2023年3月
TEXT:烏山 大輔
GX支援企業のサステックが、EV充電インフラの新会社「ELIC Charge(エリックチャージ)」を設立

株式会社Sustech(サステック)は、EVチャージステーション(EV充電ステーション)およびEVチャージャー事業(EV充電器)を推進する新会社「株式会社ELIC Charge(エリックチャージ)」を設立した。エリックチャージはサステイナブルな未来の実現するために、これらの事業を通じて、再生可能エネルギーによる急速充電ネットワークを構築、EVシフトを推進し、カーボンニュートラルを進めていく。 EVシフトを加速 カーボンニュートラルの実現に向けて、世界の自動車産業では従来のガソリン車から、動力源を電力とするEVへ転換するEVシフトが急速に進んでいる。日本においても「2035年までに新車販売で電動車100%を実現」という政府方針が打ち出された。EVの利便性を高めるため、EVチャージステーションの早期拡充とEVチャージャーの急速化が求められている。しかしながら、複数のEVを同時充電できる施設の不足、急速充電器の普及の遅れ等、依然として多くの課題が残っているのが現状である。 エリックチャージは、社会インフラとして、EVチャージステーションを設置、急速充電のネットワークを構築し、EVへの転換を促進する。サステナブルな未来を実現するため、EVチャージステーションを整え、EVシフトを加速化させる。 GXからカーボンフリーへ またサステックは、グリーントランスフォーメーション(GX)を促進する複数の事業に多角的に取り組んでいる。再生エネルギーによる発電事業、分散型電力運用プラットフォーム「ELIC」の開発・運営、温室効果ガスの排出量算定と脱炭素支援の「CARBONIX」等である。サステックは、エリックチャージ設立を通じて、太陽光など自然のエネルギーを電力へ転換して、EVと都市へ届ける、カーボンフリーの連続した事業を総合的に展開していく。

TEXT:曽宮 岳大
「分断はやめて、楽しもうよと(笑)」 モデル3オーナー、石井さんに聞くEVコミュニティ事情

クルマの売り方も操作方法も、これまでとまったく違う。そんなテスラというブランドとの出会いに、衝撃を受けつつも“新時代感”を感じ、「モデル3」の購入へと踏み切った石井啓介さん。メーカーからの情報が少ないことに不安を覚えた石井さんは注文後、知人からテスラのオンラインコミュニティの存在を聞き、そこでオーナー同士が盛んにコミュニケーションを取っていることを知った。その後、晴れて「モデル3 パフォーマンス」が納車された石井さんは、EVライフをより楽しめる場として『EVごはん』を立ち上げたのだった。 インタビュー前編はこちら  テスラコミュニティに見た互助精神 オンライン販売を基本としているテスラ。Web上ではモデルやオプション、支払い方法の選択など購入に必要な機能が備わっているものの、店舗で営業スタッフとの様々な会話を経て契約に至る従来型の販売方法に比べると、メーカーと顧客のコミュニケーションが希薄に感じた、と石井さんは振り返る。その一方で、テスラを取り巻くオンラインコミュニティが非常に盛り上がっていることに興味を持ったという。 「知人からFacebook上にオーナーズクラブがあることを聞き、入会を勧められたんです。テスラの場合、公式の情報発信が少ないぶん、ネットやTwitter上でユーザー間の情報のやり取りが盛んなのです。例えば、『teskas.net』というテスラのコミュニティがあるんですけど、そこではモデルごと、項目ごとにトピックが分かれていて、様々な書き込みが行われています。納車時に確認しておかないと後々トラブルになりかねないセルフチェックポイントが紹介されていたり。というのも、テスラの納車は、国産車や一般的な輸入車における納車式のような儀式の時間はなく、プリントされた使用マニュアルすらないんです。利用ガイダンスのPDFがweb上に用意されているだけで。それも全部が網羅されているわけではない。困ったらオンラインコミュニティに書き込みすると誰かが教えてくれるという感じなんです。ユーザーの互助精神が高いというか。こういうコミュニティの発展の仕方は独特だと思いますね」   他のEVブランドはそのあたり、どうなんでしょう? 「これまでは趣味性の高い特殊なクルマでコミュニティが発展することはありましたよね。日産のGT-RとかホンダのタイプRとか。EVでは最近、ヒョンデさんのアイオニック5のオーナーズクラブがTwitter上で立ち上がったようです。ヒョンデさんもネット販売だけなので、テスラと状況が似ているのだと思います」   >>>次ページ 敵は身内にいる!?  

TEXT:陶木 友治
「なぜテスラはうまくいったのか?」伝説の自動車アナリスト、中西孝樹教授に訊く:第7回

電気自動車の登場と普及は、国内外の政治・経済にどのような影響をもたらすのでしょうか。伝説の自動車アナリストとして知られる中西孝樹さんに、様々な疑問をぶつけます。EV界で最も注目を浴びるテスラの戦略に迫ります。 Q.「EV」と聞いて、真っ先にテスラを思い浮かべる人が多いと思います。実際、テスラは電動化や自動運転の技術で最先端を走っており、時価総額でトヨタを超えるなど高い評価を獲得しています。日本メーカーはEVの市場投入自体は早かったにもかかわらず、テスラに差をつけられました。なぜでしょうか。 答えは簡単です。テスラは「レガシー(遺産)」を持っていなかったからです。 日本メーカーは、ハイブリッド車やプラグイン・ハイブリッド車の技術で先行しています。これは技術蓄積の賜物で、世界中のあらゆる地域で高評価を獲得してきました。今もその評価に変化はなく世界中で人気を集めているため、EVシフトの重要性が認識され始めたからといって、ある日を境に「明日からハイブリッド車の取り扱いをやめます」というわけにはいきません。 「産業」という視点で見ると、日本の自動車産業は約550万人が従事する日本を支える一大基幹産業で、いきなりすべてのクルマをエンジン不要のEVに置き換えてしまうと、必然的に多くの部品が不要となり、部品サプライヤーにおいて100万人規模の雇用が失われる可能性があります。全車EV化が雇用に与える影響があまりにも大きいため、メーカーはそう簡単にレガシーを手放すことができません。 また、日本車メーカーに限りませんが、トヨタや日産、GM、フォルクスワーゲンなどほとんどのメーカーは、エンドユーザーへのクルマの販売を基本的には「販売店(ディーラー)」を通じて行なっています。日本車メーカーは、製造工程や工場、販売店を含むこれらの「膨大な資産(=遺産)」がかえって足かせ・負担となってしまい、自由な動きが取りにくくなっているわけです。 一方で、テスラはどうでしょうか。 テスラはディーラーを持たず、EVをすべて「直販方式」で販売しています。しかも開発車種をEVのみに絞り込んでおり、過去の遺産を持たず一つのパワートレインだけを開発すれば良かったため、技術的に先行することができました。もしテスラのような新興メーカーが内燃機関やハイブリッドをゼロから開発して市場参入を企てたとすると、とてつもない労力と資金が必要になったはずです。 一方のEVの場合、バッテリーやモーターなどは専門サプライヤーから供給を受ければいいため、駆動系統の技術はコモディティ化します。だからテスラは、販売店にもサプライヤーにも気を遣う必要がなく、ゼロベースからクルマを設計することができました。しかも「ギガプレス」といって、ボディとシャシーを一体成型する画期的な技術を導入し、世界を驚かせるイノベーションを起こし続けています。 従来の自動車部品のサプライチェーンは、さまざまな場所で100個以上の部品を製造し、品質管理を経て組立工場に輸送していました。ギガプレスを使えば、1つの場所、1つの作業で完成できるため、シャシーの製造コストは大幅に低下します。EV一点勝負ですから、投資効率もすこぶる高い。このように、レガシーに縛られた自動車メーカーと根本的な思想が異なっていたことから、テスラは新しい取り組みをどんどん進めることができ、レガシーメーカーより先行できたのです。 Q.ではテスラは今後も順風満帆と言えるのでしょうか。それともどこかで落とし穴が待ち受けているのでしょうか。 今は販売台数がそれほど多くないため、足を引っ張るような重大な問題は出現していません。しかし販売台数が順調に伸び、200万台、300万台、500万台~と拡大していったときに、何かしらの問題に直面する可能性は考えられます。 具体的には、メンテナンスの問題ですね。流通台数が増えるにしたがって、例えば、予期せぬ不具合が発生して「大量リコール」を余儀なくされる事態も想定されます。簡単なメンテナンスで解決できないような問題だった場合、「全車回収」というケースもあり得るかもしれません。そうなった場合、テスラは顧客の信頼を失い危機に瀕してしまう可能性があります。 テスラは、これまで幾度も経営危機に瀕してきました。今は好調に見えるテスラも決して盤石ではありませんから、トヨタをはじめとするレガシーメーカーも「テスラには敵わない」「テスラに追いつけない」と悲観したり焦りを感じたりする必要はありません。レガシーメーカーにもレガシーメーカーなりの戦い方があるはずです。 これまでのハードウェア開発で蓄積された素晴らしい技術はEV時代には「レガシー:弱み」となりますが、未来のクルマにおいてはソフトウェアが担う役割が拡大していきます。実際、クルマの付加価値に占めるソフトウェアの比率は増加の一途を辿っており、2030年にはクルマのコストの約半分をソフトウェアが占めるようになるという試算もあります。今後のクルマの価値を決定するようになると見込まれるソフトウェアをハードウェアとうまく連携させることにより、レガシーを強みに転換できるような新しい戦略を編み出していくことがレガシーメーカーには求められています。 (インタビュー:TET編集長 田中 誠司) <つづく>

TAG: #EV経済学 #中西孝樹
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ホンダ、「N-VAN EV」のコンセプトモデルを初公開……デイリーEVヘッドライン[2023.03.16]

着脱式可搬バッテリー「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」に本気 初公開「N-VAN EV」の電源にも活用 【THE 視点】「第13回 スマートグリッドエネルギーWeek」が3月15日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開幕した。筆者は本イベントに足を運び、併催されている「国際スマートグリッドEXPO」「二次電池展(バッテリージャパン)」「FC EXPO 国際水素・燃料電池展」などを見学した。 なかでも、国際スマートグリッドEXPOに出展しているホンダのブースは異彩を放っていた。 先日紹介した、コマツとの提携で開発された「電動マイクロショベル」[詳細はこちら<click>]をはじめ、ヤマハ発動機と協業して開発されたパーソナル低速モビリティの汎用プラットフォーム・コンセプト「ヤマハ・モーター・プラットフォーム・コンセプト」に加え、何と今回初公開の「N-BOX EV」など自社商品を含む他社との協業で生まれた電動モビリティが勢ぞろいしていた。 ちなみにこれら全てが、ホンダの着脱式可搬バッテリー「ホンダ・モバイル・パワーパック e:」で動くものだ。 そのほか、ソリッドバッテリーブースでは最新の全固体電池。FC-EXPOでは「ホンダ・クラリティ FUEL CELL」に搭載されていたFCスタック。そして汎用「水素燃料電池のパワーユニット」として、東京アールアンドデーのブースにも「トヨタ・ミライ」に搭載されているFCモジュールが、「小型FCEVバス プレゼンテーション用」として展示されている。 協業などが目立つ今回の展示会は見どころが満載である。3月17日(金)まで開催されているので、是非会場に足を運んで欲しい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★BMW、新型「i5」を年内発表……ブランド初のツーリングモデル登場も予告[詳細はこちら<click>] ★★MINI、完全新型EVモデルを年内発表……「コンセプト・エースマン」に関係するモデルか ★★ホンダ、米オハイオ州内の工場をEV生産のハブ拠点化……州内既存の3工場をEV本格生産に向けてライン等を見直し ★アウディ、「Q4 e-tron」のソフトウェアアップデートを実施(本国発表)……充電の上限を80%に制限するバッテリー保護機能などを装備 ★リコール発表……「テスラ・モデルS」、フロント・トランク・フードが意図せず開放されるおそれ ★三菱電気、熊本県菊池市にSiCパワー半導体の新工場を建設……EV需要の急拡大に対応、1000億円を投資 ★チューリング、「完全自動運転EV」のコンセプトカーをYouTubeで公開……ミニバンに近いデザインが特徴 ★BYD製EVバスの運行が再開……岩手県交通所属の車両が部品交換を終え3月14日(火)より運行 ★EVモーターズ・ジャパン、宮城交通に小型コミュニティEVバス2台を納入……3月21日(火)より仙台都心循環バス「まちのり『チョコット』withラプラス」にて運行 ★ホンダ、KPITテクノロジーズと提携……電動・自動化に向けたソフトウェア開発を強化 ★フォルクスワーゲン・グループ、2022年のEVの納入数は26%増加……米国での納入数は18.8%増の4万4,200台 ★GX支援企業のサステックがEV充電インフラの新企業「エリック・チャージ」を設立……複数のEV同時充電が可能な大規模ステーションの設置を目指す[詳細はこちら<click>] ★アークエルテクノロジーズ、EVの充電と運行を遠隔管理・自動化するシステム「アークエル・イーフリート」を製品化……PC・スマホから運行状況などを把握加納

TAG: #N-VAN EV #THE視点 #コンセプトモデル
TEXT:烏山 大輔
テラモーターズと山口県柳井市がゼロカーボンシティの実現を目指し協定を締結

EV充電インフラ「Terra Charge(テラチャージ)」を提供するTerra Motors (テラモーターズ)株式会社と、持続可能なまちづくりを目指す山口県柳井市は、SDGsの掲げる持続可能な地域づくりを目指し、2023年3月13日に「持続可能な地域づくりに向けた包括連携協定」を締結したことを発表した。 今後、テラモーターズと柳井市は一体となり、ゼロカーボンシティの実現を中心に幅広く連携協力し、環境に優しいe-モビリティの領域で理念の具現化を図る。まずは、テラモーターズが提供する日本製のEV充電インフラ「テラチャージ」100基を柳井市内施設に展開していく。ゼロカーボンシティの実現に向け、長期的に安全な運用ができることを目指し、地政学的リスクやアフターメインテナンスへの懸念が少ない「テラチャージ」が採用された。 ゼロカーボンシティ実現に向けての大きな一歩 世界的な環境危機に対して、SDGsへの取り組みが強まる中で、柳井市ではゼロカーボンシティを表明し、脱炭素化に取り組んでいる。市民の車移動が多い柳井市において、自動車の脱炭素化は不可欠なものである。今後EV充電インフラは、市民にとって重要なインフラになっていく。今回「テラチャージ」100基の大型導入が決定し、市民のEV購入や充電に対する懸念は少なくなるだろう。 地方に住む人にとって、普段の買い物や通院など移動手段である「足」の問題はつきものだ。またガソリン価格の高騰やガソリンスタンドの廃止など問題も多い。それらの問題を解決しつつ、災害時の非常用電源としても使えるEVの普及につながることを期待したい。 ■EV充電インフラ「テラチャージ」導入予定施設(計100基導入予定) ・翠が丘防災運動公園(複合図書館) ・南浜スポーツゾーン(FUJIBO 柳井化学武道館) ・アデリーホシパーク ・都市農村交流施設 ふれあいどころ437 ・柳井市役所 ・新・阿月公民館

TAG: #充電
TEXT:烏山 大輔
ポルシェ、BEVのマカンを2024年に販売開始 さらに718、カイエン、「第3のSUV」のBEVも投入予定

2030年のBEV 80%を目指して 3月14日、ポルシェはプレスリリースで将来のBEVモデル投入予定を発表した。直近の予定では来年、マカンのBEVをリリースする。そして2020年代半ばには718のBEVが登場予定。718は中期的にはBEVモデルのみになるとのこと。それに続くのがBEVのカイエンだ。ポルシェは2030年までに新車の80%以上をBEVにするという目標を掲げている。 カイエン、マカンに続くSUV さらにカイエンの上位に位置するBEV SUVによって、ポルシェは製品ポートフォリオを上方に拡大することを計画している。この新しい車両コンセプトは、「車内でのまったく新しい体験とともに、ポルシェ特有のフライラインを備えた強力なパフォーマンスと自動運転機能を提供するように設計されている」という。 プラットフォームはポルシェが開発したSSP Sportがベースとなる。「これによって我々のスポーティーラグジュアリーのポジショニングを明確に示しながら強化します。特に中国と米国において、このセグメントのプロフィットプール(このセグメントに参入するすべてのプレイヤーの利益額の総和)の増大に注目しています」とはオリバー・ブルーメCEOの弁だ。 業績好調のポルシェ このプレスリリースの中では、2022年の販売台数が2021年(301,915台)と比較して2.6%増加し、309,884台と過去最高を記録したこと。さらにはグループの営業利益率も16.0%から18.0%に上昇したこと。「Road to 20プログラム」と銘打ち、長期的には20.0%以上を目指す目標も発表された。

TEXT:生方 聡
マルチタイプ急速充電器は運まかせ [ID.4をチャージせよ!:その9]

休日の充電渋滞解消の救世主になるのか!? 現在、増殖中のマルチタイプ急速充電器でID.4を充電してみました。 マルチタイプ急速充電器が常磐道にも 先日、「高速道路初、新東名のSAで150kW級急速充電器が運用開始」というニュースで、高速道路のサービスエリア/パーキングエリアとして初めて、1口最大150kW級の急速充電器が運用を開始したという情報がありました。 150kW器での充電は未体験なだけに、次に新東名を利用するときにはぜひとも使ってみたいと思っていますが、この情報とともに興味を持ったのが、浜松サービスエリアの上り/下りに6口、駿河湾沼津サービスエリアの下りに4口のマルチタイプ急速充電器が設置されたことです。 このマルチタイプ急速充電器は、すでに首都高速道路の大黒パーキングエリアで運用されており、1口の最大出力は90kW、同時に利用する場合には総出力が200kW以下になるようコントロールされるという特徴があります。 私がよく利用する常磐道にも、友部サービスエリアの上りに6口、下りに4口のマルチタイプ急速充電器が設置されました。そこでさっそく、友部サービスエリア下りで、できたてほやほやの急速充電器を利用してみました。

TAG: #ID.4
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
双日/ダイヘン/DNP、商用EVを用いた公道ワイヤレス充電の実証実験を開始……デイリーEVヘッドライン[2023.03.15]

商用形電気自動車で国内初の登録認可を取得 ワイヤレス充電はEV普及のカギとなるか 【THE 視点】双日、ダイヘン、大日本印刷(DNP)の3社は14日、ワイヤレス充電機能を搭載した商用軽EVを実用化に向けて共同開発すると発表した。ワイヤレス充電機能を搭載した商用軽EVは国内初の登録で、公道での実証も開始したという。 EVへのシフトを加速する技術として、非接触でEVに充電するワイヤレス充電技術が注目を集めている。充電器と車体をケーブルで接続する必要がないため、充電作業の効率化と利便性の向上が期待されている。 「グリーンEVインフラ事業」に取り組んでいる双日は、「ワイヤレス充電システム」の開発を推進してきたダイヘンと、充電時の漏洩磁界を低減させた薄型・軽量な「ワイヤレス充電用シート型コイル」を開発するDNPとともに、同コイルを使用した車両側受電コイルおよび地上側送電コイル設備の開発・システム化に成功。この充電システムを双日が提供する商用軽EVに搭載し、公道試験車両が完成した。 ワイヤレス充電は、ケーブル類に触る必要がないため駐車するだけで充電することが可能となる。EVは欲しいけど充電作業が面倒という声をよく聞く。特に女性は、雨の日に荷物を一旦置いた上で泥汚れのついた機器に触れることに抵抗があるようだ。 この開発によってワイヤレス充電システム導入のコストが下がり、軽EVに採用できるようになれば、EVの普及も加速するのではないだろうか。 今回の発表で驚いたのは、印刷業であるDNPがその技術を持っていたことである。TVCMでも携帯のシート型アンテナを手掛けているのは見たことがある。EVのワイヤレス充電技術まで持っていたということは、シート型コイルに印刷の技術が応用されたということだろうか。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ポルシェ、「カイエン」のEV化を発表……EV「マカン」は2024年発売、「718」シリーズのEV化も[詳細はこちら<click>] ★★ZF、新型車載用ソフトウェア「cubiX」の生産を開始……ロータスの新型EV「エレトレ」に採用、ドライビングダイナミクスを統合制御 ★JRバス東北、燃料電池バス「トヨタ・ソラ」を導入……福島川俣線(福島駅東口〜川俣高校前)にて4月25日(火)から運行開始 ★フォルクスワーゲン、北米でバッテリーの生産を強化……グループ企業のパワーコーがカナダにギガファクトリーを建設 ★テラモーターズ、山口県柳井市に「テラチャージ」を100基設置へ……行政と連携しゼロカーボンシティ実現を目指す[詳細はこちら<click>] ★日本リビング保証、「テラチャージ」の充電機器を保証……テラモーターズと連携、急速/普通充電器を最長10年保証 ★オムロン、山王の東北事業部(福島県郡山市)にV2Xを組み合わせた太陽光発電システムを設置……EV5台を蓄電池としても活用 ★ブリヂストン、FIA競技「エコラリーカップ」のタイトルスポンサーに……電気自動車(EV)と燃料電池車(FCEV)のみ参加可能なラリー競技、2023年シーズンは8ヵ国9回の開催予定

TAG: #THE視点 #充電インフラ #商用EV
TEXT:烏山 大輔
EV充電エネチェンジ、累計受注台数3,000台を突破

ENECHANGE(エネチェンジ)株式会社は、EV用6kW普通充電器の累計受注台数が3,000台を突破したことを発表した。2021年11月のサービス開始から1年4ヵ月という短い期間での達成である。 EV充電インフラへの追い風 2021年11月のEV充電事業を開始。2027年までに最大300億円を投じ、国内で3万台のEV普通充電器の設置を目標に掲げ、設置の拡充を進めている。設置には政府の補助金制度「クリーンエネルギー自動車・インフラ導入促進補助金」を活用できることもあり、エネチェンジの設置ゼロ円キャンペーンを活用した導入が加速し、3,000台の受注につながった。 2022年は日本カー・オブ・ザ・イヤーに軽EVの日産サクラが選出された。さらにEVとPHEVの販売台数が合わせて9万6585台(2021年の2.17倍)となるなど、EV市場の拡大を実感する象徴的な一年となった。エネチェンジも2022年11月からテレビCMやタクシー広告をはじめとするプロモーションを開始し、EV充電インフラにも注目が集まり始めている。 エネチェンジのふたつの強み エネチェンジが短期間で累計受注台数3,000台を達成した背景には、EV充電エネチェンジのふたつの強みがあげられる。 ひとつめは「EVドライバーの利便性の高さ」である。6kW普通充電器は、同じ電力量を充電するのに、これまでの3kW普通充電器に比べ半分の時間で済む。また大手EV充電ネットワークのe-Mobility Powerとの提携により、2023年4月下旬から自動車メーカー各社が発行しているすべてのEV充電カードが、EV充電エネチェンジで利用可能になる。これは6kW普通充電器において初めてのことだ。 ふたつめは全ての対応をエネチェンジが行う「オールインワンサービス」である。設置工事、補助金申請、決済アプリや管理システムの提供、集客サポート、故障やエラーによる問い合わせ対応に至るまで全てである。導入・運用の手間が最小限で済むということは、充電器オーナーも大変満足に感じていることだろう。 EVユーザーの利便性向上 これまで使用する充電サービスごとにカードやアプリ登録が必要だった。今後、自動車メーカー各社が発行するカードがEV充電エネチェンジで利用できることになるため、EVユーザーは登録の手間やカードの携帯などの煩わしさから解消されるだろう。また手持ちのカードを選ばないので、充電器を探す労力も少なくなる。EVユーザーの利便性向上につながるサービスを今後も期待したい。

TAG: #充電
TEXT:烏山 大輔
「Terra Charge」と日東工業のEV充電器「Pit-2G」が連携開始

Terra Motors(テラモーターズ)株式会社は、日東工業株式会社のMode3普通充電器「Pit-2G(ピット・ツージー)シリーズ」をEV充電インフラ「Terra Charge(テラチャージ)」事業に採用した。これによりEV充電器Pit-2Gにおいて「Terra Charge」専用アプリで充電時間の設定や料金決済を行えるようになった。 Mode3普通充電器「Pit-2G」 Pit-2Gは、充電スタンドとして車種を選ばない充電コネクターケーブルを備えているため、EVユーザー自身が自車の充電ケーブルを携行したり、充電の度に取り出して接続したりすることが不要となる。その他にもEVコンセント充電の約2倍のスピードで充電が可能な6kW出力タイプもある。マンションでの使用や外出先でも使用できる「Terra Charge」の充電設備ラインナップの充実に貢献する。 部品供給停止などのリスクが少ない日本製 Pit-2Gはメイドインジャパンの充電器として、ステンレス製筐体に重耐塩塗装を施すなど日本の環境にフィットし、プロユースに応える仕様になっている。充電器は8年といった長期利用が前提となることから、日本製でインフラとしての安全性・信頼性・品質が高いことが特徴だ。さらに部品供給が国内で完結し地政学的なリスクが少ないため、アフターメンテナンスを重視するマンション、ホテル、ゴルフ場などでも、安心して利用できる環境構築が可能である。 Pit-2Gシリーズは、国の補助金対象充電器となるために必要なJARI認証を取得した。これにより令和4年度補正予算による補助金を活用し充電器を導入することができる予定である。 EV充電インフラの「Terra Charge」 テラモーターズが2022年4月より開始した電気自動車向けの充電インフラである。EVの充電設備を始め、充電時間の設定や料金決済を行う専用アプリや管理クラウド、サービスの提供開始に必要な説明、充電設備の設置工事、ハードおよびソフトの管理運営までを一貫してテラモーターズが担うEV向けインフラ事業である。「Terra Charge」によって、日本でEVがもっと身近になる環境づくりを目指す。

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