日産 記事一覧

TEXT:曽宮 岳大
EV世界初の試み。イギリスの探検家が「日産アリア」で北極から南極まで9ヵ月の冒険へ

日産自動車は、イギリスの探検家ラムゼイ夫妻が「日産アリア」に乗り、北極から南極までの冒険「Pole to Pole」に出発したと発表した。ラムゼイ夫妻は北極〜北米〜中米〜南米〜南極とアメリカ大陸を経由しながら、北極から南極までの約27,000kmの道程を9ヵ月かけて走り切る予定。EVによる北極から南極への移動は世界初の試みとなる。   悪路走行に必要な改造が施されるもパワートレインは市販車と共通 冒険に使用される車両は、日産自動車が提供し、極地走行用チューニングのエクスパートであるArctic Trucksが悪路の走行向けに必要な改造を施したもの。道中で直面する雪や海氷といった悪条件下も走行できるように39インチの大径スノータイヤを装着し、サスペンションにも専用のチューニングが施されている。巨大タイヤを大胆なオーバーフェンダーで覆ったその佇まいはスパルタン。SNSに公開されている映像では、雪の降り積もった凹凸の激しい路面を大径タイヤで踏みしめるように突き進む姿を見ることができる。   一方、バッテリーやパワートレインは市販車と共通のものを使用しており、電動四輪制御技術「e-4ORCE」を搭載する。   なお北極や南極といった充電環境のない場所では、風力発電機とソーラーパネルを備えたポータブル充電ユニットを使用する。この発電ユニットを積んだトレーラーを牽引し、休憩時に強風や日照時間の長さを使用して発電を行う計画だ。計画が順調に進めばEVによる極地移動の可能性が広がり、今後様々なシーンで応用されるかもしれない。   また、アリアにはエスプレッソマシンや気象観測機器、撮影用のドローンなど、旅に役立つアイテムを搭載しているという。なお、ラムゼイ夫妻の旅の模様はinstagram(poletopoleev)で見ることができる。 >>>次ページ EV経験が豊富なラムゼイ夫妻にとっても最大のチャレンジ

TAG: #アリア
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
日産自動車が「R32 GT-R」をEV化……デイリーEVヘッドライン[2023.03.29]

「脅威のハイテク戦闘機」をEVにコンバート 独自の4WD「アテーサE-TS」をどうするか 【THE 視点】日産は、「R32型 スカイラインGT-R」のEVコンセプトモデル「R32EV」を製作すると発表した。既存の「R32 GT-R」の車体を利用した「コンバージョンEV」となる。 「R32型」は8代目「スカイライン」として、1989年に発売された。中でも「GT-R」は実に16年ぶりの復活となり大きな話題を呼んだ。 「GT-R」のために専用設計された2.6L直列6気筒DOHCツインターボエンジン「RB26DETT」は、当時の国産車最強の280psを発生。駆動方式には、路面状況に応じて前輪に駆動力を配分するFRベースの電子制御4WD「アテーサE-TS」が採用された。 サスペンションも新開発の4輪マルチリンク方式を採用し、セダン派生型のスポーツカーとしては世界トップクラスの運動性能を実現した。1990年~1993年の全日本ツーリングカー選手権(JTC)では4シーズン29戦29勝0敗という戦績を残したことでも知られる。 「GT-R」は「アテーサE-TS」という独自の4輪駆動を採用し鉄壁の速さと技術の高さを証明していただけに、「R32 GT-R EV」もただ電動化しただけでは名折れになる。そこに日産の最新電動4WDシステム「e-4ORCE」を織り込むのかどうか、何よりRB26エンジンの強烈なインパクトを電動でどう表現するのか、フロントヘビーと言われる重量特性は変わるのか、期待が高まる。 「東京オートサロン2023」でのトヨタ「AE86 カローラ・レビン」のEVといい、人気のビンテージカーのEV化に注目が集まる中での発表なだけに、完成が待ち遠しい。また情報が入り次第お伝えしたいと思う。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★首都高、「都市計画駐車場」にEV用充電器を設置……汐留/日本橋兜町駐車場など計5カ所に普通充電器 ★★イーモビリティパワー、路上パーキングエリアにEV用急速充電器を設置……芝公園付近(東京都港区)と代官山付近(同渋谷区)の2ヵ所に ★アウディ、試乗会「Audi e-tron tour experience(半日プログラム)」を開催……5月12日(金)にインターコンチネンタルホテル大阪(大阪市北区)にて、「Q4 e-tron 」「e-tron GT」など計4車種を用意 ★公道対応の小型「EVトライク」が「蔦屋家電+」(二子玉川ライズS.C. テラスマーケット:東京都世田谷区)に展示……両備ホールディングスが取り扱い、前二輪・後一輪の三輪車[詳細はこちら<click>] ★テラモーターズ、大阪府交野市にEV充電器「テラチャージ」を導入……交野市役所はじめ公共施設計6箇所に ★米新興のルシード、「ルシード・エア」に「アップル・カープレイ」を標準装備化……「iPhone」の機能を車両側から利用可能に ★丸紅、世界初のEVタンカー「あさひ」がJ-クレジットに登録……CO2排出削減量を「クレジット」として国が認証 ★運送業向けDX推進企業のシステック、トラックの屋根を利用する太陽光発電「ロジソーラー」を発表……バッテリーに直接充電しオルタネーターの負担を低減

TAG: #GT-R #THE視点 #コンバージョンEV
TEXT:生方 聡
レベルの高い走り 乗り心地には要改善点も [日産アリア試乗記:その4]

EV専用プラットフォームを採用するアリアの走りをチェック。総じてレベルは高いが、改善すべきポイントも見えてきた。 低重心化のメリット EVの場合、背の高いSUVスタイルであっても、床下に重量のかさむバッテリーを搭載することで低重心化が図られ、走行時の安定性が確保されることが多い。アリアも例外ではなく、低重心化のメリットが見て取れる。 たとえば、SUVでは目立ちがちなロールやピッチングといった走行時の揺れは、このアリアではよく抑えられており、挙動は比較的落ち着いている。高速走行時の直進安定性も高く、目地段差を越えるときのショックも、さほど気にならない。ワインディングロードでは弱めのアンダーステアのおかげで、スポーティなドライビングが楽しめた。 ただし、荒れた路面を通過するような場面では、細かい上下動を伝えがちで、とくにリアからの軽いショックは気になるレベルだった。許容できる範囲ではあるが、今後のランニングチェンジで解消してほしいものだ。

TAG: #アリア
TEXT:生方 聡
「アリア」のベースグレードを買っても後悔しない? [日産アリア試乗記:その3]

アリアに用意される4グレードのうち、最もベーシックなB6 2WDでも動力性能は十分なのか。街中、そして高速道路で、その実力を試してみる。 シングルモーターでも十分な動力性能 ただしFFの弱点も 運転席に戻って、さっそく試乗を開始する。最近ではシートベルトを締め、ブレーキペダルを踏み、シフトレバーを操作するだけで運転の準備が整うEVが増えているが、このアリアはブレーキペダルを踏みながらスタートボタンを押す儀式が必要だ。 長年染みついた手順のあと、まずは「STANDARD」モードで走り出すことにする。アリアの場合、センターコンソールのタッチスイッチでドライブモードを切り替えることができるが、手元に視線を落とす必要があるので、走行中の操作は難しい。見やすい位置にスイッチを移動するか、あるいは物理スイッチを用意してほしいと思った。 クリープ走行ができるようオートブレーキホールドを解除してからブレーキペダルから足を離すと、アリアはゆっくりと動き出した。ここから軽くアクセルペダルを踏むと、EVらしさを前面に出さずに、比較的穏やかに動き出した。それでも加速にはスムーズで余裕が感じられ、そこからさらに踏み込むと、速度の上昇とともに伸びやかに加速するのが実に爽快である。一方、発進時にアクセルペダルを深く踏みすぎると、路面によっては前輪がホイールスピンすることも。高トルクのFF車にはよくあることで、滑りやすい路面では要注意だ。 ドライブモードを「SPORT」に変更すると、アクセルペダルに対するモーターの反応が素早くなり、ワインディンロードなどで積極的に運転するには好都合だ。一方、「ECO」を選ぶとSTANDARDと比較して反応は穏やかになるが、それでもまわりの流れに後れを取ることはない。

TAG: #アリア
TEXT:生方 聡
「アリア」のデザインに見る電気自動車らしさ [日産アリア試乗記:その2]

EV専用プラットフォームを用いるアリアには、これまでのクルマとは異なるデザインが採り入れられている。アリアを魅力的に彩るエクステリアとインテリアとは? クリーンさが際だつエクステリア かぎられたサイズのボディに、広い室内空間の確保と大容量バッテリーの搭載を両立させるため、EVの多くが背の高いSUVスタイルを採用している。アリアもその一例であるが、さらにEV専用プラットフォームを採用することで、パッケージの効率を高めている。 エンジンに比べてコンパクトなモーターを搭載するEVのアリアは、フロントオーバーハングを切り詰めることで、広い居住空間を確保した。また、エンジンルームの冷却が不要になるため、フロントマスクからラジエターグリルが省かれ、代わりに“シールド”と呼ばれるブラックのパネルを手に入れた。 さらに、クーペのようなルーフラインや張りのあるボディパネル、くっきりと浮かび上がるウェストラインなどにより、アリアのエクステリアは力強い印象に仕上げられている。強い個性を放ちながらクリーンさが際だつアリアは、“日産の新しい扉を開く”のにまさにふさわしいデザインの持ち主といえる。 居心地の良い室内 アリアのインテリアも実に個性的だ。運転席に座り、まず目を奪われたのがダッシュボードを横切るブラックの木目調パネル。その中央部分には空調のスイッチが浮かび上がり、面白いなと思う反面、操作性はどうなのかと少し不安になる。しかし、運転席から見やすく、手が届きやすい位置にあるため、使いにくいのではないかという心配はすぐに解消された。 ドライバーの前には2つの大型ディスプレイが配置されるが、直線的ではなく、S字状に連結されているのがユニークだ。ダッシュボード中央部のタッチパネルがドライバーに近づくぶん、操作性に優れるのがうれしいところだ。 モダンですっきりとしたデザインやソフトパッドにステッチが施されたダッシュボードなどにより、アリアのコックピットは上質さが感じられるとともに、居心地の良い空間に仕上がっている。

TAG: #アリア #デザイン
TEXT:生方 聡
「アリア」が挑むのは電気自動車の激戦区 [日産アリア試乗記:その1]

日産のクロスオーバーEV「アリア」のなかから、エントリーグレードのB6 2WDに試乗。“日産の新しい扉を開く”アリアとは、どんなEVなのだろうか。 一番ホットな市場へ いまやその姿を見ない日はないというくらい、ポピュラーなEVが日産リーフ。2010年に初代モデルが発売され、2017年には現行型の2代目に進化。このリーフが日本のEVの普及と充電インフラ整備を牽引してきたことは、誰の目にも明らかだろう。 そんなリーフの10年にわたる経験をもとに、2020年7月、“新時代の100%電気自動車”としてワールドプレミアを果たしたのが、クロスオーバーEVのアリアである。全長4,595×全幅1,850×全高1,655mmのアリアは、いわゆる“Cセグメント”のSUVであり、トヨタbZ4Xやスバル・ソルテラといった日本勢に加えて、ボルボC40/XC40リチャージ、メルセデス・ベンツEQB、アウディQ4 e-tron、フォルクスワーゲンID.4などの輸入車勢など、いま最もホットな市場に戦いを挑むことになった。 EVの激戦区に打って出るにあたり、日産はEV専用のプラットフォームを開発。2,775mmの余裕あるホイールベースと切り詰めた前後オーバーハングにより、他のライバル同様、塊感のあるフォルムを手に入れている。

TAG: #アリア
TEXT:福田 雅敏、ABT werke
日産、次世代型電動パワートレインのプロトタイプを公開……デイリーEVヘッドライン[2023.03.10]

EVとe-POWERの主要駆動部品を共通化 市販化後はコスト削減分をEVの車両価格に還元 【THE 視点】日産自動車は3月9日、EVとシリーズハイブリッド「e-POWER」の主要駆動部品を共用化しモジュール化した新開発のモーター一体型駆動装置(イー・アクスル)「X-in-1」の試作ユニットを公開した。 2026年までに2019年比でコストを30%削減した本パワートレインを採用し、EVと「e-POWER」の競争力をさらに向上させるという。モーター/インバーター/減速機の3つの部品をモジュール化したEV用の「3-in-1」を開発し、2030年にはEVをエンジン車並みのコストにしていくとのこと。 日産は、2010年に初代リーフを世界に先駆けて、量産EVとして販売を始めた会社である。それから十数年、世界ではどんどんと新型EVが発売されてきた。リーフも第2世代にはなったものの、パワートレイン等は旧型に近い構成で、特に海外の最新EVには後れを取っている。 今回EV用「3-in-1」のパワートレイン、いわゆる「イー・アクスル」を開発したことで、ようやく追いつく見通しだ。また2030年には車両価格もエンジン車並みとすることなので、2028年には量産予定とされる「全固体電池」の搭載を見込んでの話だろう。 まずは今回発表のイー・アクスルを搭載したモデルが出れば、テスラやラムのピックアップトラックのように、フランク(フロントのトランク)のスペースも確保出来るかもしれない。しかしそういった利便性の改善が可能かどうか明らかになるのはもう数年待たなけれならない。日産はもう少し早く出せないものだろうか? (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★フォルクスワーゲン、EV版「ワーゲンバス」の「ID.Buzz」の日本導入を決定……2024年末以降[詳細はこちら<click>] ★★エネチェンジ、マンションの専用駐車区画へのEV用充電器導入を支援……導入費用・電気料金を全額負担する「マンション専用車室ゼロプラン」を開始[詳細はこちら<click>] ★アイダ設計、EVを非常用電源として使えるオプションパックを販売開始……EVから電源を供給する「住宅用安心給電キット」とEV用200Vコンセントをセットに[詳細はこちら<click>] ★災害対策用の発電機をEV充電向けに活用するビジネスが開始……東西商事が内燃エンジンのポータブル発電機「ベクター」の日常活用を提案、導入団体が充電利用者に課金[詳細はこちら<click>] ★充放電の電流を配電部品(バスバー)の磁界で検知……サンコールが「磁器式電流センサー」を新開発、高精度なセンシングで航続距離の延伸などが可能に ★ブレイズ、自社製電動モビリティの第2回試乗会を開催……3月16日(木)〜18日(土)、東京ショールーム(東京都千代田区)にて ★ボルボグループの米マック・トラックス、同社初の中型EVトラック「マック MD エレクトリック」を発売……最高出力194kW(264ps)/最大トルク2,509Nm(255.3kgm)、バッテリー容量は150kWhおよび240kWh ★トヨタ、デンソー福島工場に水素発生用水電解装置を設置……「ミライ」や「ソラ」のFCスタックを流用

TAG: #THE視点 #X-in-1 #イー・アクスル
TEXT:福田雅敏、ABT werke
北米日産がEVのトレーラーを用いた新車輸送を実施……デイリーEVヘッドライン[2023.03.01]

BEVの大型トレーラーで新車を輸送 米国初の取り組み 【THE 視点】日産は、北米において電気自動車(EV)のトレーラーを活用した新車の輸送を開始した。ロサンゼルス港(カリフォルニア州)から同地域内のディーラーに対して新車の輸送を試験的に行なっている。最初の輸送では「アリア」が運ばれたという。 大型EVトラックは、クラス8(15トン以上)に分類されるカテゴリーで、アメリカのEVトラックメーカーである「Nikola(ニコラ)」と老舗「Kenworth(ケンワース)」の車両が使用されている。 EVトラックなど商用車のEV化も進むアメリカだが、大型EVトラックを用いた新車の輸送では北米で初だという。 大型トラックを含め商用車は、その大きさやバッテリー搭載量が多いことから、充電インフラが課題となる。そのサポートは、日産の物流パートナーであるワレニウス・ウィルヘルムセン社が協力しているとのこと。 港湾の低炭素化も問題となっているなか、この取り組みはその問題解決にも貢献でき一石二鳥の成果が期待できるのではないだろうか。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★ホンダ、リチウムイオン・バッテリー用リサイクル資源を北米で安定調達へ……バッテリーリサイクル企業の米アセンド・エレメンツと協業に合意 ★BMW、燃料電池車(FCEV)の「iX5 Hydrogen(ハイドロゲン)」のパイロットモデルを発売……トヨタ製燃料電池(FC)システムを搭載 ★ ホンダ、「大阪/東京/名古屋モーターサイクルショー2023」に電動スクーターを出展……コンセプトモデルの「EM1 e:」、バッテリー交換式「Honda Mobile Power Pack e:(モバイル・パワー・パック イー)」を採用した原付一種クラス ★鎌倉駅前に「電動トゥクトゥク」のレンタルステーション「えもび鎌倉」をオープン……スタートアップ企業「eMOBI(エモビ)」が展開、2023年夏までに20台を導入予定 ★羽田空港で自動運転バス「ARMA(アルマ)」を長期運行中……自動運転バス企業BORDLY(ボードリー)などが実証中、複合施設「HANEDA INNOVATION CITY(羽田・イノベーション・シティ)」と第3ターミナル間で3月31日まで ★MINI(ミニ)、特別モデル「MINI Cooper SE Resolute Edition(ミニ・クーパーSE・リゾルート・エディション)」を本国で発売……グリーンのボディカラーにボンネット・ストライプの採用など ★商用EVの普及を目指す一般社団法人「EV100ラストワンマイルを実現する会」が設立……商用EVのHW ELECTRO(HWエレクトロ)、花キューピットなど加盟 ★パナソニック、グループ企業が展開する住宅「テクノストラクチャー」にV2H蓄電システム「eneplat(エネプラット)」仕様を追加 ★豊田通商傘下のネクスティ・エレクトロニクス、電動車のリユースバッテリーを束ねた「大容量スイープ蓄電」システム向けの「基盤」を開発……リユースバッテリーの容量のばらつきを制御し各々を使い切るシステム ★コンチネンタルタイヤ、電気自動車(EV)に対応した「プレミアム・コンタクト7」を発売……コンフォートタイヤのフラッグシップ、重量のあるEVでも安全性と安定性を確保[詳細はこちら<click>]

TAG: #THE視点 #商用EV #福田雅敏
TEXT:福田雅敏、ABT werke
日産がEVを含む電動車を拡充、2030年の当初予定を増加……デイリーEVヘッドライン[2023.02.28]

「Nissan Ambition 2030」に向け電動化車種を大幅に増加 電気自動車(EV)19車種を含む27車種展開へ 【THE 視点】日産は、2022年に発表した長期ビジョン「Nissan Ambition 2030(ニッサン・アンビション2030)」を見直し、電動化戦略をさらに加速させると発表した。 電動化をより一層推進していくため「Nissan Ambition 2030」で公表した2030年までに投入する電動車両のモデル数を拡充。従来の「15車種のEVを含む23車種」との発表を「19車種のEVを含む27車種」とした。 これはインフィニティを含むグローバルでの車種展開であるが19車種のEVとはかなり多い。2030年までにということはあと6年余り。毎年3〜4車種の電動モデルが発売される計算となる。 日本でどれだけ販売されるか不明だが、ここのところは日本での販売車種が絞られてきた傾向にある日産自動車なので、海外同様にラインナップを拡充してほしい。 展開車種を想像すると、次期「GT-R」がいきなりEVとなるとは考えられないので、ハイブリッド車(HV)になるのではと想像する。しかし次期「スカイライン」などは、EV化されるのではないだろうか。 同様に「シルビア」や「ブルーバード」クラスの小型車(5ナンバーサイズ)のほか、「ステージア」以降はステーションワゴンもラインナップにない。「マーチ」も消えたままだ。これらのモデルをはじめ、ついでにピックアップトラックやオープンカーも、これを機にEVとして見直しても良いのではないだろうか。 ここのところ値上げと納期遅延が相次いでいる日産のEV。補助金に頼らず購入できるような魅力的なEVをリーズナブルな価格で早く出してほしいものだが、いずれにせよ今後の日産から目が離せなくなってきた。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★★HW ELECTRO(HWエレクトロ)とENEOS WING(エネオス・ウイング)が業務提携……小型商用EV「ELEMO」シリーズを全国に販売しメインテナンス体制も拡充 ★★トヨタ、燃料電池モジュールの供給先を新たに決定……フランスのトラック企業「Hiliko」向けに ★プロテリアル(旧日立金属)、「窒化ケイ素基盤」を増産……EV向けパワー半導体に使う重要部材 ★水素・燃料電池の展示会「FC EXPO 春 2023」が開催……3月15日(水)〜17日(金)の間「東京ビッグサイト(東京都江東区)」にて

TAG: #THE視点 #日本メーカー #福田雅敏
TEXT:栁 蒼太
「サクラ」「リーフ」などがレンタカーでお得に! 基本料金40%OFFの大チャンス

関西圏の輸入車ディーラーなど大きな経営規模を備えるGLIONグループ(ジーライオングループ 兵庫県神戸市)が運営するレントオール株式会社サンコーレンタカーは、2023年2月25日(土)から2023年3月5日(日)に開催される「GLION 39 Fair 総力祭」に合わせ人気の電気自動車のレンタル基本料金を特別価格で提供する。 期間限定キャンペーン サンコーレンタカーは個人での利用からビジネスまで、バラエティ豊富な車種を提供している。同社のグループ会社が開催する「GLION 39 Fair 総力祭」にあたり、人気車種である日産サクラ、日産リーフをはじめとするEVのレンタカーの基本料金を最大で40%オフにするキャンペーンを実施する。対象は、 2023年2月25日(土)から2023年3月5日(日)に予約をした場合だ。なお、返却の際に満タン充電する必要はない。遠出をする場合、充電カードの(550円/日)貸出しもある。 <価格例> (日産サクラ) 6時間 12時間 24時間 通常価格 ¥7,150 ¥8,250 ¥9,900 キャンペーン価格 ¥4,290 ¥4,950 ¥5,940 免責補償料は1100円。 (日産リーフ) 6時間 12時間 24時間 通常価格 ¥13,200 ¥15,400 ¥17,600 キャンペーン価格 ¥7,920 ¥9,240 ¥10,560 免責補償料は1650円。   日産サクラのでおすすめ利用例 サクラをレンタルした場合、どのような使用ケースがあるだろう。おすすめしたいのは、「身近なお買い物」だ。遠出は、あまり向いていない。 ここで、筆者が実際に、レンタカーとしてサクラを借りた経験を交えて紹介したい。(ニコニコレンタカーで借りた。)その際は、街乗りに加えて、高速道路を利用した片道140kmを超えるロングドライブを試した。 ちなみに、サクラの航続距離はWLTCモードで180km。実測値に近いとされるEPA換算だと150km弱。走行性能は、80km/hを超えた辺りから気になる風切り音以外は、高速域でも安定して走行できる上、プロパイロット搭載車であれば、疲労具合も少ないだろう。しかしながら、航続距離が短いため、片道だけで急速充電器を2回利用した。それぞれ、サービスエリアや道の駅の急速充電で30分充電し、80%ほどの充電にして再スタートに臨んだ。 充電時間によって片道で1時間増えるとなると、非常に時間を取られてしまう。それぞれのスポットで買い物やレジャーの計画を立てられるならば、遠出もできるかもしれないが、それが叶わない場合は、近場のお出かけに止めるのが良いかもしれない。 日産リーフのおすすめ利用例 それでは、リーフの場合はどうだろう。おすすめは「長距離を伴うお買い物」「ちょっと遠い観光」だ。サクラと比べて、航続距離に長けるリーフは、長距離でも安心の相棒になるだろう。 こちらも、筆者自身が実際利用した経験がある。走行性能としては、航続距離がある程度確保でき、フルで人が乗車をしたとしても軽やかに加速することができる。また、荷物がたくさん積載できる上に、シートヒーターなどの快適性能も充実しているため、同乗者にも嬉しい車となっている。ある意味、日常生活での利用では、オールマイティに対応することができるといえるだろう。 春のドライブにEVはいかがでしょう EVは静かな移動空間を作ってくれる。家族や友人を誘ってEVを利用すれば、会話がはずみ、いつものお出かけがより豊かになるかもしれない。EVで新生活のための買い出しやお花見などに出掛けてみるのはどうだろう。   <キャンペーン適用条件> ※お得な情報がメールで届くCLUB GLIONにご登録をお願いします ※2023年2月25日(土)から2023年3月5日(日)にご予約いただいた方(出発日は期間外でOK)  

TAG: #サクラ #リーフ #レンタカー
連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本は3年連続「日産サクラ」がトップ! じゃあ中国・欧州・アメリカで一番売れてるEVってなにか調べてみた
電気自動車って「お金的に」得? エンジン車と諸々の費用を比べてみた
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
more
ニュース
これまでに40万人が参加したeモータースポーツイベント! 「Honda Racing eMS 2025」の開催が決定
ついに「コルベットがEV」に!? 2種類のコンセプトカーでシボレーが未来のハイパフォーマンスカー像を描く
ホンダが2026年に発売予定の新型EVは「アシモ」も搭載! アキュラRSXプロトタイプを米国・モントレーで初披露
more
コラム
マイクロEVには「ミニカー」「側車付き軽二輪」と法的に分類される2種がある! それぞれの免許や保険は走れる場所の違いとは?
4つ輪エンブレムじゃなく「AUDI」! VWは「ID.UNYX」! ワーゲングループが中国のZ世代獲得に動く!!
ガソリン車よりも安くね? ジーリーの6人乗り大型SUVのEV「M9」のコスパが「嘘だろ」レベル
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
マンションでもEVが身近になる! 官⺠連携で既存マンション全274駐⾞区画にEV充電コンセントを導⼊した事例リポート
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択