#SUV
TEXT:高橋 優
新型ソルテラは性能大幅アップなのに大幅値下げ! めちゃくちゃお得な内容にライバルはどうする?

マイナーチェンジとは思えない超大幅進化 スバルが日本国内でソルテラのモデルチェンジを実施し、EV性能を飛躍的に高めながら大幅値下げを実施することで、兄弟車であるトヨタbZ4Xを凌ぐコスト競争力を実現してきました。気になる新型リーフなどの競合とのコスト競争力を含めて分析します。 新型ソルテラについて、まず注目するべき変更点は内外装デザインを刷新してきたという点です。フロントデザインは旧型と比較すると大きく変更されており、インテリアも兄弟車となる新型bZ4Xと同じようなデザインとなっています。 bZ4Xと同様にEV性能も改良されており、74.7kWhバッテリーを搭載することで日本国内のWLTCモードにおける航続距離を最長746kmも確保しています。さらに、電池プレコンディショニング機能を搭載することで、マイナス10度という極寒環境下でも理想条件下と同等の充電性能を実現可能です。 その上で、今回の新型ソルテラに対して注目するべき点が値段設定です。エントリーグレードとなるFWDの ET-SSグレードは517万円の設定。中間グレードであるAWD ET-SSグレードが561万円、装備内容を充実させたET-HSグレードが605万円の設定となっています。 じつは旧型モデルは594万円からという価格で販売を開始しており、2023年モデルからは627万円へと33万円もの値上げがされていました。つまり、新型ソルテラは110万円という大幅な値下げが断行されたのです。EV性能や装備内容をさらに充実させながら、同時に大幅値下げを行ってきたという点を踏まえると、スバルが日本国内でソルテラの販売台数を増やそうと本気になってきたことは明らかといえるでしょう。

TAG: #SUV #ニューモデル #国産車
TEXT:高橋 優
フェラーリよりもランボよりもポルシェよりも速い! たった13分で1万台が売れた中華SUV「Zeekr 9X」がヤバすぎる

極限の競争環境下にある大型SUVセグメントの真打ち登場 中国ZeekrがフラグシップSUV「9X」の正式発売をスタートしました。ジーリーのもつすべてのテクノロジーを結集した最強の電動SUVとして、発売開始13分間で1万台を超える受注を獲得しています。 まず、Zeekr 9Xについて、全長5239mm、全幅2029mm、全高1819mmというフルサイズSUVセグメントに該当します。私自身実車を見てきましたが、サイズ以上に大きさを感じました。この理由は、EVらしからぬグリルが強調されたフロントフェイスにあると思います。 また、Zeekr初となるPHEVモデルであり、2リッターエンジンと最大3つのモーターを前後に搭載するトライモーターAWD仕様。さらに最大70kWhという特大級の電池容量を搭載することで、EV航続距離380km(CLTC基準)を実現しています。とくにPHEV専用2リッターエンジンの熱効率は46%を超えており、効率性と動力性能を両立。トライモーターAWDの最高出力は1030kW、0-100km/h加速は3.1秒を実現しており、フェラーリ・プロサングエやランボルギーニ・ウルス、ポルシェ・カイエンターボGTなどを凌ぐ動力性能がアピールされています。 最大70kWhという高電圧バッテリーには900Vシステムが採用され、SOC80%まで9分で充電可能という超急速充電に対応。さらに、48V可変スタビライザーを採用することで、エアサスペンションまわりの応答性を大幅に向上させ、乗り心地と走行安定性を両立しています。 また、最上級グレードHyperには、ジーリーグループ独自開発ADAS「G-Pilot」の最上位、H9を採用。LiDARを5つ搭載しながら、プロセッサーはNvidia Thor-Uをふたつ搭載することで、演算能力は1400TOPSを実現。高速道路上におけるアイズオフを実現するレベル3自動運転を実現可能としました。しかも、2列目キャプテンシートはゼログラビティシートとともに回転機能も採用されており、3列目と向かい合って座ることも可能です。 そして、注目の値段設定について、9XのエントリーグレードMaxが46.59万元(約970万円)と、ジーリーの高級ブランドのフラグシップモデルに相応しい値段設定を実現してきました。 その一方で、このフラグシップSUVには数多の競合EVが存在するという点を忘れてはなりません。とくにベンチマークとなるのは現在でも月間1万台級と大ヒットを続けるファーウェイのAITO M9の存在でしょう。 しかしながら、9Xは電池容量、EV航続距離で競合を大きくリードしており、さらに充電性能も900Vを採用していることから、AITO M9とは比較にならない高性能さを実現。さらに、9X Hyperの燃費性能は7.45L/100kmであり、AITO M9にはわずかに劣るものの、Li Auto L9やDenza N9をリード。 とくにM9やL9と同じデュアルモーター仕様のMaxグレードだと6.78L/100kmと、M9とL9の燃費を大幅にリードしています。

TAG: #SUV #中国車 #輸入車 #高級車
TEXT:高橋 優
ガソリン車よりも安くね? ジーリーの6人乗り大型SUVのEV「M9」のコスパが「嘘だろ」レベル

驚愕の高コスパを実現したラージSUVが登場 中国ジーリーが新型大型電動SUVであるM9のワールドプレミアを開催しました。日本円で300万円台という驚きのコスト競争力を実現することによって、先行発売開始24時間で4万台以上の注文を獲得しています。 ジーリーの大衆EV専門ブランドであるギャラクシーは、2023年に立ち上がってからジーリーの開発する大衆セグメントのEVを矢継ぎ早に投入中です。Galaxyブランドの売れ筋はXingyuanというコンパクトEVです。私自身Xingyuanの実車をレビューしたこともありますが、日本円で140万円程度のBEVとは思えないほどに完成度が高く、実際にBYDシーガルやテスラモデルYを上まわり、2025年中国でもっとも売れている自動車に君臨しています。 そして、Galaxyの最新動向として、8月下旬にワールドプレミアされたのが、フルサイズSUVであるM9です。M9は全長5205mm、全幅1999mm、全高1800mm、ホイールベース3030mmというフルサイズSUVセグメントに該当します。 M9で特筆するべきは、ジーリーの最新PHEVエンジン「Thor EM-p」の第二世代を搭載してきているという点でしょう。このPHEV専用エンジンは熱効率47.26%を実現しながら、さらに統合化された電動パワートレイン、Cd値0.285の達成などによって燃費性能を大幅に改善しており、CLTC基準で4.8L/100kmを実現。EV航続距離を含めた最大航続距離も1500km以上を確保しています。 AWDグレードは3つのモーターを搭載するトライモーター仕様で、システム最高出力640kW、最大トルク1165Nmを実現し、0-100km/h加速は4.5秒、最高速も210km/hを実現します。タンクターンや縦列駐車における横スライド駐車にも対応可能。エルクテストでも83km/hをクリアするなど、大型SUVとして優れた動力性能を実現しています。 さらに、インテリアも極めて洗練されています。車載OSは子会社化しているMeizuのFlyme Autoの第二世代を初採用しながら、車載チップはQualcomm Snapdragon 8295Pを搭載。ハイエンドADASも高速道路上だけでなく市街地を含めた追い越しや分岐対応、障害物に対する回避挙動、右左折、ラウンドアバウト、転回などに対応するシティNOA「G-Pilot H5」を採用。デュアルチャンバーエアサスペンションも搭載しています。 そして今回、中国メディアをざわつかせてきたのが先行発売時の値段設定です。なんと19.38万元(日本円で398万円)からという、大型SUVとしては異例となる低価格を実現してきたのです。9月中に正式発売される際にはさらに値下げして発売されるのが慣例であり、おそらく18.38万元(日本円で380万円)程度から発売される見通しです。 まさか3列シートの大型SUVが20万元を遥かに下まわる値段設定を実現してきたということに対して、明らかに業界全体に動揺が広がっているのです。

TAG: #SUV #ニューモデル #中国車
TEXT:高橋 優
400万円代の廉価グレードからオフロードモデルまで用意して「ボルボEX30」に死角なし! 中身を徹底分析してライバルと比べてみた

国内でも人気なEX30がさらに進化 ボルボがEX30の2026年モデルの発売をスタートしました。とくにLFPバッテリーを搭載して479万円からとなる最安エントリーグレードや、オフロード仕様となるクロスカントリーなどを追加設定し、さらに魅力的なラインアップとなりました。 ボルボは日本国内において、C40、EX40、そしてEX30という3種類のBEVをラインアップ済みです。さらに、海外市場ではフラグシップSUVとなるEX90や、中国市場専用で大型ミニバンEM90を投入済みです。2025年夏以降に生産をスタートするフラッグシップセダンES90も控えており、順次EVシフトを進めている状況です。 とくに日本国内で発売中の最新EVであるEX30には、69kWhバッテリーというゆとりのバッテリー容量、レベル2のADASやガラスルーフ、高級音響システムなどがすべて標準装備されており、それで559万円という価格でプレミアムブランドとしてはコスト競争力が非常に高く、しかも日本国内でも取りまわしやすいコンパクトSUVであり注目のEVだったわけです。 そして、今回導入されたのが2026年モデルです。これまではUltraシングルモーターのワングレード展開だったものの、全部で5グレード展開へと大幅にラインアップを拡充。まずはエントリーグレードを「Plus シングルモーター」として、51kWhのLFPバッテリーを搭載して装備内容を簡素化。さらに「Ultraツインモーター・パフォーマンス」として、フロントにモーターを追加したAWDグレードを追加導入。加えてオフロード仕様として「クロスカントリーUltraツインモーター・パフォーマンス」もラインアップしました。 とくに注目したいのがエントリーグレード「Plusシングルモーター」です。51kWhのLFPバッテリーを搭載することで、日本WLTCモードで390kmの航続距離を確保。LFPバッテリーなので100%満充電運用が可能であり、基礎充電環境を構築できるユーザーにとってはもってこいのバッテリーといえます。さらに、システム電圧も380Vと、LFPとしては高めに設計されており、出先の急速充電でもプラスに働きます。 ただし、気になるのが、2024年モデルのEX30ではハイカレントコントロールに対応していなかったという点です。つまり、200A以上の急速充電に対応しておらず、日本以外は150kW級で急速充電できることから、そのEX30のもつ本来の急速充電性能が2026年モデルで発揮できているのかどうかは、遠出の際の充電時間短縮には非常に重要な要素となり得ます。 また、残念なのがエントリーグレードのみヒートポンプシステムが搭載されていないという点です。よって、冬場に寒さが厳しくなる地域では電費性能が大きく悪化してしまうことから、「Plusシングルモーター」は沖縄や九州、四国など、比較的温暖な環境となる地域でおすすめといえそうです。 そして値段設定については、「Plusシングルモーター」が479万円、また「Plusシングルモーター・エクステンディッドレンジ」が539万円、2024年モデルとして唯一ラインアップしていた「Ultraシングルモーター・エクステンディッドレンジ」が579万円からと20万円の値上げ、「Ultraツインモーター・パフォーマンス」が629万円、「クロスカントリーUltraツインモーター・パフォーマンス」が649万円となりました。 ちなみに気をつけるべきはCEV補助金額です。中間の3グレードは46万円であるものの、「Plusシングルモーター」と「クロスカントリーUltraツインモーター・パフォーマンス」はどちらも36万円と減額されています。よって「Plusシングルモーター」のCEV補助金を含めた実質的な購入金額は443万円となります。 次に、EX30の競合となり得る新型日産リーフ、BYD Atto 3、ヒョンデ・コナなどのEV性能を比較してみましょう。もし仮に新型リーフが470万円程度からスタートした場合、EX30と同じような値段設定となるものの、補助金で差がつく見通しであることから、リーフのほうが割安になります。また、新型リーフは補助金の助けもあって、BYD Atto 3やヒョンデ・コナと同等の値段設定となりそうです。 とはいえ、このように実用車ブランドのEVと比較しても、EX30というプレミアムブランドの競合車種が同列に評価されるのは異例です。動力性能は0-100km/h加速が5.7秒と競合を圧倒していたり、Harman Kardon製の9スピーカーシステムを採用するなど強みをもちます。まさにLFPバッテリーを採用しながら、EVのサプライチェーンが高度に完成されている中国国内で製造されていることで、優れたコスト競争力を実現してきているのです。 また、注目するべきはエントリーグレードのPlusシングルモーターの標準装備内容です。 ・18インチホイール ・12.3インチの縦長のセンタースクリーン ・プロセッサーはQualcomm Snapdragon 8155 ・USB-Cポートは前後に2つずつ、ワイヤレス充電機も搭載 ・シート調整はすべて手動調整、シートヒーターは非搭載 ・ステアリングヒーターは非搭載 ・ワンペダルドライブ可能 ・5色のアンビエントライト ・ヒートポンプは非搭載 ・リヤサイドガラスのプライバシーガラスは非搭載 ・ガラスルーフは非搭載 ・レベル2ADASは標準装備、自動車線変更も標準搭載 ・海外仕様では対応するV2L機能には非対応 ・最高出力1040Wを発揮するHarman Kardon製の9スピーカーシステム ・エアバッグは7つ、Euro NCAPは最高評価の五つ星 ・車両保証は5年間距離無制限保証 ・5年15万kmまでのエアフィルターやブレーキパッドなどのメンテナンスサービスも標準搭載 ヒートポンプシステムは標準でほしかったと感じるものの、シートヒーターとステアリングヒーターは8万円でオプション設定であり、必要に応じて追加することは可能です。Atto 3やコナと比較してみると、装備内容は貧弱であると感じますが、富裕層のセカンドカーとしては必要にして十分でしょう。このボルボというブランドにどれだけ価値を感じるかがEX30の購入の判断基準といえるのかもしれません。 いずれにしても、今回日本国内に投入してきたボルボEX30の2026年モデルは、実質450万円以内で購入できるLFPバッテリー搭載のエントリーグレードから、0-100km/h加速3.6秒を実現するパフォーマンスAWDグレード、オフロード仕様のクロスカントリーまで一気にラインアップを拡充してきたことで、大衆EVの購入を検討していたユーザーから雪国在住のユーザーまで、非常に魅力的な選択肢となったことは間違いありません。 コンパクト電動SUVセグメントは新型日産リーフやスズキe VITARAも発売されることから、さらに多くの選択肢からEVを選ぶことができそうです。

TAG: #SUV #ボルボ #輸入車
TEXT:高橋 優
Zeekrの「7X」はテスラどころかBYDも凌ぐコスパ最強のEV! オーストラリアの次は日本上陸の可能性大

驚愕の鬼コスパSUV Zeekrが右ハンドル市場のオーストラリアで最新EV「7X」の先行受注をスタートしました。テスラ・モデルYよりも安いという優れたコスト競争力を実現したことで、期待される日本国内導入においてもコスト競争力が高いEVとなり得る可能性について、国内販売価格の予測を含めて解説します。 まず、今回のZeekrはすでに中国国内で001、009、X、001FR、007、009 Grand、7X、MIX、007GTというさまざまなBEVを発売中であり、さらに最新フラグシップSUVの9Xには、Zeekr初となるPHEVシステムを採用します。70kWhの超大容量バッテリーを搭載してEV航続距離380kmを確保しています。さらに、中国国内だけではなく、すでに欧州や中南米、中東、東南アジア諸国にも進出しています。 そして今回取り上げたいのが、2024年9月に中国でローンチしたミッドサイズSUV「7X」の存在です。7Xは欧州や東南アジアでも納車がスタートしていました。そして今回、オーストラリア市場においても7Xの先行受注がスタートしたのです。 最初の納車は10月スタートの予定ですが、現地メディアが驚きをもって報じているのがその値段設定です。エントリーグレードで5万7900豪ドル(日本円で約554万円)という安価な値段設定を実現しています。実際に7Xは受注開始1週間を待たずして1000台以上の受注を獲得しており、想定以上の受注動向を踏まえて、限定1000台に対する早期注文キャンペーン特典を8月17日までに急遽延長したという背景すら存在します。 とくに、オーストラリア市場におけるベストセラーEVのテスラモデルYと比較してみると、値段設定で競合グレードを下まわっている状況です。たとえばエントリーグレードでは7Xが480kmの航続距離に対して、モデルYが500kmと同等の航続距離を確保。急速充電性能では7Xが最大450kWの急速充電に対応しており圧倒しながら、3.3kWのV2L機能にも対応。0-100km/h加速も6.0秒とモデルYと同等です。 そして、値段設定でもモデルYよりも1000豪ドル安価に発売することができています。オーストラリアの場合は中国と自由貿易協定を結んでいることから関税ゼロで中国製車両を輸出可能です。とくに追加関税が課されている欧州と比較しても、そのぶんだけ安価に7Xを導入し、ベンチマークのモデルYよりも値段を引き下げることができているのです。 そして、Zeekrはすでに日本市場への参入を正式に表明しており、主力モデルとなるであろう7Xが日本でどれほどのコスト競争力を実現してくるのかに大きな注目が集まっている状況です。とくに今回判明したオーストラリア市場というのは、日本と同じく右ハンドル市場であり、さらに中国側は日本に対して15%の自動車関税を設けているものの、日本側には中国に対して自動車関税を設けていないことから条件が極めて似通っており、値段設定にもオーストラリアと同等水準を期待できるのです。 とくに日本国内においてZeekr 7Xの競合となり得るテスラモデルY、日産アリア、BYDシーライオン7、ヒョンデIONIQ5と比較してみると、やはり7Xは、おおよそ550万円程度となると推測できるエントリーグレードにおいても極めて優れたEV性能を実現している様子が見て取れます。

TAG: #SUV #中国車
TEXT:高橋 優
中国でバッテリー交換式の大型SUVがデビュー! 激安550万円でEVスタートアップが放つ「Onvo L90」の実力をライバルと比較した

超コスパの新型電動SUVを分析 中国のEVスタートアップNIOが、新型EVとしてバッテリー交換に対応させた大型SUV「Onvo L90」の正式発売をスタートしました。日本円で337万円から購入可能という驚きのコスト競争力を実現。ますます競争が激化する大型SUVセグメントの最新動向を含めて解説します。 まず、NIOはプレミアムブランドとして、日本円で600万円以上の高級EVをセダンとSUVともにラインアップしながら、2024年9月から大衆ブランドOnvoを立ち上げて、ミッドサイズSUVのL60を発売。さらに2025年4月からは、小型EVのFireflyを投入するなど、販売規模を拡大するために大衆セグメントのEVの投入も始めています。ところがL60の販売台数は当初の想定よりも低く、NIOブランドの高級モデルの販売台数も減少傾向です。 とくに販売台数の伸びの鈍化以上に問題なのが収益性です。L60の不発によって2025年Q1は赤字が大幅拡大しており、キャッシュも急速に減少中です。 NIOは2025年Q4単体における黒字化を目標にしており、NIOが今後も安定した経営を持続するためには、この黒字化は至上命題です。まさに2025年下半期は、2014年の創業以降、もっとも重要な半年間になるといえるのです。 そして、NIOに関する最新動向が、大衆ブランドOnvoの2車種目となるL90の正式発売スタート、翌日8月1日から納車がスタートしているという点です。L90は、全長5145mm、全幅1998mm、全高1766mm、ホイールベース3110mmというフルサイズSUVです。L90のEV性能で注目するべきは、L60やNIOの全モデルと同様にバッテリー交換に対応しているという点でしょう。 すでにNIOのバッテリー交換ステーションは、中国全土に3000カ所以上、とくに経路充電において重要な高速道路上にも1000カ所以上を設置済みです。3分以内でバッテリーを交換することが可能であり、バッテリー交換ステーションを目的地にセッティングすると、ステーション内への自動駐車からバッテリー交換までがシームレスに起動することで、急速充電よりも利便性が高いことがアピールされています。 また、L90の強みは効率性の高さです。大型SUVにもかかわらず、電費は14.5kWh/100kmと、現在発売されている大型SUVのBEVとしては最高レベルの効率性です。これは900Vシステムの採用やバッテリーパックのエネルギー密度向上によって、RWDグレードで2250kgと車両重量を低減したことが寄与しています。 さらに、空間効率の最適化も実現しています。とくに目を引くのが240リットルという業界最大級のフロントトランクを確保しながら、リヤトランク部分も430リットルを確保することで、6人全員の乗員の荷物詰め込むことが可能であり、ファミリーSUVとして極めて実用性が高いことがアピールされています。 さらにインテリアも、大型SUVとして必須装備となるゼログラビティシート、後席向けの大型スクリーン、冷温庫といういわゆる「3種の神器」が網羅されています。 そして肝心の値段設定について、エントリーグレードが26.58万元(邦貨換算約558万円)という驚異的なコスト競争力を実現してきました。さらに、NIOについて特筆するべきポイントは、BaaS(Battery as a Service)として、車両本体とバッテリーを切りわけて所有することが可能となる点です。 するとL90は、月額のバッテリーサブスク料金を支払うことで車両本体を17.98万元(約377万円)で購入することが可能となり、イニシャルコストの高さでローンを組めないような大衆ファミリー層も購入できるようになります。BaaSならバッテリーの劣化や故障などの心配もなく、ユーザーが心置きなくBEVへ買い換えることができるようになるのです。

TAG: #SUV #中国メーカー #中国車
TEXT:高橋 優
BYDがエンジンありのクルマを日本に導入予定! 気になるPHEV「シーライオン6」はやっぱり低価格で勝負!!

BYDのPHEVモデルがもうすぐやってくる 日本国内でBYDの新型モデル「シーライオン6」のテスト車両が目撃されています。2025年末以降に投入予定のPHEVモデルがどれほどの完成度を実現しているのか。気になる値段設定を海外マーケットの値段設定から予測します。 まず日本市場におけるBYDは、すでに日本国内にATTO 3、ドルフィン、シール、そしてシーライオン7という4車種を投入済みです。その上で2025年末に初のPHEV導入を決定しながら、ちょうど1年後となる2026年後半には軽自動車セグメントのEVを投入する方針を表明しています。すでに一部のネット上におけるスパイショットから、ホンダN-BOXと瓜二つの、スライドドア採用のスーパーハイトになることが判明済みです。日産サクラだけでなくホンダN-ONE :eの発売もスタートすることから、軽自動車セグメントのEVがさらに盛り上がるはずです。 そして今回取り上げたいのが、軽自動車EVとともに注目されていたPHEVモデルの存在です。すでにネット上での目撃情報が増えており、車両形状からほぼシーライオン6で確定しており、年末ごろの発売に向けて準備が進められている模様です。 このシーライオン6は中国市場におけるSong. Plusと同じモデルです。すでにSong Plusは欧州市場においてSeal Uとして発売中ですし、東南アジアオセアニア地域でもシーライオン6として発売中です。 シーライオン6はFWDグレードとともに、後輪側にもモーターを搭載したAWDグレードを両方設定。バッテリー容量は18.3kWhのLFPバッテリーを搭載しながら、1.5リッターPHEVシステムであるDMシステムが搭載されています。よって欧州WLTCモードにおいて80kmのEV航続距離を確保しながら、60リットルの燃料タンクを組み合わせることによって、最大航続距離も1080kmを確保しています。 PHEVの強みは、通勤や買い物などの日常使いを電気のみでまかないながら、途中充電が必要となるロングトリップでは、充電を気にすることなくガソリンだけで走行することができるという点です。日常使いは電気のみの走行で運用コストを下げたり、EVならではの静粛性や制振性の高い乗り心地を実現しながら、ロングトリップにおける充電の煩わしさからストレスフリーとなるという、BEVとガソリン車のいいとこ取りが自慢です。 また、シーライオン6では最大18kWの急速充電にも対応しており、日本版ではおそらくチャデモ規格を採用することで、V2Hにも対応してくる見込みです。さらに中国国内では設定されていないAWDグレードでは、最高出力238kW、最大トルク550N・mを発揮することで、0-100km/h加速が5.9秒と俊敏な動力性能も実現。とくに四輪駆動方式は雪国で訴求力が高く、雪国におけるBYDのシェア拡大にも期待されます。 値段設定は、値段設定が似通っているオーストラリア市場で、FWDグレードが、42990オーストラリアドル(約416万円)、AWDグレードが日本円で約513万円となっています。

TAG: #PHEV #SUV #新車
TEXT:TET 編集部
ファッション&アウトドア好きにも刺さるEV! ヒョンデ「インスタークロス」が先行予約開始でいまなら秋キャンプにも間に合う

冒険心を持つお客さまへ 今年発売されたヒョンデのスモールEV「インスター」に早くも新たな仲間が加わった。 9月の発売開始を前に8月8日から先行予約が始まったのは、「インスタークロス」と呼ばれるアウトドアテイストを内外装に盛り込んだ、アクティブなイメージの新グレードだ。「タフで存在感のあるアクティブなデザインに仕上げ、インスターが持つ高い実用性はそのままに、冒険心を持つお客さまのニーズに答えていく」とヒョンデは語っている。 インスタークロスは専用デザインの前後バンパーと、サイドシルプロテクター、17インチアルミホイールに加え、アウトドアテイストあふれるクルマの定番アイテムとなった大型ルーフバスケットを装備。アクティブグレードらしい外観とアウトドアシーンに必要な大型ギアを満載できる実用性を兼ね備えたEVに進化している。 ボディカラーはインスタークロス専用色となるアマゾナスグリーンマット、ダスクブルーマット、アンブリーチドアイボリーを含む全5色展開。いずれもアウトドアシーンに映える色使いが魅力だ。 それはインテリアでも同じ。スタンダードなブラックモノトーンの内装色に加え、グレーとカーキのコンビネーションシートに、ライムイエローのアクセントがあしらわれて「ダークグレーライトカーキ」と呼ばれる内装色が用意されている。 オシャレと航続性能はトレードオフ? EVとしての性能はほぼインスターのボヤージュまたはラウンジと同等。最高出力85kW、最大トルク147Nm、総電力量49.0kWhという値も一緒ならば、2輪駆動という点も変わらない。しかし、全長15mm、全高100mm拡大したボディに加え、ラウンジに対し車体重量が10kg増加した影響か、WLTCモードの電力量消費率は18%ほど悪化し、141Wh/kmとなっていることに注意が必要だ。このため、一充電走行距離はボヤージュ・ラウンジの458kmに対し393kmと発表されている。 ただし、アウトドアテイストが存分に感じられるスモールEVという存在は唯一無二。だから航続距離にはひとまず目をつぶり、このデザインだけで飛びついたとしても決して悪い選択ではないはずだ。 先行予約特典と早期納車情報 なお、9月10日からの正式発売に先立って行なわれる先行予約に申し込むと、次のうちどちらかの特典が受けられるという。 ①INSTER 5年 Health Care 「ヒョンデ・アシュアランス・プログラム」のヘルスケアを通常の3年から5年に延長し、4年目の法定12カ月点検基本料金と5年目の車検基本料金を無料で提供 ②INSTERアウトドアセットをプレゼント プレミアムネッククッション、オーガナイザー&サイドテーブル、助手席シートバックボードテーブル、折り畳み式チェア、ピクニックマットの5点セットをプレゼント また、ヒョンデは秋の行楽シーズンにインスタークロスの納車を間に合わせるべく、早期に納車が可能な初回生産車を合計25台用意した。25台の内訳は、外装色トムボーイカーキと内装色ダークグレーライトカーキの組み合わせが15台、外装色アンブリーチドアイボリーと内装色ブラックモノトーンの組み合わせが10台、それぞれ先着順ということなのでお早めに。 ファッション感度に優れた方からも支持されそうな、魅力ある内外装を備えたヒョンデ・インスタークロスの車両本体価格は、税込み372万9000円となっている。 近年需要が高まっている電化製品を用いたキャンプスタイルと、外部給電(V2L)機能をもったEVの組み合わせは親和性が高く、アウトドアシーンでの新たなトレンドになりつつある。そこにきてインスタークロスの登場はまさにドンピシャのタイミングともいえる。

TAG: #SUV #ヒョンデ #輸入車
TEXT:渡辺陽一郎
スズキ初のEV「eビターラ」はぶっちゃけ売れる? 日本のスズキファンが買うかどうかは「価格」次第

クルマとしてはよくできているスズキ初のBEVだが…… スズキは最初の量販電気自動車となるeビターラを2025年度中(2026年3月まで)に国内で発売する。フロンクスと同様、インドの工場で生産される輸入車で、ボディサイズは全長が4275mm、全幅は1800mm、全高は1640mmだ。カテゴリーはコンパクトSUVで、全長と全幅はマツダCX-3などに近い。 エンジンを搭載しない電気自動車だから、駆動用リチウムイオン電池の容量は比較的大きい。49kWhと61kWhが用意され、1回の充電で走れる距離は、49kWhの2WDが400km以上、61kWhの2WDは500km以上(4WDは450km以上)とされる。 ボディはコンパクトだが車内は意外に広く、身長170cmの大人4名が乗車したとき、後席に座る乗員の膝先空間は握りこぶしふたつぶんだ。4名で乗車できる居住性が備わり、1回の充電で400km以上を走れるから、電気自動車としては実用性も高い。 はたしてeビターラは売れるのか。販売面では決して有利なクルマではない。いまの乗用車の需要は、約80%が従来型や同じメーカーの車両からの乗り替えに基づく。それなのにeビターラは、日本では初代モデルだから、先代型からの乗り替え需要もない。すべてが新規ユーザーだ。 しかもスズキは、いままで電気自動車を扱った経験がない。加えて2024年度は、国内で新車として販売されたスズキ車の81%が軽自動車だった。残りの小型/普通車も、売れ筋は5ナンバー車のソリオとスイフトだ。eビターラは、国内におけるスズキのブランドイメージに合っていない。 eビターラの売れ行きを決定付けるのが価格だ。2025年7月中旬時点では未定だが、リチウムイオン電池の容量などが似ているリーフの価格を参考にできる。eビターラは装備を相応に充実させるから、49kWhのリチウムイオン電池を搭載したもっとも安価なグレードは、リーフに40kWhの電池を搭載したX・Vセレクションの431万8600円に近いと予想される。 仮にeビターラのもっとも安価なグレードが430万円なら、国から交付される約80万円の補助金を差し引いて、実質価格は約350万円だ。スズキのブランドイメージを考えると、車両価格を370万円に抑えて、補助金を差し引いた実質価格を290万円としたいが実際は難しい。 そして、先に挙げた車両価格が430万円/補助金を差し引いて350万円という予想価格を超えてしまうと、順調に販売するのは困難だ。eビターラは難しいビジネスだが、将来に向けた環境対応を考えると、避けられない一種の試練になる。

TAG: #SUV #セールス #国産車
TEXT:高橋 優
日産の新型EVは大型SUV! 「N8」と見られるその中身を提携メーカーの「eπ008」から占う

N7と同じ流れで大型SUVを導入か 日産が中国市場でスマッシュヒットを飛ばしているN7に続く新型EVについて、売れ筋の中大型SUVを投入してくるのではないかという最新動向を、そのベースとなる車種の存在、そして現在中国市場で盛り上がる3列シート搭載大型SUVセグメントの最新動向を含めて解説します。 まず、今回取り上げていきたいのが日産の新型EV動向です。日産は4月末に中国市場でミッドサイズセダンN7の正式発売をスタートさせて、すでに発売開始50日間で2万台の受注を獲得。さらに、6月中に世界戦略車として三代目となる新型リーフを発表しました。さらに欧州市場ではマイクラEVを2025年末までに投入予定です。 そして、欧州以上にEVシフトが進んでいる中国市場には、2027年夏までにN7を含めて合計9車種の新エネルギー車を展開する方針を表明しています。すでに2車種目は、フロンティアプロというピックアップトラックのPHEVを2025年末までに導入する方針です。 そして、日産は2024年の北京オートショー内にて、今後の新型EVのベースとなるコンセプトモデルを4車種も発表していたという背景が存在します。 まずセダンのEvoコンセプトはPHEVであると説明されており、もしかしたら2025年後半に投入予定のN7のEREV(レンジエクステンダーEV)を指しているのかもしれません。 次にEraコンセプトは都市型コンパクトSUVのPHEVと発表されています。日産の売れ筋であるキャッシュカイやエクストレイルのPHEVバージョンとしてラインアップされるのかもしれません。 そして、今回取り上げていきたいのがEpochコンセプトの存在です。このEpochコンセプトはBEVであると説明されており、より大型のSUVと推測可能です。もしかしたらエクストレイルよりも大きく、パスファインダー級のフラグシップSUVとしてラインアップされるのかもしれません。 じつは、このパスファインダーのような3列シート搭載の大型SUVセグメントは、現在多くのEVがラインアップされています。とくに豪華シート、リヤエンタメスクリーン、冷温庫という「三種の神器」が重要視されており、このような豪華装備内容を網羅した大型電動SUVが人気となっているのです。 そして、とくにEpochコンセプトとともに、日産の大型
SUV導入の可能性が高まっていると推測できる理由が、合弁先であるDongfengのEV専門ブランド「eπ」から、すでに大型SUVがラインアップされているという点です。じつはeπからは007というミッドサイズセダンが発売済みであり、日産も同じくミッドサイズセダンのN7を発売しています。 Dongfengとの車両パーツ調達などで協調しているはずであり、よって似たようなセグメントからEVが投入されることになるのは当然の流れといえるでしょう。つまり、eπ007だけではなく、eπ008と同セグメント、つまり大型SUVセグメントのEVを日産も導入してくる可能性が高いのです。 今回取り上げていきたいeπ008は、全長5002mm、全幅1972mm、全高1732mm、ホイールベースが3025mmという中大型SUVセグメントに分類されます。日本国内ではフルサイズSUVに該当しますが、中国市場では一般的に全長5200mm級がフルサイズ大型SUVと分類されるためです。 また、eπ008で重要なポイントが、BEVとともにEREVもラインアップしている点です。このグラフは中大型以上の電動SUVの月間販売台数の変遷を示したものです。とくにモデル名の後ろに記載されている値段設定を見てみれば、30万元(約600万円)以上というプレミアムセグメントに該当する車種が多いことがわかります。他方で、eπ008やリープモーターC16はどちらも日本円換算で300万円台で発売。今後はプレミアムセグメントだけではなく大衆セグメントでも大型電動SUVのラインアップが拡大していくはずです。

TAG: #SUV #新型車

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
日本は3年連続「日産サクラ」がトップ! じゃあ中国・欧州・アメリカで一番売れてるEVってなにか調べてみた
電気自動車って「お金的に」得? エンジン車と諸々の費用を比べてみた
リーフのバッテリーパックをバラして積むって意外に大変! 初代フィアット・パンダのEV化に挑戦してみた【その5】
more
ニュース
新型エルグランドがいよいよe-POWERで登場!? 「EVの雄」日産のジャパンモビリティショー2025は電動モデルが盛り盛り
トヨタの新型モビリティでお台場周辺が一気に便利になる! 「eパレット」と「C+walk」が街全体の活性化にも貢献
ホンダがカーボンニュートラル実現に向け二輪の電動化を加速中! 欧州でネイキッドモデル「WN7」を発表
more
コラム
EVシフトは先進国よりも新興国で進んでいた! 政府のあと押しによる驚くべき普及率!!
BYDって世界規模でイケイケなんじゃなかったの? 収益性の悪化が見えた決算のウラ側を読む
レシプロとロータリーと……クルマ好きが大好きなエンジンの種類! じつはEVのモーターにも「巻き線式」「永久磁石式」と種類があった
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】いい意味で「EVを強調しない」乗り味! 本格4WDモデルも用意される期待のニューモデル「スズキeビターラ」に最速試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
more
イベント
スーパーオートバックスかしわ沼南に90台のEVとオーナーが集合してゆる〜く懇親! 「EV MEET 2025 AUTUMN」を開催
EVらしさをなるべく廃したスタイリングで乗り換えを自然に! スズキが軽EVコンセプトカー「Vision e-Sky」で考えたのはEVであることを気づかれないことだった【ジャパンモビリティショー2025】
助手席側が1枚スライドドアでガバっと開くから使いやすい! 乗用車領域でも活躍しそうなダイハツ「カヨイバコK」はいまから登場が待ち遠しいEV軽バンだった【ジャパンモビリティショー2025】
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択