コラム
share:

韓国ヒョンデのハイパフォーマンスEV「IONIQ 5 N」で1000km走行! 電費は厳しいが充電性能の高さに注目!!


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
TAG:

所要時間は10時間58分!

5)桂川PA→湾岸長島PA(150kW級急速充電器)

・走行距離:108.4km
・消費電力量:36%→2%
・平均電費:4.05km/kWh(247Wh/km)
・外気温:26℃→23℃
・充電セッション:2%→75%(38分)

ようやく150kW級が設置されている湾岸長島PAに到着しました。SOC2%で到着しており、OBD上の充電残量も1.2kWhとヒヤヒヤものです。幸いなことに先客もおらず、途中でEVが来ることもなかったので、予定どおり充電セッションを途中で仕切り直すことでSOC75%まで一貫して120kW級(=300A)で充電することができました。

ヒョンデIONIQ 5 N

6)湾岸長島PA→浜松SA(150kW級急速充電器)

・走行距離:109.3km
・消費電力量:75%→44%
・平均電費:3.7km/kWh(270Wh/km)
・外気温:23℃→23℃(雨60%)
・充電セッション: 44%→70%(15分)

最後の充電スポットは150kW級が設置されている浜松SAです。150kW級のほかにも90kW級が6基も設置されており、EVオーナーにとっては安心の経路充電スポットです。

ヒョンデIONIQ 5 N

ところが雨が降っていたことで電費が悪化。さらに、最終区間は120km/h制限が続くため、海老名まで辿り着くためにSOC70%まで目一杯充電しなければなりません。

また、この1000kmチャレンジで5回充電を行いましたが、充電エラーのようなものは確認されず、その意味でも非常に安定した充電性能を達成することができました。ただし、IONIQ 5 Nは最大140kW級(=350A)を発揮できるはずなので、なぜ今回の1000kmチャレンジを通じて、最大120kW級(=300A)に留まってしまっていたのかには若干の謎が残ります。

7)浜松SA→海老名SA上り(ゴール)

・走行距離:188.8km
・消費電力量:70%→3%
・平均電費:3.42km/kWh(292Wh/km)
・外気温:23℃→25℃(路面ウエット30%)

海老名SA到着前に走行距離1000kmを達成しました。海老名SAには充電残量3%で到着。この海老名SA到着時点での充電残量が少なければ少ないほど、最後の充電時間を短縮することができるわけですので、綿密な充電残量コントロールが求められるわけです。その意味においては、完璧な充電残量コントロールを達成できたといえそうです。

ヒョンデIONIQ 5 Nのメーター表示

※海老名到着後OBD2経由でバッテリー状況を確認すると、充電残量2.1kWhの表示。この数値からもIONIQ 5 N(基準車も同様)ではSOC 0%以下のバッファーを残していない模様。早めの充電を心がけたいところです

トータルの所要時間は10時間58分と、私がこれまで行ってきた1000kmチャレンジの検証のなかでは平凡なタイムとなりました。また、競合の電動SUVとなる日産アリアNISMO B9 e-4ORCEと比較すると、ほとんど同じタイムを達成。電費性能ではアリアNISMOにわずかに劣っているものの、それでも充電性能の高さによってトータルの所要時間をカバーしています。

テスト結果(表)

その一方で、テスラ・モデルYパフォーマンスと比較すると、その差は45分とかなりの差をつけられてしまっています。同じパフォーマンスSUVとして、やはりテスラの効率性の高さが光った格好でしょう。

ヒョンデIONIQ 5 Nのエンブレム

いずれにしても、韓国ヒョンデのハイパフォーマンスEVであるIONIQ 5 Nは、日産アリアNISMOと同等の長距離走破性能を達成したことになります。他方で最高出力は478kW、最大トルクは770Nm、0-100km/h加速も3.4秒と、アリアNISMOと比較しても頭ひとつ抜けた動力性能を兼ね備えていることを踏まえると、電費の悪さは致し方ないともいえそうです。

また、今回のIONIQ 5 Nに搭載されている84kWhバッテリーは、すでに海外仕様のIONIQ 5には搭載されており、2025年以降に日本に導入される新型IONIQ 5にも投入が期待されます。充電性能も大幅にアップしていることから、基準車のアップグレードにも期待することができそうです。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
ブランド史上もっともパワフルな659馬力で「ラグジュアリーEV」最強宣言! ロールス・ロイスが「ブラックバッジスペクター」の日本導入を発表
コスパ抜群で評価も高いとか向かうとこ敵ナシ!? ヒョンデ・インスターが「2025ワールド・エレクトリック・ビークル」の栄冠に輝く
495万円からのプライスでこの性能と装備はヤバい! 国産SUVキラーのBYD「シーライオン7」が登場
more
コラム
BYDが「Sealion 05 EV」発表で小型SUVバトルが激化! しかも値段が激ヤバの約243万円から!!
リチウムバッテリーは暑いのも寒いのも苦手! EVの性能はバッテリーの温度管理で大きく変わる!!
「正直言って日本でEVって不便でしょ?」の問いにオーナーが本音で答える! 「昔と違っていまはネガをほとんど感じない」
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
売り物ではなく概念を展示するモデリスタ! 正体不明なトヨタbZ4Xはブランドの「新化」という概念を示すスタディモデルだった【大阪オートメッセ2025】
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択