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韓国ヒョンデのハイパフォーマンスEV「IONIQ 5 N」で1000km走行! 電費は厳しいが充電性能の高さに注目!!


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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IONIQ 5 Nで1000kmを走破

韓国ヒョンデのハイパフォーマンスEVであるIONIQ 5 Nで恒例の1000kmチャレンジを行いました。競合関係となるテスラ・モデルYパフォーマンスや日産アリアNISMOと比較してどれほどのタイムを達成したのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。

まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。

*走行ルート
海老名SA下り(神奈川県)

加古川北IC(兵庫県)

海老名SA上り(神奈川県)

*走行条件
・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す
・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ(IONIQ 5 Nの場合22℃オートに設定)
・追い越しなどを含めて、制限速度+10%までは許容
・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外
・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のIONIQ 5 N・21インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離と比較して1.7%の下振れなので、オドメーター上で983kmの段階でゴール)

1)海老名SA下り→浜松SA(150kW級急速充電器)

・走行距離:189km
・消費電力量:100%→44%
・平均電費:3.9km/kWh(256Wh/km)
・外気温:28℃→24℃
・充電セッション:44%→71%(16分)

まず、この区間で注目するべきは、SOC44%から充電をスタートしている点です。通常のEVの場合、SOCをなるべく下げてから充電するのがセオリーですが、IONIQ 5 N(基準車も同様)の場合、SOC70%前半までは、150kW級急速充電器を使用しても概ね最大の充電出力(=300A)を発揮することができるため、0〜70%程度の間であれば、極論いつ充電しても効率が落ちることはありません。これはEVの運用に慣れていない初心者にとってもわかりやすい充電カーブであると感じます。

ヒョンデIONIQ 5 Nのメーター表示

今回の1000kmチャレンジという意味でも、なるべく150kW級を使用するため、次の湾岸長島PAにたどり着くために、あえて44%も残して浜松SAの150kW級に立ち寄った格好です。

2)浜松SA→湾岸長島PA(150kW級急速充電器)

・走行距離:109.6km
・消費電力量:71%→43%
・平均電費:4.4km/kWh(227Wh/km)
・外気温:24℃→25℃
・充電セッション:43%→80%(22分)

先ほどの浜松SAで71%まで充電を行ったわけですが、結果的に38%分しか消費しなかったので、じつは浜松SAをスキップしても湾岸長島PAに到着していたことになります。一方で、もし仮にこの湾岸長島PAで先客のEVが充電していたら、80kW程度(=200A)しか発揮することができず充電に多くの時間を要することになります。

ヒョンデIONIQ 5 N

つまり、IONIQ 5で長距離を運用する際は、SOC0〜70%の範囲内で、なるべく早めに150kW級で充電を心がけたほうがいいというわけです。

また、この湾岸長島PAの次の150kW級は湾岸長島PA上り線であり、おおよそ400km先です。よって90kW級を使用せざるを得ず、80kW級(=200A)以下にまで充電スピードが低下するSOC80%まで充電を入れ切っています。

3)湾岸長島PA→桂川PA(90kW級急速充電器)

・走行距離:108.6km
・消費電力量:80%→51%
・平均電費:4.07km/kWh(246Wh/km)
・外気温:25℃→26℃(雨20%)
・充電セッション:51%→82%(27分)

この区間は100km/h制限が続くものの電費が悪化していますが、これは降雨によるものと推測できます。やはり275/35ZR21という太めのタイヤは、雨や雪の影響をもろに受けてしまいます。

ヒョンデIONIQ 5 N

そして、90kW級を使用する際も先ほどの150kW級と同様に、SOC0〜80%の間で好きなタイミングで充電することができるため、なるべく早めに90kW級に立ち寄っています。もちろんこの理由も、ギリギリのSOCで到着してしまい、もし仮に先客のEVが2台以上充電していた場合、充電出力が極端に制限(最大50〜60kW級=125〜140A)されてしまうからです。

高速道路上に設置されている90kW級充電器の多くは15分間のブーストモード仕様であり、15分経過すると強制的に50kW級(=125A)に制限されてしまいます。しかも問題は、その充電器で15分後に充電を切り上げて再度充電しようとすると、充電ケーブルの冷却のためなのか、10分間のクールダウンが発生します。よって充電器が混み合うと、次に充電器を使用するEVは充電開始まで10分弱待たなければ充電することもできません。

充電時のモニター表示

経路充電という意味では、90kW級は最低限のスペックであり、90kW級でブーストモードの採用、ましてやクールダウンタイムを設けるなどのスペックの低さは、早急に改善されるべきであると感じます。

4)桂川PA→加古川北IC(折り返し)→桂川PA(90kW級急速充電器)

・走行距離:192.9km
・消費電力量:82%→27%
・平均電費:3.98km/kWh(251Wh/km)
・外気温:26℃→23℃→25℃
・充電セッション:27%→36%(9分)

すでに折り返し地点を超えました。その一方で、苦しいのは電費性能であり、路面がややウエットな区間があったということと、気温がやや低下しているという点を踏まえても、やはりパフォーマンスグレードとしてなかなか電費が伸びてこない様子が見て取れます。

ヒョンデIONIQ 5 Nのメーター表示

桂川PAには上下線ともに90kW級の2本出し充電器が2基設置されています。約110km先の150kW級が設置されている湾岸長島PAにたどり着ける最小限の充電で切り上げます。

ヒョンデIONIQ 5 N

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