#充電
TEXT:桃田健史
充電が無料でできる施設は税金のムダ遣い? 地方自治体の取り組みの是非を考える

目的は電動車を普及させること 地方自治体の関連施設の一部で、EVやプラグインハイブリッド車が無料で充電できる場合がある。これは、それぞれの地域でEVなど電動車を普及させることが目的だ。 背景には当然、「2050年までのカーボンニュートラル」がある。国としても、グリーン成長戦略やGX(グリーントランスフォーメーション)といった中・長期的な施策を掲げているのだから、地方自治体にもそうした考え方が浸透することは十分に理解できる。 具体的なアクションとしては、都道府県や市町村がそれぞれ、独自のCO2削減計画を策定し、そのなかでEVやプラグインハイブリッド車の購入や、充電インフラの設置費用に対する補助金制度を設けている。 そうした施策の一環として、一部では充電インフラを無償で利用できる場合もある。 こうした試みは、2010年代にもあった。当時、国は「EV・PHV(プラグインハイブリッド車の当時の表記)タウン構想」と称して都府県それぞれが日産「リーフ」や三菱「i-MiEV」などを公用車として購入したり、公共施設に普通充電器や急速充電器を積極的に設置した。そのときも「本格的なEV普及が始まる」というフレコミだった。 しかし、国や自動車メーカー各社の思惑に反して、EV普及の大波が起こらず。結果的に、地方自治体関連の施設駐車場に使われなくなったEVがホコリをかぶることも珍しくなかった。 充電インフラについては、耐用年数が過ぎても新規購入のための予算不足やそれまでの実績として当初予定よりも利用数が少ないなどの理由から、充電インフラを撤去するケースもあった。 そうした事態に対して、地域住民からは税金が正しく使われているのかという観点で、EV普及策に対する疑問の声が挙がることもあったことだろう。それが2010年代後半から2020年代前半にかけて、日本を含めてグローバルでのEVシフトが拡大するなかで、基礎自治体(市町村)も含めて充電インフラ拡充の動きが再び出てきた。 国からの補助金を得たベンチャー企業が、市町村と連携して各種施設での充電インフラ整備を進めるケースも増えてきている。 こうしたさまざま事例のなかで、住民が実質的に充電が無償になる場合もあるのだ。 ところが、ここへきて、欧州、アメリカ、中国では「EVシフトが踊り場に入った」と思われるような印象がある。それでも、中・長期的な視点では「2030年代にはEV普及が本格化する」との見方が日本の自動車メーカーの間でも主流だ。 地方自治体としては、今後のEVシフトに対する準備として、充電インフラを拡充し、利用に対する呼び水として一部で充電無償化を進めているところだが……。EVシフトの先行きが見えないいま、充電無償化に対しては地域住民からさまざまな意見や感想が出ることは致し方ないといえるだろう。

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TEXT:高橋 優
テスラ・モデルSが1000km走行チャレンジで大記録を樹立! 史上最強の長距離性能をもつEVだった

テスラ・モデルSのEV性能を試す テスラの高級セダンであるモデルSで恒例の1000kmチャレンジを行いました。冬の検証時と比較してどれほどタイムを短縮できたのか。そして史上最速タイムを記録しているテスラ・モデル3のタイムを更新することはできたのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。 まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。 *走行ルート 海老名SA下り(神奈川県) ↓ 三木小野IC(兵庫県) ↓ 海老名SA上り(神奈川県) *走行条件 ・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す ・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ(モデルSの場合21℃オートに設定) ・追い越しなど含めて、メーター読みで制限速度+10%までは許容 ・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外 ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のモデルS AWD・19インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離との乖離がなかったため、オドメーター上で1000kmの段階でゴール) 1)海老名SA下り→大津スーパーチャージャー(250kW級急速充電器) ・走行距離:390km ・消費電力量:97.4%→18.9% ・平均電費:5.49km/kWh(182Wh/km) ・外気温:29℃→27℃ ・充電セッション:18.9%→60.9%(14分) まず、この区間で注目するべきは、120km/h制限区間をがっつり走行するという、EVの電費という観点でもっとも厳しい新東名を含む390km区間を無充電で走破しているという点です。しかも、新型モデルSはシステム最大電圧が450Vを超えていることで公共のチャデモ急速充電器を使えず、海老名SA出発時に100%で出発できませんでした。また、この区間は一時豪雨に見舞われ電費がさらに悪化しました。そのうえで、大津スーパーチャージャー到着時でもSOC19%残して到着しているという点を踏まえれば、このモデルSの長距離走破性能を容易にイメージできると思います。 2)大津スーパーチャージャー→三木小野IC(折り返し)→南大高スーパーチャージャー(250kW級急速充電器) ・走行距離:330km ・消費電力量:60.9%→-0.03% ・平均電費:5.99km/kWh(167Wh/km) ・外気温:27℃→27℃ ・充電セッション:-0.03%→57.4%(19分) すでに折り返し地点を超えました。到着時のSOCも0%と完璧な充電残量マネージメントを実現しています。電費も167Wh/kmと、一時雨が降っていたという点、そして285/40R19という太めのパフォーマンスタイヤを装着している点を踏まえると、まずまずの効率性です。 テスラはスーパーチャージャーを目的地にセッティングするとバッテリーを最適な温度に調整することで最高の充電性能を発揮することが可能です。52kWh分の電力量を充電するのに19分しか充電に時間がかかっていないという点も、ただ航続距離が長いだけではない、モデルSの長距離走破性能の高さといえるでしょう。

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TEXT:高橋 優
アリアNISMOをじっくりテストしてわかった! 電費は良好も気になるのは「充電性能」!!

アリアNISMOの性能を徹底チェック! 日産のフラグシップEVであるアリアNISMO B9 e-4ORCEで恒例の航続距離テストと充電性能テストを行いました。日産のフラグシップEVがどれほどのEV性能を実現することができたのか。リアルワールドにおける航続距離や充電スピードを詳細リポートします。 *航続距離テスト まず、航続距離テストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速100km/hになるように調整 ・途中ノンストップ ・充電残量100%までサービスエリア下り線で充電したあと、途中のインターで折り返して、同じサービスエリア上り線まで戻ってくる。充電残量は10%程度以下まで減らし切る ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり(今回のアリアNISMOではやや寒さを感じたので22℃オートに設定) ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のアリアNISMO・20インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離との乖離はなし) 結果:蓮田SA下り→須賀川IC→蓮田SA上り ・走行距離:362.2km ・消費電力量:100%→9% ・平均電費:5.1km/kWh(196.1Wh/km) ・外気温:24℃〜28℃ これにより、航続距離テストの結果から、充電残量100%状態からSOC0%になるまで、402kmを走破可能であることが確認できました。 *ハイスピードテスト 次に、ハイスピードテストの前提条件は以下の通りです。 ・GPSスピードの平均車速が時速120km/hになるように調整 ・途中ノンストップ ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり(今回のアリアNISMOではやや寒さを感じたので22℃オートに設定) ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のアリアNISMO・20インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離との乖離は無し) 結果:駿河湾沼津SA下り→新静岡IC→駿河湾沼津SA上り ・走行距離:76.6km ・消費電力量:82%→59% ・平均電費:4.0km/kWh(250Wh/km) ・外気温:24℃〜25℃ これにより、ハイスピードテストの結果から、充電残量10%状態から空になるまで、約33kmを走破可能であることが確認できました。 *充電性能テスト ・使用充電器:ABB製150kW急速充電器(eMP/空冷ケーブル) ・SOC10%〜80%充電時間:33分 ・最大充電出力(SOC):130kW(40%) ・30分回復航続距離(航続距離テストベース):256km

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TEXT:高橋 優
急速充電器側のエラー問題が発生! 日産アリアNISMOで1000kmを走行してみた

アリアNISMOで1000kmを走行 日産のフラグシップEVであるアリアNISMOで恒例の1000kmチャレンジを行いました。基準車であるB9 e-4ORCEや競合のテスラ・モデルYと比較して、どれほどのEV性能を実現することができたのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。 まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。 *走行ルート 海老名SA下り(神奈川県)→加古川北IC(兵庫県)→海老名SA上り(神奈川県) *走行条件 ・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す ・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ(アリアNISMOの場合22℃オートに設定) ・追い越しなど含めて制限速度+10%までは許容 ・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外 ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のアリアNISMO・20インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離との乖離がなかったため、オドメーター上で1000kmの段階でゴール) 1) 海老名SA下り→湾岸長島PA下り(150kW級急速充電器) ・走行距離:302.5km ・消費電力量:100%→17% ・平均電費:4.6km/kWh(217.4Wh/km) ・外気温:28℃→24℃ ・充電セッション:17%→85%(35分) まず、この区間で注目するべきは、120km/h制限区間をがっつり走行するという、EVの電費という観点でもっとも厳しい300kmを無充電で走破しているという点です。この湾岸長島PAに150kW級急速充電器が設置されている点も、ちょうど関東を出発した高性能EVの最初の充電スポットとして、非常に考えられた経路充電設置計画であることがうかがえます。 また、充電について、SOC85%まで充電をしている理由は、アリアの充電性能の高い安定性にあります。というのも、アリアB9はSOC80%前半までは80kW以上を発揮可能です。つまりこれは、200A以上の電流値をキープできることを意味します。よって、いわゆる90kW級と呼ばれる200Aが上限の充電器よりも高い充電出力を発揮することが可能であり、充電時間の最短化を目指す場合は、SOC80%前半まで、なるべく150kW級で充電したほうがいいわけです。 2)湾岸長島PA下り→加古川北IC(折り返し)→桂川PA上り(90kW級急速充電器) ・走行距離:305.5km ・消費電力量:85%→0% ・平均電費:4.8km/kWh(208.3Wh/km) ・外気温:24℃→27℃ ・充電セッション:0%→35%(28分) すでに折り返し地点を超えました。区間電費は208.3Wh/kmと、雨の影響で想定よりも電費が悪化。なんとかSOC0%で到着したものの、最初に充電を行った新電元製の90kW級の画面に、最大75kWに制限されていると、何やらエラーが表示されていました。 よってもう一基のABB製の90kW級で充電を繋ぎ直すことで、期待どおり70kW程度(=200A)の充電出力を発揮することができました。 そして桂川PAに設置されているのは90kW級であることから、この先の湾岸長島PAの150kW級を使用したほうが充電時間を短縮できるので、ここでは湾岸長島PA上り線に辿り着けるぶんだけの充電に留めています。 3) 桂川PA上り→湾岸長島PA上り(150kW級急速充電器) ・走行距離:109.8km ・消費電力量:35%→0% ・平均電費:4.2 km/kWh(238Wh/km) ・外気温:27℃→24℃ ・充電セッション:0%→51%(28分) 充電器到着直前に残念な光景が飛び込んできました。先客のEVが充電中であったことから、150kW級を使用したとしても、アリアNISMO側に割り振られる充電出力は最大でも90kW級(=200A)となってしまい、実際に70kW程度(200A×約350V)しか発揮することができませんでした。本来120kW以上で充電できるものが70kWに留まるわけですから、1000kmチャレンジのタイムという点では極めてマイナスとなります。 その一方で、途中で先客のボルボXC40 Rechargeが充電を切り上げたため、私も充電セッションを中断し、再度充電セッションを仕切り直すと、120kW級(=350A)を発揮することができ、結果としてタイムロスは想定未満に抑えることができました。 よって、SOC51%まで充電しているのは、アリアB9であればSOC60%程度までは120kW程度(=310〜320A)を維持することが可能であり、150kW級で充電した際の「もっとも美味しい部分」を享受できるからとなります。

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TEXT:高橋 優
電費は抜群! 充電性能も文句なし! BYDシールの実走行テストでわかったEVとしての高い能力

BYDシールの航続距離や充電性能をテスト BYDの最新EVであるシール RWDで恒例の航続距離テストと充電性能テストを行いました。BYDのフラッグシップEVがどれほどのEV性能を実現することができたのか。リアルワールドにおける航続距離や充電スピードをリポートします。 *航続距離テスト まず、航続距離テストの前提条件は以下の通りです。 ・GPSスピードの平均車速が時速100kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・充電残量100%までサービスエリア下り線で充電したあと、途中のインターで折り返して、同じサービスエリア上り線まで戻ってくる。充電残量は10%程度以下まで減らし切る ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシールRWD・19インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離よりも2.2%短く表示) 結果:駿河湾沼津SA下り→甲賀土山IC→清水PA上り ・走行距離:518.8km ・消費電力量:100%→10% ・平均電費:7.12km/kWh(140Wh/km) ・外気温:25〜32℃ ※シールは当該トリップの電費情報が表示されません。他方で直近50kmの区間電費が表示されるので、50km毎に電費をメモ。すべてを平均して電費を算出しています。 よって、航続距離テストの結果から、充電残量100%状態から空になるまで、588kmを走破可能であることが確認できました。 *ハイスピードテスト 次に、ハイスピードテストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速120kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシールRWD・19インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離よりも2.2%短く表示) 結果:駿河湾沼津SA下り→新静岡IC→駿河湾沼津SA上り ・走行距離:94.8km ・消費電力量:90%→69% ・平均電費:5.21km/kWh(192Wh/km) ・外気温:26〜27℃ よって、ハイスピードテストの結果から、充電残量100%状態から空になるまで、461kmを走破可能であることが確認できました。 *充電性能テスト ・使用充電器:ABB製150kW急速充電器(eMP/空冷ケーブル) ・SOC10%〜80%充電時間:40.5分 ・最大充電出力(SOC):105kW(64%) ・30分回復航続距離(航続距離テストベース):305km

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TEXT:高橋 優
BYDシールで1000km走って「充電性能の安定性」に衝撃! リアルワールドでも「コスパ最強」が証明された

BYDの最新セダン「シール」のEV性能をチェック! BYDの最新セダンであるシールRWDで恒例の1000kmチャレンジを行いました。BYDのフラグシップEVがどれほどのEV性能を実現することができたのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。 まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。 *走行ルート 海老名SA下り(神奈川県) ↓ 加古川北IC(兵庫県) ↓ 海老名SA上り(神奈川県) *走行条件 ・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す ・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ ・追い越しなど含めて、制限速度+10%までは許容 ・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外 ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシールRWD・19インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離よりも2.2%短く表示されているため、オドメーター上で978kmの段階でゴール) ※シールは当該トリップの電費情報が表示されません。他方で直近50kmの区間電費が表示されるので、50km毎に電費をメモ。すべてを平均して電費を算出しています。 1)海老名SA下り→湾岸長島PA下り(150kW級急速充電器) ・走行距離:298.2km ・消費電力量:100%→43% ・平均電費:約6.52km/kWh(152Wh/km) ・外気温:29℃→29℃ ・充電セッション:43%→85%(27分) まず、この区間で驚くべきは、300km先の目的地に充電残量43%で到着しているという点です。確かに120km/h制限区間の流れが悪かったため、空いている場合と比較すると電費がよく出てしまっているものの、それでもSOC60%弱で海老名〜名古屋を走破。これだけでもシールに搭載されている82.56kWhの大容量さを実感できるでしょう。 また、充電について、SOC85%まで充電を入れられた理由は、シールの充電性能の高い安定性です。というのも、シールはSOC60%前半まで105kWを発揮しながら、SOC80%前半まで80kW前半を維持することができます。この後、湾岸長島PA上り線までは150kW級急速充電器がないため、90kW級で発揮できる80kW前半を入れ切ってしまっています。なぜなら、途中の90kW級を使用する際に先客がいたり途中でEVが充電を始めると、充電出力を分け合ってしまい、規定どおりの出力を発揮できない可能性があるからです。 いずれにしても、このフラットな充電カーブは、テスラのような高い充電出力が一瞬しか発揮されず、断続的に充電出力を絞るという挙動よりも、一般ユーザーにとってわかりやすい仕様だと感じます。 2)湾岸長島PA下り→加古川北IC(折り返し)→草津PA上り(90kW級急速充電器) ・走行距離:325.1km ・消費電力量:85%→14% ・平均電費:約5.94km/kWh(168Wh/km) ・外気温:29℃→27℃ ・充電セッション:14%→31%(15分) すでに折り返し地点を超えました。1000kmチャレンジの最長区間での平均電費は約168Wh/kmと、120km/h制限区間を含む1回目よりも電費が悪化する結果に。120km/h制限区間の流れが少し悪かったことを考慮に入れても、160Wh/kmは切るだろうと推測していたので、やや残念な結果に。 そして、草津PAに設置されているのは90kWであることから、すぐ先の湾岸長島PAの150kWを使用したほうが充電時間を短縮できるので、ここでは湾岸長島PAに辿り着けるぶんだけの充電に留めています。

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TEXT:高橋 優
カタログスペック以上の電費性能! 充電能力もバッチリ! メルセデス・ベンツEQEを実走テストした!!

リアルワールドにおけるEV性能をチェック メルセデス・ベンツのビジネスサルーンであるEQE 350+で恒例の航続距離テストと充電性能テストを行いました。メルセデスの最新EVがどれほどの性能を実現することができたのか。リアルワールドにおける航続距離や充電スピードを詳細リポートします。 *航続距離テスト まず、航続距離テストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速100kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・充電残量100%までサービスエリア下り線で充電したあと、途中のインターで折り返して、同じサービスエリア上り線まで戻ってくる。充電残量は10%程度まで減らし切る ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のEQE 350+・19インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離よりも1.18%短く表示) 結果:蓮田SA下り→白石IC→蓮田SA上り ・走行距離:558.7km ・消費電力量:100%→9% ・平均電費:6.7km/kWh(149Wh/km) ・外気温:25〜30℃ よって、航続距離テストの結果から、充電残量100%状態から空になるまで、621kmを走破可能であることが確認できました。 *ハイスピードテスト 次に、ハイスピードテストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速120kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のEQE 350+・19インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離よりも1.18%短く表示) 結果:蓮田SA下り→佐野藤岡IC→蓮田SA上り ・走行距離:75.9km ・消費電力量:86%→71% ・平均電費:5.7km/kWh(175Wh/km) ・外気温:27.5〜28.5℃ よって、ハイスピードテストの結果から、充電残量100%状態から空になるまで、512kmを走破可能であることが確認できました。

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TEXT:高橋 優
恒例の1000kmチャレンジで明らかになった充電性能! 長距離走行が多いひとにはメルセデス・ベンツEQEはアリなEVだった

メルセデスのビジネスサルーン「EQE」の性能をチェック メルセデスのビジネスサルーンであるEQE 350+で恒例の1000kmチャレンジを行いました。メルセデスの最新EVがどれほどの性能を実現することができたのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。 まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。 *走行ルート 海老名SA下り(神奈川県) ↓ 加古川北IC(兵庫県) ↓ 海老名SA上り(神奈川県) *走行条件 ・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す ・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ ・追い越しなど含めて、制限速度+10%までは許容 ・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外 ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のEQE 350+・19インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離よりも1.18%短く表示されているため、オドメーター上で988kmの段階でゴール) 1)海老名SA下り→湾岸長島PA(150kW級急速充電器) ・走行距離:299.6km ・消費電力量:100%→47% ・平均電費:6.3km/kWh(159Wh/km) ・外気温:32.5℃〜29℃ ・充電セッション:47%→78%(19分) まず注目していただきたいのが、EQEの充電残量の予測です。海老名SA出発時では、湾岸長島PA到着時にSOC63%と予測されていたものの、実際の湾岸長島PA到着時にはSOC47%。 というのも、 ・制限速度を最大でも10%ほどプラス走行を許容 ・120km/h制限の区間が大部分を占めているという点 この2点を含めると、充電残量予測との乖離が発生してしまうわけです。他方で、新東名を使用すれば、120km/h制限区間はもともと決まっていることから、もう少し残量予測の正確性は改良して欲しいところです。 とはいえ、制限車速120km/hをフルで走って、300km走行してもなお、SOCが50%弱残っているということは、まず関西へは無充電で走破可能となります。さすがはドイツ車、高速域での電費性能が優れている様子が見て取れます。 2)湾岸長島PA下り→加古川北IC(折り返し)→湾岸長島PA上り(150kW級急速充電器) ・走行距離:411km ・消費電力量:78%→5% ・平均電費:6.2km/kWh(161Wh/km) ・外気温:29℃〜27℃ ・充電セッション:5%→23%(14分) すでに折り返し地点を超えました。1000kmチャレンジの最長区間での平均電費は161Wh/kmと、2360kgの中大型セダンと考えると、想定よりもはるかに電費がいいと感じます。411kmを充電残量73%で走り切ってしまうEQE、やはりアウトバーン育ちは伊達じゃないです。 他方で、充電セッションで問題が発生しました。充電開始4分程度で充電が突如停止。その後、充電を再開させると、なぜか充電出力が85kW程度と、もともと出ていた115kW程度という出力から低下。よって次の150kW級急速充電器がある浜松SAに到着するギリギリで充電を打ち切り、浜松でフル充電を試みることにしました。 3)湾岸長島PA→浜松SA(150kW級急速充電器) ・走行距離:109km ・消費電力量:23%→3% ・平均電費:6.1km/kWh(164Wh/km) ・外気温:27.5℃〜28.5℃ ・充電セッション:3%→31%(16分) 最後の充電スポット予定は浜松SA上りです。150kW級急速充電器を使用して海老名SAまでの充電を入れ切るつもりでした。ところが、途中でEQCが隣で充電をスタート。このABB製の150kW級急速充電器は二台同時充電が可能なものの、二台同時充電の場合、最大電流値が200Aに制限されます。つまり、EQEの場合、最大でも70kW程度しか発揮できなくなります。よって、充電セッションを切り上げて、最後の150kW級急速充電器が存在する駿河湾沼津SAまで向かうことにしました。

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TEXT:高橋 優
日本仕様はデチューンされている可能性も! ボルボEX30の航続距離&急速充電性能を実走テストで明らかにした!!

リアルワールドでEX30の性能をチェック ボルボのエントリーEVであるEX30 RWD Ultraで恒例の航続距離テストと充電性能テストを行いました。ボルボの最新EVがどれほどのEV性能を実現することができたのか。リアルワールドにおける航続距離や充電スピードを詳細リポートします。 航続距離テスト まず、航続距離テストの前提条件は以下の通りです。 ・GPSスピードの平均車速が時速100kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・充電残量100%までサービスエリア下り線で充電した後、途中のインターで折り返して、同じサービスエリア上り線まで戻ってくる。充電残量は10%程度まで減らし切る ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のEX30・19インチ純正タイヤ装着の場合はズレがほとんどなかったので補正なし) 結果:蓮田SA下り→白河IC→蓮田SA上り ・走行距離:304.9km ・消費電力量:95%→12% ・平均電費:5.65km/kWh(177Wh/km) ・外気温:18〜23℃ よって、航続距離テストの結果から、充電残量100%状態から空になるまで、367kmを走破可能であることが確認できました。 ハイスピードテスト 次に、ハイスピードテストの前提条件は以下の通りです。 ・GPSスピードの平均車速が時速120kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のEX30・19インチ純正タイヤ装着の場合はズレがほとんどなかったので補正なし) 結果:蓮田SA下り→佐野藤岡IC→蓮田SA上り ・走行距離:76.6km ・消費電力量:81%→53% ・平均電費:4.13km/kWh(242Wh/km) ・外気温:17〜18℃ よって、ハイスピードテストの結果から、充電残量100%状態から空になるまで、274kmを走破可能であることが確認できました。

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TEXT:高橋 優
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能

ボルボEX30のEV性能を試す ボルボのエントリーEVであるEX30 RWD Ultraで恒例の1000kmチャレンジを行いました。ボルボの最新EVがどれほどのEV性能を実現することができたのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。 まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。 *走行ルート 海老名SA下り(神奈川県) ↓ 加古川北IC(兵庫県) ↓ 海老名SA上り(神奈川県) *走行条件 ・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す ・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ ・追い越しなど含めて制限速度+10%までは許容 ・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外 ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のEX30・19インチタイヤ装着の場合はズレがほとんどなかったので補正なし) 1) 海老名SA下り→浜松SA(150kW級急速充電器) ・走行距離:191.6km ・消費電力量:87%→29% ・平均電費:5.26km/kWh(190Wh/km) ・外気温:20〜19℃ まず、検証の前提として、通常は海老名SA下りにて100%まで充電してから出発するのですが、EX30の場合、高電圧バッテリーの電圧が450Vをオーバーするため、チャデモ急速充電器で満充電状態まで充電することができません。よって87%での出発となっています。 まず注目していただきたいのが、EX30の充電残量の予測です。海老名SA出発時では、浜松SA到着時にSOC36%と予測されていたものの、実際の浜松SA到着時にはSOC29%。確かに予測よりも充電残量が7%少ない状態で到着したものの ・制限速度を最大でも10%ほどプラス走行を許容 ・120km/h制限の区間が大半の区間であるという点 この2点を含めると、かなり正確な充電残量予測であると言えるでしょう。 ところが問題は、浜松SAに設置されている150kW級急速充電器を使用したにもかかわらず、90kW級と同じ充電出力しか発揮できなかった点です。海外仕様では最大150kW級の充電出力に対応していることから、なぜ期待どおりの充電性能を発揮できなかったのか? 1000kmチャレンジの間に、できる限り多くの充電セッションを試みたいと思います。 2)浜松SA→草津PA(90kW級急速充電器) ・走行距離:194.1km ・消費電力量:68%→13% ・平均電費:5.65km/kWh(177Wh/km) ・外気温:19〜15℃ 2回目の充電スポットは草津PAです。これまでは2台同時充電が可能な90kW級急速充電器が1台設置されているだけでしたが、2024年度からはeMPの青いマルチが追加され、なんと8台同時充電が可能となりました。 今回使用したのは新型のeMP製ではなく、既設の新電元製。理由はブーストモードです。というのもeMP製の青いマルチの場合、充電時間が15分を経過すると、90kW級から50kW級へと充電出力を絞ってしまいます。ところが新電元製の場合、90kW級の充電出力を30分間持続することが可能なのです。 よって、同じ90kW級の急速充電器を使用しても、同じ充電時間で得られる電力量が異なるわけです。もちろん同じ充電料金を支払うのであれば、より多くの充電量を回復可能な新電元製を選びたいところでしょう。

TAG: #EX30 #充電 #長距離テスト

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