#THE視点
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
ヒョンデ、電気自動車の充電作業を全自動化するロボットを開発……デイリーEVヘッドライン[2023.03.31]

カバーの開閉までロボットが全自動 駐車スペースと充電機器の効率化が可能 【THE 視点】ヒョンデ・モーター・グループは3月29日、EV用の自動充電ロボット「オートマティック・チャージング・ロボット(ACR)」を開発した。「ACR」は、ロボットが自らケーブルをEVの充電口に差し込み、充電が完了すると再びケーブルを取り外すことができるロボットである。 YouTubeにて、その機能と充電シーンを紹介する動画も公開している。その内容は「アイオニック6」がEV充電ベイ(駐車枠)に自動駐車するシーンから始まる。車両が停止すると、「ACR」は車両と通信して充電口を開き、内部に搭載したカメラで正確な位置と角度を計算する。 そしてロボットが充電器を手に取って車の充電用ポートに固定することで充電が開始される。充電が完了するとロボットは充電器を取り外して元の場所に戻し、車両の充電口のカバーも閉じてくれる。 この自動化の効果は大きく、重いケーブルを持たずに充電ができることや、雨の日に濡れながら作業する煩わしさから解放されることが期待できる。 例えばだが、充電ベイが幾つかあるも充電器が1台しかない場合などに、1台の充電が終わったらロボットが移動するなどして次の充電も自動でできるようになれば、充電完了後の車両移動の必要がなくなり、そのまま駐車できるメリットがあるのではないだろうか。 「ACR」の実用化が広まれば、駐車するだけで充電できる非接触充電とコストなどで比較されそうである。いずれにせよ、このようなユニークな機器の開発・実用化が進めば、EVユーザーの充電に対する不満の解消につながるのではないだろうか。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★レクサス、新型EV「RZ450e」を発売……EV専用モデル、新四輪駆動システム「DIRECT4」を採用[詳細はこちら<click>] ★★レクサス、「UX300e」を改良……新開発のバッテリーを採用、航続距離は512kmへ[詳細はこちら<click>] ★★東京都、電動車両向けに以下4つの補助金を用意  1、ZEV車両購入補助金  2、ZEV車両購入補助金(カーシェアリング事業等)  3、EVバイク購入補助金  4、EVバス・EVトラック等購入補助金 ★★国土交通省/経済産業省、「高速道路における電動化インフラ整備加速化パッケージ」を発表……一定時間内に高速道路の外でEV充電が可能に ★★キア、新型SUV「EV9」発表……800Vの急速充電に対応、航続距離541km(WLTC)[詳細はこちら<click>] ★★メルセデス・ベンツ、「メルセデス・マイバッハEQS 680 SUV」を4月17日(月)に公開……マイバッハ初のSUV EV ★★レクサス、EVオーナー向けの専用サービス「LEXUS Electrified Program」を開始……充電場所などの案内を24時間365日対応可能なコンシェルジュサービスなど用意 ★日産、EV・e-POWER車向けに「後付け急加速抑制アシスト」を発売……価格は7,400円(税込)、急なアクセル操作や踏み間違い事故の被害を軽減 ★新電元、レクサスのEVオーナー向けサービスを展開……「レクサス充電ステーション」(東京ミッドタウン日比谷:千代田区)を2023年夏にオープン ★スズキ、オーストラリアのApplied EVと協業……自動運転可能な電動台車を共同開発 ★テラチャージ、東京都限定で「急速充電器無料導入プラン」を開始……最高出力50kWの急速充電器の導入を無料サポート ★東京都、ZEVについての世論調査を発表……魅力の最多意見は「環境にやさしい」(65%)、心配事の最多は「充電・燃料補給場所が少ない」(40%) ★大阪府、「令和5年度 カーボンニュートラル技術開発・実証事業費補助金」の公募を開始 ★ユビ電、急速充電サービス「WeCharge」を開始……2027年までに100ヵ所以上、1ポートあたり最高出力150kWの充電器を設置 ★日本原子力研究開発機構開発の溶媒抽出技術「エマルションフロー」をバッテリーリサイクルに活用……レアメタルリサイクルベンチャーのエマルションフローテクノロジーズと流体制御機器のイワキが共同研究開発へ ★ISレンタリース、「BYD ATTO3」のレンタカーを導入……「アウディ e-tron GT」や「ポルシェ・タイカン」などのレンタルも展開 ★米EVトラックのニコラ、燃料電池車のトレーラーヘッド「トレ・ハイドロジェンFCEV」を100台受注……2023年第4四半期から納入開始 ★ホンダ、既存の自転車を電動アシスト化する「SmaChari」を発表……2023年9月発売予定、スマホの専用アプリでコネクテッドサービスも展開

TAG: #THE視点 #テクノロジー #充電
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
東京都、令和5年度のZEV購入補助金を独自に決定……デイリーEVヘッドライン[2023.03.30]

基本額含む最大70万円が給付される都独自の施策 「自動車メーカー別の上乗せ補助」を設定 【THE 視点】東京都は28日、令和5年度のZEVの車両購入補助金を発表した。ゼロエミッションビークル(ZEV:電気自動車(EV)/プラグインハイブリッド自動車(PHEV)/燃料電池自動車(FCV))の普及促進に向けて、車両購入費補助を本年度も実施する。 東京都は、「2050年CO2排出実質ゼロ」に貢献する「ゼロエミッション東京」の実現に向け、都内で販売される乗用車(新車)を2030年までに非ガソリン化することを目指している。 この購入費補助は、国の「CEV補助金(クリーンエネルギー自動車導入促進補助金)」とは別に給付されるものだが、補助対象車両はCEV補助金に準ずる。また本年度より、都独自の「自動車メーカー別の上乗せ補助」が設けられたのも特徴だ。 基本補助(※画像参照)にその他の補助金を合わせると、都の補助金だけで最大で70万円上乗せされることになる。ただし高額車については、CEV補助金と同様に減額される条件もある。 申請受付期間は令和5年4月28日から令和6年3月29日までとなっている。また都内の各市区町村が独自に補助を設定している場合もあるので、お住いの自治体に確認することをおすすめする。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★日本政府、「日米重要鉱物サプライチェーン強化協定」に署名……「リチウム」「コバルト」など5種類を「重要鉱物」に指定 ★★経済産業省、令和4年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」の申請受付を開始……令和4年11月8日以降に新車新規登録(登録車)または新車新規検査届出(軽自動車)された車両が補助対象[関連記事はこちら<click>] ★★NEXCO3社とe-モビリティ・パワー、EV用急速充電器を大量増設へ……2025年までに1,100口[詳細はこちら<click>] ★★ホンダ、新型EV「e:N」シリーズのプロトタイプ第2弾を公開予定……「上海モーターショー」(4月18日(火)〜)にて[詳細はこちら<click>] ★★ヒョンデ、EV用充電ロボットを開発……ロボットが充電ポートを開口・プラグ差し込み、YouTubeに動画を公開 ★スズキ、EVスクーター「e-バーグマン」の実証実験を開始……都内にて4月〜6月まで実施、交換式バッテリーシェアリングサービス「ガチャコ」に対応 ★パナソニック/イチネン/パイオニアの3社がEVトータルマネジメントに向けて実証実験を開始……企業・自治体向けにEVの導入サポートから安定した電力供給・運用までをサポート ★メルセデス・ベンツ(MB)の戦略的パートナー「ロック・テック・リチウム」社が独ブランデンブルグにリチウム工場を着工……2026年からバッテリー用の水酸化リチウムをMBに供給 ★BMW、EVセダンの「i5」の耐久テストを実施……独バイエルンからスウェーデンの北極圏付近まで3,000km・5日間のテスト ★メルセデス・ベンツの「EQS SUV」「EQE SUV」にアイシンのパノラマサンルーフが採用……BEVに適した静粛性などが特徴 ★福島県会津若松市、「令和5年度電気自動車等購入補助金」を決定……1台につき4万円(子育て世代は5万円)を支給、1世帯・1法人1台までで合計30件程度を予定 ★テラモーターズ、高知県室戸市にEV充電器「テラチャージ」を導入……日本製が評価され100基の大規模導入、「室戸世界ジオパークセンター駐車場」や「むろと廃校水族館」などに ★金沢大学生が福井県越前市内での小型EV活用プランを提案、観光スポット巡りなど議論……先端科学・社会共創推進機構が推進する「Project:AERU」の一環、同市モーター開発のTOPなども参加 ★ジゴワッツ、自社製品のEV用普通充電器「JW-EVSE-3KI」がJARIの認証を取得……NeV(新エネルギー車)の補助金の対象製品に ★BYD、エヌビディアと提携……自動運転向けチップセット「DRIVE Orin」を「オーシャン」など複数モデルに拡大 ★BYD、コスタリカで「オーシャン」シリーズを発表……「ドルフィン」「シール」など4車種を導入 ★損保ジャパン、BYDフォークリフト・ジャパンと提携……EVフォークリフト購入者に対して部品交換・修理の保証を提供 ★ブレイズ、金利ゼロキャンペーンを実施……「ブレイズ スマートEV」「ブレイズ EVスクーター」が対象、4月1日(土)〜5月31日(水)までの期間

TAG: #EV政策 #THE視点 #補助金
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
日産自動車が「R32 GT-R」をEV化……デイリーEVヘッドライン[2023.03.29]

「脅威のハイテク戦闘機」をEVにコンバート 独自の4WD「アテーサE-TS」をどうするか 【THE 視点】日産は、「R32型 スカイラインGT-R」のEVコンセプトモデル「R32EV」を製作すると発表した。既存の「R32 GT-R」の車体を利用した「コンバージョンEV」となる。 「R32型」は8代目「スカイライン」として、1989年に発売された。中でも「GT-R」は実に16年ぶりの復活となり大きな話題を呼んだ。 「GT-R」のために専用設計された2.6L直列6気筒DOHCツインターボエンジン「RB26DETT」は、当時の国産車最強の280psを発生。駆動方式には、路面状況に応じて前輪に駆動力を配分するFRベースの電子制御4WD「アテーサE-TS」が採用された。 サスペンションも新開発の4輪マルチリンク方式を採用し、セダン派生型のスポーツカーとしては世界トップクラスの運動性能を実現した。1990年~1993年の全日本ツーリングカー選手権(JTC)では4シーズン29戦29勝0敗という戦績を残したことでも知られる。 「GT-R」は「アテーサE-TS」という独自の4輪駆動を採用し鉄壁の速さと技術の高さを証明していただけに、「R32 GT-R EV」もただ電動化しただけでは名折れになる。そこに日産の最新電動4WDシステム「e-4ORCE」を織り込むのかどうか、何よりRB26エンジンの強烈なインパクトを電動でどう表現するのか、フロントヘビーと言われる重量特性は変わるのか、期待が高まる。 「東京オートサロン2023」でのトヨタ「AE86 カローラ・レビン」のEVといい、人気のビンテージカーのEV化に注目が集まる中での発表なだけに、完成が待ち遠しい。また情報が入り次第お伝えしたいと思う。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★首都高、「都市計画駐車場」にEV用充電器を設置……汐留/日本橋兜町駐車場など計5カ所に普通充電器 ★★イーモビリティパワー、路上パーキングエリアにEV用急速充電器を設置……芝公園付近(東京都港区)と代官山付近(同渋谷区)の2ヵ所に ★アウディ、試乗会「Audi e-tron tour experience(半日プログラム)」を開催……5月12日(金)にインターコンチネンタルホテル大阪(大阪市北区)にて、「Q4 e-tron 」「e-tron GT」など計4車種を用意 ★公道対応の小型「EVトライク」が「蔦屋家電+」(二子玉川ライズS.C. テラスマーケット:東京都世田谷区)に展示……両備ホールディングスが取り扱い、前二輪・後一輪の三輪車[詳細はこちら<click>] ★テラモーターズ、大阪府交野市にEV充電器「テラチャージ」を導入……交野市役所はじめ公共施設計6箇所に ★米新興のルシード、「ルシード・エア」に「アップル・カープレイ」を標準装備化……「iPhone」の機能を車両側から利用可能に ★丸紅、世界初のEVタンカー「あさひ」がJ-クレジットに登録……CO2排出削減量を「クレジット」として国が認証 ★運送業向けDX推進企業のシステック、トラックの屋根を利用する太陽光発電「ロジソーラー」を発表……バッテリーに直接充電しオルタネーターの負担を低減

TAG: #GT-R #THE視点 #コンバージョンEV
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
フォード、EVトラック製造用の巨大工場を建設……デイリーEVヘッドライン[2023.03.28]

「T」を冠するEVトラックを計画 バッテリー製造機能も持つ巨大工場 【THE 視点】フォードは、米テネシー州スタントンに巨大なEVトラック用新工場を建設し、次世代のEVトラックを製造する計画を発表した。 「ブルーオーバルシティ」は第2世代のEVトラック製造の本拠地となるメガキャンパスで、バッテリーの製造工場も兼ねる。生産能力は年間50万台。フォードは2035年までに世界中のすべての自社工場に、再生可能エネルギーを利用したカーボンフリーの電力を供給することを目指している。同工場はフォード初のカーボンニュートラルな車両製造・バッテリーキャンパスになるという。 この計画のプロジェクトコードは「T3」と冠され、2025年に完成するという。T3とは、「Trust The Truck」の略だが、「T3」の「T」の文字はいにしえの「T型」フォードをも思い起こさせてくれる。フォードの強い意気込みが感じられる巨大工場である。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★リチウムイオン電池開発のAPB、サウジアラビアのエネルギー企業サウジアラムコと連携協定……全樹脂電池素材の共同開発で協業 ★武蔵精密工業(ムサシ)、タイのストローム社と協業……ムサシ製EV駆動ユニットを採用した二輪の製造・販売を目指す ★岩崎電気、クラウド型EV充電システム「ピーエムアイチャージ」を開発……スマホで充電予約から課金・決済までを管理、福岡市内駐車場にて実証実験 ★エネチェンジ、ホテルチェーン「ホテルウィングインターナショナル」にEV用充電器を導入……全国12店舗に最高出力6kWの普通充電器を設置 ★EVモーターズ・ジャパン、追加の資金調達を実施……シリーズCラウンドにて累計総額47億2,500万円を調達 ★トヨタ、中部圏で水素・アンモニアの社会実装を推進……FCEVトラックの導入や水素ステーションの整備の促進を含む

TAG: #EVトラック #THE視点 #海外ニュース
TEXT:福田 雅敏
マリン・レジャーにも電動化の波、ホンダ・ヤマハも独自技術で出航……現役EV開発エンジニアによる「ジャパンインターナショナルボートショー2023」レポート[THE視点]

「ジャパンインターナショナルボートショー2023」(一般社団法人 日本マリン事業協会)が3月23日(木)~26日(日)にパシフィコ横浜(横浜市西区)を中心に開催された。今回は自動車ではないが、船舶にも電動化の波が押し寄せていると聞いた。実際に会場でユニークな電動船舶を見つけたのでレポートする。 電動船の販売企業が出展、メーカーにより違いも まずは、電動船を唯一展示していたのが友池産業のブースだ。33.87kWhのリチウムイオン・バッテリーを2個(4モジュール構成×2個)船内前後に搭載し、電動船外機を2基搭載している。 船外機のカバーに115と書かれた数値がそのまま馬力値で、その船外機が2基がけなので230psということになる。モーターの冷却は海水を吸い上げて実施しているという。バッテリーの充電は三相交流(AC)の200Vの普通充電のみだ。 次に見たのはEV船販売(株)。社名そのものの事業を展開する企業だ。実機の展示はなくパネルでの紹介だったが、紹介されていたのは総重量19トン(免許の関係)の2艇。顧客の要望に合わせて製作するという。 紹介されている船のうち1艇でユニークに感じたのは、大阪で既に実働している長さ21mクラスのもの。「トルキード」社製の50kWのモーター2基、「BMW i3」のバッテリー(40kWh)を2基、そして補助電源として発電機を搭載しているとのこと。ちなみに充電は、EVの急速充電規格「CHAdeMO(チャデモ)」にも対応するという。 大手ホンダ・ヤマハも出展、「ホンダ・モバイル・パワー・パック :e」は船舶にも 会場で一番大きなブースを構えていたのがヤマハ発動機である。ボートや船外機がずらり並ぶ中、次世代電動操船システム「HARMO(ハルモ)」が展示されていた。 「ハルモ」は電動推進ユニットとステアリングユニットを統合したシステムとなる。ステアリングユニットは、スクリューが左右に動き向きを変えるもの。48Vのバッテリーを船内に搭載し、約6psのモーターで小型船を動かすという。2020年8月から北海道小樽市の小樽運河クルーズにて実証運航を行っている。 次に大きなブースを構えていたホンダでは「小型電動推進機コンセプト」を「ジャイロ・キャノピー :e」とともに展示していた。 「小型電動推進機コンセプト」は、「スマートエネルギーWeek 春」などでもレポートした脱着式可搬バッテリー「ホンダ・モバイル・パワーパック :e(MPP)」で駆動するというもの。 船内に「MPP」を2個搭載し「小型電動推進機コンセプト」に電力を供給する。電動なだけに非常にコンパクトかつスリムで、最高出力3.7kWのモーターで小型ボートを動かせる。 今回も感じたが、ホンダが「MPP」にかける意気込みは相当なもので、陸から海にまで及ぶ。ヤマハの「ハルモ」も電圧が一致することから、ヤマハの推進機にもパックを使用できるのではと思った。是非、コラボレーションして欲しい。

TAG: #THE視点 #ジャパンインターナショナルボートショー2023 #電動船
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
京都大学、高温超伝導モーターの開発に成功……デイリーEVヘッドライン[2023.03.27]

室温で超伝導状態での運転に成功 EVに革命を起こす技術に成就するか 【THE 視点】京都大学電気工学専攻の中村武恒特定教授らのグループは「高温超伝導モーター」の室温運転に成功した。 「高温超伝導誘導同期モーター」の巻線を高温超伝導体と常伝導体のハイブリッド構造にすることで、室温状態でも出力を低下させて連続駆動できた。本開発は、イムラ・ジャパン株式会社ならびに三菱重工業株式会社により共同研究された。 日本の電力は発電機から供給されるが、その消費の55%は電気モーターによる。発電機とモーターは同じ仕組みの回転機であり、それらすべての効率を平均1%でも改善できれば、極めて大きな省エネ効果や低炭素効果を実現できる。この効果の実現に超伝導材料が期待されている。 超伝導材料は極めて大きな電流を抵抗ゼロで流すことが可能で、さらに高い磁界を発生させることができることから、回転機の効率を大きく改善しながら小型軽量化が可能となる。 しかし通常の超伝導回転機はー200℃域以下の極低温状態を保つ必要がある。機器の故障などで温度が上昇してしまうと超伝導状態ではなくなるため抵抗が発生する。そこから爆発・焼損事故につながるため、超伝導回転機の実用化への大きなさまたげとなっていた。 今回の開発で、常温下でも超伝導状態モーターが回るようになったことで、将来的にはEVへの活用も可能になると考えられる。EVの航続距離や重量問題を解決できる糸口となりそうだ。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ランチア、バーチャルのイベント「2023 メタバース・ファッション・ウィーク」(3月28〜31日)に出展……EVの新型「イプシロン」公開の可能性[詳細はこちら<click>] ★★LGエナジーソリューション、アメリカ・アリゾナ州にバッテリー工場建設へ……EV用の円筒形電池などを製造、年間43GWhの生産能力[詳細はこちら<click>] ★フォード、米国で新型EVトラック「コードネーム:プロジェクトT3」製造を計画……アメリカ・テネシー州に建設中の工場「ブルーオーバル」にて2025年より ★ステランティス、米国エネルギー省(DOE)と官民一体・産学連携の施策「バッテリー・ワークフォース・チャレンジ」を発表……北栄全土の大学などと協力しバッテリーの開発エンジニアを養成 ★ステランティス、アメリカ・インディアナ州のバッテリー工場建設を開始……サムスンとの合弁事業、2025年第1四半期に稼働予定 ★フォーミュラE第6戦サンパウロ、ミッチ・エヴァンス選手(ジャガーTCSレーシング)が優勝……3番手スタートから荒れたレースを制す ★EU、エンジン車の販売継続を条件付きで容認へ……フランス・ティメルマンスEU上級副委員長がTwitterに投稿「e-フューエル(合成燃料)の使用についてドイツと合意を見出した」 ★「第44回 ウィーン国際モーターシンポジウム」開催(4月26〜28日)……電動モーターを含めた駆動システム・燃料電池などテーマ ★正和工業、事業継続計画(BCP)対策パッケージを提供開始……太陽光発電やEVを活用し、自然災害や停電に備えた「カーボンマネージメントパック」を総合提案

TAG: #THE視点 #テクノロジー
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
米ピータービルト、EVのトレーラーヘッド「579EV」をダラスの業者に納入……デイリーEVヘッドライン[2023.03.24]

大型EVトレーラーヘッド2台をダラスの業者に納入 伝統的なアメリカントラックスタイルのEV 【THE 視点】アメリカのピータービルトは3月22日、パッカー・リーシング・カンパニー(PacLease)と提携して、トレーラーヘッドのEVモデル「579EV」2台を、トラック・キングに納入したと発表した。 ピータービルト(Peterbilt Motors Company)はテキサス州に拠点を置く老舗のトラックメーカー。トラック・キング(Truck King)は同州ダラスの運送企業である。 トラック・キングは、ダラスとフォートワースのメトロプレックスで 65台のトラックを運用し、地元企業向けに運送サービスを展開している。今回納入された「579EV」は、テキサス州マッキニーにあるパッカーのダイナクラフト施設と、同州内ピータービルトのデントン製造工場間の配送ルートに使用される。 「579EV」は、トラック版のモーター一体型駆動装置(イー・アクスル)を、後輪それぞれの軸に1基ずつ計2基搭載した4輪駆動方式を採用。最高出力は500kW(680ps)。バッテリーの容量は400kWhで、航続距離は320km。最高出力150kWの急速充電に対応しているのも特徴だ。自動車連結車両総重量(GCWR)は37トン(8万2,000lbs)と、日本車のそれが可愛く見えるほどの大きさを持つトレーラーヘッドである。 アメリカではテスラやニコラにも見られるように、既に大型EVトラックの量産が始まっている。「579EV」は、EVコンポーネントなどの多くはキャビン下に配置される構造を採るが、電動化されてもボンネット付きのスタイルを残すところにアメリカの伝統を感じる。このクラスに搭載されるイーアクスルも一度見てみたいものである。しかしこのクラスまでEV化されるとは、環境問題が待ったなしの状況なのだと感じる。 ちなみに、映画「トランスフォーマー」に登場した機械生命体軍団の長「オプティマス・プライム(和名:コンボイ総司令)のベースとなった車両はピータービルト製である。日本では馴染みのないメーカーだが、スクリーンの上ではさにあらず。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★大日本印刷(DNP)、EV用ワイヤレス給電の実証実験装置を開発……島田理化工業製の「PWMインバータ」にDNP製の「シート型コイルユニット」を組み合わせ[詳細はこちら<click>] ★★ステランティス、ドイツ・アイゼナハ工場に1億3,000万ユーロを投資……「STLAミディアム・プラットフォーム」採用のEVを生産、2024年後半発売予定 ★スズキ、「四輪電気電子電動技術本部」を設置……「四輪EV設計部」「四輪EV/HEV駆動設計部」などを新設、4月1日付の組織改革で ★BYD、半導体大手のエヌビディアと提携……次世代の「ダイナスティ」および「オーシャン」シリーズに「NVIDIA DRIVE Orin」の使用を拡大 ★パワー・コー、バレンシアに第2セル工場を建設……2026年に「ユニファイド・セル」を生産 ※パワー・コー:フォルクスワーゲン傘下のバッテリー企業 ★三菱製鋼、技術開発センター(千葉県市原市)でEVを重要課題に……新事業の創出課題でEV化に対応 ★プラゴ、追分宿駐車場(長野県軽井沢町)に事前予約可能な急速充電器「プラゴ・ラピッド」を設置……スマホ向け専用アプリ「Myプラゴ」にて予約・支払い ★宮古島に「日産リーフ」のレンタルをパッケージ化したオフグリッド型ホテル「ズミテラス」がオープン……うちみやリゾートが運営、建物備え付けの太陽光発電設備で充電 ★折りたたみEVバイクのシェアロ、荒川区の交通安全教室に協力……安全講習ならびに体験走行会を実施

TAG: #EVトラック #THE視点 #商用EV
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
「ポールスター2」に230台限定のスポーツモデル「BSTエディション230」登場……デイリーEVヘッドライン[2023.03.23]

「野獣」を意味する「BST」の冠 レーシングストライプがマッスルカーを想起 【THE 視点】ボルボグループのポールスターは3月21日、EVセダン「ポールスター2」の高性能モデル「BSTエディション230」を欧州で発表した。欧州と北米向けに合計230台が限定販売される。 「BSTエディション230」は、最高出力350kW(476ps)・最大トルク680Nm(69.3kgm)に強化されたロングレンジ・デュアルモーターの4輪駆動モデルであり、0–100km/hは4.4秒の性能を持つ。 ボディカラーには、グリーンの専用色「ヌベッラ」やスペースブラックが用意され、オプションでマットブラックのボディストライプが選択できる。内装は、シートとステアリングホイールが「マイクロスウェード」で仕上げられている。 足回りも手が入れられ、特別に開発されたオーリンズのダンパー/20%剛性が高いスプリング/フロントストラットバー/ブレンボ製ブレーキ/ピレリ・Pゼロ(245/35R21)のタイヤを装備。車高は標準車より25mmローダウンとなった。出力や専用ボディカラーだけではなく装備面でも特別なものが与えられ、スポーティな印象が高まっている。 「BST」とは「野獣」を意味し、性能も装備もハイスペックで、一流のアフターパーツブランドを装備したカスタムカーのようだ。日本で販売されないのが残念である。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★フォード、EVの新型SUV「エクスプローラー」を欧州で発表……設計も生産も欧州で実施した事実上の欧州車 ★★燃料給油とEV急速充電ができるマルチなサービス・ステーション「ネクストフォート」がオープン(愛知県春日井市)……春日井燃料が運営 ★BMW、フロントガラスの全幅に広がるヘッド・アップ・ディスプレイを量産化……2025年よりEVへの搭載を見据える[詳細はこちら<click>] ★ボードリー、石川県小松市で自動運転EVバスを実証実験(3月20日に終了)……北陸新幹線小松駅開業を見据えて実施 ★日産、カーシェアサービス「NISSAN e-シェアモビ」を北海道檜山振興局(北海道檜山郡江差町)に設置……「リーフ」を2台、ソーラーカーポートから直接充電 ★日産、三重県四日市市と「ブルー・スイッチ」施策で連携……災害時にEVを電源車として提供するなど

TAG: #THE視点 #ニューモデル #ポールスター2
TEXT:福田 雅敏
企業同士の協力が新エネルギーを普及させる……現役EV開発エンジニアによる「スマートエネルギーWeek」探訪後編[THE視点]

「スマートエネルギーWeek 春」は、新エネルギーの総合展である。「FC EXPO 水素・燃料電池展」「PV EXPO 太陽光発電展」「二次電池展」「スマートグリッドEXPO」「WIND EXPO 風力発電展」「バイオマス展」「ゼロエミッション火力発電 EXPO」の7つの展示会で構成されている複合イベントだ。今回はその中からEV/FCEVに関連するブースの内容を紹介する。 全固体電池の実用化間近も量産化は先 「スマートグリッドEXPO」では、前編[詳細はこちら]で紹介したホンダのブース以外にもトピックが盛りだくさんであった。 ソリッドバッテリー(全固体電池)ブースでは、最新の全固体リチウム電池が展示されていた(残念ながら撮影は厳禁)。エネルギー密度は、今のリチウムイオン・バッテリーと同程度の200~300wh/kgだが、寿命がリチウムイオン・バッテリーの数十倍あるという。しかし現状は少量での生産体制になるので、量産EVへ搭載されるのはまだ先であろう。 ただ全固体電池の量産が実現できれば、充電時間も早くなるうえEVの電池寿命の心配がなくなり、EVの価値の向上にも大きく貢献する。全固体電池で量産EVを発売すると伝えられているのは日産で、2028年がその元年になる予定である。5年先だが、開発体制などを鑑みても、実際問題としてそれぐらいかかるだろう。 各社が模索する充電への課題 「パワーエックス」は、電気で動き電気を運ぶ電気運搬船「Power Ark 100」の模型を展示した。この性能は航行可能距離100~300km(電力推進のみの場合)で、速度は巡航:10ノット(約18km/h)/最大:約14ノット(約25km/h)。搭載電気容量は222MWh。なんと、100kWhのEVに換算して、2,220台分の容量である! 船はスケールが違う。 シャープエネルギーソリューションのブースでは、「トヨタ・プリウスPHV」に高効率太陽光パネルを張り付けた実証試験車を展示。この太陽光パネルの効率は何と34%以上で、発電能力は860W。1日充電すると、走行距離換算で56.3km相当分を充電できるという。この距離を太陽光で充電できるならば、通勤程度の使用は日中駐車場に置いておくだけで、太陽光の発電のみで賄えてしまうことになる。 パナソニックエレクトリックワークス社のブースでは、太陽光パネルを車庫の屋根に置き、その電気でEVを充電できるものが提案されていた。災害時等で停電になった場合には、住宅への給電能力も備えている。 ベルエナジーのブースでは、EVの電欠時のお助け隊「電気の宅急便」を紹介していた。充電サービスカーの「日産サクラ」にバッテリーを積んで展示。これがあれば電欠時にレッカー移動せずその場で回復できるので安心である。 サンエイ工業では「レイモ」という電池交換式のラジコン式芝刈り機が展示されていた。これなら土手など人が作業しずらい場所でも手軽に作業が行えるうえ静かでクリーンである。 そのほか、エネチェンジが「テスラ・モデル3」とともに6kWの普通充電器を展示していた。 「二次電池展」には、テンフィールズファクトリーが急速充電機を「テスラ・モデルⅩ」とともに展示していた。2月24日の「デイリーEVヘッドライン」でも取り上げた、従量課金型のものである[詳細はこちら]。 ジェイテクトのブースでは、水素燃料電池(FC)を使用したドローンが展示されていた。FCを補助電源装置として活用しているという。今の電動ドローンと比較して60~80分の長時間飛行が可能となるのが特徴だ。 大豊産業のブースでは、EVカーシェアリング「eemo」で使われるEV「FOMM ONE 」が展示されていた。 各社の協力関係で水素エネルギーを普及 「FC EXPO 水素・燃料電池展」では、まずトヨタグループのブースが目立っていた。 トヨタ製の燃料電池(FC)モジュールが展示され、その横には、その燃料電池のセルを使ったBMWのFCモジュールが展示されていた。これは2月に発表されたBMWのSUV「X5」をベースにした燃料電池車「iX5ハイドロジェン」用のもので、今後約100台生産し、実証テストを世界規模で行うと発表されたもの。ブースのスクリーンには、その走行試験のムービーも流れていて、雪の中でドリフト走行も披露した。 BMWの関係者はいなったが、トヨタの関係者に話を伺うと、展示されているトヨタのFCモジュールは現行のFCEV「ミライ」のものだが、BMWのFCモジュールは、そのセルをさらに多く使い出力をあげ、高出力の二次バッテリーと併せ、非常にハイパワーになっているという。FCEVとはいえ、寒さを苦手とするFCEVでドリフト走行を可能とするとは、BMWらしさが前面に出ているのではないだろうか。 そしてトヨタの隣のブースはホンダで、次世代FCモジュールが展示されていた。出力は80kWとされ、GMと共同開発したもの。2024年に市場投入が予定されている「CR-V」ベースのFCEVに搭載されるものと同じユニットだという。価格を従来のFCモジュールの1/3まで抑え込んだというもので、今後外販もしていくとのことだ。 さらにトヨタの前には川崎重工業のブースがあり、オーストラリアから水素を輸入するための水素運搬船の模型と、ブースの壁には「トヨタ・ガズー・レーシング」の「スーパー耐久シリーズ(S耐)」参戦車両である水素エンジン仕様の「カローラ」のポスターが大きく張られていた。トヨタと川崎は水素を通じて協力関係にあり、S耐車両に使用する水素を、川崎の水素運搬船が運んでいる。 少し離れたところだが、東京アールアンドデーもブースを構えていた。そこにもトヨタのFCモジュールが展示されており、小型燃料電池バスのプレゼンテーションが行われていた。トヨタのモジュールを使うことで、これまでより室内空間が広くなるという。 また、水素エンジンのトラックもiLABOのブースに展示されていた。ディーゼルエンジン車を改造したもので、70MPaの水素タンクを運転席キャビンと荷台の間に積んでいた。 このFC-EXPOで感じたのは、企業同士のアライアンスが前面に出ていたこと。水素を普及させるためには、欠かせないものなのかもしれない。 今回のスマートエネルギーWeek 春、7つのテーマからなるイベントだけに、EVだけでなく、それに関連する多くの企業が出展していた。企業同士の協力関係など、普段はなかなか知ることができない取り組みも多く見られ、とてもユニークで学びにもなるイベントである。秋にも開催予定なので【幕張メッセ(千葉市美浜区)/9月13日(水)〜15日(金)】、是非会場に足を運んでいただきたい。

TAG: #THE視点 #スマートエネルギーWeek
TEXT:福田 雅敏
ホンダの電動戦略のカギは脱着式可搬バッテリーにあり……現役EV開発エンジニアによる「スマートエネルギーWeek 春」探訪前編[THE視点]

モバイルバッテリーからEVまで対応可能な「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」 「スマートエネルギーWeek 春」内「第13回 国際スマートグリッドEXPO春」が3月15~17日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催された。出展社の中には本田技研工業(ホンダ)もあった。その展示内容がユニークだったのでレポートする。 今回の一番の特徴は、ホンダブース内の展示物全てが現在拡販を狙っている脱着式可搬バッテリー「ホンダ・モバイル・パワー・パック e:」(MPP)を電源とした製品を展示していること。その活用事例が今回の展示のコンセプトだ。 まずはその核となる「MPP」のスペックは、バッテリーパック1個あたり50.26Vを発生するリチウムイオン式で、容量1.314kWh/重量10.3kgとなっている。今回は価格も発表されており、8万8,000円(税込)/個となっている。ただしカタログには法人限定販売と書かれていた。理由はバッテリーリサイクルの社会的責任からだという。 そして今回の展示物の中でひときわ目立っていたのが、初公開となった「N-VAN」をベースとしたEVだ。ホンダは昨年12月、「2024年春に「N-VAN」ベースのEVを発売する」と発表していた。しかし今回展示されていた車両は正式版ではなくあくまでもコンセプトカーで「MEV VAN Concept」と名付けていた。 このコンセプトカーの特徴は、MPPを8個搭載しており、総容量は10.4kWhでEVとしては少ない。しかし交換できるのが特徴で、それに要する時間はわずか数分。そのため、交換用バッテリーの用意があればすぐに走り出せるので充電時間が省けるとし、「固定式バッテリーとは異なる魅力と価値の提供を検証する」としている。 クルマの仕様としては、出力14kWのモーターを前後に配置した4WDで、最高速度が70km/h以上、航続距離は75kmと発表されている。2024年春に発売が予定されている量産EVは、床下固定式とのことでバッテリー容量が多い実用的なものになるだろう。 そのほか、ホンダブース内に展示されていたものとしては以下のとおり。 ・MPPを24個同時充電できる充電設備「モバイル・パワー・パック・エクスチェンジャー e:」 ・MPP1個を充電できる専用充電器「パワー・パック・チャージャー e:」。 ・ポータブル電源「パワー・エクスポーター e:6000」とその小型版「パワー・ポッド e:」 ・三輪のEVスクーター「ジャイロ キャノピー e:」 ・電動パワーユニット「eGX」搭載の「レーシングカート」 ・「耕うん機」 ・「小型船舶向け電動推進機」 etc… ホンダのラインナップだけでもこれだけ多彩に展示されていた。 他社へも惜しみなく供給、犬猿の仲とも言われたヤマハ発動機にも 次に目を引くのが、ヤマハ発動機と協業して開発されたパーソナル低速モビリティの汎用プラットフォーム・コンセプト「ヤマハ・モーター・プラットフォーム・コンセプト」だ。なんとホンダのブースにヤマハ車の展示である。 そして建機の展示へと続く。3月14日のEVヘッドラインでも紹介したコマツの電動マイクロショベル「PC05E-1」[詳細はこちら]。これには「MPP」と同時に、ホンダの電動パワーユニット「eGX」も採用されている。 このほか「MPP」を活用した各社のさまざまなコラボレーションモデルが展示されていた。 ・電動バイブレーションローラーのコンセプトモデル(三笠産業) ・電動ハンドガイドローラーのコンセプトモデル(酒井重工業) ・スプリットライトLED投光機 PL-241SLB(デンヨー) ・秋田版スマート農業モデル創出事業「大玉トマト収穫ロボットコンセプト」(デンソー) ・DX-CELLコンセプト(デンソー) etc… あたかもホンダのブースだけで、電動モデルの見本市のようであった。 このMPPにより、建機などが大型の電動工具のようになることで、排ガス・騒音の問題をクリアでき屋内でも使用可能というケースも増えるかもしれない。振動も少ないことから身体への負担も軽減でき働き方改善にもつながる。 電動化により、これまで競合していた企業やホンダとも関わりのなかったであろう企業との間にイノベーションが生まれている。これからもより多くのモデルが、ホンダのMPPを活用して生まれることを願うばかりである。MPPに対する意気込みを非常に強く感じたホンダのブースであった。

TAG: #EV建機 #THE視点 #スマートエネルギーWeek

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
新型リーフを筆頭に世界中に新型EVを投入して戦力底上げ! 日産が今後の経営戦略を発表
BEV用の新開発プラットフォーム「PPE」初採用! アウディQ6 e-tron/SQ6 e-tronがついに日本デビュー
交換式バッテリーの実用化は商用・フリートから! 米Ample社と三菱ふそうが提携し都内で実証実験開始
more
コラム
結局「全固体電池」ってなに? どんなメリットがある? 「夢の電池」と言うには時期尚早な次世代バッテリーの中身
「セダンであり、5ドアクーペであり、SUV的でもある」という謎の表現! でも確かにカッコイイ「ボルボES90」をデザインのプロはどう見る?
そういや「スマートグリッド」ってドコいった? EVを蓄電池として利用する流れのいま
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
ボルボEX30で11時間超えの1000km走行チャレンジ! 課題は90kWまでしか受け入れない充電性能
more
イベント
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
売り物ではなく概念を展示するモデリスタ! 正体不明なトヨタbZ4Xはブランドの「新化」という概念を示すスタディモデルだった【大阪オートメッセ2025】
子どもに大人気の電動バギーに大迫力のエアロキットや色が変わるフィルムまで登場! 大阪オートメッセのEV関連出展物はどれもユニークすぎた
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択