EVの充電口の位置は同じメーカーでも統一されていない
日本で買えるEVもずいぶん増えてきた。多彩な選択肢があることはユーザーにとって歓迎すべき状態といえるが、EVが多様化することで、日々のカーライフ満足度を左右する問題も発生している。
それが「充電口の位置バラバラ問題」だ。
EVを運用する上で、充電は欠かせない行為。しかし、充電口の位置はまったく統一されていない。
日本で最初に普及したEVといえる日産リーフはフロント中央に充電リッドを配置しており、そこを開けると普通充電と急速充電が並んでいる。しかし、同じ日産でも最新世代のアリアになると、充電口はフロントフェンダーの左右にわけてレイアウトされている(運転席から見て、右が普通充電、左が急速充電)。一方、軽EVのサクラは運転席から見て右リヤフェンダー部分に普通充電と急速充電が並んでいる。
ちなみに、国産EVでいうとトヨタbZ4X/スバル・ソルテラはアリアと同様に運転席から見て、右フロントフェンダーに普通充電、左フロントフェンダーに急速充電というレイアウトを採用。レクサスRZはbZ4Xと同じレイアウトだが、レクサスUXになると運転席から見て、右リヤフェンダーに普通充電、左リヤフェンダーが急速充電という配置になる。ホンダの軽商用EV、N-VAN e:はフロントグリル内に普通充電と急速充電を並べている。
輸入車でいうと、テスラ・モデルYは運転席から見て、左テールランプ部分にスーパーチャージャー用ポートを置いているが、フォルクスワーゲンID.4やボルボEX30など欧州系EVでは右リヤフェンダーに充電口をレイアウトするパターンが多い。一方、BYDのラインアップを見ると、シールは右リヤフェンダーに置くが、ドルフィンとATTO3は右フロントフェンダーに充電口を配している。ヒョンデについてもアイオニック5は右リヤフェンダーだが、コナはフロントグリルに充電リッドをレイアウトしている。
このように、充電口の場所についてはメーカーごとにバラバラなだけでなく、同一メーカーでさえ統一されていないのが現状だ。
こうした違いはEVの使い勝手の悪さにもつながっている。とくにリーフのフロント充電リッドを前提に設置された旧タイプの急速充電を利用するときに、うまく駐車しないと、充電プラグが届かないだとか、充電ケーブルがボディにこすれてしまうだとかいった問題も起きているようだ。
しかしながら、充電口の位置が統一されないのには、いくつかの理由がある。