アークエルテクノロジーズ株式会社は4月4日、自社の「AAKEL eFleet」サービスが、日東工業株式会社の「Pit-2G(ピット・ツージー)シリーズ」と連携することを発表した。これによって、EV導入企業の充電管理が一気に効率化される。
営業車の充電を効率的かつローコストに
まず、一般のEVユーザーにとってはなじみが薄い2つのシステムについて紹介しよう。「AAKEL eFleet」は、福岡発のスタートアップであるアークエルテクノロジーズが2023年3月に正式リリースしたシステムで、複数のEVの充電と運行管理をPCやスマホ上で一括管理する国内初の製品。
EVの充電は、時間帯によって電気料金や再生可能エネルギーの活用度合いが異なったり、複数の充電器を使っている場合には機材によって満充電までの所要時間が違ったりと、ビジネス用途で効率良く活用するには様々な課題がある。また、EVを何台も使用する場合には、車両によって異なる航続距離や、それぞれの走行予定を考えて、充電スケジュールを立てなければならないなど、マネジメントが大きな負担となっていた。
「AAKEL eFleet」は、こうした状況を、アルゴリズムを用いた最適化によって一挙に解決し、最適な配車スケジュールを算出するとともに、複数のEVが複数の充電器に接続されている時に、どのEVにどれだけの電流で充電するかを自動制御する。これによって、例えば営業用EVを多数運用する企業が、翌日の走行予定に沿って、最も電気料金が安い時間帯に、グリーンな電力を使って必要最小限の充電を自動で行うといったことが可能になるのだ。
もうひとつの「Pit-2Gシリーズ」は、高圧受電設備や分電盤などで高いシェアを誇る東証プライム上場企業、日東工業のMode3普通充電器ブランドで、車種を選ばない充電コネクターケーブルを備えるのが特徴。通常の充電コンセントを使用する場合に必要なケーブルの携行や車両からの取り出しが不要なため、様々なEVを高頻度で充電するビジネスユース向けで広い採用実績を持つ。
もちろん業務用に使われるということは、高い耐久性と信頼性を備えている証左でもあり、ラインナップにはコンセント充電の約2倍のスピードで充電が可能な6kW出力タイプも取りそろえ幅広いニーズに応えている。EVユーザーなら経験があるだろうが、充電の度にいちいちケーブルを取り出すのは手間がかかるうえ、かさばるケーブルを収納するのにもそれなりのスペースが潰れてしまう。「Pit-2Gシリーズ」を導入すればこうした難点がすべて解決するため、高く評価されるのも納得だろう。