日産自動車は、イギリスの探検家ラムゼイ夫妻が「日産アリア」に乗り、北極から南極までの冒険「Pole to Pole」に出発したと発表した。ラムゼイ夫妻は北極〜北米〜中米〜南米〜南極とアメリカ大陸を経由しながら、北極から南極までの約27,000kmの道程を9ヵ月かけて走り切る予定。EVによる北極から南極への移動は世界初の試みとなる。
悪路走行に必要な改造が施されるもパワートレインは市販車と共通
冒険に使用される車両は、日産自動車が提供し、極地走行用チューニングのエクスパートであるArctic Trucksが悪路の走行向けに必要な改造を施したもの。道中で直面する雪や海氷といった悪条件下も走行できるように39インチの大径スノータイヤを装着し、サスペンションにも専用のチューニングが施されている。巨大タイヤを大胆なオーバーフェンダーで覆ったその佇まいはスパルタン。SNSに公開されている映像では、雪の降り積もった凹凸の激しい路面を大径タイヤで踏みしめるように突き進む姿を見ることができる。
一方、バッテリーやパワートレインは市販車と共通のものを使用しており、電動四輪制御技術「e-4ORCE」を搭載する。
なお北極や南極といった充電環境のない場所では、風力発電機とソーラーパネルを備えたポータブル充電ユニットを使用する。この発電ユニットを積んだトレーラーを牽引し、休憩時に強風や日照時間の長さを使用して発電を行う計画だ。計画が順調に進めばEVによる極地移動の可能性が広がり、今後様々なシーンで応用されるかもしれない。
また、アリアにはエスプレッソマシンや気象観測機器、撮影用のドローンなど、旅に役立つアイテムを搭載しているという。なお、ラムゼイ夫妻の旅の模様はinstagram(poletopoleev)で見ることができる。
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