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またもBYDがやってくれた! 高級ブランド「Denza」のフラッグシップSUV「N9」が驚異の安さで爆誕


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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Denzaの大型SUV「N9」が発売

BYDの高級ブランドDenzaがフラグシップ大型SUVのN9の正式発売をスタート。タンクターンや4.65mの最小回転半径、エルクテスト時速85km超などというスペックを実現してドイツ御三家との競争が激化するという最新動向を解説します。

まず、中国BYDの高級ブランドであるDenzaは2010年にメルセデス・ベンツと合弁して立ち上がった高級ブランドだったものの、これまで目立った実績を上げることができていませんでした。そこでBYDは、メルセデス・ベンツとの合弁比率を大幅に見直して9割のシェアを獲得しながら、2024年中にもBYDが完全子会社化を完了することで、BYDの高級ブランドとしてリブートさせた格好です。

このグラフはDenzaの月間販売台数の変遷を示したものです。ミニバンEVのD9を中心に、ミッドサイズSUVのN7、さらにフラッグシップセダンとなるZ9とZ9GTも投入しました。

グラフ

とくにZ9GTから採用されたe3プラットフォームでは、最高回転数が2万1000rpmの高性能モーターを3つ搭載するというトライモーター仕様、高効率なセルトゥボディ、後輪操舵機能を組み合わせた最新システムです。また、PHEVモデルでは熱効率44.13%を実現する2リッターのPHEV専用エンジンも搭載されています。

よってZ9GTは最高出力640kW、最大トルクも1035Nm、最高速も230km/hとパフォーマンス性能を向上させながら、WLTCモードにおける燃費性能は6.6L/100kmを実現。これはメルセデス・ベンツEクラスの2リッターエンジンを搭載するPHEVと同等の燃費ですが、Eクラスは313馬力しか発揮することができないものの、Z9GTのPHEVバージョンは870馬力を発揮可能です。

Denza Z9GTの走り

※Z9GTでは3つのモーターを緻密に制御することでタンクターンや、後輪側を横に滑らせることによってタイトな縦列駐車を支援する機能なども実装

そして、今回Denzaが発売をスタートしたのがN9と名付けられた大型SUVの存在です。N9は全長5258mm、全幅2030mm、全高1830mm、ホイールベースが3125mmという、3列シートを搭載する大型SUVのPHEVです。

e3プラットフォームを採用することで、最高出力680kW、最大トルク1035Nmを発揮。それによって0-100km/h加速も3.9秒を実現しています。また、47kWhもの大容量バッテリーを搭載することによって、EV航続距離はWLTCモードで145kmを確保。最大100kW級の急速充電に対応しながら、V2L機能も6kWをサポートしています。

Denza N9の走り

さらにDisus-Aと名付けられた、BYD独自内製の連続可変ダンピングコントロール付きデュアルチャンバーエアサスペンションを標準搭載。最低地上高も220mmを確保しながら、最大渡河性能も550mmと、本格オフロードSUVとしての悪路走破性も実現しています。さらに、最小回転半径も4.65mと、全長5.2m超えの大型SUVとしては思えない取りまわしを実現。安全性という観点でも9つのエアバッグを標準搭載しながら、高張力鋼の配合割合も90%超、最大2000MPaもの超高張力鋼も採用することで堅牢性を確保しています。

そのうえ、安全性という観点に追加して、3つのモーターを制御することによって、時速180kmでタイヤがパンクしたとしても安全に停車可能。さらに、時速144kmでカーブを走行していたとしても安全に停車可能という、その優れたモーター制御システムもアピールされています。

Denza N9の内装

自動運転については、God’s Eye Bと名付けられたLiDARとNvidia Drive Orin-Xプロセッサーによって、信号の右左折やラウンドアバウト、障害物に対する回避挙動などを含めたシティNOAに対応可能です。

インテリアには17.3インチの巨大なセンタースクリーンや助手席、2列目向けのディスプレイも搭載しながら、シートマッサージなどに対応する高級ナッパレザーシートを採用。フランスのDevialet製の26スピーカーシステムや冷温庫も搭載しています。このようにして、現在ますます激しさを増すプレミアムセグメントのEVとして、現状考えられうる装備内容を完全網羅してきているのです。

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