロジーは、ファンファーレで出来上がった自動運転EVを、納入先ごとの運行形態や事情に合わせてシステムの最適化を行うほか、納入時の運行研修や納入後の保守メンテナンスサービスを提供していくのが役割となる。 つまり、「大元となる自動運転EVバスはティアフォーで作りました。あとは導入する現場ごとの要望に合わせて、アイサンテクノロジーが最終仕様に仕上げて納車します」というのが両社の立ち位置のようだ。 「Minibus 2.0」は、先進的なセンサー(長距離・短距離LiDAR、物体検出カメラ、信号機検知カメラ、レーダー、慣性計測装置、全地球航法衛星システム)を搭載し、ティアフォーの電子制御ユニットや車両制御ユニットによってサポートされている。これにより、車両とシームレスに統合し、自動運転性能をさらに向上させることが可能だという。 同モデルは、日本各地での展開を目指しており、2024年末を目途に納品を開始する予定。アイサンテクノロジーは今後、地域ごとの企業主導の導入拡大に加えて、海外展開も視野に入れて同モデルの生産と推進を実施し、自動運転バスへの高まる需要に応えていく予定だという。

TAG: #EVバス #自動運転EV
TEXT:TET 編集部
2024年末の発売を目指すヒョンデ中型EVバスを展示! 「エレクシティタウン」が富士スピードウェイのホームストレートを走った

富士のストレートをEVバスが初めて走った日 2024年末からの発売を控えているヒョンデの新型中型EV路線バス「ELEC CITY TOWN(エレク シティ タウン)」が、10月27日に開催された「ジャパントラックショー in Fuji Speedway 2024」に展示された。 当日は富士スピードウェイのコース上を走行する姿も披露し、安全性と走行性能の高さを来場者にアピールした。なお、この走行は富士スピードウェイにおいて初めてEVバスがコースを走行した記念すべきシーンにもなった。 現在の日本市場においては、EVバスの国内外のメーカーラインアップが限られている。環境問題に対応できる車両の導入が、公共交通機関を運営する自治体や事業者などにとって急務である状況を踏まえると、適切なサイズでしかも部品供給体制が整い、アフターサービスの充実しているメーカーの参入が強く望まれていた。 そこで、ヒョンデは課題解決に向け、一定の需要が見込まれる郊外路線やコミュニティバスなどに向け、日本のバス車体規格ガイドラインに準拠し、日本市場のニーズに合わせた開発・設計を行って誕生させたのが、この「エレク シティ タウン」である。 すでに当サイトでお伝えしている通り、ヒョンデは同社が販売している大型観光バス「ユニバース」と同様に、部品の国内翌日納品率を95%以上にすべく初期部品在庫の準備を進めている。また、フロントガラスやサイドミラー、タイヤパンクなどについては、充実した修理・交換サービスの提供が予定され、導入自治体や事業者に対し、アフターサービスの充実性をアピールしている。 同時に、CHAdeMO急速充電器適合試験にも合格。日本独自のインフラ体制にも十分に対応していることを証明済みだ。 イベント当日には、8月から富士スピードウェイ初のEVオフィシャルカーとなった同社のハイパフォーマンスEV「アイオニック 5 N」も同時に展示された。 乗用車、バスの両面で、ヒョンデは日本市場でEVのリーディングブランドとして確固たる地位を築き上げようとしている。

TAG: #EVバス #hyundai #エレクシティ #ヒョンデ
TEXT:TET 編集部
EVモーターズ・ジャパンが小型・マイクロ・大型の新型「EVバス」3車種を発表! 細かなニーズに対応して自治体やバス事業者などのEVシフトを後押し

  これまでも全長12mのEV観光バスや8.8mのEV路線バスなど、さまざまなタイプのEVバスを開発・製造してきたEV モーターズ・ジャパンが、新たに「10人乗りの小型乗合バス」「EVマイクロバス」「大型路線EVバス」の計3車種の開発が完了したと発表した。 これら3車種でEVバスの選択肢を充実させ、従来以上に細かなニーズに対応し、自治体やバス事業者などのEVシフトを後押しするという。 今回追加された3車種のうち、EVマイクロバスの全長6.99mモデルを除いた車両は、先ごろ開催された「バステクin首都圏」で一般向けに初公開もされている。 両開き式乗降口が特徴の「小型乗合バス」 1車種目の「10人乗りの小型乗合バス」は、車名を「E1 乗合 エアサス仕様」という、全長5.38mのEVバスだ。エアサスを標準搭載したことにより、乗降口側の車高を落として床面を地面に近づけるニーリング機能が実装された。これにより最低地上高を270mm以下まで調整することが可能となり、高齢者や幼児、車いすの乗客がスムーズに乗り降りすることができる。 コンパクトなボディは、過疎地や入り組んだ住宅街の狭い道でも取り回しがよく、路線バスの経路を充実させる可能性を秘めている。また、乗降口は1か所ながら、開口部の広い両開きドアを採用しているので、買い出しで両手が塞がっているような状態や、ベビーカーの乗せ降ろしにも効果を発揮しそうだ。 E1 乗合 エアサス仕様の車両諸元は、下図をご覧いただきたい。 全長が異なる2タイプを用意する「EVマイクロバス」 2車種目の「EVマイクロバス」は、車名を「F8 series 1-Micro Bus」といい、全長5.99mと6.99mの2タイプがラインアップされた。じつはマイクロバスにはこれまでEVの設定が他社にもなく、EVモーターズ・ジャパンのものが国内初だという。 主な用途は、スクールバス、デマンド方式のバス、送迎バスなどを想定。バイワイヤ制御を標準搭載し、快適で安全な先進運転支援を実現しているのが特徴だ。 バッテリー容量は、全長に関わらず118kWhと共通。そのため、全長が長い6.99mモデルは航続距離が5.99mモデルに比べると10kmほど短くなる。ただし、低床のノンステップモデルは6.99mモデルのみに設定されるため、運行に求める乗降性や乗車定員に応じて各モデルを吟味する必要がある。 「F8 series 1-Micro Bus」の車両諸元は下図の通りだ。全長、床面構造、座席数が各タイプで異なる。 バッテリー容量を282kWhに拡大した新型「大型路線EVバス」 3車種目の「大型路線EVバス」は、車名を「10.5m 大型路線EVバス」という。これまで同社がライアンアップしていた同サイズのEV路線バス「F8 series2-City Bus 10.5m」に比べ、バッテリー容量が72kWh増え、282kWhに拡大。 これにより、航続距離が350km程度へと延長された。また、デュアルモーターを採用したことでスムーズな走行が可能となったのも特徴だ。 なお、「10.5m 大型路線 EVバス」の車両諸元は下図の通り。モノグレードのシンプルな構成だ。 この大型路線EVバスは、EVモーターズが本社を構える北九州市に建設中の体感型EV複合施設「ゼロエミッション e-PARK」で生産を行うことが予定されている。これにより、福岡県の新たな地場産業の創出や、雇用機会の創出による地域社会の発展が期待される。 同社は今後もニーズに応える製品および技術の開発に努め、環境エネルギーの浸透とゼロエミッション社会の実現へ貢献できるよう邁進していくと、改めて表明している。今後も同社の動きに注目していきたい。

TAG: #EVバス #EVモーターズ・ジャパン #新型車情報
TEXT:TET 編集部
1台につき「1700万円超」の補助金! EV路線バス「ヒョンデ・エレクシティ タウン」がJATAの導入補助金事業の対象車両に認定

ヒョンデが加わり対象車両メーカーは10社に 2024年末の発売を予定しているヒョンデのEV路線バスシリーズ「ELEC CITY(エレクシティ)」の中型EV路線バス「ELEC CITY TOWN(エレクシティ タウン」が、公益財団法人 日本自動車輸送技術会(略称:JATA)から「補助対象車両」として認められ、1台当たり1769万2000円の補助金が交付されることが、ヒョンデから発表された。 JATAの補助金事業は、2050年のカーボンニュートラル実現に向け、日本国内のCO2排出量の約2割を占めるという運輸部門の脱炭素化を図るため実施されるものだ。その運輸部門のCO2排出量の4割を占めるといわれるトラック・バス由来のCO2排出量を削減するために、環境省による令和5年(2023年)度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(環境配慮型先進トラック・バス導入加速事業)の交付決定(令和5年4月3日付)を受けて、JATAが環境配慮型先進トラック・バスを導入する事業者に対して購入補助金を交付する。 これにより、バス事業者や自治体が補助対象車両のEVバス、プラグインハイブリッド(PHEV)バス、燃料電池(FCV)バスの導入、および電気自動車用充電設備の設置(ただし本補助事業による車両導入と一体的に行われるものに限る)する際にかかる経費の一部が補助されるのだ。 補助金を受けられる補助対象車両メーカーはJATAのホームページで確認できる。ヒョンデが補助対象に加わったことで、現在10メーカーが顔をそろえる。1台あたり約1770万円というヒョンデ「エレクシティ タウン」の補助金額は、一見するととんでもない額に思えるかもしれないが、補助金の額は各車まちまちで車両本体価格や車体サイズも異なるだろうから、一概にヒョンデの補助金が多いというわけでもなさそうだ。 日本のバス車体規格ガイドラインに準拠し、日本市場のニーズに合わせて開発された「エレクシティ タウン」は、リチウムイオンバッテリーを搭載し220km以上の航続距離を確保している。車両安定装置(VDC)や、乗客の乗降時に死角となるエリアの障害物を感知する「SEW-Near」を標準装備するなど、安全装備が充実している。 いわゆる「2024年問題」と呼ばれる運輸業界の労働環境変化に対応するため、車両管理の省力化を実現するOBD2コネクタを介したテレマティクスサービスの導入準備や、車両故障や修理対応の時間削減を目標に、部品の翌日納品率95%以上を目指した在庫体制など、ソフトの面でもヒョンデは事業者をサポートしていくとしている。 ハード・ソフトの両面でEV路線バス導入事業者の負担軽減を目指す「エレクシティ タウン」が補助金の対象車両になったのは、ヒョンデにとって間違いなく追い風だろう。2024年末の発売に弾みがつきそうだ。

TAG: #EVバス #hyundai #エレクシティ #ヒョンデ #補助金
TEXT:TET編集部
沖縄県のレンタカー店「BYD ドルフィン」を大量導入! じつは浅からぬ関係の沖縄とBYD

130台もの大量導入に至った背景とは? 「ありかも、BYD」のキャッチフレーズで乗用EVの積極的な展開を進めるBYDが、D&Dホールディングスの100%子会社で、事業者向けレンタカー業務を行うバンクレンタカーに、コンパクトEVの「ドルフィン・ロングレンジ」を計130台導入した。 実際に車両を運用するのは、D&Dホールディングスの関連子会社であるエバーグリーンモビリティと、D&Dマネージメントの2社だ。いずれも沖縄県内の店舗で8月29日からレンタカーとして運用を開始している。 エバーグリーンモビリティが運営する「エイビスバジェット・レンタカー 那覇空港店」では、2024年3月から試験的に10台のドルフィン・ロングレンジをレンタカーとして導入していた。今回はそれに次ぐ導入にあたり、90台を加えて計100台体制での本格運用に入る。なお、先行導入した10台は豊見城市と災害時の緊急電源として、避難所などに提供する協定を結んでおり、追加の90台についても同様に提供していく予定だという。 D&Dマネージメントは、2023年7月からBYD正規ディーラーである「BYD AUTO 沖縄」を運営しているが、今回のレンタカーに関しては「バジェット・レンタカー 石垣空港店」と「バジェット・レンタカー 宮古空港店」などで運用されるという。 BYDのEVが大量投入されることになった理由は、沖縄の自然環境保護にほかならない。しかし、排気ガスが出ず環境負荷が小さいからといって、電費を気にしながら沖縄県内を走りまわっていたら、レンタカー利用者は気疲れしてしまうが、そこは心配無用だ。 一般社団法人沖縄しまたて協会がまとめた「レンタカープローブデータを用いた観光交通特性調査」では、沖縄県内のレンタカーの平均走行距離は287.7kmという結果が報告されている。実際ドルフィン・ロングレンジを本格導入する前におこなった試験運用では、多くの利用者は経路充電を利用していないのだという。すなわち、クルマを返却するための充電を除けば、クルマを借りてから返すまでの間に、充電を気にする必要がないということだ。これにより、ドルフィン・ロングレンジは沖縄県内での運用に十分な航続能力が備わっていることが実証され、今回の大量導入につながった。 数字が示す沖縄でのBYD人気 じつはBYD、沖縄県とは浅からぬ関係にある。2017年に大型EV観光バス「K8」を10台導入したのを皮切りに、日本市場専用に開発されたコミューターサイズの小型EVバス「J6」は、これまでに沖縄県の自治体が計19台採用している。絶対数でいえばまだまだ数が少ないEVバスだが、これまで300台余りを導入し国内シェア8割を獲得したBYDの実績から考えれば、沖縄県の導入台数はその約1割にあたり、全国でもEVバスの導入に積極的な自治体が多いことがわかる。 一方の個人向け乗用EVは、2023年3月に「BYD AUTO 沖縄」がオープンして以来、2024年8月までに県内で236台の登録があったという。これも2023年1月から始まったBYDの乗用EV販売開始以来、2024年8月までに全国で2700台ほどの登録があったことを考えると、全国47都道府県のなかでも、沖縄でBYDが人気なことがうかがい知れる。 なお、BYDとしては、今回のEVレンタカー130台の導入により、県内外の多くの人にEVを体験してもらい、良い印象をもって今後のEV選びでBYD製を選択してもらえることが目標だとしている。また、レンタカー利用が終了したあとの車両は、今年から始まった認定中古車制度の基準に照らし合わせて、手ごろに乗れるEVとして全国の正規ディーラーで中古車販売がなされる予定だという。 BYDは公共交通の一端を担うEVバスと、個人利用が主となる乗用EVの双方で、沖縄の自然環境保全に対して地道に貢献してきている。その貢献に対し、ひとりでも多くの利用者が「ありかも、BYD」と思ってもらえたら、感慨もひとしおだろう。

TAG: #BYD #EVバス #ドルフィン #レンタカー #沖縄県
TEXT:TET 編集部
全長8m級の中型観光バスにもEVの波がくるか? EVモーターズジャパンが名鉄観光バスにEVバスを納入

環境負荷低減だけではない副次的なメリットも 福岡県北九州市に本社を構えるEVモーターズ・ジャパンは、全長10.5mの主要幹線向け路線バスから、全長8.8mの中型路線バス、さらには全長6.99mのコミュニティバスに、全長12mの観光バスまで、多種多様なEVバスをラインアップしている。 そのEVモーターズ・ジャパンから、このほど全長8.8mの中型観光EVバス(F8 series6-Coach)を1台、愛知県名古屋市の名鉄観光バスへ納車したことが発表された。 導入先の名鉄観光バスは、これまでもエコドライブの実施やアイドリングストップの励行など、環境負荷の低減に取り組んできた企業ではあるが、EVモーターズ・ジャパンから観光バスタイプのEVバスが発表されるやいなや、全国に先駆けて導入できないか興味を持ったのだという。 むろん環境対策だけで導入に至ったわけではなく、コスト削減メリットなど複合的な要素に基づいて判断がなされているのだが、導入することで意外なメリットが生まれたのだという。それは、今回の中型EV観光バスの導入は同社にとって初のEVバス導入にあたり、すなわち内燃エンジンを搭載したバスしか知らない同社社員にとって新たな挑戦となる。それにより社員のモチベーションが向上する副次的な効果をもたらすのだと名鉄観光バスは説明する。 いくら環境負荷の小さいEVバスとはいえ、それだけで導入できるほどバス会社も潤沢な予算があるとは言えない。スペックは重要だ。 導入された中型EV観光バスは、社内公募によりフランス語で「空(そら)」を意味する「CIEL(シエル)」と名付けられ、主に近郊の観光輸送をはじめ、イベントや行事で使用されることが想定されている。それには210kWhのバッテリー容量に、エアコンオフの状態で定速40km/h、負荷重65%で走行した場合の航続距離が280kmというこの中型EV観光バスのスペックは、必要十分と同社は判断したようだ。 EVモーターズ・ジャパンは、2025年の大阪・関西万博向けに大型EV路線バス「F8 series2-City Bus 10.5m」と小型EVコミュニティバス「F8 series4-Mini Bus」を計100台受注しているほか、東京都渋谷区のコミュニティバスにも採用された実績がある。しかし、今回は路線バスよりも柔軟な運用が求められる観光バスだけに、EVバスの真価が問われるかもしれない。今後のEV観光バスの普及につながるかに注目したい。

TAG: #EVバス #名鉄観光バス
TEXT:TET 編集部
EVバスを導入したい自治体や事業者の救世主となるか!? ヒョンデ中型EVバスを2024年末までに国内投入

ヒョンデが「中型」EVバスを導入する理由 Hyundai Mobility Japan(以下、ヒョンデ)は、日本市場のニーズに合わせた中型のEV路線バス「ELEC CITY TOWN(エレク シティ タウン)」を日本の正規販売店を通じて、2024年末から販売を開始すると発表した。 ヒョンデは日本市場で2009年から大型観光バス「Universe(ユニバース)」を販売し、各地のバス事業者に納入してきた実績がある。また、近年のヒョンデは積極的にZEV(ゼロエミッションビークル)の開発を推進し、2022年にはEVの「IONIQ 5(アイオニック5)」とFCEV(燃料電池自動車)の「NEXO(ネッソ)」を日本市場で発売。商用車部門でも、2017年にEV路線バスの「ELEC CITY(エレク シティ)」シリーズを韓国で発売して以来、アップデートを重ねながらEVバスのラインアップを拡充させている。 そしてヒョンデは、2024年末にEV路線バスの「ELEC CITY」 シリーズの中型バスに相当する「ELEC CITY TOWN」を日本で発売する。韓国では環境対策としてEVやFCEVといった次世代バスの導入が積極的に進められており、とくに2020年以降は急速に登録台数が増加し、街で次世代バスを目にする機会が増えているという。韓国市場においてはいくつもの次世代バスメーカーが存在するものの、そのなかでもヒョンデは先進技術を持ったトップメーカーとして、大きなシェアを獲得しているそうだ。 地球温暖化対策としてCO2削減が世界的な課題となるなか、日本でも公共交通機関を運営する自治体や事業者においてもさまざまな取り組みが求められている。従来、バスの動力源といえばディーゼルエンジンが唯一の選択肢だったが、技術革新によりバス運行で求められる条件を満たせるEV路線バスが開発されるようになった。 今回、ヒョンデが国内に投入する中型EV路線バス「ELEC CITY TOWN」は、郊外路線やコミュニティバスなど一定数の需要が見込めるマーケットだ。その一方で、日本においては有効な国内外のメーカーラインアップは限られている。公共交通機関を運営する自治体や事業者などにとって、環境問題に対応できる車両の導入は喫緊の課題ではあるものの、使用環境に適したバスの選択は難しい状況にあった。そこでヒョンデは中型EV路線バス「ELEC CITY TOWN」を国内に投入し、身近なバス路線からCO2削減、環境問題への課題解決に貢献し、国内需要に応えていく構えだ。

TAG: #EVバス #hyundai #ヒョンデ

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売り物ではなく概念を展示するモデリスタ! 正体不明なトヨタbZ4Xはブランドの「新化」という概念を示すスタディモデルだった【大阪オートメッセ2025】
子どもに大人気の電動バギーに大迫力のエアロキットや色が変わるフィルムまで登場! 大阪オートメッセのEV関連出展物はどれもユニークすぎた
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