クルマの売り方も操作方法も、これまでとまったく違う。そんなテスラというブランドとの出会いに、衝撃を受けつつも“新時代感”を感じ、「モデル3」の購入へと踏み切った石井啓介さん。メーカーからの情報が少ないことに不安を覚えた石井さんは注文後、知人からテスラのオンラインコミュニティの存在を聞き、そこでオーナー同士が盛んにコミュニケーションを取っていることを知った。その後、晴れて「モデル3 パフォーマンス」が納車された石井さんは、EVライフをより楽しめる場として『EVごはん』を立ち上げたのだった。
テスラコミュニティに見た互助精神
オンライン販売を基本としているテスラ。Web上ではモデルやオプション、支払い方法の選択など購入に必要な機能が備わっているものの、店舗で営業スタッフとの様々な会話を経て契約に至る従来型の販売方法に比べると、メーカーと顧客のコミュニケーションが希薄に感じた、と石井さんは振り返る。その一方で、テスラを取り巻くオンラインコミュニティが非常に盛り上がっていることに興味を持ったという。
「知人からFacebook上にオーナーズクラブがあることを聞き、入会を勧められたんです。テスラの場合、公式の情報発信が少ないぶん、ネットやTwitter上でユーザー間の情報のやり取りが盛んなのです。例えば、『teskas.net』というテスラのコミュニティがあるんですけど、そこではモデルごと、項目ごとにトピックが分かれていて、様々な書き込みが行われています。納車時に確認しておかないと後々トラブルになりかねないセルフチェックポイントが紹介されていたり。というのも、テスラの納車は、国産車や一般的な輸入車における納車式のような儀式の時間はなく、プリントされた使用マニュアルすらないんです。利用ガイダンスのPDFがweb上に用意されているだけで。それも全部が網羅されているわけではない。困ったらオンラインコミュニティに書き込みすると誰かが教えてくれるという感じなんです。ユーザーの互助精神が高いというか。こういうコミュニティの発展の仕方は独特だと思いますね」
他のEVブランドはそのあたり、どうなんでしょう?
「これまでは趣味性の高い特殊なクルマでコミュニティが発展することはありましたよね。日産のGT-RとかホンダのタイプRとか。EVでは最近、ヒョンデさんのアイオニック5のオーナーズクラブがTwitter上で立ち上がったようです。ヒョンデさんもネット販売だけなので、テスラと状況が似ているのだと思います」