EVヘッドライン 記事一覧

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.13]

  ・プレステージ・インターナショナル、BYDのロードアシストサービスを提供……電欠現場への駆けつけサービス等 【THE 視点】株式会社プレステージ・インターナショナルは、BYDオートジャパン株式会社にロードサービスを提供すると発表した。プレステージ・インターナショナルの子会社の株式会社プレステージ・コアソリューションが他のグループ会社と連携し、サービスを展開する。プレステージ・インターナショナル・グループは、これまでも「電欠現場でのEV駆けつけ充電サービス」等にも取り組んでおり、EVに関するサービスのノウハウを十分に持つ。 BYDオートジャパンは2023年1月より日本国内での乗用EVの販売を開始する。BYDはEVでは世界的に最大手であるが、日本市場ではこれまでEVバスなど商用車のみを展開してきた。 先日の発表では、日本導入第1弾となる「アット 3」の価格が発表され、性能的にも競合に対して十分な競争力を持つことが確認できた。今回のサービスは、BYDオートジャパンにとって新興メーカーにつきまとう不安やトラブルを解決できるという強みになる。販売に拍車が掛かるのではと感じた。 (福田雅敏-自動車エンジニア、THE EV TIMESエグゼクティブ・アドバイザー) ・ホンダ、電動車でのレース参戦を検討……「二輪を皮切りに」とホンダ青山真二専務が表明 ・日産、フォーミュラEシーズン9用Gen3マシンをテスト……12月13日〜16日までスペイン・バレンシアで ・エネチェンジ、USENネットワークスとEV充電器設置で協業……飲食店、商業施設などUSENの顧客ネットワークを活用 ・エネチェンジ、「ジャパンEVオブザイヤー」を立ち上げ……第1回は2021年10月〜2022年9月に販売されたEVから選定 ・テラモーターズ、新築マンションにEV充電器の無料設置を支援……補助金を活用した新プランを提案 ・モビリティテクノロジーズ、タクシーのEV化を支援……運行計画に乗っとった充電計画の作成や充電器の提供など ・プラゴ、6kWの壁掛け型充電器「PLUGO BOX」を来春から提供……施設に応じた充電スペースへの設置自由度を高める ・bp、英国内のショッピング施設「M&S」に充電器を設置……今後2年間で70店舗、900基の急速充電器

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.12]

  ・2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー決定……「日産サクラ」「三菱eKクロスEV」のイヤーカー決定、多数のEVに賞典 【THE 視点】「第43回 2022-2023 日本カー・オブ・ザ・イヤー」は、「日産サクラ」「三菱eKクロスEV」が大賞を受賞。軽自動車として初めてとなる。両車は「2022-2023 K CAR オブ・ザ・イヤー」のほか、「日本自動車殿堂」、「RJC カー オブ ザ イヤー」も受賞し、合わせて4冠を達成した。 「サクラ」「eKクロスEV」以外にも、「2022-2023 インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」に「ヒョンデ・アイオニック5」、「2022-2023 デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に「BMW iX」が受賞。EV勢が快挙を成し遂げた結果と言える。 「サクラ」「ekクロスEV」が受賞した理由は次のとおり。 「日本独自の軽自動車規格を採用し、現実的な車両価格でEVを所有するハードルを下げ、日本でのEV普及の可能性を高めた。 また本格的な脱炭素時代を前に、減少するガソリンスタンドや公共交通などの衰退も予想される状況で、軽自動車+EVという組み合わせは、高齢者を含めた多くの人の移動の自由を担保するだけでなく、社会的課題解決への可能性を示している。 さらに、走行性能についてもハンドリングと動力性能が従来の軽自動車を凌駕しているという声が多く集まった。 安全装備も高級車並みの運転支援機能を装備している点も評価された」(日本カー・オブ・ザ・イヤー公式WEBより) 筆者も今回受賞したすべてのEVに試乗しているが、どれも納得のいく結果だと思っている。ようやくEVの時代が到来したと実感した。 (福田雅敏-自動車エンジニア・THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・日立金属、フェライト磁石を使用したEV用モーターを開発へ……モーターのレアアース依存低減をはかる ・ヒョンデ、米フロリダ州バートゥにEV用バッテリー工場を設立……約50億ドルを投資し3500人以上の雇用を創出 ・フォルクスワーゲン、参加の充電関連企業ElliとEU最大の充電ネットワーク構築へ……独、仏、蘭などに2万5000箇所の充電ステーションを開設 ・フォルクスワーゲン、EV版ワーゲンバスの「ID.Buzz」が衝突安全性で最高評価……ユーロNCAPで最高の5つ星 ・ZF、モジュラーコンセプトの新世代電動パワートレインを開発……乗用車と小型商用車向けに ・メルセデス・ベンツ、商用EV「eスプリンター」を用いて街の空気を浄化……微粒子吸引機を搭載してオーストリア・グラーツ市内を巡回 ・電動バイクシェアリングのシェアロ、電動バイクの安全講習会および体験走行会を実施……自社で展開する折りたたみ電動バイクを使用

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.09]

  ・ホンダ、「N-VAN」ベースの軽商用EVを2024年に発売 【THE 視点】ホンダは、「N-VAN」をベースとした軽商用EVを2024年春に発売すると発表した。 商用車は環境負荷低減の観点で企業の電動化に対するニーズが非常に高いことから、ホンダはまず軽商用EVを皮切りに軽EVを展開していくという。 2018年の発売以降着実にユーザーを広げた「N-VAN」。助手席側のセンターピラーレス構造が実現した使い勝手の良さと高いアレンジ力を併せ持つ大容量の荷室空間が特長で、商用目的のほかレジャー用としても十分に使用可能だと、メインターゲット以外にレジャー趣味を持つ一般層からも好評を得ている。 新型軽商用EVは「N-VAN」の使い勝手を踏襲しながら、EVならではの高い静粛性やストップ&ゴーも問題なくこなせるパワーを実現し、商用、常用問わず柔軟に対応できるモデルにするという。航続距離は200kmが目標とされ、日常利用を考えても十分な数値。価格はガソリン車と同等の100万円台から設定するとのことだ。 先日も三菱自動車から「ミニキャブ・ミーブ」の再販がアナウンスされ、宅配などを中心に軽商用EVのニーズは高い。そこで忘れてはならないのが寒冷地からのニーズ。ぜひ4WDの設定も考慮してほしい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・第43回日本カー・オブ・ザ・イヤー決定……国内外計4台のEVが受賞 ・日産/三菱、軽EVの「サクラ」「eKクロスEV」が「日本カー・オブ・ザ・イヤー」と「K CARオブ・ザ・イヤー」を受賞……日本独自の軽規格を採用し現実的な価格を実現したことが評価 ・日産、「エクストレイル」が「テクノロジー・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞……VCターボ可変圧縮比エンジンやe-POWERモーターの高出力化、電動4輪駆動の採用等が評価 ・BMW、「iX」が「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞……これまでのBMWとは異なる世界観のデザインが評価 ・ヒョンデ、「アイオニック5」が「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞……内外装デザイン、航続距離(498〜618km)や安全装備等総合的に優れたパッケージであることが評価 ・ホンダ、「シビックe:HEV」「シビック・タイプR」が「パフォーマンス・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞……e:HEVモデルは洗練されたパワートレインにより、現代的でスマートな走りがしっかり作り上げられた点が評価 ・ホンダ、中国CATLから「e:N」シリーズ用バッテリーを長期安定調達……2024年から2030年まで合計123GWh分、2027年までに中国で「e:N」シリーズ10車種を投入 ・フォルクスワーゲン、ヴォルフスブルクの本社工場をeモビリティ用に大規模転換……約4億6000万ユーロの初期投資 ・ポールスター、北米向け「ポールスター2」のアップグレードを発表……ソフトウエアのダウンロードで50kW(68hp)アップ、最高出力350kW(476hp)へ ・フォーミュラE、シーズン9に米ポートランドを追加……2023年1月14日から7月30日まで全16戦を開催

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.08]

  ・メルセデス・ベンツ、EQシリーズ専売店「メルセデスEQ横浜」をオープン……メルセデス初のEV専売店 【THE 視点】メルセデス・ベンツ日本と正規販売店契約を結ぶシュテルン世田谷は、世界初のメルセデス EQ専売店「メルセデスEQ 横浜」を神奈川県横浜市にオープンした。 「メルセデスEQ」はメルセデス・ベンツのEVブランドで2019年に日本上陸。現在は5車種をラインナップしている。メルセデス・ベンツは、2030年までに全てのモデルをEVへ移行する準備を整えると発表している。今回は日本におけるEV市場の成長性を見据え、世界で初めてのメルセデスEQ専売拠点の開設を決定したという。 メルセデスEQ横浜は、メルセデスEQ全5車種の展示はもちろん試乗車を用意するほか、納車を行う「ハンドオーバー」、5ベイのワークショップ、レンタカーサービス「MBレント」、急速充電器とV2H機器も設置。今後は店舗に太陽光パネルも設置するとのこと。 日本は世界的に見ればEVの普及が遅れているが、だからこそ伸びしろが大きいとの判断で世界初の店舗を日本に設けたのではないだろうか。普及のためにも、さまざまな顧客層の人々が気兼ねなく入れる敷居の低い店舗になっていることも期待したい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・ホンダ、軽商用車「N-VAN」ベースのEVを2024年春に発売……助手席側ピラーレスなどの高い機能性を踏襲 ・フォルクスワーゲン、EV版「ワーゲンバス」の「ID.Buzz」を日本公開……12月12日オープンの「ID.SQUARE」(東京ミッドタウン)に展示[詳細はこちら<click>] ・ステランティス、ピックアップトラックのEV「ラム1500レボリューション」のティザー映像を公開……CES 2023で実車公開予定 ・メルセデス・ベンツ、「EQ」シリーズのEドライブユニットの生産を増強……2024年からウンターテュルクハイム工場で2倍の100万台を製造 ・マセラティ、フォーミュラEシーズン9用のマシンを公開……青のカラーリングが特徴 ・オムロン、国内最軽量クラスのV2Xシステムを発売……小型化により設置場所の自由度を向上

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デイリーEVヘッドライン[2022.12.07]

  ・トヨタ、次期「C-HR」のコンセプトモデル「C-HR プロローグ」を欧州で公開……モデル初のPHEVを用意 【THE 視点】2016年に登場したトヨタのコンパクトSUV「C-HR」は、未来的なデザインを取り入れたことで若者の心も掴み大ヒットモデルとなった。 その「C-HR」の次期型と目されたのは、2021年12月に「BEVに関する説明会」で披露された「スモールSU EV」だが、それから1年経った12月5日、トヨタヨーロッパが「C-HRプロローグ」というスタディモデルを発表した。「スモールSU EV」と現行型をかけ合わせた「ハンマーヘッド」というサメをモチーフとする。斬新なデザイン性は、現行型から続く「C-HR」らしい特徴だ。 パワートレインは、ハイブリッドに加えて、C-HRとしては初のPHEVを展開するという。パワートレインを共有するであろう最新型の「プリウス」は、欧州ではPHEVのみ設定されるようだが、PHEVに加えてハイブリッドも展開するC-HRの狙いは何か。日本での発表時期などは不明だが、現行が発売されてからはや6年が経つ。そろそろモデルチェンジを迎えても良い時期だ。来年2023年は「東京モーターショー」改め「ジャパンモビリティショー」が控えている。次期型C-HRの発表を期待したい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・トヨタ、欧州で新型「プリウス PHEV」を発表……最大69kmのEV走行が可能 ・トヨタ、コンパクトSUVのEV「bZコンセプト」を欧州で公開……ボディサイズを公表(全長4538×全幅1888×全高1560mm)、2026年までに6機種の「bZ」モデルを投入 ・レクサス、EV用マニュアル・トランスミッションを開発中と欧州で発表……「UX300e」ベースの試験車両にシフトレバーとクラッチペダルを装備して開発中 ・メルセデス・ベンツ、「メルセデスEQ 横浜」をオープン……「EQ」シリーズ専売店、試乗車やレンタカーも用意 ・メルセデスAMG、新型PHEVのハイパフォーマンスカー「S63」を欧州で発表……パワートレインは総合560kW(802ps)のAWD、140km/hでのEV走行が可能 ・ステランティス、新型EV「プジョー インセプション コンセプト」をCES 2023で公開……次世代のコクピットプラットフォームを使用しインテリアを新設計 ・ステランティス、内燃エンジン式の小型商用車をEVに改造するソリューションを開発へ ・GM、米電池大手のマイクロバストとバッテリーセパレーターを共同開発…米政府からの補助金2億ドルでバッテリー工場を建設 ・GM、カナダに同国初のフルスケールEV工場をオープン……ブライトドロップのEV商用車「Zevo」を生産 ・エアバス、燃料電池式ジェットエンジンの開発を発表……実験機に大型旅客機「エアバス A380」を使用 ・経済産業省、電気料金値上げに関する公聴会を2023年初頭に開催、並びに値上げ認可申請にかかる「国民の声」を募集……値上げが認可された東北、北陸、中国、四国、沖縄電力各社それぞれに

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.06]

  ・BYD、日本市場で発売……第1弾モデルは「ATTO 3」 【THE 視点】中国のEVメーカーBYDの日本法人であるBYDオートジャパンは、電動SUV「ATTO 3(アットスリー)」の価格と発売日を発表した。440万円(税込)で2023年1月31日に発売する。今年度の補助金の利用で355万円で購入可能となる。 今後日本全国に正規ディーラーを設けて、販売のほかアフターサービスも提供する。販売店の運営会社にはオートバックス系列も含まれ、将来的には100店舗程度に増やす計画という。 「ATTO 3」は中国市場では今年2月に発売され、10月末でのグローバル累計で14万3000台を販売した。欧州でも発売が予定され、すでにユーロNCAP安全性評価で最高評価の5つ星を獲得している。 プラットフォームには、BYDが独自に開発した「ブレードバッテリー」を搭載した「e-Platform 3.0」を採用。バッテリー容量は58.5kWh、モーター出力は150kW(204ps)。満充電での航続距離は485km(WLTCモード)となっている。 BYDは日本市場にEVバスをすでに導入しており、シェア約70%を占め一定の評価を得ている。「ATTO 3」は大容量の電池を搭載し安全性が高く価格は比較的安価だ。一般ユーザー向けとしては初の中国製EVとなるが、磐石の販売とサービス体制を構築することで、EVバスでの実績同様、一定のシェア獲得が期待できるのではないだろうか。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・オートバックス、BYDの正規販売ディーラーに……2023年度上半期に「BYD AUTO 宇都宮(仮称)」をオープン ・エフエルシー、BYDの正規販売ディーラー3店舗を計画……2023年下半期に「BYD AUTO四日市」、2024年より「BYD AUTO松坂」「BYD AUTO岐阜」のオープンに向けて準備 ・フォルクスワーゲン、改良予定の「ID.3」のデザインスケッチを公開……外観のほかインテリアにもテコ入れ ・フォルクスワーゲン、カナダにバッテリーの大規模工場を建設……2030年に年間40GWh分(約55万台分)を生産 ・EUの2021年EV輸出額が123億ユーロで輸入額を上まわる……EU統計局「ユーロスタット」発表 ・ステランティス、EVの「ラム1500レボリューションBEVコンセプト」を2023年のCESで公開予定……米伝統のピックアップトラックのEV ・BMW、燃料電池車の「iX5」の生産を開始……駆動機構はBMWのEVに使用されているEアクスルを使用 ・BMWチューナーのACシュニッツァー、パトカー仕様のEV「BMW i4」を公開……サスペンションなども専用にチューニング ・DS、フォーミュラE選手権シーズン9用のマシンを発表……名門チーム「ペンスキー」とのタッグ、「DSペンスキー」として再出発 ・プレステージ・インターナショナル、“電欠”救援サービス「EV駆けつけ充電サービス」を開始……現場に駆けつけて自走再開を支援

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.05]

  ・オペル、EVの「アストラ・エレクトリック」を発表 【THE 視点】オペルは「アストラ」の新型EV「アストラ・エレクトリック」を欧州で発表した。ボディタイプは2種類で、5ドアハッチバックとワゴンが用意される。両モデルとも最高出力115kW(156ps)、最大トルク270Nmを発生するモーターを搭載しており、最高速は170km/hに達する。電源であるリチウムイオンバッテリーは容量54kWhで、満充電で最大416kmの航続が可能という。 GMからステランティス・グループ傘下となったオペルは、日本での正規輸入を2023年以降に予定している。オペルジャパンの日本市場での導入モデルは「モッカ」「コルサ」「グランドランド」の3車種を設定しており、ここにオペルの看板車種である「アストラ」がEVとして加われば、大きな目玉となるだろう。 なお、オペルは英国では「ヴォグゾール」ブランドとなっており、こちらにも今回の「アストラ・エレクトリック」が導入される。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・メルセデスベンツ、ミニバン型のEV「EQT」を本国で発表……モーター出力90kW(122ps)、バッテリー容量45kWhでWLTP電費18.99kWh/100km ・メルセデス・ベンツ、貨物用EV「eスプリンター」を2023年2月初頭に公開へ……一充電でシュトゥットガルトからミュンヘン間の475kmを実走済み ・テスラ、EVトラック「セミ」を正式発表……ペプシコーラのペプシコに納入 ・フォード、EVの「マスタング・マッハE」の生産が15万台に……2023年には37ヵ国にマーケットを拡大 ・スカイドライブ、「空飛ぶクルマ」の商用機「Skydrive式SD-05型」をベトナム企業に納入契約……インフラ開発のパシフィック・グループと最大100機プレオーダー ・ジープ、初のSUV型EV「アベンジャー」の受注をEUで開始……価格は3万9500ユーロで2023年第2四半期からデリバリー ・パナソニック、V2Hの拡大版システム「エネプラット」を23年2月に発売……EVと住宅のバッテリーを同時充放電、太陽光発電の自家消費効率を90%に向上 ・日立アステモ、自社開発のモーターとインバーターをジヤトコに納入契約……日産のEV並びにe-POWER向けのEアクスルに使用

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.02]

  ・EVモーターズ・ジャパン、「バステク in 首都圏」にEVの路線バスと観光バスを展示 【THE 視点】EVモーターズ・ジャパンは、11月22日に千葉幕張メッセで開催された「第8回バステクin首都圏」(主催:ぽると出版)で観光型EVバスを初披露した。  公開したEVバスは、全長8.8mの35人乗りで、210kWhのバッテリーを搭載、航続距離は280kmとなる。  日本のEVバスの保有台数は150台程度(今年3月現在)とされ、そのすべては路線バスタイプ。さらに保有台数の7割がBYD製のようだ。今回公開された車両は、日本では初の観光型タイプのEVバスとなる。  もちろん観光EVバスの普及に期待したいが問題は充電設備。路線型の場合は充電設備のある営業所を起点に運行するので、外部の充電設備を利用することは滅多にない。しかし観光型であれば、旅行の目的地等外部での充電を視野に入れなければならない。国内にはおよそ3万ヶ所の充電設備が存在しているが、その多くは乗用車向けのスペースを使用しているので大型車は充電ができないのだ。  筆者も、1998年からEVバス、FCバス十数台の開発に携わってきたが、すべて路線型であった。観光型の経験はないが、観光型EVバスを普及させるには、大型車対応の充電スペースを確保することが第一歩だと感じていた。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・ルノー、航空機大手のエアバスと提携……航空機の電動化も見据えて次世代バッテリーシステムを共同開発 ・ウィルスマート、超小型EVメーカーのフォムと協業……IoTを活用し車両管理ネットワークを構築 ・2022年10月の欧州新車販売台数公開……EVでは「ID.4」が1位(6069台)、「ID.3」が2位(5409台)とVWが上位独占 ・日産、グリーンローンで2000億円を調達……みずほ銀行をアレンジャーとするシンジケートローンを利用し電動関連事業に投資 ・日産、フォーミュラEシーズン9用のGen3マシンを公開……桜をデザインした紅白色を採用 ・米新興ルシッドモータース、SUVの新型EV「グラビティ」を発表……3列シート採用の大型高級SUV、2023年初頭に北米で予約開始 ・ホンダ、米国市場で「CR-V」ベースの燃料電池車を導入……2024年生産開始 ・英ヴォグゾール、「アストラ エレクトリック」および「アストラ スポーツツアラー エレクトリック」を発表……2023年発売、114kW/270Nmのモーター搭載、バッテリー容量は54kWhで航続距離415km

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.01]

  ・ランチアがEVで復活、2024年にEVの「イプシロン」を発売、EV版「デルタ」も予定 【THE 視点】ランチアがEVで復活する。ランチアは「ランチア・デザイン・デイ」を開催。そこで公開したのはフローティングアートであったが、それは新生「デルタ」と「イプシロン」のデザインベースとなる。  ステランティスグループ傘下でリブートするランチアには、5つの柱があるとも発表があった。そのひとつが電動化で、「イプシロン」を含め2024年から2028年にかけてEVのラインナップを形成していくとのこと。その第1弾となるのが、2024年前半に発表予定の「イプシロン」だ。  また新生ランチアのロゴも公開。Lを組み合わせたモノグラムともども、ランチアとして相応しい書体を選ぶとともにエレガントで署名性のあるデザインにしたという。  筆者はこれまでに「ランチア テーマ 8.32」(フェラーリ製エンジン)をはじめ、歴代の「イプシロン」を3台乗り継ぐなど計5台のランチアを所有してきたランチア・マニアである。小型車でもクオリティが高く、デザインも魅力的だったところが好みだった。EV化されるランチアはより魅力的なブランドに生まれ変わるだろう。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・トヨタ、納車時のスマートキーを1つに……ミライやbZ4Xも対象、半導体不足による暫定措置で2つめは準備出来次第追納 ・BYD、プラジルで2機種のEVを発売……「SONG PLUS DM-i SUV」と「YUAN PLUS EV」導入、現地生産も見据える ・BYD、オーストラリアで安全評価最高……ANCAPが「アット3」に5つ星の評価 ・中国車載電池大手CATL、電池メーカーの国際団体「GBA(グローバル・バッテリー・アライアンス)」の理事会メンバーに ・パナソニック、EV充電器シェアサービス「everiwa Charger Share (エブリワ・チャージャー・シェア)」のホストを募集開始……ホストが充電価格を設定可能、プラットフォーム利用料以外はホスト側の収入に ・ヤマハ、自動運転EVによる配送サービス「eve auto」を開始……サブスクで定期メンテナンスなどのアフターサポートと自動運転システム提供者専用保険をパッケージ化 ・パワーエックス、京都市内に240kWの急速充電器を整備……公民連携で2030年までに7000箇所の設置を目標 ・Gachaco、バッテリー交換式EVバイク用の交換設備の実証を開始……「ホンダ青山ビル」と「Honda Dream豊中」の2箇所で ・マクラーレン、フォーミュラEの来季ドライバーにジェイク・ヒューズを起用……撤退したメルセデスチームの元リザーブドライバー ・北陸電力、来年4月から電気料金(規制料金)を大幅値上げ……平均45.84%上乗せ、経産省が認可

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.11.30]

・HKS、ファミリーマートのバッテリー交換式EVトラックによる配送実証に参画 【THE 視点】日本を代表するチューニングパーツメーカーのHKSが、バッテリー交換式小型EVトラック用のバッテリーパックを開発した。このバッテリーパックは、ファミリーマートが今月から始めた配送実証用の車両(前述のEVトラック)に搭載される。今回のプロジェクトは伊藤忠商事が代表企業を務め、HKSのほかいすゞ、JFEエンジアリング、ファミリーマートの計5社による共同プロジェクトとなっている。  この交換式バッテリーパックは、電池容量40kWhで重量は310kg。バッテリー交換に要する時間は3分程度とされる。一般的なEVの場合、急速充電でも30分でバッテリー容量の80%程度までしか充電できない。それに対して3分程度の作業でバッテリー容量を100%回復するこの仕組みは、特に商用車では大きなアドバンテージとなる。  筆者は2011年にバッテリー交換式のEVタクシーと、バッテリー交換ステーションの開発に携わった。その際のバッテリーパックは、容量17kWhで重量約300kg。今回HKSが開発したバッテリーパックに比べて、重量の割には容量が少なかったことを思い出した。  その昔、3.5LのV型12気筒エンジンを自社開発するなど卓越した技術力を示したHKSだが、その技術力の範囲は今やEVまで拡大している。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・インドの新興企業プラヴァイグ、SUV型のEV「DEFY」を発表……90kWhのバッテリーにより航続距離500km以上、デュアルモーター式4WD、620Nmのトルクにより0-100km/h加速4.9秒 ・ジープ、SUV「ワゴニア」に加わるEV版の車名を公募 ・ブレイズ、「EVトライク」の限定カラーの予約を開始……10台のみでカラーは「ファインオレンジ」、32万7800円(税込) ・プラゴ、首都圏の4つの商業施設に急速充電器「PULGO RAPID」を設置……出力50kWの充電器を連続60分使用で事前予約可能、12月8日から定額サービスも開始 ・リコー、太陽光発電設備にEVとHEVのリユースバッテリーを使用……性質の異なる高出力のHEV用電池と大容量のEV電池の2種類を同時使用しエッジデータセンター向けに実証実験 ・佐賀県小城市、日産と連携して脱炭素化と防災力を強化……「リーフ」等を用いて災害時の電力供給体制を構築 ・ヒョンデ、G20バリ・サミットにEVを提供……「Genesis Electrified G80」と「アイオニック5」を合計393台、「アイオニック5」はインドネシア工場で生産 ・電気料金の値上げ相次ぐ……経産省が四国電力と沖縄電力の料金値上げを認可、来年4月1日から平均28.08%上乗せ

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連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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