#国産車
TEXT:高橋 優
日本のEVは世界でどのぐらい売れてる? 販売動向の現在を探ってみた

2025年の日本メーカーのEVシフト動向を調査 日本メーカーの2025年上半期の最新EV販売動向が判明しました。EVシフトで遅れているといわれている日本メーカーの立ち位置と下半期以降の注目EV動向を含めて解説します。 まず、トヨタの最新EVシフト動向を確認します。このグラフはBEVとPHEVの月間販売台数の変遷を示したものです。2022年5月からbZ4X(ハブボルト問題による長期販売停止によって実際の大規模納車開始は2022年10月以降)、2023年3月からbZ3、2025年3月からbZ3X、そして2025年6月からbZ5がそれぞれ発売され、販売台数が大きく伸びています。 他方で、2025年6月度のBEV販売台数は1万7014台と、前年同月比+23.7%の成長を実現しているものの、この1〜2年ほどの販売の伸びと比較すると鈍化しているように見えます。これは、bZ3Xの販売が伸びたもののbZ3の販売が低迷していることが要因でしょう。 さらに、トヨタのEVシフトで気になるのが、BEV販売台数がヨタの想定よりも順調ではないという点です。トヨタは年度初めにBEVやPHEVの年度販売台数予測を発表し、たとえば2023年度のBEV販売台数目標を、年度当初は20.2万台と予測。ところが年度途中から、その目標達成は不可能として12.3万台まで大幅に下方修正し、結局2023年度のBEV販売台数は11.66万台と、その大幅下方修正後の目標値にすら届いていなかったのです。 さらに2024年度のBEV販売台数目標を、年度当初は17.1万台と発表していたものの、2024年度第二四半期決算で16万台へと下方修正。そのうえ第三四半期決算内で14.2万台にさらに下方修正し、結局2024年度は14万4513台と、最新の下方修正後の目標値をギリギリ達成してきた格好です。 トヨタは、すでに2025年度のBEV販売目標をとして31万台という挑戦的な販売目標を提示しているものの、過去2〜3年のEVシフト達成率を踏まえると、目標達成を懸念せざるを得ないのです。 とはいえトヨタは2025年にEVのラインアップを大幅に拡充する予定です。まず、中国市場について、すでに3月中にbZ3Xの発売をスタートし、6月単体の販売台数は6030台と好調です。また、bZ5が6月から発売開始、2025年度末までに中大型セダンのbZ7も投入予定です。次に欧州市場では、新型bZ4XとともにCH-RのEVバージョンであるCH-R+、またスズキe VITARAの兄弟車となるアーバンクルーザーの発売を予定しています。さらに、欧州と東南アジア向けとしてタイでハイラックスのEVバージョンも生産予定ですし、レクサス2車種目のEVとして、ESのEVバージョンもグローバルに投入予定です。 次はEVのパイオニアである日産のEVシフト動向です。このグラフは日産のモデル別BEV販売台数と、新車販売全体に占めるBEVの販売シェア率の変遷を示したものです。日産は、2022年末にBEV販売シェア率が6%を突破するなど順調でしたが、2023年以降、EV販売シェア率は減少トレンドに。実際に2025年2月単体のシェア率は2.56%と最低水準のシェア率に留まってしまっていました。とくにアリアの販売台数が思ったほど伸びず、モデル末期のリーフの販売失速も重なったことが要因でしょう。 その一方で、現在日産でもっとも売れているEVがN7です。4月末にローンチしてから急速に販売台数を増加させ、最新データが判明している7月単体では6455台と絶好調です。8月は生産体制を増強して1万台の生産台数を計画するほどです。新車販売全体に占めるBEVシェア率も4.63%と、2023年1月以来となる高水準を記録しています。 とくにN7は、海外へ展開する方針も表明しながら、さらに欧州市場にはマイクラEVを投入。そしてグローバル全体では新型リーフも投入されます。もしかしたら2026年3月単体で、史上最高の10%近いBEVシェア率を達成するかもしれません。

TAG: #EV販売台数 #国産車
TEXT:渡辺陽一郎
スズキ初のEV「eビターラ」はぶっちゃけ売れる? 日本のスズキファンが買うかどうかは「価格」次第

クルマとしてはよくできているスズキ初のBEVだが…… スズキは最初の量販電気自動車となるeビターラを2025年度中(2026年3月まで)に国内で発売する。フロンクスと同様、インドの工場で生産される輸入車で、ボディサイズは全長が4275mm、全幅は1800mm、全高は1640mmだ。カテゴリーはコンパクトSUVで、全長と全幅はマツダCX-3などに近い。 エンジンを搭載しない電気自動車だから、駆動用リチウムイオン電池の容量は比較的大きい。49kWhと61kWhが用意され、1回の充電で走れる距離は、49kWhの2WDが400km以上、61kWhの2WDは500km以上(4WDは450km以上)とされる。 ボディはコンパクトだが車内は意外に広く、身長170cmの大人4名が乗車したとき、後席に座る乗員の膝先空間は握りこぶしふたつぶんだ。4名で乗車できる居住性が備わり、1回の充電で400km以上を走れるから、電気自動車としては実用性も高い。 はたしてeビターラは売れるのか。販売面では決して有利なクルマではない。いまの乗用車の需要は、約80%が従来型や同じメーカーの車両からの乗り替えに基づく。それなのにeビターラは、日本では初代モデルだから、先代型からの乗り替え需要もない。すべてが新規ユーザーだ。 しかもスズキは、いままで電気自動車を扱った経験がない。加えて2024年度は、国内で新車として販売されたスズキ車の81%が軽自動車だった。残りの小型/普通車も、売れ筋は5ナンバー車のソリオとスイフトだ。eビターラは、国内におけるスズキのブランドイメージに合っていない。 eビターラの売れ行きを決定付けるのが価格だ。2025年7月中旬時点では未定だが、リチウムイオン電池の容量などが似ているリーフの価格を参考にできる。eビターラは装備を相応に充実させるから、49kWhのリチウムイオン電池を搭載したもっとも安価なグレードは、リーフに40kWhの電池を搭載したX・Vセレクションの431万8600円に近いと予想される。 仮にeビターラのもっとも安価なグレードが430万円なら、国から交付される約80万円の補助金を差し引いて、実質価格は約350万円だ。スズキのブランドイメージを考えると、車両価格を370万円に抑えて、補助金を差し引いた実質価格を290万円としたいが実際は難しい。 そして、先に挙げた車両価格が430万円/補助金を差し引いて350万円という予想価格を超えてしまうと、順調に販売するのは困難だ。eビターラは難しいビジネスだが、将来に向けた環境対応を考えると、避けられない一種の試練になる。

TAG: #SUV #セールス #国産車
TEXT:橋本洋平
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗

スズキ初のBEVはSUVで登場 そもそもはスズキ・エスクードの海外名だったビターラ。その車名が、スズキ初の電気自動車SUVとして日本に登場することになった。正式名称はeVITARA。英語のvitality(活力)が由来。製造はインド・グジャラート工場で行われ、欧州、インド、日本などに展開される世界戦略車だ。このほか、トヨタへのOEM供給も行われることが決定している。 プラットフォームはEV専用に開発を行なったHEARTECT-eを採用しており、これまでのエスクードとの共通点はなにもない。ショートオーバーハング、広い室内を得ているところがポイントで、フロア下のバッテリー容量を最大化することを目的とし、メインフロア下メンバーを廃止。おかげで室内には凹凸がほとんどなくフラットに保たれている。 対して、車両の両サイドはかなり強固な造り込みが行われることで高電圧を保護。1180Mpa級の高ハイテン材の使用率を従来の2倍とすることで軽量に仕立てている。 全長×全幅×全高は4275×1800×1640mmで、ホイールベースは2700mm。日本でも使いやすいサイズ感だが、それを後押しするのが最小回転半径5.2mを達成していることだ。モーターとインバーターを一体化したフロントに搭載されるeアクスルが高効率かつコンパクトに設計されたことや、専用プラットフォームの採用により、タイヤハウスのスペースをしっかりと取り、切れ角をしっかりと確保したことがEVらしいポイントだ。 eビターラの最大の特徴といえるのが、ALLGRIP-eと名付けられた4WDグレードを準備していることだ。都市部だけを考えればFFの2WDでも十分というのが最近のSUVの定番だが、エスクードの生まれ変わりであるのなら4WDは必須アイテムだったのだろう。 これからライバルとなりそうな日産リーフは、先の説明会において4WDを準備する予定はないと公言していた。ならばeビターラにとっての4WDはかなりのアドバンテージとなりそうだ。 悪路走破性に拘るスズキらしく、前後駆動力配分を自動で行うオートモードのほかに、空転したタイヤにブレーキをかけ、グリップが高いタイヤに駆動力を配分するトレイルモードも搭載。登坂性能は2WDの1.4倍となる26.8°(一旦停止して発進できる傾斜)を達成。これを48kWのモーターで補っている。

TAG: #SUV #国産車 #新車試乗記
TEXT:伊達軍曹
もっとも長く走れるモデルは東京から青森までノンストップ! いま日本で買える航続距離が長い電気自動車TOP10

最新EVは1回の充電でメッチャ走れる! 2010年12月にデビューした最初期の日産リーフの航続距離は、現代の水準から考えればきわめて短いといえる「200km」でしかありませんでした(しかもWLTCではなくJC08モードで)。しかしその後はさまざまな技術革新に伴い、日産リーフを含む多くのEVが、その一充電走行距離を大幅に延ばしています。 ならばいま、「もっとも一充電走行距離が長いEV」はどれになるのでしょうか? 各モデルが搭載するバッテリー容量の違いなどについてはとりあえず無視し、シンプルなWLTCモード値順による「正規販売車の航続距離ランキング」を見てみましょう。 1位|テスラ・モデル3ロングレンジ:706km 75kWhのバッテリーを搭載し、デュアルモーターの最高出力はフロント158馬力/リヤ208馬力となるテスラ・モデル3ロングレンジ。その一充電走行距離は、2024年11月上旬時点においては正規輸入車中ナンバーワンの706km。WLTCモード値=実際の走行可能距離ではありませんが、もしも706km走れるとしたら、東京から青森県までノンストップで走ることができます。 2位|メルセデス・ベンツ EQS 450+:700km テスラ・モデル3ロングレンジとほぼ同等の航続距離を誇るのが、メルセデス・ベンツの EQS 450+。こちらはリヤにシステム最高出力333馬力のモーターを搭載するRWD車で、リチウムイオンバッテリーの容量は107.8kWh。かなり大きなバッテリーであるため充電には時間がかかりますが、一度満充電にすれば、相当の距離を一気に走ることが可能です。 3位|ポルシェ・タイカン:678km(※WLTPモード値) 2024年2月に予約受注が始まった改良型ポルシェ・タイカンは、先代モデルの出力を最大108馬力上まわる新型リヤアクスルモーターをすべての仕様に搭載。さらに、ソフトウェアを最適化した改良型パルスインバーターや、より強力なバッテリー、サーマルマネジメントの改良、次世代ヒートポンプの搭載、改良型回生システムなど、広範囲な改良が施された結果、一充電走行距離は従来型比で175km増加した最大678km(WLTP値)が実現されています。 4位|BMW i7 eDrive50:652km BMW i7は、BMW 7シリーズのBEVグレード。そのうちeDrive50は、最高出力455馬力/最大トルク650Nmのモーターで後輪を駆動する2WDモデルで、WLTCモードによる一充電走行距離は652kmを実現。仮にWLTCモード値どおりに走るとしたら、途中充電なしで東京から岡山県まで直行可能です。

TAG: #国産車 #航続距離 #輸入車 #電気自動車
TEXT:TET 編集部
スズキ初の電気自動車「e VITARA」初公開! 完全新設計のBEV世界戦略車第一弾に期待大

スズキ初の電気自動車はクロスオーバーSUV 多くのメーカーが電気自動車(BEV)をラインアップに加えるなか、長らく内燃機関搭載車のみで戦ってきたスズキが満を持してブランド初の電気自動車を欧州にて発表した。 その名は「e VITARA」。2023年1月にインドで開催されたAuto Expo、次いで同年10月に日本で開催されたJAPAN MOBILITY SHOWで公開したコンセプトモデル「eVX」をベースとした量産仕様であり、スズキのBEV世界戦略車第一弾を担うモデルとなる。 エクステリアは、「High-Tech & Adventure」をテーマに、BEVの先進感とSUVの力強さを併せ持ち、冒険心を刺激する力強いたたずまいとなっている。大径タイヤとロングホイールベースによって、存在感もバッチリだ。 インテリアでは、フル液晶となったメーターパネルとセンターディスプレイが統合されたインテグレーテッドディスプレイがEVらしい先進的な印象をもたらす。また、タフさを期待させる独特の造形をもったパネル類やセンターコンソールは、レザーやピアノブラックなどといった上質な仕上げによって高級感も手にしている。 注目のパワートレインは、もちろん完全新設計。モーターとインバーターを一体化した高効率のeAxleと、安心・安全を追求したリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用する。 プラットフォームは電動車用に新設計された「HEARTECT-e」となり、軽量な構造、高電圧保護、ショートオーバーハングによる広い室内空間を特長としている。 また、同時に見逃せないのが4WDモデルだ。というのも、e VITARAの「VITARA」とは、悪路走破性に優れるスズキのSUV「エスクード」の海外名。それだけに、このe VITARAも単なる都会派SUVとは一線を画したタフネスさを備えている。 それを実現しているのが、「ALLGRIP-e」と呼ばれる新設計の電動4WD機構。これは前後に独立したふたつのeAxleを配置したもので、パワフルな走りだけではなく、レスポンスに優れた緻密なコントロールも可能としている。 また、片側のタイヤが浮くような路面でも空転したタイヤにブレーキをかけ、反対側のタイヤに駆動トルクを配分(LSD機能)することで悪路からスムーズに脱出できるTrailモードも備えるというから、その悪路走破性には期待していいだろう。 このe VITARAは、2025年春よりインドのスズキ・モーター・グジャラート社で生産を開始し、2025年夏頃から欧州、インド、日本など世界各国で順次販売を開始するとされている。 現段階では日本仕様の価格やスペックは未発表となっており、続報が楽しみなところだ。

TAG: #BEV #SUV #国産車
TEXT:TET 編集部
ホンダCR-Vが帰ってきた! 新型燃料電池車「CR-V e:FCEV」が登場

燃料電池スタックを刷新 2024年7月19日、ホンダは新型燃料電池自動車「CR-V e:FCEV」を発売した。燃料電池自動車の普及促進に協力する自治体や企業、一般ユーザーにリース形式で販売される。 CR-V e:FCEVは、日本の自動車メーカーが発売するモデルとしては初の、外部から充電できるプラグイン機能を持つ燃料電池自動車。FCEVの長い航続距離や水素の充填時間の短さはそのままに、家庭や外出先で充電できるプラグイン機能を加えることで利便性をさらに高めている。一充填走行距離は約621km、一充電走行可能距離は約61kmを実現。ベースは北米地域や中国などで販売されている6代目CR-Vだ。 SUVとしての安心感や快適性と操る楽しさを兼ね備えるCR-Vをベースに、モーター駆動によるFCEVならではのスムーズでトルクフルな走りを追求。重量物である水素タンク2本と大容量バッテリーを含むIPUを可能な限り低く、かつ車両中心近くに搭載する低重心レイアウトにより、重厚で上質な乗り味とリニアなハンドリングを実現した。 サスペンションには、入力に応じて減衰力を変化させ、操縦安定性と乗り心地を高い次元で両立する振幅感応型ダンパーを採用。細かな振動を吸収して快適な乗り心地を提供するとともに、コーナリングでは進入から立ち上がりまでコントロールしやすい優れた接地性を発揮する。 さらに、水素による発電電力と充電バッテリーからの電力を組み合わせて有効に活用する、エネルギーマネジメントモードを装備。日常走行ではバッテリーに蓄えた電気のみでEV走行、休日のレジャーなどではFCが発電する電力も合わせて長距離ドライブ、といった移動の用途や運転状況に合わせてエネルギーの使い方を選ぶことができる。「AUTO」「EV」「SAVE」「CHARGE」の4つから選択が可能だ。 フロントフェンダーに設置されたAC充給電コネクターは、日本と米国における普通充電の規格である「SAE J1772」を採用。普通充電は6.4kWに対応し約2.5時間で満充電が可能。また、AC200V電源に加えAC100V電源での充電にも対応している。 また、普通充電口に差し込んでAC100V電力が取り出せるAC車外給電用コネクター「Honda Power Supply Connector」を標準装備。1500Wまでの消費電力に対応し、アウトドアなどのレジャーや停電時の電源として活用できる。 荷室内に設置されたCHAdeMO方式のDC給電コネクターには「Power Exporter e:6000」、「Power Exporter 9000」などの可搬型外部給電機を接続することで、最大で一般家庭の約4日分の電力を供給することも可能。災害時の非常用電源として、自宅や避難所、小規模のオフィス・店舗などで利用できるほか、排出ガスもなく音も静かなので、屋内のイベントなどにも活用できる。 コアとなる燃料電池(FC)スタックを刷新するとともに、補機類の合理化や低消費電力化を徹底。新構造のセルユニットの採用や生産性の向上などにより、CLARITY FUEL CELLに搭載されていた従来システムに対しコストを3分の1に削減した。また、耐食材料の適用や劣化抑制制御により、耐久性を2倍に向上させたほか、耐低温性も大幅に向上。このFCシステムは、ホンダとゼネラルモーターズ(GM)が共同開発し、両社の合弁会社であるFuel Cell System Manufacturing, LLC(米国ミシガン州)で製造される。 パッケージングについては、歴代のCR-Vが培ってきたSUVならではのゆとりの空間を確保しながら、使い勝手のよさや安心感をもたらす工夫が施されている。 FCスタックを核とするFCシステムと、モーターやギヤボックス、PCUを一体化した駆動ユニットを組み合わせてフロントフード下に集約することで、居住スペースへの影響を最小化。 また荷室部分に設置された水素タンクを棚状の平らな面で覆い、この上面から荷室の後端まで収納スペースを広げることができるフレキシブルボードを設定した。荷室を上下2段に分けて使うことができる。 安全・先進機能の内容も充実。多くの国と地域で販売されるCR-Vは、世界トップレベルの衝突安全性能を目指して進化を続けてきた。その骨格をベースに、燃料電池システムや水素タンクなどの搭載構造を新開発し、車両重量の増加にも対応。優れた乗員保護性能に加え、水素や高圧電気に対する安全性も高い水準で確保している。 また、先進の安全運転支援システム「Honda SENSING」を標準装備。渋滞追従機能付アダプティブクルーズコントロール(ACC)には加減速や電動パワーステアリング設定など、FCEVの特性に合わせた制御の最適化を行った。 さらにスマートフォン感覚でナビゲーションやオーディオなどの操作を快適に行える「Honda CONNECTディスプレイ」に、FCEVならではの機能を追加。水素ステーションの稼働状況がリアルタイムで分かる「水素ステーション検索機能」、充電に使用する電流量を調節することで、合計電力量を契約アンペア以下に抑制する「充電電流設定」、あらかじめ設定した水素残量になると自動で給電を停止し、車外給電などでの水素の使い過ぎを防ぐ「給電下限水素残量設定」など、充電/外部給電の使い勝手を最大限に引き出す便利機能を備えている。 ホンダ独自のコネクテッドサービス「Honda Total Care プレミアム」に加入することで、最大充電量設定、充電待機時間設定、お出かけ前タイマー設定といった機能も利用可能だ。 ボディカラーにはプラチナホワイト・パールとメテオロイドグレー・メタリックの2種類を用意。価格は税込み809万4900円。

TAG: #CR-V #FCEV #SUV #国産車
TEXT:TET 編集部
中国市場のニーズに合わせて開発! 日産が北京モーターショー2024で新エネルギー車のコンセプトカーを出展

NEVのコンセプトカーを複数展示! 日産自動車は北京モーターショー2024で、中国市場のニーズにあわせて開発した新エネルギー車(NEV)のコンセプトカーを複数出展することを発表した。 全固体電池や進化したe-4ORCEなど、数多くの革新的なテクノロジーを採用し、環境と安全性にも配慮しながら究極のドライビングプレジャーを追求する次世代のEVスポーツコンセプト「ニッサン ハイパーフォース」も中国で初公開される。 さらに、ABB FIAフォーミュラE世界選手権で4戦連続で表彰台を獲得している、日産フォーミュラEのGen3マシンも展示する。 中国国際展覧センターのW2ホールに位置する日産のブースでは車両展示に加えて、錯視3Dを駆使した映像やAIを活用したユニークな体験型コンテンツなどを通じて、日産のクルマが実現する未来のライフスタイルを提示。 北京モーターショー2024は、4月25日にプレスカンファレンスを実施した後、4月27日~5月4日までが一般公開日となる。 日産は経営計画「The Arc」を通じて、変化し続ける中国市場のニーズに迅速に応え、NEVの知見や現地でのパートナーシップを最大限活用しながら、中国での電動化と知能化を加速させていく。

TAG: #北京モーターショー #国産車
TEXT:高橋 優
日産は電動車シフトに突き進む! 中期経営戦略「The Arc」の中身

2026年度までに16車種の電動車の新型車を市場投入 日産が新たな中期経営戦略である「The Arc」を発表しました。2026年度までにグローバルで100万台の販売台数増加を目指しながら、安価なLFPバッテリーの導入、全固体電池によるEVテクノロジーの革新など、さらなるEVシフトの詳細を発表した「The Arc」を解説します。 まず、カルロス・ゴーン時代からの復活を目標に日産のトップに就任した現在の内田社長については、2020年度から2023年度までの中期経営戦略である「Nissan Next」を打ち出して、ようやくそのNissan Nextの期間が終了。営業赤字が続いていた日産の業績は、そのNissan Nextのおかげもあってか、2023年4月から12月までの営業利益率は5.2%と、数年前までの赤字経営と比較すれば、収益性を戻してきた格好であり、構造改革という観点で一定の成果を上げたと言えます。 そして、2024年度から2026年度までの中期経営戦略として発表されたのが、The Arcです。日産については、2030年までの長期戦略である「Nissan Ambition 2030」も発表しており、そのNissan Ambition 2030の間を繋ぐ戦略となります。 とくに注目されている点が、内燃機関車とハイブリッド車、そしてEVをどのような塩梅で推進していくのか、および、Nissan Nextにおける構造改革によって、販売台数が大幅に低下してしまった2023年シーズン以降、どれほど販売規模を拡大させることができるのかという点です。 まず初めに、2026年度までに投入する新型車について、日産は新型車攻勢を強める方針を表明しました。具体的には、2026年度までに、グローバルで15車種の内燃機関車を投入することで、グローバルモデルの60%が刷新、もしくはフルモデルチェンジを迎えることになります。 さらに電動車という観点についても、2026年度までに16車種の新型車を投入。具体的には、2024年度中にバッテリーEVを2車種、2026年度中にバッテリーEV4車種、PHEV3車種、e-POWER3車種をグローバルで投入する方針です。 e-POWERについては、すでに新型ノートから第二世代が採用され始めているものの、現在第三世代の開発を進めており、出力20%アップ、燃費10%改善、そして20%のコスト削減を可能とし、2026年度までに投入される予定です。とくにアメリカ市場には、この第三世代からe-POWERを投入し、電動化を進める方針です。 そして、第三世代の採用によって、2026年度までにハイブリッドであるe-POWERと内燃機関車のコストが同等となることで、電動化と収益性の両立を目指すことが可能となる見込みです。 また、日産については、2車種目となるPHEVを導入する方針です。すでに中国市場においてVenuciaブランドからPHEVを導入済みです。 おそらく、アライアンス別のパワートレイン比率については、Dongfeng日産の電動車3車種はすべてPHEVになるはずであり、すると、2026年度までに投入予定のPHEV4車種のうちの1車種というのが、日産が開発を主導するモデルとして、アメリカ市場に投入されることになります。 ちなみに2024年度中に投入されるバッテリーEV2車種についてはすでに判明済みです。まずは、ルノーのコンパクトEVとして発表されているルノー5の兄弟車、マイクラEVです。 また、2024年中に投入予定とアナウンスされている、中国市場専売となる見込みのバッテリーEVについては、いまだに詳細情報が公開されていないものの、4月中に開催される北京オートショーにおいて初お披露目される見通しです。

TAG: #国産車 #戦略 #日産
TEXT:佐橋健太郎
水素燃料電池車となってCR-Vが国内復活! 外部給電も充電もできる「ひと味違うFCEV」の姿を徹底解説

FCEVになって日本に帰ってきたホンダCR-V ホンダは、最新世代のCR-Vをベースとした「CR-V e:FCEV」を、2024年夏に日本国内市場に導入すると発表し、同時に日本仕様を初公開している。 すでに2023年11月、スーパー耐久シリーズ最終戦の舞台となった富士スピードウェイにてコンセプトモデルが披露されており、期待が高まるなかでの発表となったわけだが、FCEVとはどのようなクルマなのか、改めてCR-V e:FCEVの解説をしながら紹介していきたい。 EVタイムスをご覧の読者の皆様には説明不要だろうけれど、FCEVとはフューエル セル エレクトリック ビークルの頭文字を略したもので、訳すと「燃料電池電動車」となる。駆動用モーターとバッテリーを搭載する点ではEV(電気自動車)やHV(ハイブリッド車)と同様だが、HVが内燃機関による発電をエネルギー源の一部としているのと同様、FCEVでは燃料電池が発電を担当すると考えればいい。 FCEVでは水素を車内のタンクに貯め込み、空気中の酸素と水素を化学反応させることで発電を行う。発生した電気が駆動用モーターに届けられ、走行するというのがFCEVのシステムだ。最大のメリットは、ガソリンエンジン車のような燃焼過程が存在しないため、CO2(二酸化炭素)が一切発生しないこと。FCEVが走行中に排出するのは「水」のみという、いかにもクリーンな次世代自動車である。 ホンダは従来よりFCEVの開発を精力的に進めており、「FCXクラリティ」や「クラリティ フューエルセル」といったモデルを市販してきた。2024年の夏に発売されるCR-V e:FCEVはその最新版で、ホンダの世界的ベストセラーSUVであるCR-Vの車体に、大幅進化した燃料電池ユニットを搭載したもの。 水素一充填あたりの走行距離は600km以上、EV走行可能距離も60km以上を見込んでいるうえ、水素の充填にかかる時間も約3分という短さを実現。FCEVならではの優れた環境性能と、SUVの高い実用性を兼ね備えたモデルとなっている。 そして、日本の自動車メーカーが発売するFCEVとしては初めて、外部から充電可能なプラグイン機能を備えた「プラグインFCEV」であることも特徴だ。

TAG: #プラグイン #国産車 #水素 #燃料電池車
TEXT:高橋 優
新たなEV購入補助金は「メーカーの充電設備充実度」「車両性能」などで異なる! 中韓EVはかなり厳しい結果に

2024年度CEV補助金の詳細が発表された 令和5年度補正予算で策定されている、電気自動車向けの購入補助金の詳細や具体的な補助金額が判明しました。日本メーカーのEVについてはこれまでどおりの金額が維持されたものの、中国BYDのEVについては、その半分も割り当てられないという、中国製EV排除の動きをとってきたという最新動向について、解説します。 まず、EV補助金については、安倍政権時代までは最大40万円程度の金額であったものの、カーボンニュートラルを宣言した菅政権下において、その1台あたりの補助金額が最大80万円に倍増されたことで、がぜん注目が集まっている状況です。 そして、そのような背景において今回判明したのが、充電インフラに対する整備費用を含めた、その令和5年度補正予算で策定された1291億円もの予算において、とくにEV購入補助金における、具体的な補助金額の算定基準、EVそれぞれの補助金額の内訳です。 まずは、その補助金額の算定基準のなかで、とくに注目するべきポイントをピックアップします。 初めに、今回のEV補助金の評価基準の概要については、EV自体の航続距離や電費性能、および外部給電機能を有しているかであったり、さらには型式登録されているかという観点だけではなく、追加で自動車メーカー側の取り組みとして、充電インフラを充実させているかであったり、修理メンテナンスのアフターサービス体制の充実度合い、バッテリーのリユースリサイクルに取り組んでいるかなど、さまざまな項目を総合的に勘案した上で、合計200点満点で採点。 その得点に応じて、例えば130点以上を獲得すれば、満額の85万円を獲得可能となります。 車両性能の向上という観点では、型式指定されているEVの場合は、航続距離に160を引いた後、0.4をかけながら、さらに電費をかけ算するという計算式を適用することで、その得点に応じて最大40ポイントが加算されます。 また、これも最大40ポイントが配点されている充電インフラ普及にどれだけ貢献しているのかという観点では、急速充電器のみが要件の対象となります。 充電インフラ普及に関しては、公共性が担保されてる場合のみがその要件の対象となると思われていたものの、それ以外にも、2023年のEV・PHEVの販売台数あたりどれほどの急速充電器を整備したかという評価軸も存在。この場合は、公共性が担保されていない急速充電器も評価の対象となることから、テスラやフォルクスワーゲングループについても、スーパーチャージャーやPCAが評価の対象となるわけです。 この点は、実際のユーザーの利便性を担保しているという点を正当に評価する上でも、公平な評価基準であるといえるでしょう。 そして、整備体制という観点についても、最大40ポイントと配点割合が高く、主に整備拠点数が評価対象となるものの、モバイルサービスであったり、無料レッカーサービスなども評価対象となります。よって、いわゆるディーラーネットワークを有していないテスラなどについても、一定程度評価される仕組みとはなっているわけです。 いずれにしても、この3つの評価軸だけで最大120ポイントが割り当てられており、それ以外の整備人材の育成、サイバーセキュリティへの対応、ライフサイクル全体での持続可能性の確保および外部給電機能の有無については、それぞれ20ポイントが割り当てられ、合計200ポイントとなる計算です。

TAG: #2024年度 #国産車 #補助金 #輸入車

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
「58協定」未加入国のクルマを日本で売るのは難しい! なのに未加入のアメリカや中国のクルマが日本で売られるカラクリとは
20万円も高かったのに20万円安くしか売れない! EVの将来はリセールバリューの向上努力にアリ!!
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
more
ニュース
ファッション&アウトドア好きにも刺さるEV! ヒョンデ「インスタークロス」が先行予約開始でいまなら秋キャンプにも間に合う
一充電走行可能距離はついに1000km超え! 日本でもっとも長く走れる新型EV「Audi A6 e-tron/S6 e-tron」シリーズが登場
走るために必要な電力は太陽光発電で自給する! ソーラーパネルを装備した3輪モビリティ「スリールオータ」の特別仕様車を限定30台発売
more
コラム
150kWの急速充電器ならアッという間に満タンなハズ……があれ? EVの充電量が思ったよりも回復しない理由
EV時代が近づいているのになぜ「合成燃料」が注目される? 課題がクリアされれば「エンジン車」に乗り続けられる未来もある!
日本のEVは世界でどのぐらい売れてる? 販売動向の現在を探ってみた
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択