BYD XiaはPHEVのみの設定
BYDがミニバンPHEVのXiaの正式発売をスタートしました。ますます需要の高まるミニバンセグメントの大本命として、トヨタ、ホンダ、GMなどという既存メーカーのシェアをさらに奪うポテンシャルを解説します。
ミニバンセグメントについては、BYDはすでに高級ブランドのDenzaから、2022年末にD9というミニバンEVを発売済みです。 D9は瞬く間に販売台数を伸ばして、2023年シーズン、ミニバンセグメントでトップの販売台数を達成しました。
DenzaはD9の大規模なモデルチェンジを2024年末に実施。とくに高級車セグメントにおいて重要性が高まっているハイエンドADASを搭載しながら、売れ筋のPHEVモデルに対しては第5世代のPHEVシステムを導入することで燃費性能を向上。その上で、装備内容などを充実させることによって12月単体の販売台数は、半年ぶりに月間1万台の大台に復活させています。
そして、BYDブランドから投入されたのがXiaと名付けられたミニバンの存在です。XiaはDenza D9とは異なり、BEVをラインアップせずにPHEVのみで一本化しています。Denza D9の販売内訳を見ると、約95%程度の販売がPHEVで成り立っており、現時点で中国人はBEVミニバンをチョイスすることはないと判断してきたものと思われます。
Xiaは全長5145mm、全幅1970 mm、全高1805 mm、ホイールベースが3045mmという中大型セグメントのミニバンです。兄弟車であるDenza D9はひとまわり大きく、さらに中国市場でDenza D9を上まわる高級ミニバンEVとしてスマッシュヒットを記録しているVoyah Dreamer EVは、全長5315 mm、全幅1985 mm、ホイールベースが3200 mmという大型ミニバンセグメントであり、中国市場でのミニバンはかなりの大きさが求められています。
今回のXiaの性能で注目するべきは、何といっても熱効率45.3%を実現する第5世代のPHEVシステムを搭載してきたことで、WLTCモードにおける燃費性能が6.4L/100kmと、ミニバンPHEVとして非常に優れた燃費性能を実現している点です。また、36.6kWhという大容量バッテリーを搭載することによって、EV航続距離もWLTCモードで145kmを確保しています。
たとえばトヨタ・アルファードのHEVモデルはWLTCモードで6.3L/100kmと、大容量バッテリーを搭載するPHEVであるという点、およびアルファードよりもひとまわり大きいというという点を考慮に入れると、トヨタのハイブリッドと同等以上の燃費性能を実現している様子が見て取れるでしょう。
また、Xiaは急速充電にも対応しており、PHEVとしては高性能な2C充電に対応。よって、SOC30%から80%まで18分間で充電を完了させることが可能です。さらに最大6kWのV2L機能にも対応しています。
また、全長5145 mmの中大型ミニバンであるにもかかわらず、最小回転半径は5.7mと取りまわしで優れており、これはアルファードの5.9mすらも凌駕しています。