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BYDの最新セダン「シール」のEV性能をチェック!
BYDの最新セダンであるシールRWDで恒例の1000kmチャレンジを行いました。BYDのフラグシップEVがどれほどのEV性能を実現することができたのか。途中の電費や充電の様子を詳細リポートします。
まず、1000kmチャレンジの前提条件は以下のとおりです。
*走行ルート
海老名SA下り(神奈川県)
↓
加古川北IC(兵庫県)
↓
海老名SA上り(神奈川県)
*走行条件
・途中充電のための停車以外はノンストップで海老名SA上りを目指す
・車内の空調システムはつねにONにして快適な状態をキープ
・追い越しなど含めて、制限速度+10%までは許容
・渋滞や充電エラー、充電渋滞など、車両の問題以外についてはトータルのタイムから除外
・車種それぞれのオドメーターとGPS上の距離を補正(今回のシールRWD・19インチ純正タイヤ装着の場合はGPS距離よりも2.2%短く表示されているため、オドメーター上で978kmの段階でゴール)
※シールは当該トリップの電費情報が表示されません。他方で直近50kmの区間電費が表示されるので、50km毎に電費をメモ。すべてを平均して電費を算出しています。
1)海老名SA下り→湾岸長島PA下り(150kW級急速充電器)
・走行距離:298.2km
・消費電力量:100%→43%
・平均電費:約6.52km/kWh(152Wh/km)
・外気温:29℃→29℃
・充電セッション:43%→85%(27分)
まず、この区間で驚くべきは、300km先の目的地に充電残量43%で到着しているという点です。確かに120km/h制限区間の流れが悪かったため、空いている場合と比較すると電費がよく出てしまっているものの、それでもSOC60%弱で海老名〜名古屋を走破。これだけでもシールに搭載されている82.56kWhの大容量さを実感できるでしょう。
また、充電について、SOC85%まで充電を入れられた理由は、シールの充電性能の高い安定性です。というのも、シールはSOC60%前半まで105kWを発揮しながら、SOC80%前半まで80kW前半を維持することができます。この後、湾岸長島PA上り線までは150kW級急速充電器がないため、90kW級で発揮できる80kW前半を入れ切ってしまっています。なぜなら、途中の90kW級を使用する際に先客がいたり途中でEVが充電を始めると、充電出力を分け合ってしまい、規定どおりの出力を発揮できない可能性があるからです。
いずれにしても、このフラットな充電カーブは、テスラのような高い充電出力が一瞬しか発揮されず、断続的に充電出力を絞るという挙動よりも、一般ユーザーにとってわかりやすい仕様だと感じます。
2)湾岸長島PA下り→加古川北IC(折り返し)→草津PA上り(90kW級急速充電器)
・走行距離:325.1km
・消費電力量:85%→14%
・平均電費:約5.94km/kWh(168Wh/km)
・外気温:29℃→27℃
・充電セッション:14%→31%(15分)
すでに折り返し地点を超えました。1000kmチャレンジの最長区間での平均電費は約168Wh/kmと、120km/h制限区間を含む1回目よりも電費が悪化する結果に。120km/h制限区間の流れが少し悪かったことを考慮に入れても、160Wh/kmは切るだろうと推測していたので、やや残念な結果に。
そして、草津PAに設置されているのは90kWであることから、すぐ先の湾岸長島PAの150kWを使用したほうが充電時間を短縮できるので、ここでは湾岸長島PAに辿り着けるぶんだけの充電に留めています。