#コンセプトカー
TEXT:斎藤 充生
「BEVですか?」→「マルチパスウェイです」を徹底するトヨタ! EVにこだわらない姿勢で今後も世界で支持される予感がビンビンに伝わってきた【ジャパンモビリティショー2025】

EVにこだわらないトヨタはマルチパスウェイを強調 かつての東京モーターショーからジャパンモビリティショーへと名称を変え、2度目の大規模開催となった2025年、トヨタは東京ビッグサイトの「離れ」とも呼べる南展示棟に出展した。そこにはグループに属するトヨタ・レクサス・ダイハツ、そして新ブランドとして独立したセンチュリーの計4ブランドが一堂に会し、自称「トヨタグループ館」として混ざり気のない純度100%のトヨタワールドが展開されていた。 「TO YOU TOYOTA」のカローラコンセプト 取材に向かった10月29日は、ジャパンモビリティショー2025の一般公開を前に報道関係者向けに行われる取材会「プレスデー」の初日だ。出展各社は自社ブースの内容や今後のビジョンに関する発表「プレスカンファレンス」を分刻みの会場スケジュールに合わせて実施する。そのトップを飾ったのがトヨタだ。 登壇したトヨタ自動車の佐藤恒治社長は、トヨタの歴史を紐解くとともに新しいキャッチコピー「TO YOU TOYOTA」を発表。誰かのためになるモビリティ開発を続けていけば、それがいつかトヨタが長年掲げるテーマ「Mobilitiy for all」に近づくのではないかと熱弁した。その最たる例として発表されたのが「カローラコンセプト」だ。 過去に何代にもわたるモデルチェンジを経て、その時代や人々の生活に合わせて変化を遂げてきたカローラは、まさに誰かのために作られたクルマといえる。 そこにトヨタは、世界中のさまざまな道路事情やエネルギー環境に合わせたパワートレイン戦略「マルチパスウェイ」の考えのもと、ひとつのパワートレインに絞るのではなく、BEV、PHEV、HV、ICEといった幅広い選択肢を残し、誰にとっても選びやすいクルマとして次世代のカローラを発表した。 斬新なローフォルムデザインはパッと見で素直にカッコいい。それでもカローラはカローラ。プリウス顔負けのスポーツセダン風フォルムを持ちながらも、キャビンを最大化していることが見て取れる。 トヨタブースで意地悪く何名かのスタッフに「このカローラは本当はBEV車として開発しているのではないか」と質問をしてみたが、一様に返ってくるのは「マルチパスウェイの考えのもと、すべてのパワートレインについて搭載の可能性があります」と答えるのみだ。 そして、「どのパワートレインであっても、このフォルムに収めます」と続けた。それは佐藤社長がカンファレンスで語った通り、「カッコいいクルマに乗りたい!」というクルマを使う誰しもが考える根源的な思いに応えるためだ。

TAG: #JMS2025 #コンセプトカー #センチュリー #ダイハツ #トヨタ #レクサス
TEXT:斎藤 充生
見どころはスーパーワンプロトタイプだけじゃない! 全メーカー中でもっともモビリティショーしていたホンダは陸・海・空に加えて宇宙にも進出か【ジャパンモビリティショー2025】

ついに宇宙へ到達したホンダ! モビリティショーという名が表す通り、従来の自動車を中心としたモーターショーから大きく領域を拡大させ、さまざまなモビリティを対象としたショーへと生まれ変わったジャパンモビリティショー。フルサイズで行われるショーとしては2回目となる2025年、ホンダブースはトヨタ、スズキと並び広範囲のモビリティを展開したブースとなった。 もともと四輪だけでなく、二輪や船外機、芝刈り機に代表されるようなホームプロダクトまで網羅するモビリティ企業ではあるが、モーターショーの名を廃することで自社のプロダクトや世界観をもっとも広く表現できるようになったのはホンダではないだろうか。 前回(2023年)は自社開発の航空機「ホンダジェット」を持ち込んで空まで領域を広げたのも束の間、今回はその範囲を宇宙にまで広げてロケットの展示もしたのだから。 とはいえ、もっともブースの目立つ位置に鎮座していたのは、2050年のカーボンニュートラル実現を目指すホンダにとっての象徴的存在、電気自動車(EV)の新シリーズ「Honda 0 Series(ホンダ・ゼロシリーズ)」であった。 そのホンダ・ゼロシリーズを中心に、別記事で取り上げたN-ONE e:ベースのホットハッチモデル「Super-ONE Prototype」を除く注目の展示車両を紹介したい。 Honda 0 SALOON 本邦初公開となったホンダ・ゼロシリーズ。「Thin, Light, and Wise.(薄い、軽い、賢い)」という独自の開発アプローチで、ゼロから独創的な発想で創り出されたこのシリーズは、スーパーカーと見まごう程ボンネットの先端が低く、全体的にもローフォルムな「Honda 0 SALOON(サルーン)」をフラッグシップに据える。 これまでホンダの広報画像で見るだけにとどまっていたサルーンだが、実車はホンダの言う通りとにかく「薄い」。さぞ、室内はタイトなのだろうと思い見せていただくと、グラスルーフの効果もあるが想像以上に明るく開放的でそのうえ広い。着座位置は確かに低いが、いわゆるスポーツカーのような姿勢を強いるのではなく、サルーンの名の通り十分にくつろげる姿勢になるのだとホンダは説明する。 ハイデッキなリヤスタイルのおかげで後席のヘッドクリアランスと足元スペースも十分。外見から想像するよりはるかに快適そうな空間が創り上げられていた。 EVならでは低重心と着座位置の低さを活かして走りはスポーティに仕上げつつも、ホンダ伝統の基本思想「M・M思想(マンマキシム・メカミニマム)」とホンダ・ゼロシリーズの「薄い」という開発アプローチを掛け合わせ、既存のどのクルマにも当てはまらない、まったく新しいジャンルのクルマになったと見ることができる。 Honda 0 SUV それはホンダ・ゼロシリーズ最初の販売予定モデルとされるミドルサイズSUVのホンダ・ゼロSUVにもいえることで、リヤデザインをサルーンと同意匠としながらも、SUVに求められる力強さや面構成の美しさは独自に表現され、十分な室内空間と開放的な視界を確保している。 どちらのクルマもインパネまわりは大型ディスプレイを中心に設計され、先進性と斬新さが感じられる作りとなっている。これらを司るのはホンダ独自の車載OS「ASIMO(アシモ)OS」で、使えば使うほど所有者の志向に合わせてパーソナライズされるそうだ。しかし、その具体的な機能や得られる体験については検討を深めている最中とのことで、今回のショーで明言されることはなかった。

TAG: #Honda 0 series #JMS2025 #microev #アキュラ #コンセプトカー #ホンダ
TEXT:斎藤充生
EVらしさをなるべく廃したスタイリングで乗り換えを自然に! スズキが軽EVコンセプトカー「Vision e-Sky」で考えたのはEVであることを気づかれないことだった【ジャパンモビリティショー2025】

ガソリン車からの乗り換えやすさを考えて開発 軽自動車のEVに先鞭をつけた日産サクラ・三菱eKワゴンが好セールスを記録したものの、あとに続くライバル車は現れず3年が経過した。ようやく9月にホンダN-ONE e:が新たな選択肢として登場したが、それでも物足りなさを感じるのは、きっと軽自動車業界を長年牽引してきたスズキとダイハツから現実的なモデルが提示されていないためだろう。 そしてようやくこのタイミング、ジャパンモビリティショー2025でいよいよ軽自動車業界の巨頭スズキが動き出した。2026年度の販売を目指して開発したEVコンセプトカー「Vision e-Sky(ビジョンeスカイ)」を世界初公開したのだ。 と大上段に構えてみたが、ビジョンeスカイはこれまでのスズキ車と同様、とても親しみやすく気軽に付き合えそうなクルマで、いい意味で肩の力が抜けている。「ちょっとそこまでお買い物」なんていう使い方がとても似合う、スニーカー感覚のクルマだと言える。 コンセプトカーだから、やや現実離れした大径タイヤを装着していたり、室内のボタンがほとんど静電タッチ式だったりするけれど、全体としてはこれまでのスズキの血統から大きく逸脱せず、ことさらにEVであることを主張していないのがちょうどいい。 やや背高で丸みを帯びた2ボックススタイルのボディは、オーソドックスなヒンジ式のドアを4枚備え、奇をてらったところがなくごく自然な佇まい。充電口もガソリン車の給油口と同様の位置にあるので、言われなければEVだと気づかないかもしれない。それぐらいフツーなのだが、それがスズキの狙いでもある。 開発目標の航続距離は270km。これは通勤・買い物など、平日の平均的な軽自動車の使われ方と、週末のちょっとした遠出を加味して必要十分な距離としてスズキが導き出した値なのだという。つまり、闇雲に航続距離の長さを追ったりはしていない。 フロントグリルに相当する位置には、充電中の状態やクルマの起動状態を表示するシグネチャーライトが設置され、外からも愛車の状態を確認できるようになっている。 これにより、エンジン車と比べ極端にフロントまわりの開口部は少ない。コンセプトカーだからなのかと思いきや、スズキによれば市販モデルでも極力このデザインは踏襲していきたいのだというで、ここは先進性を感じられる部分かもしれない。 一方で、前述した静電タッチ式の室内ボタン類に関しては、シニア層が使うことも考え、物理ボタンを適切に配置することが検討されているという。もしかしたら室内の印象は、今後に大きく変化するかもしれない。 ビジョンeスカイに一貫して言えることは、「これまで乗ってきたガソリン車から如何に違和感なく乗り換えてもらうことができるか」を徹底的に考えて開発されているということ。だから乗り込んだときにアクセントとして少し新しさを感じられるようにする部分はあっても、EVだからといって先進技術や革新的なレイアウトで圧倒しようという思いは、スズキ側には一切ないのだという。 非常に現実的かつ以前からのスズキの顧客を大事にしようという姿勢がうかがえる、納得のコンセプトカーがビジョンeスカイだ。

TAG: #JMS2025 #コンセプトカー #スズキ #軽EV
TEXT:斎藤 充生
助手席側が1枚スライドドアでガバっと開くから使いやすい! 乗用車領域でも活躍しそうなダイハツ「カヨイバコK」はいまから登場が待ち遠しいEV軽バンだった【ジャパンモビリティショー2025】

BEVの先進性を活かした軽バンEVコンセプトモデル ジャパンモビリティショー2025では、トヨタ・ダイハツ・スズキの3社共同開発による軽自動車向けBEVシステムにより、複数の軽EVコンセプトカーが登場。それらは大きくふたつの方向性をもって展示された。ひとつは、スズキの軽バンEV「eエブリィ・コンセプト」やダイハツの軽ワゴンEV「eアトレー」のように、従来のガソリンモデルと内外装の大部分に共通性を持たせ、ユーザーのスムーズなEV転換を目指した現実的なモデル。 そしてもうひとつは、今回紹介するダイハツ「KAYOIBAKO K(カヨイバコK)」のような、先進性を重んじた次世代型軽EVのコンセプトカーがそれにあたる。 カヨイバコKは、ダイハツ独自のプラットフォームに先述の共同開発BEVシステムを採用した軽バンEVのコンセプトカーだ。 トヨタとダイハツが合同で複数のコンセプトカーを提案している商用車シリーズ「カヨイバコ」は、「日本の人流・物流を担っていく」というテーマがあり、とくにこのダイハツ・カヨイバコKは、人との近さや地域コミュニケーションを重視して開発されているという。それもあって、車体後方には街なかをイメージしたグラフィックが描かれ、このクルマのコンセプトを端的に示している。 エクステリア最大の特徴は、運転席側がBピラーを備えたヒンジドアと後席スライドドアのごく一般的な構造なのに対し、助手席側はBピラーレスの大開口スライドドア1枚だけという点だ。 この左右非対称デザインは、配送業務における荷物の出し入れを容易にするための構造であることは言うまでもない。しかし、ライバル車といえるホンダ「N-VAN e:」は、同じくBピラーレスを採用しながらもヒンジドアとスライドドアの組み合わせとなっている。このあたりは対照的で興味深いところだ。 BEVならではの低床フロアと、折りたたまれた助手席、そして完全自動運転を見据えてペダルレスとした足元空間により、室内は軽自動車規格でありながらワンランク上の広さが感じられる。これまで軽バンを作りこんできたダイハツならではといったところで、これだけ広々としていれば福祉車両やキャンピングカーなどの乗用車領域でも活躍が見込めそうだ。 充電口はフロント正面に設置され、急速充電にも対応する予定だが、航続距離や充電時間に関しては未定となっている。むろんBEVならではの外部給電は、地域の役に立つことを目的に開発されるカヨイバコKなので検討対象に含まれているようだ。 さらに、カヨイバコシリーズ共通の方向性として、完全自動運転を目指していることが挙げられる、このカヨイバコKも例外ではない。そのため、小口配送業の業務負担軽減や過疎地での移動手段としても活躍することが期待されている。先進的な軽バンEV「カヨイバコK」の開発に、今後も注目したい。

TAG: #JMS2025 #カヨイバコK #コンセプトカー #ダイハツ #軽商用EV
TEXT:斎藤 充生
膨大なAWD開発データが「最高に気もちいい」BEVを生み出す! 「パフォーマンスE STIコンセプト」はスバルらしさを際立たせたコンセプトモデルだった【ジャパンモビリティショー2025】

異なる方向性の2台のSTIコンセプトモデルを展示したスバル スバルはジャパンモビリティショー2025のプレスデーにおいて、大崎代表取締役がカンファレンスを実施。ブランドをより際立たせるため「パフォーマンス」と「アドベンチャー」というふたつの方向性を打ち出した。 そのうち、パフォーマンスに関しては2台のコンセプトカーを披露。1台はエンジン車のパフォーマンスB STIコンセプトで、もう1台はバッテリーEV(BEV)のパフォーマンスE STIコンセプトだ。 このうちパフォーマンスE STIコンセプトに注目。コンセプトカーをBEVで製作した理由やSUBARUのブランドを際立たせるうえで電気自動車というキャラクターがどのように貢献するのか、開発担当者に取材を行った。 まずBEVを選択した理由についてだが、「今後のエネルギーの多様性を考えたときに、バッテリーEVというのはSUBARUとしても発展していくものだと思っています。そのなかでどうやってスバルのパフォーマンスシーンを際立たせるか、ということを考えて作ってきました」とのこと。 では、BEVでスバルらしさはどのように際立っていくのか? 担当者は次のように答えてくれた。 「(もともと重心の低い)BEVといえど、いかに低重心でコンパクト、そして中心に寄せてレイアウトできるか、というクルマの素性に関わる部分にこだわっています。あと、BEVだと皆さんはクルマの差が生まれにくいと思われているようですが、制御であったり動かし方であったり、結構な違いが生まれます。これに関して我々スバルはとくにAWDの技術を培ってきているので、得意な部分だと思っています」 「なぜかというと、制御というのは制御対象の”ありたい姿”というのを明確に数値化しないと、乗数が作れないんですよ。直線やコーナーの入口、アクセルを踏んだ瞬間といったシーンごとに、どうトルク配分をするべきなのか、これまでのAWD開発で山のようにデータとして積み上がっています。それがあるからこそ、スバルにしか作れない、最高に気持ちのいいEVパフォーマンスモデルが作れると思っています」 エンジン車に比べて没個性化すると思われがちなEV車であっても、クルマの個性につながる姿勢制御の部分は1日にしてならずということか。それだけに、これまでの膨大な開発経験とデータが物を言う。ましてやAWDともなれば、四輪すべてにトルク配分を行って姿勢を作ることができるのでなおさらだ。 一方、スバルといえば安全性に並々ならぬ努力をみせることで知られ、とくにクルマの基本パッケージによって決まる「0次安全」というものには、長年こだわりをもって対応している。このあたりに関して、BEVによって有利に働く面や、さらに長所を伸ばせる部分はあるのだろうか。

TAG: #JMS2025 #SUBARU #コンセプトカー
TEXT:斎藤 充生
ダイハツ「ミゼットX」はただの軽貨物車じゃない! ママチャリに代わる大発明モビリティだ【ジャパンモビリティショー2025】

軽より小さなミゼットX その狙いとは? 「わたしにダイハツメイ」という名キャッチコピーを掲げ、ジャパンモビリティショー2025に出展したダイハツ。ショー開幕前の事前CMにも登場した往年の名車「ミゼット」の現代版モデル「ミゼットX」は、その可愛らしい見た目からも注目の的であった。 展示されたミゼットXは、軽自動車規格のバッテリーEV(BEV)として設計されたコンセプトカーだが、一般的な軽自動車に比べ明らかにサイズが小さい。高度経済成長期に誕生した初代ミゼットと、平成に誕生したリメイク版「ミゼット II」がともに軽貨物車でしっかりとした荷台を備えていたのに対し、ミゼットXの荷台と呼べる場所は、コンパクトで小さな箱が乗っているのみ。むしろ人間が乗り込むキャビンの方がずっと大きい。それとて大人4人が乗れるようなものではなく、カプセルとでもいうようなコンパクトな空間だ。商用貨物の域から脱したと思しきミゼットX、そのコンセプトや狙いをダイハツの説明員に聞いた。 BEVだから実現可能なママチャリ的モビリティ ダイハツ・ミゼットXは子どもを後ろに乗せて走る子乗せ自転車、いわゆる「ママチャリ」を目指して開発されたのだという。そのこだわりはハンパではなく、センターレイアウトの運転席に座ったときの目線の高さと、やや後方に位置するチャイルドシート形状に作られたふたつの後席の目線の高さは、いずれもママチャリに座ったときと同じ高さになるよう設計されているのだそうだ。 この特徴的な1+2レイアウトと目線の高さにこだわった理由を、ダイハツの説明員に聞いた。 「都市部で自転車に乗られているお母さんは、じつは免許をお持っていてもペーパードライバーになってしまったりするんです。(ファミリー向け軽自動車の)タントなんかでも大きいと感じられてしまって、運転に不安があるというのがその理由なのですが、そういった方に向けてなるべく普段使っているママチャリから違和感なく乗り換えてもらえるようにしたいと思ったのが、この設計の背景です」 コンセプトを実現するにあたっては、通常足元に備わるアクセル・ブレーキペダルをレイアウトすることは難しく、トヨタが開発した「ネオステア」と呼ばれるハンドドライブ機構を採用することで問題を解決している。これら着座位置やコンパクトな車体形状も相まって、必然的にミゼットXはBEVとして開発することとなったのだ。 具体的な航続性能や充電性能はこれから検討を深めていく部分であるとしながらも、片道15分ほどといわれる軽自動車の日常的な行動範囲をカバーできるバッテリー容量にして、普通充電方式を考えているという。このあたりは、電動アシスト付き自転車の航続距離や充電速度も、検討材料に入っているはずだ。 また、これだけ小さなモビリティなので、プラットフォームは専用に開発することを検討しているというが、ゆくゆくはそのプラットフォームを基点にダイハツを含むトヨタグループ全体で活用できるようにしたいという思惑だ。個人的な見解ではあると前置きはされたが、「そうでないと都市部を軽快に動きまわれるモビリティとして、気軽に買える価格にならないため」だというのが、その真意である。 続いて、この愛らしい見た目に隠された注目ポイントを見ていこう。

TAG: #JMS2025 #コンセプトカー #ダイハツ #ミゼットX
TEXT:TET 編集部
STIコンセプトとブランド第2弾となるふたつのEVを初披露! ジャパンモビリティショー2025のSUBARUブースは「Performance」と「Adventure」魅力を提案

日本仕様の「トレイルシーカー」とBEVコンセプトモデルに注目 10月31日(金)から一般公開される「ジャパンモビリティショー2025」の開催に先駆けて、自動車メーカーを中心に続々と出展内容が発表され、盛り上がりを見せ始めている。今回は、ソルテラに続くSUBARUグローバルバッテリーEV(BEV)の第2弾モデルを、このジャパンモビリティショー2025で発表するSUBARUを紹介しよう。 「ブランドを際立てる」をコンセプトに出展するSUBARUは、これからもユーザーにとって「Different」な存在でありつづけるために、「安心と愉しさ」を基盤としながら、走る愉しさを表現するPerformanceシーンと、冒険へ踏み出す高揚感などを表現するAdventureシーンというふたつのシーンを際立たせ、ユーザーとの絆や共感を深めていきたいとしている。 まずPerformanceシーンについては、BEVのコンセプトモデル「Performance-E STI concept」がその一翼を担う。デザインは、高いパフォーマンスを視覚から訴えるプロポーションに加え、優れた空力性能や実用性を融合させながらも、ヘリテージを想起させるものに仕上げられているという。 それでありながら、運転しやすいレイアウトと居心地のよい開放的な室内空間を実現するという、二律背反の関係にある要素を盛り込んだPerformance-E STI concept。「さまざまな革新的技術を採用することで、意のままに操り感動の運転体験を提案する」モデルになると謳われ、その全容が明らかになるのが楽しみな1台だ。 続けてAdventureシーンに目を向けると、こちらはひと足先に北米仕様が公開されたBEVの「トレイルシーカー」が担う。日本仕様としては今回が初公開となるトレイルシーカーは、SUBARUグローバルバッテリーEVラインアップの第2弾モデルだ。BEVならではの緻密な制御による走行性能と、クロスオーバーユーティリティビークルとしての実用性を高い次元で両立しているのだという。 古くはレガシィ・グランドワゴンにはじまり、アウトバック、クロストレックなどを経て、現在のレイバックに至るまで、日常からアクティブなシーンまで使いこなせるクロスオーバーに関してはどこよりも造り慣れているSUBARUだけに、このBEVクロスオーバーの仕上がりにも十分期待が持てそうだ。 このほかSUBARUは、Performanceシーンを表現する車両として水平対向ターボエンジンとシンメトリカルAWDというシンボル的技術を採り入れたコンセプトカーの「Performance-B STI concept」を展示。また、Adventureシーンでは、フォレスターWildnessプロトタイプとアウトバックWildnessプロトタイプの2台を出展する予定だ。 日本車メーカーのなかでもひときわ個性的で根強いファンが多いSUBARU。その未来を明確に表現する今回のジャパンモビリティショー2025 SUBARUブースは、東5ホールに設置される。

TAG: #JMS2025 #SUBARU #コンセプトカー #スバル #トレイルシーカー
TEXT:石橋 寛
話題のフォルクスワーゲンID.Buzzは50年の準備期間の末に登場ってマジ? EVバスは一日にして成らず!!

たくさんの雛形を経てID.Buzzは市販化された ついに日本に導入されたID.Buzzですが、これまで何台ものコンセプトカーが発表されてきたことご承知のとおりです。ブリー・コンセプトやBudd-eなどなど、そりゃもうたくさんあったのですが、フォルクスワーゲンはおよそ50年前からID.Buzz、すなわちワーゲンバスの電動化を目論んでいたことはさほど知られていません。それだけ長期間にわたって研究していれば、トライ&エラーも増えるというもの。ID.Buzzに辿りつくまでの紆余曲折をざっくりご紹介しましょう。 T2(1972) 1970年、VWは電気駆動システムを備えたクルマを設計する「フューチャー リサーチ」開発部門を設立しました。先見の明というよりも、ドイツは第二次大戦中から電気駆動の開発に取り組んでおり、自国産エネルギーの乏しさを補うことが主目的だったかと。 そこで生まれたのが、ワーゲンバスをベースに880kgものバッテリーを荷台に積んだT2でした。発売当時の1972年はバッテリーの性能も低く、これだけ積んでも航続距離は85kmとわずかなもの。しかも、充電ステーションなどは存在しないため、VWは充電済みバッテリーと積み替えるシステムを考案。およそ5分で交換できたといいますが、やはり荷室を占拠する大型バッテリーは実用的とはいえず、数台を市販したのみでT2プロジェクトは終了しています。 この苦い経験がのちのMEB(モジュラー・エレクトリック・ドライブキット)と呼ばれるEV専用プラットフォームの開発につながったことはいうまでもないでしょう。 マイクロバス・コンセプト(2001) 連綿と続いていた電動Bulli(ブリ:T1バスの愛称、ドイツ語でブルドッグや剛健さの意味)プロジェクトは2000年代初頭、突如としてマイクロバス・コンセプトを発表。ちょうど北米にミニバンブームが訪れていた時期で、VWとしては往年のブリを意識したスタイリングで人気を勝ち取ろうと考えたのでしょう。 ただし、中身はEVでなくV6エンジンを搭載することが予定されていました。時代を考えればプリウスが発売されて間もなく、市場はEVどころかハイブリッドさえスタートしたばかり。もしかすると、1970年代の失敗がEVとして発表することを躊躇わせたのかもしれません。 とはいえ、カリフォルニアのスタジオでデザインされたボディは、数あるコンセプトモデルのなかでも生産型Buzzにほど近いもの。デトロイトショーでの評判も上々で、2002年には量産も計画されたものの、ミニバン市場のヒートアップに輸入車のVWは分が悪いと判断。2004年にあっけなく生産計画の中止が発表されました。 ブリー・コンセプト(2011) ID.Buzzの生産より10年前、早くもEVコンセプトカーとして登場していたのがブリー・コンセプト。スタイルの流れとしてはマイクロバス・コンセプトを受け継ぐものながら、VWの汎用プラットフォーム「MQB」を採用するなど、文脈はまったく違うといっていいでしょう。また、EVとしてお披露目したのも現実性を担保するもので、この翌年にはVWからEVへの大規模投資がほのめかされています。 MQBを使用したためか、マイクロバス・コンセプトよりもコンパクトになりつつ、スペースユーティリティも最適化されています。これには、バッテリーの搭載位置などが奏功しており、T2時代からの研究成果が現れているはず。当時としては破格といっていい40kWhのリチウムイオン電池を積み、航続距離は300kmをベンチマークとしていました。

TAG: #コンセプトカー #ミニバン #輸入車
TEXT:TET 編集部
ついに「コルベットがEV」に!? 2種類のコンセプトカーでシボレーが未来のハイパフォーマンスカー像を描く

4輪モーターで2000馬力オーバーの怪物 米国カリフォルニア州モントレーで行なわれたイベント「ザ・クエイル・モータースポーツ・ギャザリング」で、シボレーが未来のハイパフォーマンスカーの展望を指し示す2台のコンセプトカーを8月15日に発表した。 公開されたのは「コルベットCX」と「コルベットCX.R ビジョン グランツーリスモ」の2台。両車とも市販化の予定はないものの、「これから何年にもわたって、コルベットのデザイン言語に影響を与えるインスピレーションの源になるモデル」とシボレーは説明。そのうえで、70年以上にわたるパフォーマンスの革新を背景に、アメリカンスポーツカーの伝統を称え、未来を切り拓いていくものだとしている。 GMモータースポーツ・エアログループとシボレー・パフォーマンス・スタジオの協業で設計されたエクステリアデザインは、究極のパフォーマンスを追求しながらも、コルベットを象徴する伝統的な要素はきっちりと押さえられている。前方に突き出したノーズに、ボディの上部と下部とを際立たせる水平に走るシャープなライン、歴代コルベットに共通するデュアルエレメントテールライトなどがそれだ。 一方で、動力面は世相を反映している。コンセプトカー「コルベットCX」は、伝統的なV8エンジンを捨て、EVになることを決断した。90KWhのリチウムイオンバッテリーを備え、4輪にそれぞれモーターを搭載。システム合計出力は2000馬力オーバーに達し、4輪トルクベクタリングで圧倒的なグリップとコーナリング性能を見せるのだという。 さらに、革新的な機構を採り入れることで、そのパフォーマンスを余すことなく路面に伝えようとしている。内蔵されたファンがオープンチャネル構造を通じて空気を吸い込み、強大なダウンフォースを発生させる「バキュームファンシステム」を採用するとともに、リヤディフューザー上の気流を調整して、リアルタイムで空力バランスを最適化する。 また、フロントディフューザーとリヤウイングは、どちらもドライバーの操作に応じて自動的に調整される。こうしたアクティブエアロとバキュームファンシステム、そして全輪モーターにより、コルベットは新次元の走りのステージへと駆け上がるのだ。これは、あくまでも市販予定のないコンセプトモデルでの話だが……。 インテリアは斬新で、アメリカ軍の最新鋭戦闘機F-35を彷彿とさせる前方開閉式キャノピーを採用し、ドライバーが車両に近づくと自動で上方に開く機構を備えている。当然車内は圧倒的なパフォーマンスに備えてドライバーオリエンテッドに設計され、ホールド性の高いシートや視線移動の少ないデジタルウインドウスクリーンを備えるほか、アメリカを代表するスポーツカーにふさわしいラグジュアリー性も兼ね備えている。 なお、コンセプトカー「コルベットCX」には、もうひとつのモデルが存在する。それが「コルベットCX.R ビジョン グランツーリスモ」だ。

TAG: #eモータースポーツ #コルベット #コンセプトカー #シボレー
TEXT:TET 編集部
2026年に登場を予定しているベントレーのEVを予感させるデザインスタディ! 伝統と電動化の未来をつなぐコンセプトカー「EXP15」を発表

独創的な3シート・3ドアパッケージ 世界を代表するラグジュアリーブランドが、来る2026年公開予定の100%電動モデルの登場を前に、その一部エッセンスを取り入れたコンセプトモデルを登場させた。EXP15と呼ばれるコンセプトモデルを発表したのは、イギリスの伝統的なラグジュアリーブランド「ベントレー」だ。 1930年製の3シータークーペ「ベントレー・スピードシックス」を創造的な祖としたコンセプトモデルとなるEXP15は、全長5mのおおらかなボディに直立した象徴的なグリル、ロングノーズのボンネット、後方に配置されたキャビンというクラシックなプロポーションを用いて、近未来のベントレー像を表現している。 EXP15にとって最大の特徴は、3シート・3ドアというユニークなパッケージングを採用していることだ。ベントレー曰く、この独創的なパッケージングは、「選ばれたユーザーに特別なドライビング体験を提供するだけでなく、荷物やペットのために設計」したものなのだという。 ドアは運転席側が1枚のロングドア、助手席側は観音開き式の2枚のコーチドアで構成されている。一方で、シートは運転席側がタンデムに2席、助手席側は1席のみとなる。 つまり、繭玉のように包み込むリヤシートは、助手席側が広大な前後スペースを備えた客人または婦人をもてなすための特等席となる。レイアウトも自在で、運転席と助手席が並列に配された「コ・パイロットモード」から、後部座席に相当する位置までスライドさせ、足元空間を大きく広げた「リラックスモード」まで、なんとも贅沢なスペースの使い方を可能にしている。 さらに、観音開き式のドアを採用したことで、助手席側のシートをドアに向けて45度回転させ、身をよじることなくスムーズに乗り降りすることができる機能を有している。英国紳士は婦人を伴って晩餐会に乗りつけたものの、ご婦人が潜り込んだ姿勢から苦労して降り立つ無様な真似だけはさせたくないのだろう。 リヤハッチを開けると、トランク内にふたつのコンパクトなシートが現れる。周囲を照らす雰囲気のあるランプや、冷たい飲み物を収納できる冷蔵庫が備わり、壮大な景色や星空を眺めながらグラスを傾けてほしいという粋な演出だ。 インテリアは「ウィングジェスチャー」と呼ばれる、羽を広げたベントレーのエンブレムをモチーフにした伝統的で優雅な空間が継承されながら、「ボールド・グラヴィタス」「コクーニング・ヘイブン」「アイコニック・ディテール」とベントレーが呼ぶ要素が取り入れられ、伝統と重厚さ、それにプライバシーを保ちながら上質な安心感を備える設計がなされている。 一方のエクステリアは冒頭でも申し上げた通り、見まごうことなきベントレーのそれで、一枚岩から削り出されたかのような圧倒的な存在感を放つ「モノリシック・プレゼンス」という考え方をベースに、彫刻的表現ともいえる表面処理により、ベントレーの現代的な造形美の進化を示している。

TAG: #コンセプトカー #デザイン #ベントレー

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