#新車
TEXT:高橋 優
テスラ以外は低迷気味の日本のEV市場! 国産勢はリーフ・eビターラ・N-ONE e: らの新型モデルで浮上なるか?

日本ではEVシフトが下降気味 日本国内における最直近の8月のEV販売動向が判明しました。とくにテスラのEV販売台数が大幅増加する一方、日本メーカー勢は深刻なEV販売低迷が続いています。2025年末以降の日本国内EVシフトの展望を含めて解説します。 まずこのグラフは、2018年以降のBEVとPHEVの月間販売台数を示したものです。2025年8月の販売台数は約6500台弱と、前年同月比でマイナス成長に留まりました。ただしこの直近月は商用軽EVである日産クリッパーEVとホンダN-Van e:の販売台数は含まれていないため、この2車種を含めると、概ね前年と同等水準のEV普及台数に留まる見通しです。 とはいえ、今回着目するべきは全体需要という観点です。じつはこの8月は自動車販売全体が大きく沈んでしまった月であり、とくに乗用車セグメントは前年比-11.4%という落ち込みです。軽自動車セグメントも前年比-4.3%と同様に下落。それを含めると、8月は前年と同等のEV販売台数を達成見込みであり、全体としてはEVシフトがわずかに進んだと見ることもできそうです。ちなみに普通車セグメントに限ると、トヨタは前年比-13.9%、ホンダも前年比-12.9%、日産は前年比-28.4%と壊滅的な販売台数減少です。 次に、新車販売全体に占めるBEVとPHEVの販売台数の合計比率について、直近の8月は速報値で2.36%と、前年同月に記録した2.49%と比較してシェア率は横ばいとなりました。確定バージョンであれば前年比はわずかにプラス成長となる見込みであり、やはり2024年のEV減速のトレンドが底を打ち始めている様子が見て取れます。 さらにBEV単体の販売動向を詳細に確認しましょう。普通車セグメントの日本メーカーと輸入車メーカー、さらに軽自動車セグメントにわけてみると、輸入EVは2356台と、前年同月比+23.4%と販売増加を記録している一方で、日本メーカーの普通車セグメントのBEV販売台数はたったの293台と、前年同月比-62.1%という壊滅的な状況です。この293台という数値は2代目リーフのモデルチェンジ直前の2017年9月以来の少なさと同等。まさに、日本国内で日本メーカーの普通車セグメントのEVが、まるで売れていない様子が見て取れます。 また、年間ベースにおけるBEVとPHEV販売台数、およびそれぞれのシェア率の変遷を確認すると、データが確定した2025年7カ月間でのBEVシェア率は1.49%と、2023年以降のBEVシェア率後退トレンドに歯止めがかかっていません。下半期に挽回して、2025年シーズン通しで前年越えを達成できるのかが注目ポイントでしょう。 それでは、日本国内でどのようなEVが人気であるのかを確認しましょう。まず初めに、2025年累計での主要自動車メーカー別のBEV販売台数の変遷を見てみると、やはり日産が頭ひとつ抜けた存在感を見せています。また2位にはテスラがつけています。 日産は2025年8カ月間で1.44万台強を発売したものの、2025年シーズンは2月から7カ月連続で前年比マイナスです。新型リーフの納車は2026年初冬が濃厚で、2025年のEV反転攻勢にはあまり期待できない状況です。いずれにしても、新型リーフが日本国内でどれほどの値段設定で発売されるのかは、2026年の日本のEVシフトを占う上で最重要動向のひとつといえるでしょう。

TAG: #市場 #新車 #販売台数
TEXT:渡辺陽一郎
買おうと思ってもほしいクルマがない! 国産EVが売れない理由は「車種の少なさ」が大きな原因

日本のEV市場はサクラが支えている 2025年上半期(1〜6月)の国内販売状況を見ると、乗用車に占める電気自動車の販売比率はわずか1.4%だ。 ハイブリッド(マイルドタイプを含む)の販売比率は50%を超えるが、エンジンを搭載しない電気自動車は、ほとんど売られていないことになる。 その少数の電気自動車のなかで、どのような車種がどの程度売れているのか。国産電気自動車の販売ランキングを見てみたい。 ■2025年上半期/国産電気自動車(乗用車)販売ランキング *販売台数は1カ月の平均値。 1位:日産 サクラ:1460台 2位:日産 リーフ:約330台 3/4位:日産 アリア:約150台 3/4位:三菱 eKクロスEV:約150台 5/6位:トヨタ bZ4X:約30台 5/6位:レクサ スRZ:約30台 7/8位:マツダ MX-30EV+ロータリーEV:20台 7/8位:スバル・ソルテラ:約20台 上記が乗用電気自動車/8車種の販売ランキングだ。Honda e:はすでに販売を終了しており、上記のランキングに入らない。 1位は日産サクラで、2位の日産リーフに圧倒的な差を付けた。上に挙げた電気自動車8車の販売総数の内、サクラが60%以上を占める。N-VAN e:のような軽商用車や輸入車を含めても、サクラの日本の電気自動車市場に占める販売比率は32%と高い。日本の電気自動車は、サクラが支えているといっても大げさではない。 そして、上記の販売ランキングからわかるとおり、国産電気自動車は車種が少なすぎる。小型/普通車市場で50%以上のシェアを維持するトヨタでさえ、乗用電気自動車はbZ4XとレクサスRZだけだ。これでは電気自動車の販売比率が乗用車全体の1.4%でも仕方がない。 国産の電気自動車が少ない一方で、メルセデスベンツやBMWなどの輸入車には豊富に設定されている。そのために国内で売られる電気自動車の約40%を輸入車が占める。1車種当たりの売れ行きは少ないが、車種数が多いから、総数では販売比率が増えた。そこにサクラの32%を加えると70%を上まわる。 日本で電気自動車を普及させるには、サクラのような軽自動車がもっとも効果的だ。その意味で、今後登場する軽自動車のホンダN-ONE e:が注目される。2025年8月1日に予約受注を開始して、9月12日に発売をスタートさせている。 そのあとに輸入車のBYDも、軽自動車規格の電気自動車を発売するから、ようやく電気自動車の本格普及が始まりそうだ。

TAG: #EV #新車 #新車販売ランキング
TEXT:琴條孝詩
日本は3年連続「日産サクラ」がトップ! じゃあ中国・欧州・アメリカで一番売れてるEVってなにか調べてみた

世界中で人気なEVは? 日産サクラが2024年度、3年連続で国内BEV販売台数No.1を獲得した。年間販売は2万832台に達し、2024年度の国内BEV販売全体の約4割を占めている。軽自動車ならではの取りまわしのよさとBEVの静かでスムースな加速、そして手ごろな価格設定が多くのユーザーから支持されている。また、航続可能距離も長距離旅行に適したものではないが、通勤や通学、近場での買い物用などの日常使いには便利だ。 では、世界最大のBEV市場である中国や、BEVシフトに積極的な欧州、そして巨大な自動車市場をもつ北米では、一体どのようなBEVが人気を博しているのだろうか。各地域の最新動向を詳しく見ていこう。 <中国で人気のBEVはBYDとテスラが競合> 中国では、2024年にBEVの販売台数が約772万台を記録しており、世界最大のBEV市場として圧倒的な存在感を示している。2025年上半期においてもその成長は著しく、とくにBYDとテスラが目立つ。最新の販売台数ランキングでは、テスラ「モデルY」、Geely「星願(Geome Xingyuan)」、BYD「シーガル(海鴎)」、上汽通用五菱「宏光MINI EV」、シャオミ「SU7」などが上位を占めている。 モデルYは都市部の中堅層を中心に安定した人気を維持し、BYDが展開する低価格・高効率な小型BEV群が幅広い顧客層に支持されている。とくにBYD「シーガル」は、低価格で若者や初めてEVを購入する層に「最初の一台」として選ばれやすい。中国市場の特徴としては、BEV専業メーカーや新興ブランドが短期間で新車投入を繰り返すダイナミズムがあり、ユーザーの期待や関心がすぐに変化する点だ。政府主導の普及政策や都市部を中心とした充電インフラ整備もBEV成長の後押しとなっている。 中国市場で注目すべきは、2020年に上汽通用五菱汽車が約50万円という驚きの車両価格で販売した「宏光MINI EV」が大ヒットしたことに始まる低価格BEV戦略である。現在ではBYD「シーガル」が全長4m前後のボディサイズの4人乗りハッチバックとして支持されており、手頃な価格でありながら実用性の高いコンパクトBEVが市場を牽引している。 さらに、スマートフォンメーカーでもあるシャオミが2024年3月に初のBEV「SU7」を発売し、発売直後の予約は24時間で約8.9万台に達した。2024年には約13万5000台を販売し、テスラ「モデル3」並みの高性能をもちながら、より割安な価格設定が特徴として注目されている。

TAG: #EV #新車 #販売台数
TEXT:渡辺陽一郎
ドル箱のミニバンやスーパーハイト軽のEVはなぜない? 本格普及を狙うなら必要なハズも立ちはだかるハードルとは

ミニバンやスーパーハイトワゴンがない理由 2025年上半期(1〜6月)における国内販売状況を見ると、乗用車に占める電気自動車の販売比率はわずか1.4%だった。ハイブリッド(マイルドタイプを含む)の販売比率は52.7%と高いのに、エンジンを搭載しない電気自動車は、ほとんど売られていない。 電気自動車が売れない背景には複数の理由があるが、決定的な事情は車種の不足だ。小型/普通車市場で約半数のシェアをもつトヨタも、トヨタブランドの電気自動車はbZ4Xのみになる。ホンダはHonda eを廃止したから、N-ONE e:の発売を控えるものの、2025年8月時点で用意される電気自動車は軽商用車のN-VAN e:だけだ。スズキはeビターラを2026年3月までに国内導入するが、これが最初の量販電気自動車だから、現時点では販売していない。 このように電気自動車がほしいと思っても、車種が少なすぎて実質的に購入できない。電気自動車が売れないのは当たり前だ。 その結果、2025年上半期に日本で売られた電気自動車の内、軽自動車の日産サクラが32%を占めた。以前はサクラが40%を超えた時期もある。電気自動車にほしい車種が見当たらず、需要が運転しやすくて価格も割安なサクラに集中した。 いい換えると、電気自動車の売れ行きを増やすなら、人気の高いカテゴリーに設定すればいい。ホンダN-BOXやスズキスペーシアのような全高が1700mmを超えるボディにスライドドアを備えた軽自動車のスーパーハイトワゴン、トヨタ・シエンタやホンダ・フリードなどのコンパクトミニバンに電気自動車があれば、売れ行きも増える。 それなのにコンパクトミニバンのSUVは用意されず、軽自動車のサクラは前述のとおり人気車だが、スライドドアは装着されない。 ではなぜミニバンやスーパーハイトワゴンの電気自動車が用意されないのか。 その理由のひとつは床面構造だ。電気自動車では床下に駆動用リチウムイオン電池を搭載する必要があるが、スライドレールや電動開閉機能を加えると、電池の床下搭載が難しくなる。サクラの開発者は「ルークスのようなスライドドアを備えた電気自動車があれば、好調に売れると思うが、実際に開発するのは難しい」と述べた。 ふたつ目の理由は市場の確保だ。電気自動車は、エンジンを搭載する車両に比べて大量に売るのが難しい。そうなると複数の国や地域で販売したいから、軽自動車やミニバンは成立させにくい。サクラも国内で好調に売る必要があり、三菱ブランドのeKクロスEVも用意した。それでも商品化は一種の賭けになる。 これらの事情により、電気自動車にはSUVが多い。天井が高いから、床下に駆動用リチウムイオン電池を搭載しても、室内高を十分に確保できる。またSUVは日本と海外の両市場で人気が高く、販売台数を増やしやすい。 それでも今後は、軽自動車のスーパーハイトワゴンの電気自動車が登場してくる。ホンダの開発者は「N-VAN e:がある以上、N-BOXの電気自動車も技術的には開発できる」という。他社でも電動スライドドアに使われるモーターの取付位置をボディの下側から中央付近に移すなど、電気自動車仕様の開発に向けた準備を進めている。 売れ筋カテゴリーとされる軽自動車のスーパーハイトワゴン、5ナンバーサイズのコンパクトミニバンやコンパクトカーの電気自動車が豊富に開発されると、日本でもEVの普及が進む可能性が高い。

TAG: #スライドドア #ミニバン #新車
TEXT:高橋 優
新型日産リーフはアメリカで激安EVになる! ただし日本での価格は「安くない」可能性も!!

アメリカにおけるリーフの価格が判明 日産がアメリカ市場で新型リーフの値段を公開し、現在発売されているEVのなかでもっとも安価な値段設定を実現してきました。その一方で日本国内の値段設定が、想定よりも高くなる可能性が浮上してきているという最新動向を解説します。 まず三代目となる新型日産リーフについて、ハッチバックからクロスオーバーSUVに進化しながら、インテリアデザインもアリアのデザインをところどころに継承。さらに調光ガラスルーフや14.3インチのデュアルディスプレイ、BOSEの10スピーカーシステムなど、装備内容も充実させています。 そして今回判明したのが、この秋に世界に先駆けて発売するアメリカ市場において、新型リーフの正式な値段設定が公開されたという動向です。まずアメリカ仕様の新型リーフのバッテリー容量は52.9kWhと75.1kWhの2種類を設定しながら、52.9kWhのSグレードのみ、2026年春以降に納車がスタート。今回値段が公開されたのは、S+、SV+、そしてPlatinum+の3グレードです。 とくに75.1kWhバッテリーが搭載されると、航続距離はEPA基準でも最長488kmと、非常にゆとりの航続距離を実現しています。ちなみに19インチタイヤを選択すると航続距離は417kmと大きく低下することから、日本国内でタイヤサイズを選択できるのかは気になるところです。 また充電性能は最大150kWに対応し、SOC10-80%を30分程度で充電可能です。動力性能は最新の3-in-1パワートレインを採用しており、0-100km/h加速も7.6秒と、重量が増えているものの、先代モデルと同等の加速性能を実現しています。 収納スペースは420リットルのトランク容量と、先代モデルとまったく同等のスペースを確保しながら、最小回転半径は5.3m、最低地上高は135mmと都市型SUVとして必要十分なサイズ感を実現しています。 そして値段設定について、まずPlatinum+グレードが3万8990ドル(日本円で約575万円)を実現しながら、中間グレードのSV+グレードが3万4230ドル(約505万円)、そして75.1kWhバッテリーを搭載するエントリーグレードのS+グレードが2万9990ドル(約442万円)を実現しました。なので、現在インフレやEV関連の原材料コストの高騰によって、アメリカ国内で2万ドル台で発売しているEVは存在しないことから、新型リーフはアメリカ国内で発売されているもっとも安価なEVとなります。 これは、現行型リーフは40kWhバッテリー搭載グレードが2万8140ドルであることから、バッテリー容量や装備内容が大幅に充実したにもかかわらず、ほとんど値上げしてこなかったことになります。そればかりか、2026年春に投入予定のSグレードはさらに値下げされて、おそらく2万8000ドル弱という値段設定で発売されるはずです。2代目よりも安くなるとイメージしてみれば、アメリカ市場を本気で狙ってる値段設定といえるでしょう。 先代のリーフはアメリカ現地の生産工場で生産されていたものの、3代目リーフからは北米での生産を取りやめて、日本の栃木工場で日本市場分と一緒に生産されることになりました。よって輸送費がかかるという点、さらにトランプ関税によって、自動車輸出に対して15%の関税率が課されることでコストは上がっているはずです。それにもかかわらず先代モデルと比較しても安価な値段設定で発売することからも、日産が新型リーフに対して強気の値段を示してきたといえます。

TAG: #価格 #北米 #新車
TEXT:高橋 優
BYDがエンジンありのクルマを日本に導入予定! 気になるPHEV「シーライオン6」はやっぱり低価格で勝負!!

BYDのPHEVモデルがもうすぐやってくる 日本国内でBYDの新型モデル「シーライオン6」のテスト車両が目撃されています。2025年末以降に投入予定のPHEVモデルがどれほどの完成度を実現しているのか。気になる値段設定を海外マーケットの値段設定から予測します。 まず日本市場におけるBYDは、すでに日本国内にATTO 3、ドルフィン、シール、そしてシーライオン7という4車種を投入済みです。その上で2025年末に初のPHEV導入を決定しながら、ちょうど1年後となる2026年後半には軽自動車セグメントのEVを投入する方針を表明しています。すでに一部のネット上におけるスパイショットから、ホンダN-BOXと瓜二つの、スライドドア採用のスーパーハイトになることが判明済みです。日産サクラだけでなくホンダN-ONE :eの発売もスタートすることから、軽自動車セグメントのEVがさらに盛り上がるはずです。 そして今回取り上げたいのが、軽自動車EVとともに注目されていたPHEVモデルの存在です。すでにネット上での目撃情報が増えており、車両形状からほぼシーライオン6で確定しており、年末ごろの発売に向けて準備が進められている模様です。 このシーライオン6は中国市場におけるSong. Plusと同じモデルです。すでにSong Plusは欧州市場においてSeal Uとして発売中ですし、東南アジアオセアニア地域でもシーライオン6として発売中です。 シーライオン6はFWDグレードとともに、後輪側にもモーターを搭載したAWDグレードを両方設定。バッテリー容量は18.3kWhのLFPバッテリーを搭載しながら、1.5リッターPHEVシステムであるDMシステムが搭載されています。よって欧州WLTCモードにおいて80kmのEV航続距離を確保しながら、60リットルの燃料タンクを組み合わせることによって、最大航続距離も1080kmを確保しています。 PHEVの強みは、通勤や買い物などの日常使いを電気のみでまかないながら、途中充電が必要となるロングトリップでは、充電を気にすることなくガソリンだけで走行することができるという点です。日常使いは電気のみの走行で運用コストを下げたり、EVならではの静粛性や制振性の高い乗り心地を実現しながら、ロングトリップにおける充電の煩わしさからストレスフリーとなるという、BEVとガソリン車のいいとこ取りが自慢です。 また、シーライオン6では最大18kWの急速充電にも対応しており、日本版ではおそらくチャデモ規格を採用することで、V2Hにも対応してくる見込みです。さらに中国国内では設定されていないAWDグレードでは、最高出力238kW、最大トルク550N・mを発揮することで、0-100km/h加速が5.9秒と俊敏な動力性能も実現。とくに四輪駆動方式は雪国で訴求力が高く、雪国におけるBYDのシェア拡大にも期待されます。 値段設定は、値段設定が似通っているオーストラリア市場で、FWDグレードが、42990オーストラリアドル(約416万円)、AWDグレードが日本円で約513万円となっています。

TAG: #PHEV #SUV #新車
TEXT:渡辺陽一郎
補助金ありきでEVを買うなら要注意! タイミング次第では「もらえない」こともある!!

EVの補助金は誰でももらえるわけではない 電気自動車を購入した場合、申請を行うと、国からCEV(クリーンエネルギービークル)補助金の交付を受けられる。その交付対象は新車のみだ。なぜかというと、補助金の申請要件に「申請車両は、初度登録された車両で、製造事業者の新車保証が付いているものであること」という記載があるからだ。 中古車は、登録済み未使用中古車(軽自動車は届出済み未使用中古車)を含めて、少なくとも一度は登録や届け出を受けている。申請要件の「初度登録(届出)」ではないから、中古車は国が交付する補助金の対象に含まれない。また「自家用であること」という要件もあるため、事業用車の場合は、新車でも補助金の交付を受けられない。 そして申請書類の提出期限(消印有効)は、車両の新規登録(届け出)日までに支払い手続きが完了している場合、登録(届け出)日から1カ月後だ。提出期限に遅れないよう注意したい。 また、ユーザーと販売店やメーカーの間でトラブルが生じやすいのは、車両の納期遅延だ。納期が遅れて購入年度の補助金を使い切ると、そこで補助金が終了する。登録(届け出)日から1カ月という期限があるから、今年度に新車登録を行い、翌年度の補助金に申請することもできない。 そこで補助金が先に終了した場合、車両がメーカーから届いても登録や届け出を行わず、販売店が預かって翌年度に登録して補助金の申請を行うこともあった。ただしこれでは、販売会社が数カ月にわたって車両を預かるため、保管コストも高まってしまう。今はこのようなサービスを基本的に行っていない。 そして都道府県や市町村などの自治体も、国とは別に、電気自動車などに関して補助金を交付する場合がある。その申請期限は、国と異なり、こちらは初度登録(届け出)日から1年以内というケースもある。 また中古で購入した電気自動車やプラグインハイブリッドについて、災害時の電力供給に協力することを条件に、補助金を交付している自治体もある。このように自治体の補助金事業は、足並みがそろっておらず、それぞれ対応が異なる。電気自動車やプラグインハイブリッドの購入を検討しているなら、自身の属する自治体の補助金事業を調べておきたい。

TAG: #EV #新車 #補助金
TEXT:渡辺陽一郎
小型で安くて長距離も乗れるって国産EVマジでヤバいぞ! ヒョンデ・インスターの選び方

3種類のグレードをラインアップ ヒョンデ自動車は韓国の大手メーカーで、日本には電気自動車と燃料電池車を輸出している。インスターは、このなかでもっともコンパクトで安価な電気自動車だ。ボディサイズは、全長が3830mm、全幅は1610mm、全高は1615mmに収まる。この大きさは、スズキ・ジムニーの5ドアとなるノマドの3890mm×1645mm×1725mmに近い。インスターは、コンパクトSUVのなかでもとくに小さい。 インスターのグレードは、ベーシックなカジュアル(価格は284万9000円)、中級のボヤージュ(335万5000円)、上級のラウンジ(357万5000円)になる。 駆動用リチウムイオン電池の総電力量は、カジュアルが42kWh、ボヤージュとラウンジは49kWhだ。駆動用モーターは全車共通だが、電池容量によって出力が変わるから動力性能も異なる。42kWhのカジュアルは、最高出力が97馬力で、49kWhのボヤージュとラウンジは115馬力になる。最大トルクは15kg-mで共通だ。 動力性能はとくに高くないが、コンパクトなボディで車両重量も電気自動車では比較的軽い。カジュアルは1300kg、ボヤージュは1360kg、ラウンジは1400kgだ。そのためにパワー不足も感じにくい。 ボディがコンパクトで最小回転半径も5.3mに収まるため、混雑した街なかや狭い裏道でも運転しやすい。その一方で、駆動用電池の容量に余裕があり、ボヤージュとラウンジであれば、1回の充電でWLTCモードにより458kmを走行できる。 日産サクラや三菱eKクロスEVは、リチウムイオン電池の容量が20kWhで、1回の充電で走れる距離は180kmだ。インスターではカジュアルの走行可能距離が未発表ではあるが、総電力量が2倍以上だから走れる距離も長い。コンパクトな電気自動車でありながら、長距離を移動することも特徴だ。 価格は前述のとおりカジュアルがもっとも安い。ただし、安全装備はシンプルで、ヘッドライトはハロゲンになってしまう。価格は50万円少々高くなるが、中級のボヤージュを推奨したい。車間距離を自動制御できるクルーズコントロール、後方の並走車両を検知できる安全装備、LEDヘッドランプ、ルーフレール、アルミホイールなどが加わり、リチウムイオン電池の総電力量も49kWhに拡大される。 国から交付される補助金額は、ヒョンデ・インスターの場合、すべてのグレードが56万2000円だ。ボヤージュの価格は335万5000円だから、補助金額を差し引いた実質価格は279万3000円に収まる。この金額はトヨタ・ヤリスクロスハイブリッドZの288万7500円よりも少し安い。つまり、ヒョンデ・インスターでは、国産のハイブリッド車と同等の出費で買えることも大きなメリットになっている。

TAG: #新車 #購入
TEXT:渡辺陽一郎
コスパ最高の韓国生まれのEV「インスター」! ライバルとお買い得度を比べてみた

中級グレードのボヤージュに注目 電気自動車のヒョンデ・インスターは、輸入車でありながら、価格の安さで注目される。グレードは3種類用意され、もっとも安価なカジュアルは284万9000円だ。ただし、ヘッドライトはハロゲンで、運転支援機能や後方の並走車両を検知する安全装備やアルミホイールは装着されない。 その意味では、中級グレードのボヤージュに注目したい。カーナビ情報と連動させた車間距離を自動制御できるクルーズコントロール、後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットコリジョン、前席シートヒーター、ルーフレール、15インチアルミホイールなどを標準装着した。さらに、リチウムイオン電池の総電力量もカジュアルの42kWhに対して49kWhに拡大され、1回の充電でWLTCモードにより458kmを走行できる。 ボヤージュの価格は335万5000円だから、カジュアルよりも50万6000円高いが、ニーズの高い装備を標準装着している。 さらに、22万円を加えてラウンジを選ぶと、電動スライドドアや前席のシートベンチレーションが加わり、アルミホイールが17インチに拡大される。ラウンジの装備は、必須とはいえないが、内外装をオシャレにして快適性をさらに高めたいユーザーには選ぶ価値が高い。販売店も「人気のグレードはラウンジ」という。 買い得グレードを335万5000円のボヤージュとすれば、同じ価格帯のライバル車として、まずは日産サクラがある。サクラは軽自動車とあってリチウムイオン電池は20kWhと小さく、1回の充電で走れる距離も180kmと短いが、価格も割安だ。インスターボヤージュの価格は前述の335万5000円で、国から交付される補助金の56万2000円を差し引くと279万3000円だ。サクラは運転支援のプロパイロットやSOSコールなどを標準装着する上級のGでも308万2200円だから、補助金の57万4000円を差し引くと、250万8200円になる。 サクラGにインスターボヤージュと同じ予算を投入すれば、オプションのプレミアムパッケージ(5万5000円)を装着して内装の質感をさらに向上させ、車庫入れを容易にするプロパイロットパーキング(7万7000円)なども装着できる。 つまり、一家に1台のファーストカーとして長距離を移動するならインスター・ボヤージュ、2台目のセカンドカーとして街なかだけを走るならサクラGという選び方が可能だ。インスターにも選択の余地が十分にある。 このほか、インスター・ボヤージュのライバル車として、BYDドルフィン・ベースラインも挙げられる。駆動用リチウムイオン電池の総電力量は44.9kWhで、1回の充電で400kmを走行できる。インスター・ボヤージュの458kmに比べて少し短いが実用的だ。装備は充実しており、衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、12.8インチのタッチスクリーンなどを備える。BYDドルフィンベースラインの価格は299万2000円で、補助金額の35万円を差し引くと264万2000円になる。サクラGよりは高いが、インスター・ボヤージュよりは安い。 ボディサイズから見るとフィアット500eもライバル車だが、内外装がオシャレで装備も充実する代わりに、価格は577万円以上と高い。電気自動車を安価に買うなら、ヒョンデ・インスター、BYDドルフィン、日産サクラ、その姉妹車になる三菱eKクロスEVから選びたい。

TAG: #新車 #購入
TEXT:TET編集部
ロングホイールベース化で後席が7シリーズ並! BMW 5シリーズ 「i5 eDrive35L」と「525Li」に「Exclusive M Sport」を追加

EVとHEVの2台の“Exclusive”モデル BMWは電動の「i5 eDrive35L」と48Vマイルドハイブリッドの「525Li」に、ホイールベースを110mm延長した「Exclusive M Sport」モデルを投入する。 「i5 eDrive35L Exclusive M Sport」と「525Li Exclusive M Sport」は、どちらもロングホイールベース化により全長は5175mm、ホイールベースは3105mmへ拡大。 後部座席の膝まわりは格段に広がり、独立型ヘッドレストクッション付きリヤシートやワイヤレスチャージを装備したアームレスト、ナノファイバーフィルターを採用して花粉・バクテリアを約99%カットする4ゾーンエアコンなど、7シリーズに匹敵する後席での居住性を実現している。 安全に関する機能では、高速道路でのハンズオフ機能を含む最新運転支援も搭載し、都市渋滞からロングドライブまでドライバーの負担を最小限に抑える。 “Exclusive M Sport”シリーズ共通の上質装備 エクステリアはM Sportバンパーと20インチアロイホイール、そしてサテンアルミのウインドウモールで伸びやかさを強調。インテリアにはBMW Individualレザーメリノシート、スカイラウンジパノラマルーフ、Bowers & Wilkinsサウンドを標準化し、ビジネスユースにもショーファーユースにも応える。 「i5 eDrive35L Exclusive M Sport」の納車は2025年9月以降を予定。価格は1048万円。2リッター直4ターボ+48Vマイルドハイブリッドを搭載する「525Li Exclusive M Sport」は、2025年5月からデリバリーを開始。価格は948万円だ。 ロングホイールベース化で拡張した居住性と、Exclusive M Sportならではの豪華装備が、プレミアムミドルクラスセダンに新たな価値を提供する。

TAG: #セダン #新車 #輸入車

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