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EVが軒並み好調に
そして、今回もっとも注目するべきはトヨタのEV販売動向です。2025年の10月は1121台と前年比10倍級という爆増を記録。とくにbZ4Xの販売台数を1106台としています。これは、日本の乗用車販売台数ランキング40位にランクインするという快挙でもあります。
また、新型bZ4Xの兄弟車として、スバルからも新型ソルテラがローンチしています。さらにレクサスからも、新型RZ、新型ESのEVバージョンが年度末までにローンチ予定です。その上で年度末までにbZ4Xツーリング、スバル・トレイルシーカーも年度末にローンチ予定と、トヨタ・スバル連合から一気にEVが販売されていくことで、日本国内の世論の風向きにも変化が起きていくことにも期待できます。

中国BYDの存在も目が離せません。2025年10月は317台と、前年比2倍以上の売れ行きを記録しているのです。直近で開催されたジャパンモビリティショーでも展示された新型モデルとなるシーライオン6が、ブランド初のPHEVながら優れたコスト競争力を実現してきたことによって、12月1日に予定している発売日以降、どれほどの販売台数を達成してくるのか注目したいと思います。

また韓国ヒョンデは10月単体で123台と、こちらも史上最高水準の販売台数を達成しました。現在在庫車に対して最大150万円級の大幅値引き措置によって需要喚起しており、一定の効果が出ている模様です。現時点では不明ですが、ちなみに、インスターの次に投入されるであろうコンパクトSUVとして、IONIQ3が控えています。このIONIQ3にはテスラやBYDと同等となる大型センターディスプレイが搭載されながら、新世代のUIを採用。これらのソフトウェアの刷新によって、どれほど若者ユーザーに訴求できるのか、要チェックです。

そして最後に注目するべきはホンダの存在です。10月のN-Van e:とN-ONE e:の合計台数は1627台と、日産サクラの倍以上を販売することに成功しました。なお、2026年夏にBYDからも軽EV、「ラッコ」が投入されることから、さらに軽EVマーケットが拡大します。

ちなみに、テスラとBYDの躍進がどれほどのインパクトであるのかについて、このグラフはICE車を含む、輸入車ブランドの2025年10カ月の累計販売台数の変遷を示したものです。トップからメルセデス、BMW、フォルクスワーゲン、アウディ、ミニ、ボルボと続くのはあらかた予想どおりとして、それらの名だたるブランドに続くのがテスラという状況となっています。状況次第では年末までにボルボを抜く可能性あるレベルであり、テスラの国内での躍進の様子が見て取れます。

さらにBYDもルノーやシトロエンを超えて、フィアットに迫る勢いです。2026年シーズンはプジョーの販売台数にどこまで迫れるのかにも注目が集まるでしょう。とくにPHEVが導入された後で、どれほどプジョーやフォルクスワーゲンなどといった欧州の大衆ブランドのシェアを切り崩せるのかにも注目です。
ちなみに参考までに、このグラフは2025年10月単体における人気車種ランキング上位を示したものも添付します。トップからヤリス、ムーヴ、スペーシア、タント、N-BOXと続いており、やはり軽自動車の人気が凄まじいことが見て取れます。この人気車種ランキングにBEVがいつランクインすることができるのか。新型bZ4Xやリーフの奮闘に期待したいところです。

2026年以降の国内EVシフト反転攻勢の兆しとともに、もしかしたらそれに水を差す可能性が出てきている高市政権によるCEV補助金へのメスの最新動向も含めて、国内EV販売動向を毎月情報をアップデートしていきたいと思います。

























































