マツダ、EV用レンジエクステンダーとしてロータリーエンジンを復活
【THE 視点】マツダは1月13日、ロータリーエンジンを発電機として使用するPHEVモデル「MX-30 e-スカイアクティブ R-EV」を、欧州ベルギーで開かれているブリュッセルモーターショーで初公開した。
既存の「MX-30 EVモデル」は、35.5kWhのバッテリーを搭載しているが、同クラスのEVと比較してバッテリー搭載量が少ない。
このたび発表された「MX-30 e-SKYACTIV R-EV」は、「MX-30」の基本的な価値はそのままに、EVとしての使い方を拡張したシリーズ式のPHEVモデルだ。
その発電機として採用されたのがロータリーエンジン。新たに開発した発電用ロータリーエンジン(型式:8C)は、高出力モーターとジェネレーターと同軸上に配置してモータールームに搭載されている。必要とされる出力に対してエンジン本体をコンパクト化できるロータリーの特徴を活かしたかたちだ。
このコンパクトなパワーユニットを核に、17.8kWhのリチウムイオンバッテリーと50Lの燃料タンクを組み合わせることで、独自のシリーズ式PHEVシステムを実現。EVとしての航続距離は85km(欧州WLTPモード)。もちろん発電によってその距離は延びる。
構造的には「日産ノート e-パワー」の発電エンジンがロータリーエンジンになったようなもの。走行はモーターのみで行う。しかしバッテリーが大容量でプラグイン式(コンセント)で充電も出来る点が「ノート e-パワー」とは違う点だ。
まさかの発電用ロータリーエンジン搭載のPHEVモデルに驚いた。「MX-30 EV」より電池搭載量は減るものの、発電用ロータリーエンジン搭載など車体構造は複雑になる。それらがどのように価格に反映されるのだろうか。今春には発売される予定である。
(福田雅敏-EV開発エンジニア、THE EV TIMES エグゼクティブ・アドバイザー)
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