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今度のBYDはクルマの屋根にドローンを搭載だと!? 留まるところを知らないBYDの開発スピードがヤバイ!


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
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BYDのインテリジェント車載ドローンシステム「Lingyuan」

BYDがインテリジェント車載ドローンシステム「Lingyuan」を正式に発表しました。DJIと共同開発することによって車両と深く統合することに成功。いよいよスマートカーの時代からスマートカー+の時代が幕を開けるという最新動向を解説します。

まず、BYDはこの数年間で革新的な最新テクノロジーを次々と発表しています。とくに2024年シーズンは第5世代のPHEVシステムを発表。熱効率は46%を超えており、燃費性能をさらに改善することに成功しました。また、熱効率43%超を達成している第4世代のPHEVシステムは2021年に導入されており、たったの3年後には新世代のPHEVシステムを量産して主力モデルに搭載するというスピード感こそ、PHEVシステムの完成度以上に恐ろしいポイントであると感じます。

PHEVシステム発表のようす

そして、2025年2月に発表されたのが、自動運転システム「God’s Eye」でした。BYDは全車種のほとんどすべてのグレードに対してGod’s Eyeを導入しながら標準装備、つまりハイエンドなADASを利用するための追加費用が一切必要ないことで、競合に大きな衝撃を与えました。

というのも、God’s Eyeを標準装備してきたということは、これまでオプション設定だったものが内包される、つまり実質的な値下げとなり、競合がさらなる値下げ圧力にさらされることを意味します。

God’s Eyeのイメージ

さらに、BYDがなぜ全モデルに対して値段据え置きでハイエンドなADASを標準搭載できるのかといえば、そのためのサプライチェーンを自社内製も含めて大規模に構築できているからです。よって競合が真似しようと思っても、この規模感とスピード感というのは真似することができないのです。まさに車両の魅力を向上させながら値段を据え置くという、競合が追随できない値下げ競争の新たなフェーズに突入しているのです。

そしてこのBYDが、そのGod’s Eyeシステムの全車種搭載発表から間髪入れずに発表してきたのが、インテリジェント車載ドローンシステム「Lingyuan」の存在です。Lingyuanは車両のルーフ部分に、広さ0.29平方メートル、高さは21.5センチ、車両全体の高さも最大で2.05メートルを超えないという非常にコンパクトなドローンキャビンを搭載します。

Lingyuan発表のようす

このドローンキャビンには専用のドローンを格納可能なだけでなく、アンテナや測位モジュール、風速計などを内蔵。よって、車両が最大で時速25kmで走行している状況においてもドローンを離陸させることが可能です。また、時速54kmまでであれば、自動で車両の後を追従することが可能であり、車両の走行シーンを空撮できます。

Lingyuanのイメージ

さらにドローンは車両から最大2km離れて飛行することが可能という通信技術が搭載されており、その際の精度も3cmという精密さを実現。もちろん最大2km離れた場所からは、車載スクリーンをワンタップするだけで、自動的に車載ドローンキャビンに着陸させることも可能です。

また、車載ドローンキャビンには4Kの高精細カメラが内蔵されており、ルーフ部分から高画質な撮影も行うことができます。AI機能を使った撮影モードが30種類も用意されており、ドローンで撮影した走行映像を簡単にSNSなどで共有できる機能も実装されています。

Lingyuan発表のようす

※Lingyuanは全モデル一律で1.6万元(約40万円)とリーズナブルさもアピール

搭載ドローンは100Wの急速充電に対応しており、SOC80%まで30分で充電することが可能です。また、ハイエンドブランドであるYangwangのU8のみ、ドローンのバッテリー交換システムに対応しており、さらに使い方の幅が広がるでしょう。

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