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いよいよEVがヒットカテゴリーの仲間入りか
日本国内における2025年10月のEV販売台数が増加しています。なかでもテスラやBYD、トヨタがとくに好調だった2025年10月度の国内EVシフト動向を分析します。
まずこのグラフは、2018年以降の、BEVとPHEVの合計販売台数を月間ベースで示したものです。2025年10月の販売台数は1万511台と、前年比でプラス成長を実現。新車販売全体に占めるBEVとPHEVの合計販売台数比率は2.91%と、前年同月に記録した2.36%を超えており、2024年シーズンに直面していたEV減速トレンドが底を打ち、EVシフト拡大へ進み始めている様子が見て取れます。

さらにBEVの販売動向を詳細に確認していきましょう。このグラフは普通車セグメントの国内生産分と輸入分、さらに国内で生産された軽自動車にわけて示したものです。白で示された輸入EVは2561台と、前年同月比で+34.8%と大幅な販売増加を記録し、ピンクで示されている日本国内生産における普通車セグメントのBEV販売台数も1347台と、前年同月比+71.6%の大幅成長を実現。これまで低迷し続けていた日本製EVの販売台数が伸び始めているのです。

また、年間ベースにおけるBEVとPHEV販売台数、およびそれぞれのシェア率の変遷について、このたびデータが確定しました。結果、2025年10月までの9カ月間でのBEVシェア率は1.60%と、前年同期の平均シェア率と比較してもわずかに上まわっています。史上最高の数値を記録している、2023年のBEVシェア率にどこまで近づけるのかにも注目したいところです。

それではここで、日本国内においてどのようなEVが人気であるのかを確認していきましょう。まず2025年累計での主要自動車メーカー別のBEV販売台数の変遷を見てみると、やはり日産が頭ひとつ抜けた存在感を見せています。ところが日産は、2月から9カ月連続で前年比マイナス成長しており、とくにサクラの販売台数が大幅に低下。新型リーフと新型アリアの存在によって、2026年以降どこまでEVシフトを牽引できるのかに注目です。

次に注目していきたいのがテスラの存在です。10月は約1118台と、前年同月比3倍以上という大幅増加を記録。おそらく、土浦、広島、稲毛、錦糸町、札幌、市原、三郷などをはじめとする、新規の実店舗型ストア開業による、日本人とテスラの物理的接点が大幅に増えていることなどが主たる要因でしょう。テスラのメインの購入層となる若いファミリー層が集中するショッピングセンターや駅前の商業施設にテスラストアを設置していくというやり方が、日本国内でEVの販売台数を増やす正攻法なのかもしれません。

ちなみに、テスラ独自の急速充電ネットワークであるスーパーチャージャーは、10月末時点で累計141カ所、703基を建設(実際に稼働中なのは138カ所)。10月中の新規稼働はありませんでした。
























































