EVヘッドライン 記事一覧

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.11.29]

  ・三菱、「ミニキャブ・ミーブ」販売再開……243万1000円から 【THE 視点】三菱自動車は、ワンボックスタイプの軽商用EV「ミニキャブ・ミーブ」の一般販売を11月24日より再開した。  「ミニキャブ・ミーブ」は国内唯一の軽商用EVで、2011年12月より配送業などを中心に販売。2021年3月末に一旦生産を終了したが、一部法人向けとして販売を続けていた。  今回の発表は、軽商用EVの需要の上昇を受けて決定したようだ。ベースとなる「ミニキャブ」のエンジン車は1999年登場という古いモデルで、現行の「ミニキャブ」はスズキから供給を受けている。自社製の軽商用車を存続させるためには、EVの「ミニキャブ・ミーブ」を復活させるのが近道と判断したもよう。バン型の商用EVはライバル不在ということも再販を後押ししたのだろう。いずれにせよ、再販を英断した三菱にエールを送りたい。  「ミニキャブ・ミーブ」のモーターの最高出力は30kW(41ps)。総電力量16kWhの駆動用バッテリーを搭載し、充電一回あたりの航続距離は133km(WLTCモード値)となっている。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・日産、「セレナ」をフルモデルチェンジ……「e-POWER」は来春発売予定 ・キャタピラー、建設現場用超大型EVダンプ「793」の試験走行に成功……60km/hで走行可能 ・欧州カー・オブ・ザ・イヤー、日本製EVが最終候補に……「日産アリア」「スバル・ ソルテラ」「トヨタbZ4X」がノミネート ・BMW、ハンガリー工場に20億ユーロ投資……EV用バッテリー組み立て施設を建設 ・政府、税制調査会の総会を26日に開催……道路維持財源確保に向けEVへの課税が課題、首相は前日の予算委員会答弁で「具体的な検討はしていない」 ・ホンダ、自社製電動レーシングカートをお披露目……「ホンダ・サンクスデー2022」で角田裕毅、M.フェルスタッペンらプロドライバーがドライブ ・EVの保有率が増加、前年比3.7%増しの8.2%へ……KINTO調べ、購入検討車のトップは「日産リーフ」 ・HWエレクトロ、小型EVトラック「ELEMO」を活用したコネクテッドサービスを展開……ネットワーク上の情報をもとに迅速な配車が可能、災害支援にも期待 ・ドミノ・ピザ、米本国の配送車にEVを導入……「シボレー・ボルトEV」がのべ800台が数ヶ月以内に配車 ・テスラ、EVトラック「Semi」が航続距離500マイル達成……イーロン・マスク氏がTwitterに投稿 ・四国電力、電気料金を28%値上げ……来年4月から「規制料金」プランに適用すると経産省に申請

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.11.28]

  ・第28回日本EVフェスティバル開催、最新EV展示・試乗ほかシンポジウムも 【THE 視点】26日「(一社)日本EVクラブ主催 第28回 日本EVフェスティバル2022」が、東京都お台場の東京国際交流館で開催された。  筆者は第一回からスタッフとして参加しており、当初は日本自動車研究所(JARI)の高速周回路で開催されていた。つくばエキスプレスの開通に伴い、高速周回路が廃止された後は筑波サーキット等に移して開催されてきた。JARIや筑波サーキットを訪れるという非日常感も参加者のモチベーションを高めていたように思う。  当初は、手作り改造EV(コンバートEV)やERK(電気カート)の競技も行われ、多くの来場者でにぎわっていた。コンバートEVの多くは公道も走れるよう登録も行うものも多かった。その後は電池などの安全性の強化で、公道を走るための認証要件が高くなるにつれ、参加台数(製作台数)も減少してきたことから、ここ数年は都内に場所を移し、お台場の東京国際交流館での開催となっている。  お台場では競技は実施できずコンバートEVは展示のみになったが、自動車メーカーのEVやPHEVの試乗や展示が開催された。他にも環境に関するシンポジウムや充電インフラの展示、EVの普及に熱心な自治体の展示など様々なイベントを体験見学できる。  試乗車は、日産「サクラ」「アリア」、ホンダ「Honda-e」、三菱「ekクロスEV」、VW「ID.4」、BMW「iX」の6台。事前予約なしで試乗でき、受付時間前から希望者が大勢並んだ。  発表されたての「ID.4」は瞬く間に枠が埋まり、次にBMW「iX」。その後は日本車の順で人気が高かった。試乗体験者の話では、輸入車には興味津々だがディーラーで試乗するにはハードルが高いという。だからこそ試乗は大盛況だったのだろう。  私も「ID.4」と「iX xDRIVE50」に試乗した。どちらもEV専用のプラットフォームを持つ車両だけに完成度は高かった。このようにEVフェスティバルは、最新EVにいち早く試乗できることや、最新のEV動向を知ることができる。来年も開催される見込みで、事前情報をこの場でお知らせする。  そういえば最新EVを見ていて感じたことがある。私はサンルーフ付きが好きなので、購入希望車に装備があれば選択している。しかし最近、日本車ではサンルーフが激減しているように感じる。  ところが海外のEVを見ると装着されている車を多く見かける。最近の国産EVも「アリア」や「bZ4X」などに装着されているが、輸出を考慮しての採用かもしれない。重量面や価格面で不利なはずだが、ステータス性を高めるためなのだろうか。そう感じている今日この頃である。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・ファミリーマート、バッテリー交換式EVトラックによる配送の実証開始……3分でバッテリーパックを交換可能、EVトラック普及とCO2削減を目指す。 ・中国車載電池の国軒高科、ベトナムのビングループとのバッテリー工場を建設……2023年末までに稼働予定。 ・東大発のEV充電ベンチャー「Yanekara」、1.6億円の資金を調達……太陽光発電器1基で複数台のEVに充電および充電の遠隔制御ができるクラウドシステムを開発。 ・Yanekara、郵便局のEV配送車への充電管理システムの実験で経費削減効果……電力ピーク時の充電を避けることで38kW(約45万円/年)のコストダウンを確認。 ・ビンファスト、SUVモデル「VF8」999台を米国に輸出……22年末までに顧客のもとへ。 ・プジョー、新型EV「Peugeot Inception Concept」をCES2023で公開へ……完全新設計のEVコンセプトカーを発表。 ・アイシン、電動ユニット「eAxle」開発を世界展開へ……国内と米中その他へそれぞれ1000億円の投資、25年に450万基生産体制を構築。 ・環境省、EV使用にポイント付与検討……CO2の削減量に応じて算定、ポイントは小売店や飲食店で利用可能 ・ZF、コンパクトなEアクスルシステムを発表……モーターからギアボックス、インバーター、ソフトウェアをモジュラー化、メーカーの電動車開発を促進 ・ボルボ傘下のDW、トレーラー用EVトラクターに1000kWhの電池を搭載……世界最大の電池容量、航続距離576kmへ

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.11.25]

    ・ピニンファリーナ、EVハイパーカー「バッティスタ」が各性能値を公表……200km/hまで4.75秒など世界新記録 【THE 視点】アウトモビリ・ピニンファリーナは、量産EVハイパーカー「バッティスタ」の公式テストを行い、加減速性能において5つの量産車世界新記録を打ち立てた。  記録は「0-100km/h加速:1.86秒」のほか「0-96km/h加速:1.79秒」「0-193km/h加速:4.49秒」「0-200km/h加速:4.75秒」。また「100km/hからフルブレーキでの停止距離:31m」。これらはの数値は、量産EVの世界新記録だという。  この記録の達成には、4モーター方式の4WDという機構が大きく影響している。最高出力1900hp(1417kW/1926ps)、最大トルク240.6kgmを引き出す高性能ぶりで、最高速は350km/hに達する。  ちなみにブレーキにはブレンボのカーボンセラミック素材のものが用いられているほか、エアブレーキ機構も搭載されている。  バッテリーは、クロアチアのリマック アウトモビリから供給を受け、総容量は120kWh。1回の充電での航続距離は480km。充電は180kWの急速充電システムを使用可能で、25分でバッテリー容量の80%を満たせる。  ボディ構造は、カーボンファイバー製のモノコックに、同じくカーボンファイバー製パネルを組み合わせたもの。さらに車体前後にアルミ素材を用いて衝突時の衝撃を吸収する構造も採用されている。このモンスターマシンの性能と構造に、ただただ驚くばかりである。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMESエグゼクティブ・アドバイザー) ・国土交通省、「エコカー減税」の1年延長を要望……与党税制調査会に求める方向で調整 ・HKS、バッテリー交換式EVトラックによる配送実証開始……伊藤忠商事などと共同で埼玉県内のファミリーマート約80店に ・BYD、モロッコの「AUTO NEJEMA」とパートナー締結……新エネルギー車販売へ ・JTB、イタリアの超小型EV「BIRO」でドライブ観光の実証実験……神戸市内を先導付きでドライブ、12月9日から ・イベント、「第8回 バステク in 首都圏」が22日に開催……「EVモーターズ・ジャパン」などEVバスも展示 ・イベント、「輸入車電動スタイルフェア」開催……12月10、11日吹上ホール、「テスラ」「ヒョンデ」「BYD」等出展 ・EVリユースバッテリーを用いた太陽光発電システムの実証実験が開始……日東工業株式会社、太陽光パネルもリユース品を活用し環境配慮へ

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.11.24]

    ・アバルト、「フィアット500e」のスポーツバージョン「Abarth 500e」を本国で発表……出力114kW(155ps)、トルク235Nm、35分で8割充電 【THE 視点】アバルト500eは、フィアット「500e」がベースで、強化されたモーターは、最高出力が87kW(約118ps)から114kW(155ps)へ、最大トルクが220Nmから235Nmへ増加した。  バッテリーは総容量が42kWhとベースとなる500eと同じ。充電は欧州では85kWの急速充電システムに対応する。  日本での販売時期、価格などは未定だ。日本に導入される際には、フィアット500eが急速充電が出来ないとされる原因である、急速充電アダプター(CHAdeMO変換)問題が解決されることを祈る。  また、フィアット500eはリース販売のみとされてるが、現金購入やローン等購入の選択肢も増やして欲しいものである。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMESエグゼクティブ・アドバイザー) ・中国産車載電池のシェアが46%に、日経シェア調査……中国依存度の高さ鮮明に ・ステランティスジャパン、エネオスの新急速充電サービス「ENEOS Charge Plus」を正規ディーラーに導入……59店舗で利用可能 ・ポールスター、セダンモデル「Polestar 2」の生産台数が10万台に……2年半で達成 ・ヤマハ、ジュビロ磐田メモリアルマラソンに電動スクーター「E01」を提供……救護班はじめ警備、広報関係者の移動に ・藤沢市、湘南アイパークで自動運転の実証実験……「医療×移動」をテーマに車内で心電図や血圧などの計測を実施 ・神戸市、小型EVバスを用いた社会実験を実施……六甲山周辺で23日から27日までの5日間 ・東京ガス、ホンダの熊本製作所に太陽光発電およびリチウムイオンバッテリー設置へ……国内工場向け最大規模、20MWhのリチウムイオンバッテリーおよび屋根置き型1,200kW・カーポート型800kWの太陽光発電設備 ・EVバイクの「aidea」、配達向けモデル「AA-wiz」および新聞配達向け「AA-wiz PRO」を発表……52万8000円から、50ccクラス、125ccクラスを用意、1回の充電で123km走行

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.11.23]

    ・VW、新型EV「ID.4」日本発売……499万9000円からで2グレード展開、上位機種の最大航続距離は561km 【THE 視点】フォルクスワーゲンジャパン(VW)は、電気自動車(EV)専用アーキテクチャーを採用したEVブランド「ID.」シリーズのブランド初となるフル電動SUV「ID.4」を、11月22日より販売を開始した。  試乗記などは他に譲るが、グレードは2種類用意され、125kW(170ps)モーター/52kWhバッテリーの「ライトローンチエディション」、150kW(約204ps)モーター/77kWhバッテリーの「プロローンチエディション」となる。  この2種類のバッテリーモジュールは、リリースには珍しく重量が記載されていたので触れておく。日本市場に導入する「ID.4」に搭載される2種類のバッテリーは、それぞれ寸法と重量が異なり、52kWhバッテリーの重量は344kg、77kWhのバッテリーシステムの重量は493kgである。エネルギー密度は、モジュールで約150Wh/kgとなる。  このバッテリーは、8年間または走行距離16万km走行(どちらか先に到達した方)後もオリジナルの充電容量の70%を維持することを保証するとしている。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMESエグゼクティブ・アドバイザー) ・2022年10月の主要国EV販売台数は90.4万台……マークラインズ発表、前年同月比51.5%増(日本含む主要11カ国+北欧3カ国から集計) ・VW、「ID.4」体験スペースを東京ミッドタウンにオープン……「ID.SQUARE」として12月12日(月)〜25日(日)まで ・VW、150kWの急速充電網「プレミアム チャージング アライアンス(PCA)」に加入……アウディ、ポルシェと相互利用可、国内約210拠点、220基のネットワーク ・アウディ、「e-tron」のレーシングカー「Audi S1 Hoonitron」のスペック公開……ツインモーター4WDで出力500kW/トルク640Nm、ケン・ブロック選手のデモラン動画が450万再生 ・アウディ、「Q4 e-tron」発売記念のイベント「Audi Q4 e-tron ドローンショー」を開催……500機のドローンが国立競技場上空に「Audi Q4 e-tron」を描く ・KGモーターズ、開発中の超小型EVの第1弾ティザーを公開……1人乗りで空調付き、東京オートサロン2023に試作車展示 ・マツダ、2030年までにグローバル販売のEV比率を最大40%に……3フェーズに分け電動化、第2フェーズで中国ほかグローバルにEV専用車導入 ・マツダ、電動駆動ユニットで国内7社と協業……合弁会社「MHHO Electric Drive株式会社」を設立 ・マツダ、バッテリー大手「エンビジョンAESC」からEV用電池を調達……国内向けEVに搭載予定、調達含む投資規模は1兆5000億円との報道 ・NEC、ENEOSの急速充電サービス「ENEOS Charge Plus」に決済システム提供……マルチ認証・決済エッジ端末の開発・導入、マルチ認証・課金クラウドサービスまでをトータルに ・自民党、自動車議員連盟が「モビリティを軸に成長する未来社会を考える会」設立……経団連や政府と連携し産業政策を立案・提案していく ・BMW、EVのコンパクトSUV「iX1」がドイツ本国でラインオフ(11月11日)……レーゲンスブルク工場のEV化推進 ・LG化学、米にバッテリー用素材「カーソド」の工場建設……30億ドル以上を投資し年間12万トンのカソードを生産

TAG: #ID.4 #THE視点 #VW #デイリーEVヘッドライン #電気自動車
TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.11.22]

    ・東京都、ZEV-Tokyo Festival開催……フォーミュラEがデモラン 【THE 視点】東京をフォーミュラEが走った! 19日(土)に東京都庁前で開催された「ZEV-Tokyo Festival」、20日(日)にはお台場での「JAF MOTORSPORT JAPAN 2022」において、フォーミュラEのデモランが行われた。  東京都の小池都知事は、「ZEVの普及を一気に進めるということで、電気自動車のF1とも言われるフォーミュラEを、2024年の春に東京で開催するという協定を大会主催者と結んだ」と語った。  ようやく日本にも来たか! といった感じだが、東京で走る車両は、これまでのGen.2から大幅に性能がアップされるGen.3となる予定だ。  モーターの最高出力は250kWから350kWに、ドライバーを含んだ最低重量も900kgから840kgへと低減され、最高速度は280km/hから320km/hへと大幅に性能が向上した仕様となる。 開催は1年以上先だが、EV好きやモータースポーツ好きにとっても今から楽しみなイベントだ。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMESエグゼクティブアドバイザー) ・第28回日本EVフェスティバルがお台場で開催……「日産・サクラ」「VW・ID.4」など展示 ・自民党、税制規制議論開始で走行距離課税に焦点……12月中旬に大綱まとめる ・フォーミュラE、シーズン9のスケジュール発表……レギュレーション変更で1レース45分から周回数カウントに ・韓国、エコカー登録150万台の中EV比率が73%増……EV登録36万5000台 ・テスラ、米国で32万1000台リコール……尾灯が断続的に明るくならない可能性 ・フィアット、1台限りの「500e」をLAモーターショーで公開……ジョルジオ・アルマーニ仕様のワンオフ ・フィスカー、新型EV「オーシャン」生産開始……航続距離547kmのSUV、23年生産分は完売 ・VW、EV商用車「ID.Buzzカーゴ」を引き渡し……ドイツの家電ブランド「ミーレ」に ・ベトナムのビンファスト、米レンタカー会社から大量受注……5人乗りSUV「VF8」と9人乗りSUV「VF9」の計2500台 ・キア、豪でカーオブザイヤーに……「EV6」が「BMW・iX」、「テスラ・モデルY」など抑え ・トルコ、初の国産常用EVの試験生産開始……来年3月までにSUVタイプ発売予定 ・エネオス、新充電サービス「ENEOS Charge Plus」開始……22年度中に170基の急速充電器設置、SSネットワークほかコンビニなどにも

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.11.21]

  ・自工会、EV走行距離税反対表明……地方在住者や物流業者の負担増加など課題「電動車普及にブレーキをかけてしまう」 【THE 視点】内燃機関の自動車税は、乗用車を例にすると排気量に応じて軽自動車を含め11段階の税率が設定されている。  軽自動車は、内燃機関もEVも同じ税額の1万800円となるが、それ以外は内燃機関の排気量に応じて2万5000円~11万円となる。現在はEVの場合排気量の設定がないため、一律最低税率の2万5000円となっている。  これからEVが普及すると、自動車税やガソリンに課せられる発油税などの減収が予想される。そこで考えられるのが、出力に応じた自動車税率である。  カタログ等では、最高出力で表現されることが多いが、実は車検証に記載されているのは定格出力。おそらく税率もこの定格出力で税率が設定されるだろう。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMESエグゼクティブ・アドバイザー) ・「ジャパンモビリティショー」、2023年に開催へ……東京モーターショー改め ・平田機構、株価一時6%高……EV関連の大型受注影響、受注金額75億円超え ・LAモーターショー開幕、トヨタのbZコンセプトなどEV多数出展……27日まで一般公開 ・三菱ふそう、EVトラック「eCanter」をG20に出展……サミット併催のEV展示会で ・レクサス、EVモデル「RZ」をLAモーターショーに出展……米国仕様はフロントモーター204PS、リアモーター109PSの仕様に ・トヨタ、新型「プリウスPHEV」の航続距離増加……従来比50%以上増加の40km ・VW、EモデルV「ID.エアロ」をLAモーターショーに出展……航続距離620kmのEVセダン ・VW、ID.シリーズが世界販売50万台達成……「ID.4」は年内の国内導入控える ・北九州市で太陽光発電から直接EVに充電する実証実験開始……一度に4台同時充電 ・GM、EV事業を25年に黒字化……連邦補助制度で利益率を内燃機関車並みに ・三菱、「ミニキャブミーブ」の一般販売再開……軽EVの商用車、補助金利用で約200万円 ・欧州と中国でEVシェアが20%超えへ……2022年上半期集計 ・ジェネシス、EVのコンセプトカー「Xコンバーチブル」を公開……4人乗りのEVオープンカー ・日本電産、EVの駆動装置をメキシコで生産……1000億円投資で現地工場建設 ・中国、リチウム電池供給網の監督を強化……買い占めなどの不公正な取引を抑制 ・電動三輪バイク「PXiD F2」登場……モーターガレージグッズがクラウドファンディング開始、後輪二輪が車体とともに傾く ・フォーミュラEが東京都庁前をデモラン……ZEV-Tokyo Festivalで ・中国・上海に自動運転高速道路が開設……上海初の設備で実証を加速 ・埼玉のマルチテナント型物流施設の送迎バスにEV導入……大和ハウス、東京センチュリー、日本カーソリューションの3社協力で23年3月から

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TEXT:TET編集部
トヨタ、新型EV「TOYOTA bZ Compact SUV Concept」を公開……デイリーEVヘッドライン[2022.11.18]

  ・トヨタ、新型EV「TOYOTA bZ Compact SUV Concept」を公開……コンパクトSUV型のEV、LAモーターショー2022に出展 【THE 視点】本車両は、EV専用ブランドであるTOYOTA bZシリーズの中で、日常生活で扱いやすい小型サイズのSUVとして開発されているモデル。2022年11月19日から開催されたLAモーターショーにコンセプトカーとして出展された。  ホイールを四隅に配置したアグレッシブなスタイリングと環境負荷の少ないサステナブルな素材を積極的に採用したインテリアが特徴。bZ4Xに比べコンパクトかつ軽量なエントリーSUVとして、より幅広い層をユーザーに取り込むことが想定されている。   動力性能、航続距離、価格等は不明だが、bZ4Xの弟分となるモデルとして、若い顧客層に受け入れられるだろう。更なる情報は、2023年以降に発表予定とされ、少し待たなければならない。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・総務省、EVの税制を見直し出力別課税を検討……自動車業界と経産省は反発 ・フィアット、LAモーターショー2022で米国向けEVを発表……ティザーサイトに「500e」のヘッドライト公開 ・損保ジャパンと日本総研、中古EV電池の品質保証へ……事業化検討に向け実証を開始 ・テスラ、上海での累計生産が昨年を上まわる……1〜10月累計55万4778台、上海の生産工場「ギガファクトリー」で ・中国電池大手のCATL、ベトナム振興のビンファストと提携……スケートボード型フラットフォームを採用したEVを共同開発 ・「AKIRA」のようなバイクを発表……電動モビリティブランド「Horwin」がイタリアのEICMA2022で ・地方財政審議会、経年HVへの課税強化求める……総務省に意見書 ・11月19、20日にフォーミュラEがお台場でデモラン……ZEV-Tokyo Festivalで「日産リーフNISMO RC」も走行 ・ABB、 来季のフォーミュラEの新充電システムを発表……最大160kWで2台の同時充電 ・米ルッシード、新型電動SUV「グラビティ」を2024年に発売……3列7人乗りでBMW・iX、テスラ・モデルXなどに勝負 ・リマック、EVスーパーカー「ネヴェーラ」が412km/hを達成……世界最速の量産EVへ ・メルセデス・ベンツ、中国でのEV価格を値下げ……「EQE」と「EQS」の一部モデルに適用 ・福島楢葉町に国内初の水酸化リチウム工場完成……豊通リチウムがバッテリーの原料を国産化 ・MINI「クーパーS Eレゾリュートエディション」に新色……欧州用にホワイトを追加 ・ヒョンデ、「アイオニック6」を2023年に北米導入……LAモーターショーに出展

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TEXT:TET編集部
トヨタ「プリウス」をフルモデルチェンジ……デイリーEVヘッドライン[2022.11.17]

  ・トヨタ、「プリウス」をフルモデルチェンジ……デザインを一新、PHEVは2023年春頃発売 【THE視点】環境に優しい車の代名詞とされた「プリウス」の5代目が発表された。同時にPHEVも発表され発売は来春となる。  新型では、PHEV用エンジンの排気量をこれまでの1.8ℓからトヨタ初となる2.0ℓに変更、モーター出力もアップされシステム最高出力は164kW(223PS)となり従来型に比べ圧倒的な動力性能を得た。  バッテリーも新型に変わり従来型のおよそ2倍のEV走行が可能とされ、呼称もPHVからPHEVとなり大きく変わった印象がある。  プリウスは97年の発売以来、全世界で計約505万台が販売されたトヨタの旗艦車種だが、先代の4代目は販売面で苦戦を強いられていた。5代目ではデザイン性や走りの楽しさを強くアピールして巻き返しを図ると思われ、PHEVの販売も大きく伸びるであろう。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・豊田通商、電動バス事業をケニアに展開……グループ会社のCFAOとともに現地の電動バスリース事業者に約1億5000万円を出資 ・豊田通商、リチウム製造工場が福島県楢葉町に竣工……リチウムイオンバッテリーの原料「水酸化リチウム」を国産化し安定供給へ ・東光高岳、新開発のEV用急速充電器第1号を設置……ホテルニューオータニに120kWの設備を1台 ・カールツァイス、EVへ進出……バッテリージャパン2022に出展 ・ヒョンデ、「アイオニック6」のファーストエディションが完売……11月9日の予約受注開始から24時間で2500台 ・日産「サクラ」が「日本自動車殿堂カーオブザイヤー」受賞……三菱eKクロスEVとともにクラスを超えた力強い走りと質感が評価 ・ボルボ傘下のEVブランド「ポールスター」、売上高倍増……2022年1〜9月決算で前年同月比およそ2倍 ・テスラ、米国で低評価……米消費者情報誌「コンシューマー・リポート」発表、EVよりもPHEVに関心 ・BYD、半導体部門の国内上場計画を中止……投資と生産能力の拡大に注力 ・BMW、「i7」を含む7シリーズを値上げ……2023年3月生産分より、「i7 xDrive60 エクセレンス」は1710万円に ・DS、新型フラッグシップ電動SUVを2024年末までに発売……ベアトリス・フーシェCEO明かす ・経産省、エコカー減税を1年に限り延長する方針……現行基準を据え置き ・テスラ、中国での納期を短縮…「モデル3」と「モデルY」の納車待ちを最低1週間に ・兵庫県三田市、小型EVでの移動サービスの実証実験を開始…運転手含む4人乗り20km/h以下で地域内を細かく周回

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TEXT:TET編集部
BMW、7シリーズのEV版「i7」を発表……デイリーEVヘッドライン[2022.11.16]

  ・BMW、7シリーズのEV版「i7」を発表……V8ツインターボ並みの400kW(544ps)を発生、前後2モーター4WD、1670万円〜 【THE 視点】BMWのフラッグシリーズセダン7シリーズにEV版の「i7」が発表された。 xDrive60というグレードネーミングから、ガソリン車760i相当の動力性能が与えられ、2モーター全輪駆動で最大出力は400kW(544ps)。バッテリー容量は101.7kWhが床下に搭載され航続距離は650km。モーター特有の低速トルクの大きさから、旧型V12の760の加速性能を圧倒するだろう。  外観は、フロントフェイスが一新され、これまでのBWWと言うより「ロールスロイス」に似た感じは圧巻。更に後席に装備されるシアタースクリーンは31.1インチの8Kパノラマ。このような大型スクリーンを搭載できるようになったのは、ルームミラーの電子化 (カメラ化)によるものと推測。後席は、このシアタースクリーンとEVの静かさでこれまで以上の快適な空間となるだろう。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・テスラ、千葉初の「テスラセンター」をオープン……試乗から購入までセールス、アフターをサポート ・京セラ、EVモーターハウジング向けボアカッタを展示……第31回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2022)で ・テスラ、他社EVに充電ネットワーク開放へ……テスラ製充電コネクタ搭載で ・ポルシェ、マカンEVを一部公開……441kW(600ps)のハイパワーマシンとして2024年に発売 ・BMW、新型EV「iX1」の生産を本国で開始……最高出力233kW(307ps)、0-100km/h加速5.6秒、最高速度180km/hの電動SUV ・テラモーターズ、丸八アセットマネージメント賃貸物件にEV充電インフラを整備へ……「Terra Charge」を無料提供 ・岩手・一関高専が無給電EVキットを開発へ……民間企業とタッグで50〜100km/日の無給電走行目指す ・アゼルバイジャン、一部EV輸入関税撤廃……3年以内に工場出荷のEVと充電装置に12月10日から適用 ・ヤマト運輸と京セラコム、小型自動運転EVで無人宅配の実証実験……北海道石狩市の一部エリアで ・スバル、ソルテラに最高の安全評価……JNCAPの自動車安全性能2022ファイブスター賞獲得 ・西鉄、既存バスのEV化推進……ディーゼルエンジンからモーターへ、2035年までに保有の3割をEV化

TAG: #BMW #i7 #THE視点 #デイリーEVヘッドライン
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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