#長距離
TEXT:高橋 優
BYDの最新SUV「シーライオン7」で1000kmロングラン! ちょっと気になる点はハイスピード電費と急速充電性能!!

シーライオン7のEV性能を全方位チェック! BYDの最新SUVであるシーライオン7 AWDで恒例の航続距離テストと充電性能テストを行いました。とくにシールや競合の電動SUVと比較してどれほどのEV性能を実現することができたのか。リアルワールドにおける航続距離や充電スピードを徹底リポートします。 ⚫︎主要スペック(※は推定値) ・搭載バッテリー容量(グロス/ネット):82.56/※80kWh ・日本WLTCモード(WLTCモードクラス2)航続距離:540km ・EPA航続距離:※375km ・最大充電出力/SOC 10-80%充電時間:105kW/非公表 ⚫︎装着タイヤ ・245/45R20 ・Michelin Pilot Sport EV ・空気圧:2.9/2.9(前輪/後輪)(適正値2.9/2.9) *航続距離テスト まず、航続距離テストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速100kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・充電残量100%付近までサービスエリア下り線で充電したあと、途中のインターで折り返して、同じサービスエリア上り線まで戻ってくる。充電残量は10%程度以下まで減らし切る ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり(今回のシーライオンAWDの場合は24℃オートに設定) ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシーライオンAWD・20インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離と比較して−1.71%の下振れ) 結果:駿河湾沼津SA下り→豊田南IC→駿河湾沼津SA上り ・走行距離:382.0km ・消費電力量:100%→9% ・平均電費:5.23km/kWh(191.2Wh/km) ・外気温:12℃〜15℃ よって、航続距離テストの結果から、充電残量100%状態からSOC0%になるまで、344kmを走破可能であることが確認できました。 *ハイスピードテスト 次に、ハイスピードテストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速120kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり(今回のシーライオンAWDの場合は24℃オートに設定) ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシーライオンAWD・20インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離と比較して−1.71%の下振れ) 結果:駿河湾沼津SA下り→新静岡IC→駿河湾沼津SA上り ・走行距離:94.9km ・消費電力量:81%→51% ・平均電費:4.00km/kWh(250.0Wh/km) ・外気温:12℃ よって、ハイスピードテストの結果から、充電残量100%状態から空になるまで、322kmを走破可能であることが確認できました。 *充電性能テスト ・使用充電器:180kW級急速充電器(テンフィールズファクトリー製FLASH/空冷ケーブル) ・SOC10%〜80%充電時間:39分 ・最大充電出力(SOC):105kW(64%) ・30分回復航続距離(外気温平均13.5℃での航続距離テストベース):230km

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TEXT:高橋 優
BYDの最新車種シーライオン7で1000km走行チャレンジ! 雨でもキチンと働く「ADASの進化」が凄い

BYDの新型SUV「シーライオン7」をテスト! BYDの最新電動SUVであるシーライオン7 AWDで恒例の1000kmチャレンジを行いました。BYDの最新EVがどれほどの長距離走破性能を実現することができたのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。 まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。 *走行ルート 海老名SA下り(神奈川県) ↓ 加古川北IC(兵庫県) ↓ 海老名SA上り(神奈川県) *走行条件 ・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す ・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ ・追い越しなどを含めて、制限速度+10%までは許容 ・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外 ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシーライオンAWD・20インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離と比較して−1.71%の下振れしているため、オドメーター上で983kmの段階でゴール) 1)海老名SA下り→湾岸長島PA下り(150kW級急速充電器) ・走行距離:298.9km ・消費電力量:100%→12% ・平均電費:4.25km/kWh(235.5Wh/km) ・外気温:17℃→17℃ ・天候:雨30% ・充電セッション:12%→63%(28分) まず1000kmチャレンジという観点の前に、最初の充電スポットである湾岸長島PAまで、150kW級急速充電器が急速に普及しているという点は注目するべき最新動向です。具体的には、 ・中井PA ・駿河湾沼津SA ・清水PA ・浜松SA と4つのSA/PAに150kW級が設置されており、東京-大阪間であれば、よほどのことがない限り150kW基のみを使用して往復することができます。この数年で高速道路上の急速充電ネットワークが急速に進化している様子が見て取れます。 そして、シーライオン7は、湾岸長島PAの150kW基でSOC60%前半まで充電しています。これは、シーライオン7がSOC65%程度で約84kWへと充電出力を絞るため、なるべく105kWの充電時間を最大化させるのが狙いです。 2)湾岸長島PA下り→土山SA下り(150kW級急速充電器) ・走行距離:49.0km ・消費電力量:63%→46% ・平均電費:3.60km/kWh(277.6Wh/km) ・外気温:17℃→16℃ ・天候:晴れ ・充電セッション:46%→85%(25分) 1000kmチャレンジとしては初めて利用するサービスエリアです。というのも、2024年度末に150kW基が新設されたからです。この土山SAは標高が高く、多くのEVユーザーにとって利便性の高い充電スポットとなりそうです。1000kmチャレンジという観点では、ここから土山SA上り線まで150kW基が存在しないため、なるべく多くの充電を試みます。シーライオン7はSOC85%程度まで84kWに対応しているものの、その後は50kW以下にまで出力を絞ってしまうことから、SOC85%で充電セッションを切り上げています。 3)土山SA下り→加古川北IC(折り返し)→草津PA上り(90kW級急速充電器) ・走行距離:277.5km ・消費電力量:85%→5% ・平均電費:4.34km/kWh(230.6Wh/km) ・外気温:16℃→13℃ ・天候:雨90% ・充電セッション:5%→18%(9分) すでに折り返し地点を越えました。1000kmチャレンジ最長区間の平均電費は230.6Wh/kmと、2340kgのミッドサイズSUVであるという点、また雨が降っていたという点を踏まえても、もう少し電費が伸びてほしいと感じます。実際に電費が伸びずに手前の草津PAに寄らざるを得ませんでした。草津PAは90kW基なので最小限の充電セッションに留めて150kW基のある土山SAを目指します。

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TEXT:高橋 優
中国の電気自動車「BYDシール」のリアルな航続距離と充電性能は? AWDモデルを長距離走行してテストした

BYDシールのEV性能をテスト! BYDのフラグシップセダンであるシールAWDで恒例の航続距離テストと充電性能テストを行いました。とくに真冬にどれほどのEV性能を実現することができたのか。リアルワールドにおける航続距離や充電スピードを詳細リポートします。 *主要スペック(※は推定値) ・搭載バッテリー容量(グロス/ネット):82.56/※80kWh ・日本WLTCモード(WLTCモードクラス2)航続距離:575km ・EPA航続距離:※450km ・最大充電出力/SOC 10-80%充電時間:105kW/非公表 *装着タイヤ ・235/45/R19 ・Nokian Hakkapeliitta R5(スタッドレスタイヤ) ・空気圧:2.5/2,9(前輪/後輪)(適正値2.5/2.9) *航続距離テスト まず、航続距離テストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速100kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・充電残量100%付近までサービスエリア下り線で充電したあと、途中のインターで折り返して、同じサービスエリア上り線まで戻ってくる。充電残量は10%程度以下まで減らし切る ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり(今回のシールAWDの場合は24℃オートに設定) ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシールAWD・19インチスタッドレスタイヤ装着の場合はGPS距離との乖離なし) 結果:蓮田SA下り→白河IC→蓮田SA上り ・走行距離:306.4km ・消費電力量:100%→10.6% ・平均電費:4.32km/kWh(231.7Wh/km) ・外気温:1〜7℃ よって、航続距離テストの結果から、充電残量100%状態からSOC0%になるまで、344kmを走破可能であることが確認できました。 *ハイスピードテスト 次に、ハイスピードテストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速120kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり(今回のシールAWDの場合は24℃オートに設定) ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシールAWD・19インチスタッドレスタイヤ装着の場合はGPS距離との乖離なし) 結果:蓮田SA下り→佐野藤岡IC→蓮田SA上り ・走行距離:76.7km ・消費電力量:80.6%→54.1% ・平均電費:3.49km/kWh(286.8Wh/km) ・外気温:3〜5℃ よって、ハイスピードテストの結果から、充電残量100%状態から空になるまで、289.5kmを走破可能であることが確認できました。 *充電性能テスト ・使用充電器:150kW級急速充電器(ABB製/ブーストモード/空冷ケーブル) ・SOC10%〜80%充電時間:39分 ・最大充電出力(SOC):105kW(63%) ・30分回復航続距離(外気温平均4℃での航続距離テストベース):185km

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TEXT:高橋 優
北海道から埼玉まで1350kmを中国のEV「BYDシール」で走破! EVが苦手な極寒のなかで性能はどうなる?

BYDシールで片道で約1350kmの超長距離走行! 1月末から2月上旬にかけて、BYDシールAWDを使用して真冬の北海道のEV性能や北海道の充電インフラを調査する「北海道遠征」。今回は復路として北海道の札幌までの充電や電費などについて徹底リポートします。 まず、今回北海道に上陸するにあたって、茨城県からフェリーに乗る(苫小牧港へ)という選択肢を使わずに、基本的に陸路を走行。青森市の青森港から函館港はフェリーに乗せて、函館から日本最北端・宗谷岬を目指すという行程を設定しました。 スタートの埼玉から青森港まではおよそ700km、函館から宗谷岬も650km程度、全行程は片道で約1350kmという、日本国内で考えられうる超長距離走行の限界に挑みます。しかも1月末の真冬の環境下ということもあり、EVにとっては非常に厳しい走行条件となることから、電費性能がどれだけ低下してしまうのか、さらには冬場における充電スピードの低下などのリアルをリポートしたいと思います。 *装着タイヤ ・235/45R19 ・Nokian Hakkapeliitta R5(スタッドレスタイヤ) ・空気圧:2.5/2,9(前輪/後輪)(適正値2.5/2.9) *走行の前提条件 ・追い越しを含めて制限速度の最大10%までを許容 ・暖房は23℃オート ・走行モードはノーマルモード、積雪路面のみスノーモード使用 【走行1】札幌市街→函館市街(90kW充電器) ・走行距離:347.7km ・消費電力量:98.5%→2.7% ・平均電費:220.4Wh/km(4.54km/kWh) ・外気温(札幌→函館):-4℃→-6℃(最低-11℃) 札幌市街から函館市街まで350kmを無充電で走破することができました。さらに、函館には2本出し90kW級急速充電器がコンビニに設置されているので、24時間365日開放されていることは当然として、さらに雪国における除雪の問題も心配ありません。フェリーの出航まで時間があるのでここでしっかり充電することができました。 ちなみに今回のシールにかかわらず、冬場にEVで長距離移動を行う際は、車両を長時間駐車する前に急速充電することをオススメします。というのも、車種にかかわらず低温環境下に放置するとバッテリー温度が低下して、急速充電性能が低下してしまいます。 よって、たとえば宿泊先に普通充電がなく、翌日も長距離を走行する場合は、宿泊施設に到着する前の電池が冷える前に急速充電を行う方がベターなのです。もちろん宿泊施設に普通充電があるのがベストではあります。 【走行2】青森市街→紫波SA(90kW充電器) ・走行距離:195.6km ・消費電力量:77.6%→4.1% ・平均電費:300.6Wh/km(3.33km/kWh) ・外気温(青森→紫波SA):-2℃→-3℃(最低-9℃) 東北自動車道最北に位置する90kW充電器に到着しました。盛岡市内に入るまでは断続的に降雪があり、路面状況は圧雪ですので電費に悪影響を与えています。最低気温もマイナス10℃近くまで低下しているものの、やはり昨年検証したテスラ・モデルYパフォーマンスと比較してもかなり電費が悪いように感じます。 この紫波SAの上下線には1月末に90kW充電器が新設されたので、これまで設置されていた50kW級と比較すると充電にかかる時間を大幅に節約できています。じつは北海道遠征の往路では紫波SA下り線にはまだ90kW級充電器の設置工事が行われており、その往路との比較という観点でも90kW級以上の急速充電器の重要性を痛感できました。

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TEXT:高橋 優
新型メルセデス・ベンツEQSをロングランで試した! 日本の急速充電設備だと充電性能はやや不満!!

新型EQSの航続距離&充電性能をテスト! メルセデスのフラグシップEVである新型EQSで恒例の航続距離テストと充電性能テストを行いました。とくに真冬にどれほどのEV性能を実現することができたのか。リアルワールドにおける航続距離や充電スピードを詳細リポートします。 ⚫︎主要スペック(※は推定値) ・搭載バッテリー容量(グロス/ネット):※125/118kWh ・日本WLTCモード(WLTCモードクラス2)航続距離:759km ・EPA航続距離:※601km ・最大充電出力/SOC 10-80%充電時間:150kW/53分 ⚫︎装着タイヤ ・255/45/R20 ・Goodyear Eagle F1 Asymmetric 5 MO ・空気圧:2.6(適正値2.6) *航続距離テスト まず、航続距離テストの前提条件は以下の通りです。 ・GPSスピードの平均車速が時速100kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・充電残量100%付近までサービスエリア下り線で充電した後、途中のインターで折り返して、同じサービスエリア上り線まで戻ってくる。充電残量は10%程度以下まで減らし切る ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり(今回のEQSの場合は21℃オートに設定) ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のEQS450+・20インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離比で0.7%の下振れ) 結果:蓮田SA下り→福島飯坂IC→蓮田SA上り ・走行距離:495.2km ・消費電力量:97%→8% ・平均電費:5.04km/kWh(198.4Wh/km) ・外気温:-2.5℃〜5℃ 航続距離テストの結果から、充電残量100%状態からSOC0%になるまで、556kmを走破可能であることが確認できました。 *ハイスピードテスト 次に、ハイスピードテストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速120kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり(今回のEQSの場合は21℃オートに設定) ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のEQS450+・20インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離比で0.7%の下振れ) 結果:蓮田SA下り→佐野藤岡IC→蓮田SA上り ・走行距離:76.6km ・消費電力量:90%→65.5% ・平均電費:4.44km/kWh(225.5Wh/km) ・外気温:0.5℃〜3℃ ハイスピードテストの結果から、充電残量100%状態から空になるまで、511kmを走破可能であることが確認できました。 *充電性能テスト ・使用充電器:150kW級急速充電器(ABB製/ブーストモード/空冷ケーブル) ・SOC10%〜80%充電時間:45.5分 ・最大充電出力(SOC):145kW(36%) ・30分回復航続距離(航続距離テストベース):257km

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TEXT:高橋 優
まさかの充電数5回の大誤算!? メルセデス・ベンツ「EQS」で1000kmのロングランに挑戦した

メルセデス・ベンツEQSのEV性能をチェック! メルセデス・ベンツのフラッグシップEVである新型EQSで恒例の1000kmチャレンジを行いました。果たして、テスラを超えて史上最速タイムを更新することはできたのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。 まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。 *走行ルート 海老名SA下り(神奈川県) ↓ 加古川北IC(兵庫県) ↓ 海老名SA上り(神奈川県) *走行条件 ・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す ・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ(EQSの場合21℃オートに設定) ・追い越しなど含めて制限速度+10%までは許容 ・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外 ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のEQS450+・20インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離と比較して0.7%の下振れなので、オドメーター上で993kmの段階でゴール) 1)海老名SA→草津PA(90kW級急速充電器) ・走行距離:384.3km ・消費電力量:98%→26% ・平均電費:4.8km/kWh(208.3Wh/km) ・外気温:6℃→3℃ ・充電セッション:26%→62%(31分) まず、この区間で注目するべきは、150kW級急速充電器が設置されている湾岸長島PAをスキップしているという点です。湾岸長島PAで充電しようとしたところ充電できず、90kW級が設置されている草津PAまで走らざるを得なくなってしまったのです。あとで調べてみたところ、充電器検索アプリ上では休止中と表示されていたものの、EQSのディスプレイ上では充電器の休止情報は反映されておらず、気づくことができませんでした。 2)草津PA→加古川北IC→桂川PA(90kW級急速充電器) ・走行距離:218.8km ・消費電力量:62%→19% ・平均電費:4.7km/kWh(212.8Wh/km) ・外気温:3℃→4℃ ・充電セッション:19%→25%(7分) すでに折り返し地点を通過。検証を行った2024年冬では湾岸長島PA以西には150kW級急速充電器が存在せず、90kW級で最小限充電を繋ぐという我慢の時間が続きます。この桂川PAでは150kW級が設置されている湾岸長島PAまで辿り着けるぶんだけ充電。やはり、100kWh級以上の大容量バッテリー搭載EVの場合は150kW級急速充電器がマストであると実感します。 3)桂川PA→湾岸長島PA(150kW級急速充電器) ・走行距離:109.0km ・消費電力量:25%→5% ・平均電費:4.7km/kWh(212.8Wh/km) ・外気温:4℃→2.5℃ ・充電セッション:5%→33%(15分) ようやく初めての150kW級急速充電器で充電です。確かに150kW級が設置されていることで高性能EVの利便性は向上するものの、仮に2台が充電すると、充電出力は最大90kWに制限されてしまい、当初想定していた充電計画が狂ってしまいます。 隣にEVがいない、来ないことを祈るしかできないのが苦しいところです。

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TEXT:高橋 優
急速充電器使用時の充電性能はやや不満! ヒョンデIONIQ 5 Nをガチで使い倒してわかったマルとバツ

IONIQ 5 Nの性能を全方位チェック! 韓国ヒョンデのハイパフォーマンスEVであるIONIQ 5 Nで恒例の航続距離テストと充電性能テストを行いました。通常のIONIQ 5と比較してどれほどのEV性能を実現することができたのか。リアルワールドにおける航続距離や充電スピードを詳細リポートします。 *航続距離テスト まず、航続距離テストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速100kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・充電残量100%までサービスエリア下り線で充電したあと、途中のインターで折り返して、同じサービスエリア上り線まで戻ってくる。充電残量は10%以下まで減らし切る ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり(今回のIONIQ 5 Nの場合は22℃オートに設定) ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のIONIQ 5 N・21インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離比で1.7%の下振れ) 結果:駿河湾沼津SA下り→大府IC→清水PA上り ・走行距離:387.4km ・消費電力量:100%→6% ・平均電費:5.19km/kWh(192.8Wh/km) ・外気温:23℃〜25℃ 航続距離テストの結果から、充電残量100%状態からSOC0%になるまで、412kmを走破可能であることが確認できました。 *ハイスピードテスト 次に、ハイスピードテストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速120kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり(今回のIONIQ 5 Nの場合は22℃オートに設定) ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のIONIQ 5 N・21インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離比で1.7%の下振れ) 結果:駿河湾沼津SA下り→新静岡IC→駿河湾沼津SA上り ・走行距離:96.3km ・消費電力量:90%→65.5% ・平均電費:3.97km/kWh(252Wh/km) ・外気温:23℃〜23℃ ハイスピードテストの結果から、充電残量100%状態から空になるまで、310kmを走破可能であることが確認できました。

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TEXT:高橋 優
韓国ヒョンデのハイパフォーマンスEV「IONIQ 5 N」で1000km走行! 電費は厳しいが充電性能の高さに注目!!

IONIQ 5 Nで1000kmを走破 韓国ヒョンデのハイパフォーマンスEVであるIONIQ 5 Nで恒例の1000kmチャレンジを行いました。競合関係となるテスラ・モデルYパフォーマンスや日産アリアNISMOと比較してどれほどのタイムを達成したのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。 まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。 *走行ルート 海老名SA下り(神奈川県) ↓ 加古川北IC(兵庫県) ↓ 海老名SA上り(神奈川県) *走行条件 ・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す ・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ(IONIQ 5 Nの場合22℃オートに設定) ・追い越しなどを含めて、制限速度+10%までは許容 ・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外 ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のIONIQ 5 N・21インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離と比較して1.7%の下振れなので、オドメーター上で983kmの段階でゴール) 1)海老名SA下り→浜松SA(150kW級急速充電器) ・走行距離:189km ・消費電力量:100%→44% ・平均電費:3.9km/kWh(256Wh/km) ・外気温:28℃→24℃ ・充電セッション:44%→71%(16分) まず、この区間で注目するべきは、SOC44%から充電をスタートしている点です。通常のEVの場合、SOCをなるべく下げてから充電するのがセオリーですが、IONIQ 5 N(基準車も同様)の場合、SOC70%前半までは、150kW級急速充電器を使用しても概ね最大の充電出力(=300A)を発揮することができるため、0〜70%程度の間であれば、極論いつ充電しても効率が落ちることはありません。これはEVの運用に慣れていない初心者にとってもわかりやすい充電カーブであると感じます。 今回の1000kmチャレンジという意味でも、なるべく150kW級を使用するため、次の湾岸長島PAにたどり着くために、あえて44%も残して浜松SAの150kW級に立ち寄った格好です。 2)浜松SA→湾岸長島PA(150kW級急速充電器) ・走行距離:109.6km ・消費電力量:71%→43% ・平均電費:4.4km/kWh(227Wh/km) ・外気温:24℃→25℃ ・充電セッション:43%→80%(22分) 先ほどの浜松SAで71%まで充電を行ったわけですが、結果的に38%分しか消費しなかったので、じつは浜松SAをスキップしても湾岸長島PAに到着していたことになります。一方で、もし仮にこの湾岸長島PAで先客のEVが充電していたら、80kW程度(=200A)しか発揮することができず充電に多くの時間を要することになります。 つまり、IONIQ 5で長距離を運用する際は、SOC0〜70%の範囲内で、なるべく早めに150kW級で充電を心がけたほうがいいというわけです。 また、この湾岸長島PAの次の150kW級は湾岸長島PA上り線であり、おおよそ400km先です。よって90kW級を使用せざるを得ず、80kW級(=200A)以下にまで充電スピードが低下するSOC80%まで充電を入れ切っています。 3)湾岸長島PA→桂川PA(90kW級急速充電器) ・走行距離:108.6km ・消費電力量:80%→51% ・平均電費:4.07km/kWh(246Wh/km) ・外気温:25℃→26℃(雨20%) ・充電セッション:51%→82%(27分) この区間は100km/h制限が続くものの電費が悪化していますが、これは降雨によるものと推測できます。やはり275/35ZR21という太めのタイヤは、雨や雪の影響をもろに受けてしまいます。 そして、90kW級を使用する際も先ほどの150kW級と同様に、SOC0〜80%の間で好きなタイミングで充電することができるため、なるべく早めに90kW級に立ち寄っています。もちろんこの理由も、ギリギリのSOCで到着してしまい、もし仮に先客のEVが2台以上充電していた場合、充電出力が極端に制限(最大50〜60kW級=125〜140A)されてしまうからです。 高速道路上に設置されている90kW級充電器の多くは15分間のブーストモード仕様であり、15分経過すると強制的に50kW級(=125A)に制限されてしまいます。しかも問題は、その充電器で15分後に充電を切り上げて再度充電しようとすると、充電ケーブルの冷却のためなのか、10分間のクールダウンが発生します。よって充電器が混み合うと、次に充電器を使用するEVは充電開始まで10分弱待たなければ充電することもできません。 経路充電という意味では、90kW級は最低限のスペックであり、90kW級でブーストモードの採用、ましてやクールダウンタイムを設けるなどのスペックの低さは、早急に改善されるべきであると感じます。 4)桂川PA→加古川北IC(折り返し)→桂川PA(90kW級急速充電器) ・走行距離:192.9km […]

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TEXT:高橋 優
テスラ・モデルSを実走テスト! 充電性能は抜群だが航続距離はカタログ値を下まわる結果に

モデルSの航続距離と充電性能をチェック! テスラの高級セダンであるモデルS AWDで恒例の航続距離テストと充電性能テストを行いました。テスラのフラグシップEVがどれほどのEV性能を実現することができたのか? リアルワールドにおける航続距離や充電スピードを詳細リポートします。 *航続距離テスト まず、航続距離テストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速100kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・充電残量100%までサービスエリア下り線で充電したあと、途中のインターで折り返して、同じサービスエリア上り線まで戻ってくる。充電残量は10%程度以下まで減らし切る ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のモデルS AWD・19インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離との乖離はなし) 結果:蓮田SA下り→白石IC→蓮田SA上り ・走行距離:567km ・消費電力量:95.9%→3.09% ・平均電費:6.76km/kWh(148Wh/km) ・外気温:24℃〜30℃ よって、航続距離テストの結果から、充電残量100%状態からSOC0%になるまで、611kmを走破可能であることが確認できました。 *ハイスピードテスト 次に、ハイスピードテストの前提条件は以下のとおりです。 ・GPSスピードの平均車速が時速120kmになるように調整 ・途中ノンストップ ・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のモデルS AWD・19インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離との乖離はなし) 結果:蓮田SA下り→佐野藤岡IC→蓮田SA上り ・走行距離:77km ・消費電力量:88.8%→73% ・平均電費:5.46km/kWh(183Wh/km) ・外気温:28℃〜25℃ よって、ハイスピードテストの結果から、充電残量100%状態から空になるまで、487kmを走破可能であることが確認できました。 *充電性能テスト ・使用充電器:250kW級V3スーパーチャージャー(テスラ/液冷ケーブル) ・SOC10%〜80%充電時間:29分 ・最大充電出力(SOC):250kW(31%) ・30分回復航続距離(航続距離テストベース):442km

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TEXT:高橋 優
テスラ・モデルSが1000km走行チャレンジで大記録を樹立! 史上最強の長距離性能をもつEVだった

テスラ・モデルSのEV性能を試す テスラの高級セダンであるモデルSで恒例の1000kmチャレンジを行いました。冬の検証時と比較してどれほどタイムを短縮できたのか。そして史上最速タイムを記録しているテスラ・モデル3のタイムを更新することはできたのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。 まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。 *走行ルート 海老名SA下り(神奈川県) ↓ 三木小野IC(兵庫県) ↓ 海老名SA上り(神奈川県) *走行条件 ・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す ・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ(モデルSの場合21℃オートに設定) ・追い越しなど含めて、メーター読みで制限速度+10%までは許容 ・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外 ・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のモデルS AWD・19インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離との乖離がなかったため、オドメーター上で1000kmの段階でゴール) 1)海老名SA下り→大津スーパーチャージャー(250kW級急速充電器) ・走行距離:390km ・消費電力量:97.4%→18.9% ・平均電費:5.49km/kWh(182Wh/km) ・外気温:29℃→27℃ ・充電セッション:18.9%→60.9%(14分) まず、この区間で注目するべきは、120km/h制限区間をがっつり走行するという、EVの電費という観点でもっとも厳しい新東名を含む390km区間を無充電で走破しているという点です。しかも、新型モデルSはシステム最大電圧が450Vを超えていることで公共のチャデモ急速充電器を使えず、海老名SA出発時に100%で出発できませんでした。また、この区間は一時豪雨に見舞われ電費がさらに悪化しました。そのうえで、大津スーパーチャージャー到着時でもSOC19%残して到着しているという点を踏まえれば、このモデルSの長距離走破性能を容易にイメージできると思います。 2)大津スーパーチャージャー→三木小野IC(折り返し)→南大高スーパーチャージャー(250kW級急速充電器) ・走行距離:330km ・消費電力量:60.9%→-0.03% ・平均電費:5.99km/kWh(167Wh/km) ・外気温:27℃→27℃ ・充電セッション:-0.03%→57.4%(19分) すでに折り返し地点を超えました。到着時のSOCも0%と完璧な充電残量マネージメントを実現しています。電費も167Wh/kmと、一時雨が降っていたという点、そして285/40R19という太めのパフォーマンスタイヤを装着している点を踏まえると、まずまずの効率性です。 テスラはスーパーチャージャーを目的地にセッティングするとバッテリーを最適な温度に調整することで最高の充電性能を発揮することが可能です。52kWh分の電力量を充電するのに19分しか充電に時間がかかっていないという点も、ただ航続距離が長いだけではない、モデルSの長距離走破性能の高さといえるでしょう。

TAG: #充電 #長距離

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