コラム
share:

BYDが全車に「神の眼」を搭載! 高度な自動運転システムを積んでも「値上げゼロ」でさらなる普及を狙う!!


TEXT:高橋 優 PHOTO:EV NATIVE/THE EV TIMES
TAG:

すべてのモデルに「God’s Eye」を標準搭載

中国BYDが自動運転に関する最新テクノロジーを発表しました。最安モデルのシーガルを含めて、一切の値上げをせずに自動運転システムを搭載することで、新たな値下げ戦争の火蓋が切って落とされたという最新動向を解説します。

まず、BYDは「God’s Eye」と名付けられた独自の自動運転システムを一部モデルに搭載し、高速道路から市街地におけるハイエンドADASを展開中でした。ところがBYDは今回、優れたテクノロジーは誰もが利用できるべきだと主張して、発売するすべてのモデルに対してGod’s Eyeシステムを搭載する方針を表明。その発表会が開催された2月10日の即日中に、2025年モデルとして、God’s Eyeシステムを標準搭載するモデルチェンジを実施しました。

とくに驚くべき点が、すべてのモデルでGod’s Eyeシステムを標準装備してきているという点です。要するにGod’s Eyeシステムぶんだけ実質的な値下げが行われたといえます。

BYDの車種ラインアップ

※全モデル値上げせずに自動運転システム「God’s Eye」を標準装備。最安モデルのシーガルやQin Plusのみ、中間グレード以降に標準設定

God’s Eyeシステムについて、現在日本国内で発売されているAtto 3、ドルフィン、シールに搭載されているのはDiPilotと名付けられたレベル2のADAS。つまり、アダプティブクルーズコントロールとレーンキープです。他方でGod’s Eyeシステムは、いわゆるレベル2+といわれており、3つのグレードに分類されています。

発表のようす

まず、God’s Eye Cについて、3眼カメラを含む12のカメラ、5つのレーダー、12の超音波センサーを含めた、合計29ものADAS用センサーとともに、プロセスノード6ナノの、演算能力84TOPSを実現するNvidia Drive Orin N、もしくは128TOPSを実現するHorizon RoboticsのJourney 6 MというADAS用プロセッサーで構成。これまでのDiPilotにおけるレベル2 ADASに加えて、高速道路や自動車専用道路上における追い越しや分岐、カラーコーンなどの障害物への回避挙動にも対応。これは一般的にHighway Navigation On Autopilot(ハイウェイNOA)と呼ばれています。

また、God’s Eye Cでは、ハイウェイNOAに加えて、そのADAS用カメラを使用してセントリーモードも実装。さらに、高度駐車機能として、たとえば駐車位置を指定したらドライバーはクルマを降りて自動で駐車してくれる機能も実装されています。

次に、これまではDiPilot 300といわれていたGod’s Eye Bについて、12のカメラ、5つのレーダー、12の超音波センサーに加えて、ひとつもしくはふたつのLiDARを搭載。さらに、Nvidia Drive Orin Xプロセッサーをひとつ搭載することで演算能力は254TOPSを実現します。よって、God’s Eye CのADAS性能に加えて、市街地における信号対応や右左折、ラウンドアバウトや横断歩道などにおける歩行者対応などという、City Navigation On Autopilot(シティNOA)に対応しています。おもにDenzaブランドの全モデルと、BYDブランドのSeal、Sea Lion 7、Han、およびTangという上級モデルに採用されます。

BYDシールのフロントスタイリング

※中国仕様のシールはGod’s Eye Bを採用することでシティNOAに対応

そして、DiPilot 600と名付けられていたGod’s Eye Aについて、God’s Eye Bと比較してさらにLiDARを追加して合計3つ搭載。さらにNvidia Drive Orin Xプロセッサーをふたつ搭載することで演算能力は508TOPSに到達。ハイエンドブランドのYangwangの全モデルで採用されています。

TAG:

PHOTO GALLERY

NEWS TOPICS

EVヘッドライン
ブレーキダストを封じ込めて環境対策! メルセデス・ベンツが開発したEVならではの技術「インドライブ・ブレーキ」ってどんなもの?
ヒョンデの魅力を日本に伝える新たな拠点! 「ヒョンデ みなとみらい 本社ショールーム」がグランドオープン
中国から地球上最強コスパの新星EV現る! IMモーターL6の驚くべきスペックとは
more
ニュース
国際興業がいすゞエルガEVを埼玉県に初導入! パワーエックスとの提携で走行時CO2排出ゼロに取り組む
「bZ4Xツーリング」の車名で日本でも2026年春に発売予定の新SUV! トヨタ bZ4Xのワゴン版となる「bZ Woodland」を北米で発表
元ガソリンスタンド跡地がゼロエミッションビークルの最新拠点に転生! 国内2カ所目となるサービス拠点「Hyundai Customer Experience Center 大阪」がオープン
more
コラム
日産の6700億円赤字はさほど問題なし! それよりも直近「ワクワクする」クルマの計画がないことが問題
世界中の自動車メーカーの工場が集結するメキシコ! ついに立ちあがった自国量産BEVブランド「サクア」とは?
海外じゃけっこう聞く「EVの発火事故」! 日本で燃えたというニュースが出ない理由とは?
more
インタビュー
電動化でもジーリー傘下でも「ロータスらしさ」は消えない? アジア太平洋地区CEOが語るロータスの現在と未来
「EX30」に組み込まれたBEVの動的性能とは。テクニカルリーダーが語る「ボルボらしさ」
「EX30」には、さまざまな可能性を。ボルボのテクニカルリーダーが話す、初の小型BEVにあるもの
more
試乗
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた
【試乗】CR-Vに中身を乗っけただけのプロトなのにもう凄い! ホンダの次世代BEV「0シリーズ」に期待しかない
【試乗】二度見必至の存在感は普通のコナとはまるで別モノ! イメージを大きく変えたヒョンデ・コナ「N Line」に乗って感じたマルとバツ
more
イベント
公道レース「フォーミュラE東京」が帰って来る! チケットを持っていなくとも無料で1日遊び尽くせる2日間
災害に備えて未来を楽しむ! 「AWAJI EV MEET 2025」の参加はまだまだ受付中
災害時にも活躍できるEVの可能性を淡路島で体験! 「AWAJI EV MEET 2025 from OUTDOOR FEELS」開催決定
more

PIC UP CONTENTS

デイリーランキング

過去記事一覧

月を選択