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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2023.01.05]

  VW、新型セダン「ID.7」のプロトタイプを「CES 2023」で公開 【THE 視点】フォルクスワーゲンは新型EVセダン「ID.7」のプロトタイプを発表した。実車は1月5日、米国ラスベガスで開催する「CES 2023」で初公開される予定。  「ID.7」は、「ID.4」などと共通する「MEBプラットフォーム」初のEVセダンモデルで、2026年までに発売予定の10車種のニューモデルのひとつだという。  バッテリー容量は不明だが、「ID.AERO」と呼ばれる空力性能に優れたボディにより、最大約700km(WLTPモード)の航続距離を持つ。  室内では、ユーザーエクスペリエンスを向上させた多くの革新的装備が搭載されるという。15インチの新しいディスプレイ、拡張現実ヘッドアップディスプレイ、インフォテインメントシステムと一体設計された空調コントロール、照光式タッチスライダーなどを採用するとしている。  「ID.4」が発売されたばかりの日本だが、ID.シリーズ全体では既に世界で50万台が納車されているという。「ID.7」も日本への導入が待ち遠しい一台だ。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ★ソニー・ホンダモビリティ、初のEV「アフィーラ」プロトタイプをCES2023で公開……2025年前半に先行受注開始[詳細はこちら<click>] ★ボルボ、「EX90」をCES2023で初公開……7人乗りのSUV、グーグル内蔵のインフォテインメントシステムを搭載[詳細はこちら<click>] ★豊田自動織機、トヨタ「RAV4 PHEV」ベースのカスタマイズモデル3台を「東京オートサロン2023」に展示……「アドベンチャー」「オフロード」「スポーティ」がコンセプト ・ヒョンデ、自動運転のロボタクシーがラスベガスを走るイメージ映像を公開……「アイオニック5」がベース ・「ADAC オペル e-ラリーカップ 2023」の最終戦がWRCと併催決定……「コルサ eラリー」によるワンメイクラリー ・エヴァラティ、ポルシェ「911」(964型)を純EV化……507psのモーターを搭載、既存のエンジン車を換装 ・フィアット、メタバースストアを本国で開設……「500e」も購入可能 ・ボッシュ、電動パワートレインの「イーアクスル」をCES2023に出展……メインとしてもサブとしても使用可能な高効率機 ・メルセデス・ベンツ、工場の設計や計画に「エヌビディア」の仮想空間プラットフォーム「オムニバース」を採用……AIによる生産技術を共同開発 ・エヌビディア、台湾の「フォックスコン」とパートナーシップ締結……自動運転に対応するECUなどを提供

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.28]

  ニオ、新型SUV「EC7」と「ES8」を本国で発売 【THE 視点】中国のニオ(NIO)は、EVのフラッグシップクーペSUV 「EC7」とEVのフラッグシップSUV「ES8」を発売した。いずれのモデルもニオの第2世代プラットフォームを使用、デザイン、パフォーマンス、快適性、インテリジェンス、安全性の高さが期待される。 「EC7」は、300kW(408ps)と180kW(245ps)のモーターを搭載し、わずか3.8秒で0から100km/hまで到達する。 空気抵抗係数(CD値):0.230と低く、標準で 「アクティブアジャスタブルリアウィング」が装着され、空気抵抗の低減とともにダウンフォースが向上する。 「ES8」は6人乗りのSUVで「EC7」同様、合計で最高出力480kW(653ps)のモーターを搭載する。加速性能は、 0-100km/h加速で4.1秒となる。 いずれのモデルもバッテリー容量は、75kWh、100kWhと150kWhから選択でき、500kWの超急速充電とバッテリー交換式にも対応している。 デリバリーは2023年の5月以降となる。欧米にも輸出されているニオの日本上陸も期待したい。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・トヨタやいすゞなどが出資する「CJPT(コマーシャル・ジャパン・パートナーシップ・テクノロジーズ)」、福岡県と燃料電池車両導入拡大に向け協力……トラック、商用、公用車へFCモビリティの導入企画と実行 ・キャデラック、往年のシンボル「ゴッデス」を旗艦EV「セレスティック」に設定……「飛ぶ女神」をハンドメイドで再現 ・TBS、水素中継車をニューイヤー駅伝に導入……トヨタと共同開発、マイクロバス「コースター」に「ミライ」用FCスタックを搭載した世界初の燃料電池中継車 ・エネチェンジ、三井住友銀行などから15億円を調達……充電インフラ事業へ投資し普及を加速 ・ベクトリクス、「第15回オートモーティブワールド」に出展……小型3輪商用BEV「I-カーゴ」を展示

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.27]

  MKタクシー、BMW「i7」と「iX」をハイヤー車両として導入 【THE 視点】MKタクシーを運行する京都MKと東京MKは、貸切専門のハイヤーとして京都MKがBMW「i7」10台と「iX」5台、東京MKが「i7」20台を導入し、12月23日より順次稼働を開始したと発表した。 BMWグループは、2030年までに全世界の販売台数以上をEVにするという目標を掲げて、「i3」を2013年に発売以降、EVとPHEVを展開してきた。昨年は「iX3」「iX」、今年は「i4」「i7」とEVモデルも増加している。 京都MKは2025年に保有車両の30%をEVとし、2030年までに全車EV化を目標に掲げている。東京MKは2025年までにドライバー疲労軽減を目的に、全車、自動運転レベル3〜4相当の機能を持つ車両を採用することを目指している。 今回、より多くの人々に最先端のEV体験を提供したいとの思いから、「i7」「iX」の導入を決定したという。 筆者は「i7」の試乗はまだだが、「iX」は試乗済み。「 iシリーズ」の第2世代のモデルだけあり、完成度が非常に高い。読者の皆様にもぜひ、BMWの「i7」「iX」を体験して頂きたいと感じている。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・ニオ、新型SUV「EC7」と「ES8」を発売……「EC7」はクーペスタイル、「ES8」は3列シート ・宮崎市、グリーンスローモビリティ「グルッピー」が国土交通大臣表彰……定時定路線で本格運用を開始したことなどが評価 ・フォルクスワーゲン、「ID.4」の先行受注を12月22日に開始……標準グレードを前倒しで受注、2023年度第2四半期以降に発売 ・CATL、ドイツ工場がリチウムイオン・バッテリーセルの生産を開始……年間8GWhを生産 ・日産、米国でAR体験の新サービス……アカデミー賞女優のブリー・ラーソンを起用し「アリア」「リーフ」、そして「フォーミュラE」マシンを紹介 ・昭和電線ケーブルシステム、EV市場に参入……バッテリーの高圧ハーネスに代わる車載バスバー用被覆付き平角線を開発 ・日本海ガス絆ホールディングス、日本海ガスとアークエルテクノロジーズ3社共同でEVスマート充電サービスの実証事業を開始……複数社メーカーを利用した「EV車両・EV充電器・通信制御プロトコル」に対する遠隔制御自動充電を実施 ・芙蓉総合リース、EVモーターズ・ジャパンと資本業務協定を締結……国内組み立て工場新設や車両開発などに充当

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.26]

  ガチャコ、東京、城南エリアでバッテリー交換式EVスクーターのシェアサービスを開始 【THE 視点】OpenStreet株式会社(オープンストリート)と株式会社Gachaco(ガチャコ)は、業務提携により、バッテリー交換式EVスクーターのシェアリングおよびバッテリーシェアリングを12月23日より開始した。 ガチャコが展開するバッテリー交換式EVスクーターと交換ステーションおよびバッテリーシェアリングを、オープンストリートが展開するシェアモビリティプラットフォーム「ハロー・モビリティ」に導入する。 この業務提携により、バッテリー交換式EVスクーターをシームレスに利用できるようになる。まずは、フードデリバリーや日用品のクリック・デリバリーといった短距離配送業者向けに提供していくという。 東京都の城南エリア(港区・品川区・目黒区・大田区・世田谷・渋谷区)を皮切りに、順次スクーターの台数とガチャコステーションの設置場所を拡大していく。 ガチャコはこれまでに、ホンダ本社の青山ビル(東京都港区南青山)と「ホンダドリーム豊中」(大阪府豊中市)に試験導入済み。エネオス、ホンダ、カワサキ、スズキ、ヤマハ発動機などが出資していることから、今後ますます車両とネットワークの拡充が期待できる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・BYD、「東京オートサロン2023」に出展……「アット3」ほか日本導入予定の「ドルフィン」「シール」を展示 ・日産、愛知県清須市と連携協定……EVを活用し脱炭素化と災害対策の強化をはかる ・ホンダ、北米の「アキュラ」ブランドの新型EV「ZDX タイプS」のプロトタイプを公開……GMと共同開発のパフォーマンスSUV ・メルセデス・ベンツ、「CES 2023」で電動化戦略について発表……北米市場向けのドライバー支援の進展についても ・イタリアの新興EVメーカーの「アエラ(Aehra)」、発売予定のSUV「アエラSUV」の内装を公開……4人と5人乗りが選択可能でオフィスやホームシアターモードも用意 ・第一工業製薬、負極用水系複合接着剤を開発……シリコン系に代わる接着剤「エレクセルCRシリーズ」で長寿命化、1000回以上の充放電後でも電極構造が安定 ・EMデバイス、東北大学内に次世代EVリレーの開発拠点「NEXEM アドバンスト テクノロジーセンター」を設置……より軽量かつ高性能で高電圧・高電流対応のリレーの実用化を目指す ・BMW、ラインオフ200万台目の「7シリーズ」は「i7 xDrive60」……ドイツのディンゴルフィング工場で ・昭和電工、リチウムイオン・バッテリー用導電補助剤「VGCF(気相法炭素繊維)」の生産能力を増強……2023年10月から川崎事業所の生産能力33%増の年間400トンに

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.23]

  日産、「リーフ」と「サクラ」を2月1日より値上げ……原材料費などのコスト高騰を反映、三菱「eKクロス EV」も 【THE 視点】日産自動車は、受注を一時停止していた「サクラ」と「リーフ」について、12月22日に受注の再開と価格の改定を発表した。 「サクラ」は249万7,300円から、「リーフ」は408万1,000円からとなり、「リーフ」の上級グレードの「e+」では、最大100万円以上の値上げとなり500万円を超える。 また、三菱自動車も「ekクロス EV」「アウトランダーPHEV」の価格改定を発表した。 EVは、バッテリーコストが車体の原価の3分の1を占めるとされ、原材料のリチウムやコバルトの高騰が大きく影響し、世界的な原材料費や物流費などの高騰が値上げの理由だとしている。 「サクラ」と「ekクロス EV」は、今年6月に発売されたばかりだが、わずか半年で値上げとなった。 「リーフ」については400万円を超えたことで、リーズナブルな輸入車EVと同じ土俵で争うことになり、購入検討者は日本車か輸入車かで悩むことになる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・三菱、「アウトランダー」と「eKクロス EV」を2月1日より値上げ……「アウトランダー」は現行価格比22万円高の484万1,100円〜、「eK クロス EV」は14万8,500円高の254万6,500円〜 ・ マルチスズキ、「オートエキスポ2023」でSUV型のEVコンセプトモデルを出展 ・アウディ、「Q6 e-tron」を2023年から生産開始……独インゴルシュタットの工場で ・ポルシェ「タイカン・ターボS」の高級カスタマイズカーが「東京オートサロン2023」に出展……「ブラバス」によるカスタマイズモデル ・ステランティス、駆動用モーターの生産を増強……2024年までに100万基以上、「プジョー e-208」や「オペル・モッカエレクトリック」などに搭載 ・ヤマハ、電動モーターの試作を受注……IHIからタグボート用のZ型推進装置向けに ・BASF、トヨタとパナソニックの合弁会社「PPES」のサプライヤーに……ニッケル・コバルト・マンガン系正極材を納入 ・グッドイヤー、「イーグルF1 アシンメトリック5」がメルセデス・ベンツ「EQS」に純正装着……欧州グッドイヤーが開発したスポーツタイヤ ・ビンファスト「VF8」999台がカリフォルニアに到着……米国向けの限定モデル「シティエディション」

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.22]

  ・ テラモーターズ、コインパーキングに充電設備を無償提供……EV充電のインフラ整備を加速 【THE 視点】テラモーターズは、コインパーキング向けに充電器を無料で提供する事業者向けのプランを開始した。 EV充電インフラのための補助金は、5年前後の保有義務期間があるものが中心。遊休地活用策であるコインパーキングでは、2、3年で土地の用途が変わることが多く、補助金の活用が困難で充電器の導入が進まなかった。 今回のプランは、そんなコインパーキングにおいても、EV充電インフラの導入がしやすい環境の構築を目指す。 既設への導入工事は1箇所あたり100万円前後の費用が掛かるというが、新設時にまとめて工事を行うことで、工費の圧縮、設計の簡便化が可能になるという。なおテラモーターズは、高性能かつ安価なEV充電インフラ「テラ・チャージ」を独自開発しており、今回のプランにも活用する。 テラモーターズはこれまでも、ホームセンターやパチンコ店、ホテルなどに充電器を無料で提供をしており事業を急拡大してきた。そのアイディアに毎回驚かされるが、今回はコインパーキング事業者を抱き込むことで、パーキング事業者とEVユーザー双方にメリットをもたらすことになる。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・ソニー・ホンダモビリティ、「CES2023」で新発表……ティザーサイトに新型モデルのシルエットを公開 ・日立エナジー、フランス・クレルモン-フェラン市のEV路線バス向けの超高速充電システム「Grid-eMotion Flash(グリッド-eモーション・フラッシュ)」を受注……停留所で極短時間充電、車両はスイスの「HESS(ヘス)」製 ・EVモーターズジャパン、「グリーンスローモビリティ」をラインナップに追加……20km/h未満で移動する4〜6人乗りの小型EV ・メルセデス・ベンツ、「メルセデスAMG EQS」にビスポーク「マヌファクトゥール」を適用……独本国で導入、専用のオプションを豊富に用意 ・テクトムとアークエルテクノロジーズ、EVスマート充電サービスで業務提携……複数台のEVの充電を最適化するシステム「EVフリートマネジメント」を開発 ・日産、電動パワートレインの設計・開発業務をグループ企業のジヤトコに拡大……電動パワートレインの需要拡大に対応 ・日産、「東京オートサロン2023」の出展概要を公表……「ニッサン e-シェアモビ」向けの「サクラ」「アリア」などを展示 ・HW エレクトロ、「東京オートサロン2023」に出展……商用EVの「エレモ」「エレモ-K」を展示

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.21]

  ・ オペル、「モッカe」を改良し「モッカ・エレクトリック」に改名 【THE 視点】オペルはコンパクトSUV「モッカ」のEVモデル「モッカ・エレクトリック」を欧州で発表した。従来の「モッカe」から改称され、仕様も一部変更された。 搭載されるモーターは、最高出力115kW(156ps)、最大トルク260Nmを発生。新開発のバッテリーは、蓄電容量を54kWhに大容量化した。これにより一充電あたりの航続距離は、従来の338kmから406kmに延びている。 オペルは一度日本市場から撤退したが、ステランティス・グループ傘下となり日本への再上陸が発表されている。既に日本版の公式WEBも公開済みだ。 日本向けのラインナップには「モッカ」の1.2Lガソリンエンジン仕様が用意されており、EVモデルの導入も待たれる。 このセグメントには、先日発表されたBYDの「アット3」もいる。もし「モッカ・エレクトリック」が日本に導入されれば激戦は必至である。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・フォード、EVピックアップトラック「F-150 LIGHTNING(ライトニング)」が米国「モータートレンド・トラック・オブ・ザ・イヤー」を受賞……全審査員の満場一致で ・米高級EVブランドの「ルッシード」、オランダに進出……アムステルダムに第1号販売店を開設、ユーロNCAPも最高の五つ星を獲得 ・アウディ、将来の生産計画を発表……2029年にはすべての生産拠点で最低1車種のEVモデルを生産、2033年までにエンジンモデルの生産を段階的に廃止 ・ポールスター、「3」のドライバー監視システムを「CES2023」でデモンストレーション……眠気などを検知し緊急停止も ・ヒョンデ、SUVモデル「コナ」の新型を本国で発表……エンジンモデル、HEV、EVと多様なパワートレインをラインナップ ・伊藤忠、ZFジャパンと合弁会社を設立……車載用リチウムイオン・バッテリーのリサイクルや小型商用EV向けソリューションの開発など目指す ・ブリヂストン、タイのノンケー工場に太陽光パネルを設置……グループ最大規模で総発電能力9.95MWp

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.20]

  ・メルセデス・ベンツ、SUVの「EQE SUV」の受注開始を発表……高性能グレード「メルセデスAMG」の「EQE 43 4MATIC SUV」から受注開始  【THE 視点】メルセデス・ベンツのミドルクラス新型電動SUV「EQE SUV」。その中の高性能グレードであるメルセデスAMG「EQE 43 4MATIC SUV」の受注が開始された。2023年春にはさらなるモデルがオーダーできるという。 ベース車両のEQE SUVの「EQE 500 4MATIC」のEVパワートレインを強化。搭載されるモーターは、最高出力が350kW(476ps)、最大トルクが858Nmに引き上げられている。 性能は、0―100km/h加速4.3秒、最高速210km/hを発揮する。 ベースのメルセデス「EQE SUV」から、モーター出力もバッテリー性能などにも手が加えられたAMG仕様は、今後のEVの高性能化の見本となるはずである。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・トヨタ、「ミライ」を改良……「ディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)プラス」を装備 ・ボルボ、EVトラックのラインナップを拡充……「FH」「FM」「FMX」を2023年3月から生産開始、ダンプ、クレーン、ゴミ収集車など多くの用途に対応 ・アウディ、「Q8 e-tron」の生産を開始……ベルギー・ブリュッセル工場にて ・北米トヨタ、米国テキサス州でのEVから電力を供給する「V2G(ヴィークル・トゥ・グリッド)」の実証実験を発表……地元の電力会社「Oncor(オンコー)」と協力 ・トーヨータイヤ、「アウディS1 quattro(クワトロ)」をオマージュしたEV「S1 e-tron quattro Hoonitron(S1 e-トロン・クワトロ・フーニトロン)」を「東京オートサロン2023」に展示……ドライバー、ケン・ブロック選手のトークショーも ・井原慶子氏がCEOを務める「Future(フューチャー)」、大阪万博での「次世代都市交通実証実験」に参画……電動パーソナルモビリティFuture「GOGO!シェア」の試乗会等を開催 ・ユビ電、「御殿場プレミアム・アウトレット」に6kWの普通充電器を8基導入……スマホ申し込みの充電サービス「WeCharge」に対応 ・NIO(ニオ)、生産30万台目がラインオフ……2023年上半期に5つの新型車を投入予定 ・パワーエックス、バッテリー工場「PowerBase」建設予定地の岡山県玉野市で地元説明会……2023年末より試験稼働開始、24年春から本格生産 ・フォーミュラE、バレンシア・テスト終了……マセラティのマキシミリアン・ギュンター選手が好成績

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TEXT:TET編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.19]

  ・ホンダ、新型EV「プロローグ」のイメージを公開……VRを活用しグローバルかつリアルタイムに連携してデザイン  【THE 視点】ホンダの米国部門は、2024年に北米で発売予定のSUVタイプのEV「プロローグ」のイメージを公開した。 米国ロサンゼルスのホンダデザインスタジオが中心となり次世代VRを導入。「ネオ・ラギッド」をデザインテーマにしたという。 最大の特徴はバッテリーで、GMの「アルティウム」バッテリーを搭載する。 ホンダとGMは、技術力や設計力、ソーシング戦略を活用。世界トップクラスの品質と生産性に加えて、リーズナブルな価格を実現するよう両社で設備の共通化なども目指す。その第一弾となるのが「プロローグ」である。 今後は、ホンダの「アキュラ」ブランド初のSUVタイプのEVなども計画されている。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・トヨタ、タイでカーボンニュートラル実現を目指す……現地「CPグループ」と協力 ・ベトナムのビンファスト、米国カリフォルニア州でのEV展開を加速……さらに4店舗をオープン ・ビンファスト、「米-アセアンビジネス評議会」に加盟 ・アウディ、EVコンセプト「アクティブ・スフィア」を1月26日に公開……アウトドア向けのクロスオーバークーペ ・ヒョンデ、EVのカーシェアリング「モーシャン」を12月16日に開始……CXC横浜を拠点に ・マツダ、PHEVの新型SUV「CX-90」を2023年1月に公開……北米仕様の上級SUV ・メルセデス・ベンツ、「EQE」がドイツ本国で発売……高性能モデル「メルセデスAMG EQE43 4MATIC」から販売開始 ・メルセデスAMG、PHEVのハイパフォーマンスモデル「C63 Eパフォーマンス」を発表……4気筒ターボエンジン+モーターで総合500kW(680ps)、125km/hまでモーターのみで走行可能 ・レッドウッド・マテリアルズ、米国サウスカロライナ州にバッテリーリサイクル工場を建設……35億ドルを投資 ・関西電力と敦賀市、原子力発電所の電力で水素を製造……CO2フリーのクリーン水素製造の実証実験

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TEXT:TET 編集部
デイリーEVヘッドライン[2022.12.16]

  ・トヨタ、EVのピックアップ「ハイラックスRevo BEVコンセプト」を初公開 【THE 視点】トヨタは「ハイラックス Revo BEV コンセプト」をトヨタ・モーター・タイランドの設立60周年記念式典で初公開した。 「ハイラックスRevo」とは、日本でも販売されている「ハイラックス」そのものでタイでの呼び名である。現行のハイラックスは実はタイ製である。 ピックアップトラックのEVは、アメリカではフォードやGM、新興メーカーのリビアン、そしてテスラなどが発売を表明している。アメリカでは一定の人気があるカテゴリーだが、それらと比較してハイラックスはひと回り小さい。 性能、販売時期などは明らかになっていないが、昨年12月の「バッテリーEV戦略に関する説明会」でもピックアップトラックのEVを披露していた。 今回の発表によればトヨタは、セダン、SUVに続きピックアップトラックと徐々にEVのバリエーションを増やしていくようだ。 (福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー) ・オペル、「モッカ-e」を改良し「モッカ・エレクトリック」に改名……154ps(115kW)のモーター、54kWhのバッテリーを搭載し航続距離406km(WLTPモード) ・ジャガー、「F-PACE」のPHEV「P400e」の改良版を本国で発表……EVのみで最大65kmの航続が可能 ・アウディ、「Q8 e-tron」の生産をブリュッセル工場で開始……カーボンニュートラルに配慮した生産を実施 ・Yanekara、北九州市と公用車管理システムの導入を契約……EVの使用状況もシステムで把握 ・大東建託、EVの社有車でカーシェアサービス……大東建託パートナーズ管理の物件入居者が対象 ・二輪用品のナップス、バッテリー交換式EVバイク用の交換設備を設置……ナップス練馬店にGachacoステーション、今後設置店を拡大 ・充電スポット周辺のグルメ情報を共有するメディア「EVごはん」と駐車場検索アプリ「VEEMO(ビーモ)」がコラボ……「VEEMO」アプリ内で充電スポット近辺のグルメが検索可能に[詳細はこちら<click>] ・フォーミュラE、バレンシアテスト始まる……マセラティのマキシミリアン・ギュンター選手が初日総合トップ

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連載企画 一覧
VOL.15
本当に日本はEVで「立ち遅れた」のか:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第15回

ジャパン・モビリティ・ショー開催でにわかに沸き立つ日本のEVマーケット。しかし現実の販売状況は日本において大きく立ち遅れている。技術では先導してきたはずの日本メーカーは、なぜEVで世界をリードできていないのか。この分野のベテランジャーナリストである御堀 直嗣が解説する。 日本の低いEV市場占有率 日本は、世界に先駆けて電気自動車(EV)の市販に踏み切った。2009年に三菱自動車工業が、軽自動車EVの「i-MiEV」を法人向けにリース販売しはじめ、翌10年には一般消費者向けへの販売も開始した。同年には、日産自動車も小型EVの「リーフ」を発売した。この2社によって、EVの量産市販が実現し、ことにリーフは海外への販売も行われ、「i-MiEV」はフランスの当時PSA社にOEM供給された。リーフの販売は世界で累計65万台に達し、その他EVを含めると、日産は世界で100万台のEV販売の実績を持つ。そのうち、日本国内は累計23万台である。 ちなみに、米国テスラは2022年では年間で約130万台、中国のBYDは同年に約90万台規模へ成長している。 同時にまた、世界共通の充電規格であるCHAdeMO(チャデモ)も準備され、リーフが販売される世界の各地域にCHAdeMO充電器の設置が動き出した。 それらを背景に、経済産業省は2012年度補正予算で1,005億円の補助金を計上し、全国に約10万基の充電器を整備するとした。この補助金は全額支給でないため、トヨタ/日産/ホンダ/三菱自の4社が資金を拠出し、補助金で賄いきれない残額を補填することに合意した。 しかし、現在の充電器の数は、急速充電と普通充電を合わせて約2万基である。 国内の新車販売において、EVが占める割合は1%以下という状況が長く続いた。昨2022年、「日産サクラ」と「三菱eKクロスEV」が発売となり、1年で5万台以上を販売することで2%ほどの占有率になろうかという状況にある。 一方、世界全体では、EVの市場占有率が13%になる。米国は5.8%、欧州は12%、中国は21%となっており、日本がいかに低水準であるかがみえてくる。 日本でEV普及が進まなかった理由 EVの先駆者であった日本が、なぜ欧米や中国の後塵を拝するようになったのか。 最大の要因は、せっかく1,005億円という充電基盤整備に対する経済産業省の支援があったにもかかわらず、急速充電器の整備にばかり世間の目が行き、EV利用の基本である基礎充電、すなわち自宅での普通充電(200V)の重要性が広がらなかったからである。ことに、マンションなど集合住宅の駐車場と、月極駐車場への普通充電設置がほぼできなかったことが原因であった。 EVの充電は、普通充電で8~10時間、あるいはそれ以上かかるとされ、これが単純にガソリンスタンドでの給油時間と比較されて、使い勝手が悪いとさまざまな媒体を通じて流布された。いまでもそうした論調が消えていない。しかし、自宅で普通充電できれば、寝ている間に満充電になるので、翌朝出かけるときは満充電で出発できる。 戸建て住宅に住む人はそれができた。ところが、戸建て住宅でも自宅に車庫がなく月極駐車場を利用する人は、近隣の急速充電器を利用しなければならなくなった。 集合住宅に住む人は、敷地内に駐車場が併設されていても、管理組合の同意が得られず普通充電ができない状態に陥った。無知がもたらした悲劇だ。EVを買う意思があっても、手に入れにくい状況があった。 集合住宅の管理組合で賛同が得られない最大の理由は、幹事がEV時代を予測できず、また自分には関係ないとして無視され続けたことにある。設置の経費は、ことに当初は補助金と自動車メーカー4社による補填があったので、ほぼゼロであった。現在でも、施工業者が残金を負担するなどのやりくりで、集合住宅側の負担が軽く済む仕組みが出てきている。それでもなお、管理組合で合意を得るのが難しい状況は払拭できていない。 基礎充電の普及を目指す業者の間でも、さらに難しいとされるのが月極駐車場への普通充電の設置だ。月極駐車場を管理する不動産業者の理解を得にくいという。

VOL.1
リッター200円にもう限界……給油の“枷”をぶっちぎれ!【モデルサードインパクト vol.1】

ガソリン高い、燃費も悪い、限界だ! かつてないほどの猛暑に喘いだであろう今夏。「もういいよ」「もう下がってくれ」と、気温に対して誰もが感じていたと思うが、自動車ユーザーはガソリン価格に対しても同じことを思っていたのではないだろうか。 リッターあたり170円、180円、190円、そして200円の大台を突破……給油をするたびに、誰もが憂鬱な気分になったはずだ。小生はドイツの某オープンスポーツカーに乗っているのだが、リッターあたり平均10kmでハイオク仕様。愛車にガソリンを入れるたび、顔が青ざめていた。 「高額給油という枷から解放されたい……」 EVの購入を決意した所感である。クルマを走らせることは、本来喜びのはず。給油のたびに落ち込むのは本望ではない。 小生は、THE EV TIMES(TET)の編集スタッフを務めています。この9月、「テスラ・モデル3・パフォーマンス」を購入しました。新たな愛車と共に進むEVライフを「モデル・サードインパクト」と銘打ち、連載で紹介していこうと思います。 EVは便利だと実感した「日産リーフ」 小生が初めて体験したEVは「日産リーフ」(2代目)である。遡ること2017年、「リーフ」が2代目になった頃、日産が全国で試乗キャラバンを開催し、小生はその試乗アテンダントを担当していた。そこで「リーフ」を存分に運転することができたのだ。 それゆえ、EVの利便性の高さを実感することになった。スポーツモデル顔負けの力強くスムーズな加速にまず驚いたのだが、給油という枷から外れて自由に走り回れることが大変な魅力に感じた。アイドリング状態でエアコンを入れっぱなしでもガソリン代を気にせずに済む。車内でPCを開けば、そのままオフィスになる。車の用途が無限大に広がると感じた。 充電時間も特別長いとは感じなかった。充電残量が50%くらいになったら、急速充電を使用してあっという間に80%まで回復できる。ちなみに100%まで充電した場合、280kmを走れる表示が出ていたと記憶している(当時は寒い季節で暖房を使用した)。ちょっとした遠出も十分に対応可能。「EVなんて不便」という印象は全く抱かなかった。そこで薄々と「将来はEVもアリだな」と思ったのだ。

VOL.20
VW「ID.4」オーナーはアウトバーンを時速何キロで走る? [ID.4をチャージせよ!:その20]

9月上旬、スイスで開催された「ID.TREFFEN」(ID.ミーティング)を取材した際に、参加していた「ID.4」オーナーに、そのクルマを選んだ理由などを聞きました。 フォルクスワーゲン一筋 鮮やかな“キングズレッドメタリック”のID.4で登場したのは、ドイツのハノーファーからはるばるスイスに駆けつけたデュブラック・マルクスさん。「フォルクスワーゲンT3」のTシャツを着ているくらいですから、かなりのフォルクスワーゲン好きと見ましたが、予想は的中! 「18歳で免許を取ってからこれまで30年間、フォルクスワーゲンしか買ったことがないんですよ」という、まさにフォルクスワーゲン一筋の御仁でした。 彼の愛車はID.4のなかでももっともハイパフォーマンスな「ID.4 GTX」。日本未導入のこのグレードは、2モーターの4WD仕様で、最高出力220kW(299PS)を発揮するというスポーツモデル。こんなクルマに乗れるなんて、なんともうらやましいかぎりです。 そんなマルクスさんにID.4 GTXを購入した理由を尋ねると、「これからはEVの時代だと思ったので!」と明確な答えが返ってきました。とはいえ、ID.ファミリーのトップバッターである「ID.3」が登場した時点ではすぐに動き出すことはありませんでした。「1年半くらい前にID.4 GTXを試乗する機会があって、踏んだ瞬間から力強くダッシュするID.4 GTXのパンチ力にすっかり惚れ込んでしまい、即決でしたよ(笑)」。

VOL.14
欧州メーカーはなぜ電気自動車に走ったのか?:知って役立つEV知識・基礎の基礎/御堀 直嗣 第14回

EVの知識を、最新情報から「いまさらこんなこと聞いていいの?」というベーシックな疑問まで、ベテラン・ジャーナリストが答えていく連載。今回は欧州メーカーの特集です。 日本市場参入が遅かった欧州製EV 日本市場では、欧州からの電気自動車(EV)攻勢が活発に見える。ドイツの「BMW i3」が発売されたのは2013年秋で、日本市場へは2014年春に導入された。 日本の自動車メーカーがEVを市販したのは、2009年の「三菱i-MiEV」の法人向けリースが最初で、翌2010年には「i-MiEV」も一般消費者への販売を開始し、同年に「日産リーフ」が発売された。「i3」の発売は、それより数年後になってからのことだ。 ほかに、フォルクスワーゲン(VW)は、「up!」と「ゴルフ」のエンジン車をEVに改造した「e-up!」と「e-ゴルフ」を2015年から日本で発売すると2014年に発表した。だが、急速充電システムのCHAdeMOとの整合性をとることができず、断念している。その後、VWは「e-ゴルフ」を2017年秋に販売を開始した。EV専用車種となる「ID.4」を日本に導入したのは、2022年のことだ。フランスのプジョーが、「e-208」を日本で発売したのは2020年である。 以上のように、欧州全体としては、EVへの関心が高まってきたのは比較的最近のことといえる。 くじかれたディーゼル重視路線 欧州は、クルマの環境対策として、自動車メーカーごとの二酸化炭素(CO2)排出量規制を中心に動いてきた。そして2021年から、1km走行当たりの排出量を企業平均で95gとする対処方法を考えてきた。EU規制は、販売する車種ごとのCO2排出量を問うのではなく、販売するすべての車種の平均値で95gを下回らなければならないという厳しさだ。 対策の基本となったのは、ディーゼルターボ・エンジンを使った排気量の削減と、出力の低下を補う過給器との組み合わせを主体としつつ、ハイブリッドによるさらなる燃費の向上である。 既存のディーゼルターボ・エンジンをできるだけ活用しようとする考えは、欧州メーカーが補機用バッテリーの電圧を世界的な12ボルトから、36ボルトや48ボルトに変更することによるマイルドハイブリッド化に注目してきた様子からもうかがえる。 ところが、2015年にVWが米国市場でディーゼル車の排出ガス規制を偽装していたことが明らかにされた。公的機関での測定では規制値を満たすものの、実走行で急加速などした際に基準を上回る有害物質が排出され、それによって力強い加速を得られるようにした制御が発覚したのである。その影響は、VW車だけでなく、アウディなどVWグループ内に広く影響を及ぼした。

VOL.3
ボルボは新型EVの「EX30」でインテリアに新たな価値を与え、空間を最大限、利用する!

ボルボはEX30の室内で多くの新たなチャレンジを行なっていると謳う。その詳細を小川フミオ氏が訊いていく。連載1回目はこちら、2回目はこちら。 冷たさの排除し素材を“素直”に使う EX30のインテリアが、他車と決定的に違うのは、金属的な表面処理がほとんど見当たらないこと。それは意図的にそうしたのだと、インテリアデザインを統括するリサ・リーブス氏は言う。 「心したのは、冷たさの排除です。使う素材はオネスト、つまり木に見えるものは木であり、また同時に、リサイクル素材を人間にやさしいかたちで使用しました」 インテリアは「ブリーズ」(やさしい風)をはじめ「ミスト」(もや)、「パイン」(松)それに「インディゴ」と4種類(日本はそのうち「ブリーズ」と「ミスト」を導入)。 「ブリーズを例にとると、デザインインスピレーションはサマーデイズ。シート表皮の素材はピクセルニットとノルディコ、ダッシュボードの飾り材はパーティクル、そして空気吹き出し口のカラーはブルーです」 リーブス氏は説明してくれる。 「ピクセルニットはPETボトルをリサイクルしたもの。それを3Dニッティング(立体編み)プロセスでシート用素材にしています。組み合わせるノルディコは、PETボトルなどのリサイクル素材、北欧で計画的に伐採された木から採取された素材、リサイクルされたワインコルクなどで作られたテキスタイルです」 ダッシュボード用のパーティクルは、窓枠やシャッターを中心に工業廃棄物であるプラスチックを粉砕したものだし、フロアマットは漁網をリサイクルしたという。 「リサイクル材とともに、インテリアは雰囲気を統一したので、私たちは“ルーム”という名を与えています。インディゴの場合、デザインインスピレーションは”夜のはじまり”で、デニムをリサイクルしたときに余る糸を使った素材をシート表皮に使っています」 シートじたいは「スニーカーにインスパイアされた形状」(メイヤー氏)だそうだ。

VOL.2
ボルボの新型電気自動車「EX30」にはスターウォーズのデザインが取り入れられている!?

エンジンの回転の盛り上がりには、時に人間的な表現が用いられる。しかしBEV(バッテリー電気自動車)はエンジンもなく無音なため、より無機質な、機械的な印象が強くなる。ボルボはそんなBEVに人間的な要素を入れたと主張する。連載1回目はこちら。 どことなく楽しい感じの表情 ボルボEX30は、いってみれば、二面性のあるモデルだ。ひとつは、地球環境保全(サステナビリティ)を重視したコンセプト。もうひとつは、大トルクの電気モーターの特性を活かしたスポーツ性。 デザイナーは「いずれにしても、BEVと一目でわかってもらうデザインが重要と考えました」(エクステリアデザイン統括のTジョン・メイヤー氏)と言う。 「もちろん、昨今ではICE(エンジン車)かBEVか、デザインをするときあえて差別化をしないのが世界的な流れです。ただし、私たちとしては、スカンジナビアデザインの原則を守りつつデザインしました」 メイヤー氏の言葉を借りて、この場合のスカンジナビアデザインの肝要を説明すると「形態は機能に従う」となる。 「そこで、上部に開口部とグリルはもたせないようにしようと。ただし(インバーターなどのために)空気を採り入れる必要はあるので、下にインレットは設けています」 ボルボ車のデザインアイディンティティである「トール(神の)ハンマー」なる形状のヘッドランプも採用。ただし、カバーで覆った一体型でなく、四角いLEDのマトリックスが独立しているような形状があたらしい。 「そうやって出来上がったのがこのデザインです。顔になっていて、そこには眼があって、鼻があって、口があるんです。どことなく楽しいかんじで、これまで以上に人間的な表情を実現しました」 暴力的でもなければ、ロボット的でもない。メイヤー氏はそこを強調した。

VOL.1
ボルボの新型電気自動車「EX30」は、相反する2面性を合わせ持つ文武両道なクルマ

ボルボの新たなBEV(バッテリー電気自動車)として、ついに10月2日から「サブスク」モデルの申し込みが始まるEX30。この「ボルボ史上最小のBEV」はどのように開発されたのか。ミラノで行われたワールドプレミアに参加した小川フミオ氏が関係者の声とともに振り返る。 スカンディナビアン+デジタル 2023年6月に登場したEX30は、コアコンピューティングテクノロジーを大胆に採用する、ボルボの新世代BEV。 内容にとどまらず、同時に、デザイン面でもさまざまな大胆な試みがなされているのも特徴だ。 いってみれば、伝統的ともいえるスカンディナビアンテイストに、デジタライゼーションの融合。 「私たちのデザイン的価値のすべてを小さなフォーマットで具現」したモデルと、ボルボ・カーズはプレスリリース内で謳う。 「非常に電気自動車的なデザインで(中略)閉じられたシールド(フロントグリルの開口部のこと)とデジタル表現を用いたトールハンマーヘッドライト」がフロント部の特徴とされる。 さらに新世代BEVとしてボルボが狙ったものはなんだろう。ミラノでの発表会において出合った担当デザイナー(たち)に、デザインの見どころと背景にあるコンセプトを取材した。

VOL.5
「BMW iX xDrive50」の高速電費は我慢不要! ロングドライブにうってつけのEV

[THE EV TIMES流・電費ガチ計測] THE EV TIMES(TET)流電費計測の5回目を、8月に「BMW iX xDrive50」で実施した。車高の高いSUVにもかかわらず、高速巡航時に電費が低下しにくいのが特徴だ。その詳細をお伝えする。 ※計測方法などについてはこちら、試乗記はこちらをご覧ください。 100km/h巡航でどんどん行こう iX xDrive50のカタログに記載された「一充電走行距離」は650km(WLTC)で、電池容量は111.5kWhだ。650kmを実現するには、電費が5.83km/kWh(以後、目標電費)を上回る必要がある。 各区間の計測結果は下記表の通り。5.83km/kWhを上回った場合、赤字にしている。 これまでのTETによる電費計測で初めてA区間の往路と平均で目標電費を超えた。A区間のように標高差が少ない場所では同じ状況になり得る、つまり100km/h巡航で一充電走行距離の650km近くを走破できる可能性がある。   100km/h巡航でも600kmは走れそう 各巡航速度の平均電費は下表の通りだ。「航続可能距離」は電費にバッテリー総容量をかけたもの、「一充電走行距離との比率」は650kmに対して、どれほど良いのか、悪いかだ。 iXのエクステリアは、大きなキドニーグリルが特徴的だ。ざっくり言えば全長5m、全幅2m、全高1.7m、車重2.5トンの堂々としたボディだが、Cd値が0.25と優れている。 100km/h巡航におけるiXの電費は、5.71km/kWhであった。絶対的な数値としては決して高くないが、一充電走行距離との比率を計算すると98%と、これまでにTETが計測したデータの中で最高の結果を記録した。120km/h巡航でもこの数字は78%であった。 つまり、iXは高速巡航でも電費の低下が少ないEVだといえる。 ちなみに、過去に計測したメルセデス「EQE 350+」は、この100km/h巡航時の比率が90%だった。EQEはセダンボディで背が低く、Cd値0.22で、高速巡航には有利であることを考えても、iXの98%という数字の凄さが分かる。 この結果は、空力性能の良好さと高効率なパワートレインの賜物ではないかと思う。BMWが「テクノロジー・フラッグシップ」「次世代を見据え、長距離走行が可能な革新的な次世代電気自動車」と謳っているだけのことはある。これらの記録を塗り替えるクルマが現れるのか、今後の計測が楽しみだ。   各巡航速度ごとの比率は以下の通り。80km/hから100km/hに速度を上げると21%電費が悪くなる。120km/hから80km/hに下げると1.6倍の航続距離の伸長が期待できる。

VOL.19
ぐっとパワフルな2024年モデルのフォルクスワーゲン「ID.4」をミュンヘンで緊急試乗! [ID.4をチャージせよ!:その19]

コンパクトSUVタイプの電気自動車「ID.4」が2024年モデルにアップデート。この最新版をドイツ・ミュンヘンでさっそく試乗しました。 モーターのパワーは60kW増し 「ID.4」が2024年モデルにアップデートし、コックピットのデザインが様変わりしたことは、前回のコラムで述べました。さらに今回の仕様変更では、走りにかかわる部分にも手が加えられています。 一番の変更が、新開発のモーターが搭載されたこと。フォルクスワーゲンでは、ID.ファミリーのプレミアムセダンである「ID.7」に、新たに開発した「APP550」型の電気モーターを採用しました。最高出力は210kW(286PS)と実にパワフルです。これが2024年モデルの「ID.4プロ」にも搭載されることになりました。これまでの「ID.4プロ」の最高出力が150kWですので、出力は60kW、4割増しという計算。最大トルクも従来の310Nmから545Nmとなり、こちらは75%の大幅アップです。 バッテリー容量は77kWhで変更はありませんが、2024年モデルからはバッテリーの“プレコンディショニング機能”を搭載し、冬の寒い時期、充電前にバッテリー温度を高めておくことで充電量の低下を抑えることができます。これはうれしい! 他にも、可変ダンピングシステムのDCC(ダイナミックシャシーコントロール)の改良なども行われ、果たしてどんな走りを見せてくれるのか、興味津々です。 早く乗ってみたいなぁ……と思っていたら、なんとうれしいことに、発表されたばかりの2024年式ID.4 プロ・パフォーマンスを、ドイツ・ミュンヘンで試乗するチャンスに恵まれました。試乗時間は約20分と超ショートですが、わが愛車のID.4 プロ・ローンチエディションと比較するには十分な時間です。

VOL.18
ミュンヘンで「ID.4」の2024年モデルに遭遇! [ID.4をチャージせよ!:その18]

ミュンヘンモーターショー(IAA)のメイン会場近くで、フォルクスワーゲンがメディア向けイベントを開催。そこで、2024年モデルの「ID.4」に遭遇しました。 見た目は同じ イベントスペースのパーキングに待機していたのは、“コスタアズールメタリック”のボディが爽やかな「ID.4 プロ・パフォーマンス」。日本のラインアップにはないボディカラーに目を奪われますが、エクステリアデザインはこれまでと同じで、私の愛車の「ID.4 プロ・ローンチエディション」との違いは1インチアップの21インチホイールが装着されていることくらいです。 ところが運転席に座ると、コックピットの眺めに違和感が! マイナーチェンジでもないのに、コックピットのデザインが私のID.4 プロ・ローンチエディションと大きく変わっていました。 ご存じのとおり、フォルクスワーゲンなど多くの輸入ブランドでは“イヤーモデル制”を採用していて、毎年のように細かい仕様変更を実施。エクステリアデザインは一緒でもパワートレインや装備が変わるというのはよくあること。この2024年モデルでは、インテリアのデザインまで様変わりしていたのです。 真っ先に気づいたのが、ダッシュボード中央にあるタッチパネルがリニューアルされていること。2022年モデルのID.4 プロ・ローンチエディションでは12インチのタッチパネルが搭載されていますが、この2024年モデルでは12.9インチにサイズアップが図られたのに加えて、デザインも一新され、明らかに使い勝手が向上していました。

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