アリアに用意される4グレードのうち、最もベーシックなB6 2WDでも動力性能は十分なのか。街中、そして高速道路で、その実力を試してみる。
シングルモーターでも十分な動力性能 ただしFFの弱点も
運転席に戻って、さっそく試乗を開始する。最近ではシートベルトを締め、ブレーキペダルを踏み、シフトレバーを操作するだけで運転の準備が整うEVが増えているが、このアリアはブレーキペダルを踏みながらスタートボタンを押す儀式が必要だ。
長年染みついた手順のあと、まずは「STANDARD」モードで走り出すことにする。アリアの場合、センターコンソールのタッチスイッチでドライブモードを切り替えることができるが、手元に視線を落とす必要があるので、走行中の操作は難しい。見やすい位置にスイッチを移動するか、あるいは物理スイッチを用意してほしいと思った。
クリープ走行ができるようオートブレーキホールドを解除してからブレーキペダルから足を離すと、アリアはゆっくりと動き出した。ここから軽くアクセルペダルを踏むと、EVらしさを前面に出さずに、比較的穏やかに動き出した。それでも加速にはスムーズで余裕が感じられ、そこからさらに踏み込むと、速度の上昇とともに伸びやかに加速するのが実に爽快である。一方、発進時にアクセルペダルを深く踏みすぎると、路面によっては前輪がホイールスピンすることも。高トルクのFF車にはよくあることで、滑りやすい路面では要注意だ。
ドライブモードを「SPORT」に変更すると、アクセルペダルに対するモーターの反応が素早くなり、ワインディンロードなどで積極的に運転するには好都合だ。一方、「ECO」を選ぶとSTANDARDと比較して反応は穏やかになるが、それでもまわりの流れに後れを取ることはない。
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