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中国の電気自動車「BYDシール」のリアルな航続距離と充電性能は? AWDモデルを長距離走行してテストした


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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BYDシールのEV性能をテスト!

BYDのフラグシップセダンであるシールAWDで恒例の航続距離テストと充電性能テストを行いました。とくに真冬にどれほどのEV性能を実現することができたのか。リアルワールドにおける航続距離や充電スピードを詳細リポートします。

*主要スペック(※は推定値)
・搭載バッテリー容量(グロス/ネット):82.56/※80kWh
・日本WLTCモード(WLTCモードクラス2)航続距離:575km
・EPA航続距離:※450km
・最大充電出力/SOC 10-80%充電時間:105kW/非公表

*装着タイヤ
・235/45/R19
・Nokian Hakkapeliitta R5(スタッドレスタイヤ)
・空気圧:2.5/2,9(前輪/後輪)(適正値2.5/2.9)

*航続距離テスト

まず、航続距離テストの前提条件は以下のとおりです。

・GPSスピードの平均車速が時速100kmになるように調整
・途中ノンストップ
・充電残量100%付近までサービスエリア下り線で充電したあと、途中のインターで折り返して、同じサービスエリア上り線まで戻ってくる。充電残量は10%程度以下まで減らし切る
・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり(今回のシールAWDの場合は24℃オートに設定)
・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシールAWD・19インチスタッドレスタイヤ装着の場合はGPS距離との乖離なし)

結果:蓮田SA下り→白河IC→蓮田SA上り

・走行距離:306.4km
・消費電力量:100%→10.6%
・平均電費:4.32km/kWh(231.7Wh/km)
・外気温:1〜7℃

よって、航続距離テストの結果から、充電残量100%状態からSOC0%になるまで、344kmを走破可能であることが確認できました。

テストのようす

*ハイスピードテスト

次に、ハイスピードテストの前提条件は以下のとおりです。

・GPSスピードの平均車速が時速120kmになるように調整
・途中ノンストップ
・車内の空調システムは基本的に21℃オート。一部車種で温度調整あり(今回のシールAWDの場合は24℃オートに設定)
・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシールAWD・19インチスタッドレスタイヤ装着の場合はGPS距離との乖離なし)

結果:蓮田SA下り→佐野藤岡IC→蓮田SA上り

・走行距離:76.7km
・消費電力量:80.6%→54.1%
・平均電費:3.49km/kWh(286.8Wh/km)
・外気温:3〜5℃
よって、ハイスピードテストの結果から、充電残量100%状態から空になるまで、289.5kmを走破可能であることが確認できました。

*充電性能テスト

・使用充電器:150kW級急速充電器(ABB製/ブーストモード/空冷ケーブル)
・SOC10%〜80%充電時間:39分
・最大充電出力(SOC):105kW(63%)
・30分回復航続距離(外気温平均4℃での航続距離テストベース):185km

テスト結果(表)

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