テスラの販売台数は13.5%減
テスラとBYDの2025年第2四半期の販売台数が判明しました。テスラが大幅に販売台数を落としたことで、2025年の年間EV王者がBYDとなる可能性が確定的となりました。上半期における両社の現状と見通しを比較します。
まず取り上げていきたいのがテスラの最新販売動向です。テスラは2024年シーズンに178.9万台と、2023年比でマイナス成長に留まってしまっていたという背景が存在します。その上で、2025年Q2におけるグローバル全体の納車台数は38万4122台と、2024年Q2と比較して-13.5%と販売減少を記録しました。車種別の販売台数について、モデル3とモデルYの販売台数の合計は37万3728台と、2年連続で販売台数が低下しています。とくにQ2は新型モデルYの販売のピークを迎えていたものの、それでも販売減少に歯止めがかからなかった格好です。
さらに懸念するべきは、モデルS、モデルX、そしてサイバートラックの販売台数の合計でしょう。Q2単体で1万394台と、前年同四半期比で-51.8%と半減してしまっています。とくに懸念視するべきはサイバートラックです。現時点では販売台数の内訳は公開されていないものの、多く見積もったとしてもサイバートラックは5000台程度だったと推測可能です。すると、サイバートラックの年間販売台数は2万台規模と概算可能です。そして、現状のサイバートラックの生産能力は12.5万台以上であることから、生産ラインの稼働率は16%程度と低迷していると推測できます。まったく同様にモデルSとモデルXのフリーモント工場の生産ラインの稼働率も約20%と推測可能であり、収益性の圧迫要因といえそうです。この収益性については7月23日の決算発表に注視する必要があります。
いずれにしても、テスラが年初に掲げていた20〜30%の販売台数増加目標の達成は絶望的になったといえます。とはいえ、すでに商業運行をスタートしているロボタクシー事業には期待がもてます。現在はテキサス中心部の一部区画でのみ展開しているものの、今後どれほどのスピード感で展開が加速していくのか。この1、2年では目立った収益への貢献は期待できないものの、中長期的なテスラの新たな収益モデルとして期待せずにはいられません。