コラム
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基本EVだけど電欠しそうになったらエンジンで発電! 一時話題になった「レンジエクステンダー」はなぜ消えたのか?


TEXT:山本晋也 PHOTO:TET 編集部
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レンジエクステンダーEVはプラグインハイブリッドの一種

EV黎明期のこと、「レンジエクステンダーEV」というカテゴリーが盛り上がった時期がありました。日本で販売されたモデルでいえば、BMW i3が代表的モデルといえます。

カーボンボディのBMW i3は、後輪をモーターで駆動するEVを基本としながら、バイク用650ccの2気筒エンジンを積んだレンジエクステンダー仕様もありました。バッテリーの充電量が不足したときにはエンジンで発電して走行を継続することができるという構造です。バッテリーのコストが高く、それでも航続距離を稼ぎたいというユーザーニーズを満たすには理想的なソリューションと評価されていましたが、BMW自身は後継モデルを用意していません。その意味ではレンジエクステンダーはオワコンといえます。

BMW i3のフロントスタイリング

そこには「レンジエクステンダーEV」に対する厳しい条件があったのです。

基本的には外部充電したバッテリーでゼロエミッション走行、充電が不足したらエンジンを使って走る……という構造を抜き出すと、電動車両に詳しい人は「それってプラグインハイブリッドじゃないの?」と思うかもしれません。そのとおり、レンジエクステンダーEVはプラグインハイブリッドの一種です。

ただし、カリフォルニア州などの一部地域ではレンジエクステンダーEVと分類されるために、「バッテリーの充電量が不足するまでエンジンを使わない」「エンジンで走行できる距離はバッテリーの走行距離以下でなければならない」といった条件を課していました。そのため、BMW i3についても、燃料タンク容量は9リッターと小さく、あくまでエマージェンシーとしてエンジンを積んでいるという建前だったのです。

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