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ただバッテリーとモーターに置き換えただけのモデルと思うなよ! N-ONE:eはN-ONEとはデザインまでまったく違う「一車入魂」の力作だった


TEXT:山本晋也 PHOTO:ホンダ/TET 編集部
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似ているようでぜんぜん違うN-ONEとN-ONE e:

ホンダ初の軽乗用EV(電気自動車)として9月から発売開始となったN-ONE e:が話題だ。エントリーグレードで269万9400円と、57万4000円のCEV補助金を考慮すると、十分に手の届く価格に抑えながら、一充電走行距離は295kmと軽乗用EVとしては期待以上のロングレンジを実現。次期愛車に身近で手ごろなEVを探しているユーザーにドンピシャの価格と性能となっていることも、注目度を高めている理由だろう。

ホンダN-ONE e:のフロントスタイリング

そんなN-ONE e:は、名前からもわかるようにN-ONEという既存のエンジン車をベースとしたEVである。少しばかり、N-ONEについて振り返ってみよう。

どこか懐かしい、クラシカルなルックスをもつN-ONEの誕生は2012年。ホンダ軽乗用車の原点といえる「N360」のスピリットを引き継ぐ、新しいニッポンのノリモノとして開発された。当初は、全高1600mmを超えるハイトワゴンだったが、マイナーチェンジにより全高1550mm以下となるローダウン仕様を追加したことで、「ハイトワゴンの広さ」と「機械式駐車場に対応するサイズ」を両立するという独自の価値を手に入れた。

ホンダN-ONEのフロントスタイリング

そして、2020年のフルモデルチェンジでは多くのファンが驚いた。プラットフォームやパワートレインは最新世代にアップデートしながら、ボディ外観は従来どおりとしたのだ。灯火類やグリルなどの意匠は新しくなっているので、ビッグマイナーチェンジと感じるほどだが、メカニズム的にはれっきとしたフルモデルチェンジであった。それほど、N360の伝統を受け継いだN-ONEのスタイリングは変えがたい価値があるとホンダと、そのファンは認識していた。

ホンダN-ONEのフロントスタイリング

しかしながら、N-ONE e:はエンジン車のN-ONEと異なるイメージのルックスとなっている。一見すると、グリルやヘッドライトなどを変えただけと思えるかもしれないが、じつは違う。AピラーからCピラーまで前後ドアのアウターパネルは変わっていないが、N-ONEが10年以上も守ってきたボディシルエットは変わっているのだ。

具体的に見ていこう。

まず目立つのは、グリルとヘッドライトの変更だろう。軽商用EVであるN-VAN e:と共通のEVアーキテクチャーを採用している関係から、N-ONE e:も充電リッドをフロントグリルに配置している。

ホンダN-ONE e:の真正面フロントスタイリング

グリルを独自デザインにすることは必須であり、それに合わせて灯火類やバンパーなども新デザインとなった。それでも「愛着フェイス」を目指したというデザイナーの意思は、Nの伝統を受け継いでいるといえるだろう。

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