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BYDの最新車種シーライオン7で1000km走行チャレンジ! 雨でもキチンと働く「ADASの進化」が凄い


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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BYDの新型SUV「シーライオン7」をテスト!

BYDの最新電動SUVであるシーライオン7 AWDで恒例の1000kmチャレンジを行いました。BYDの最新EVがどれほどの長距離走破性能を実現することができたのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。

まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。

*走行ルート
海老名SA下り(神奈川県)

加古川北IC(兵庫県)

海老名SA上り(神奈川県)

*走行条件
・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す
・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ
・追い越しなどを含めて、制限速度+10%までは許容
・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外
・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシーライオンAWD・20インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離と比較して−1.71%の下振れしているため、オドメーター上で983kmの段階でゴール)

1)海老名SA下り→湾岸長島PA下り(150kW級急速充電器)

・走行距離:298.9km
・消費電力量:100%→12%
・平均電費:4.25km/kWh(235.5Wh/km)
・外気温:17℃→17℃
・天候:雨30%
・充電セッション:12%→63%(28分)

まず1000kmチャレンジという観点の前に、最初の充電スポットである湾岸長島PAまで、150kW級急速充電器が急速に普及しているという点は注目するべき最新動向です。具体的には、
・中井PA
・駿河湾沼津SA
・清水PA
・浜松SA
と4つのSA/PAに150kW級が設置されており、東京-大阪間であれば、よほどのことがない限り150kW基のみを使用して往復することができます。この数年で高速道路上の急速充電ネットワークが急速に進化している様子が見て取れます。

そして、シーライオン7は、湾岸長島PAの150kW基でSOC60%前半まで充電しています。これは、シーライオン7がSOC65%程度で約84kWへと充電出力を絞るため、なるべく105kWの充電時間を最大化させるのが狙いです。

BYDシーライオン7のモニター

2)湾岸長島PA下り→土山SA下り(150kW級急速充電器)

・走行距離:49.0km
・消費電力量:63%→46%
・平均電費:3.60km/kWh(277.6Wh/km)
・外気温:17℃→16℃
・天候:晴れ
・充電セッション:46%→85%(25分)

1000kmチャレンジとしては初めて利用するサービスエリアです。というのも、2024年度末に150kW基が新設されたからです。この土山SAは標高が高く、多くのEVユーザーにとって利便性の高い充電スポットとなりそうです。1000kmチャレンジという観点では、ここから土山SA上り線まで150kW基が存在しないため、なるべく多くの充電を試みます。シーライオン7はSOC85%程度まで84kWに対応しているものの、その後は50kW以下にまで出力を絞ってしまうことから、SOC85%で充電セッションを切り上げています。

テストのようす

3)土山SA下り→加古川北IC(折り返し)→草津PA上り(90kW級急速充電器)

・走行距離:277.5km
・消費電力量:85%→5%
・平均電費:4.34km/kWh(230.6Wh/km)
・外気温:16℃→13℃
・天候:雨90%
・充電セッション:5%→18%(9分)

すでに折り返し地点を越えました。1000kmチャレンジ最長区間の平均電費は230.6Wh/kmと、2340kgのミッドサイズSUVであるという点、また雨が降っていたという点を踏まえても、もう少し電費が伸びてほしいと感じます。実際に電費が伸びずに手前の草津PAに寄らざるを得ませんでした。草津PAは90kW基なので最小限の充電セッションに留めて150kW基のある土山SAを目指します。

テストのようす

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