FCEVトラックによるコンビニ配送が拡大
6年の継続運用を実施する大規模実証
【THE 視点】ファミリーマートは、小型FCEV(燃料電池車)トラックを使用した配送の実証実験を、5月15日から福島県郡山市にて、同16日から東京都府中市・調布市を中心とした店舗で実施する。
6月以降は、東京都八王子市/日野市/江戸川区葛西を中心とした店舗配送でも開始する。さらに、2025年度までに東京都と福島県にて、FCEVトラックを約30台に拡大する予定だ。
実証に使われるトラックは、ローソンも導入した「いすゞ・エルフ」をベースにしたFCEV小型トラック(最大積載量3トン)で、航続可能距離は約260km(JE05モード相当)。
今回の走行実証は、お弁当やおむすび、サンドイッチなどの中食を中心とした1日3便の店舗配送コースで実施するという。
先日の5月09日付けのEVヘッドライン内、ローソンのFCEVトラックの記事[詳細はこちら]でも触れたが、コンビニ配送は1日3便が平均的な回数だという。
決められた配送に間に合わせるためには、バッテリー式のEVトラックでは、十分な充電時間が取れないケースもある。それを見越してのFCEVの導入実験であると推測されるが、30台という数は、実験の範疇を超える規模だ。
走行実証は、各車両とも実運用開始から6年間継続して実施する予定。プロの現場で長期間使用することで、耐久性などの課題が洗い出せ、国産FCの技術力の底上げにつながるのではないだろうか。
またファミリーマートは、すでにEVトラックの実証を昨年から行っていたり、敷地内への充電器の設置も最大700店舗まで拡大するなど、電動化に非常に積極的である。
今回のFCEVトラックの取り組みは、コンビニ業界のみならず、小売業全体の配送に好影響を与えることができると非常に期待している。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)
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