#輸入車
TEXT:桃田健史
自動車専売メーカーだけでもかなりの数なのになぜ過当競争に挑む? スマホでお馴染み「ファーウェイ」「シャオミ」がEVに参戦する理由

EVの登場でクルマを提供できるのは自動車メーカーだけではなくなった 中国のEV市場の業界図式がいま、目まぐるしく変化している。そのなかでも、家電やスマートフォンのメーカーでもあるHauwai(ファーウェイ)とXiaomi(シャオミ)の存在感が目立つ。 時計の針を少し戻せば、中国ブランドの乗用EVが立ち上がったのは2010年代に入ってからだ。当時、中国各地で中国ブランドEVを試乗したが、クルマの根本的な走行性能のレベルはけっして高くなかった。いわゆるコンバージョンEVという感じであり、EV専用車がAセグメント、またはそれより小さい日本でいう超小型モビリティのような存在が主流だった。電池メーカーもさまざまなブランドが参入し、中国当局は一時、電池の規格化を一気に進めようとしたことを思い出す。 その後、中国政府によるNEV(新エネルギー車)製造に対する支援施策などにより、従来型の外資メーカーと中国地場メーカーの合弁事業のみならず、中国地場ベンチャーが数多く登場することになる。だが、厳しい価格競争や、一部メーカーでの強引な経営体制などの影響で経営破綻したり、ブランドが消滅したりするケースが目立つようになった。 そうしたなか、満を持して登場したのが家電やスマートフォンの製造販売を本業とするHauweiやXiaomiである。背景にあるのは、やはりSDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)という自動車産業における新しい概念だ。 SDVには定義はない。その上で、自動車産業界にとっては2010年代にCASEと呼ばれた次世代技術のなかで、SDVをきっかけに欧米や中国の電機・IT系事業者が自動車産業におけるゲームチェンジを一気に仕掛けてきた形だ。時期としては、コロナ禍であったこともあり、日本の自動車産業界にとってHauweiやXiaomiの自動車産業界における躍進は、寝耳に水といった印象をもっている人が少なくないだろう。 たとえば、Hauweiは自社EVブランド「問界(AITO)」がある。足がかりとして、中国地場では中堅自動車メーカーのセレスと連携して中国での売れ筋である高級SUV EV市場に打って出た。さらに、2023年にはHauweiが中心となる連合体「HIMA」を発足させる一方で、2024年にはセレスがHauweiからAITOの商標権を買収した。 見方を変えると、Hauweiとしては市場における激しい価格競争のなかで完成車事業の収益性を検討し、車載OSなどSDV関連プラットフォームの提供企業として、サレスやHIMAに加入している中国地場大手の上海汽車などと新たな事業展開を目指すものと推測される。 Hauweiの強みとは、EVという商品そのものだけではなく、市場環境や社会情勢によって大胆な経営判断を実行できる経営体制にあるといえるだろう。

TAG: #スマホ #中国車 #家電 #輸入車
TEXT:高橋 優
400万円代の廉価グレードからオフロードモデルまで用意して「ボルボEX30」に死角なし! 中身を徹底分析してライバルと比べてみた

国内でも人気なEX30がさらに進化 ボルボがEX30の2026年モデルの発売をスタートしました。とくにLFPバッテリーを搭載して479万円からとなる最安エントリーグレードや、オフロード仕様となるクロスカントリーなどを追加設定し、さらに魅力的なラインアップとなりました。 ボルボは日本国内において、C40、EX40、そしてEX30という3種類のBEVをラインアップ済みです。さらに、海外市場ではフラグシップSUVとなるEX90や、中国市場専用で大型ミニバンEM90を投入済みです。2025年夏以降に生産をスタートするフラッグシップセダンES90も控えており、順次EVシフトを進めている状況です。 とくに日本国内で発売中の最新EVであるEX30には、69kWhバッテリーというゆとりのバッテリー容量、レベル2のADASやガラスルーフ、高級音響システムなどがすべて標準装備されており、それで559万円という価格でプレミアムブランドとしてはコスト競争力が非常に高く、しかも日本国内でも取りまわしやすいコンパクトSUVであり注目のEVだったわけです。 そして、今回導入されたのが2026年モデルです。これまではUltraシングルモーターのワングレード展開だったものの、全部で5グレード展開へと大幅にラインアップを拡充。まずはエントリーグレードを「Plus シングルモーター」として、51kWhのLFPバッテリーを搭載して装備内容を簡素化。さらに「Ultraツインモーター・パフォーマンス」として、フロントにモーターを追加したAWDグレードを追加導入。加えてオフロード仕様として「クロスカントリーUltraツインモーター・パフォーマンス」もラインアップしました。 とくに注目したいのがエントリーグレード「Plusシングルモーター」です。51kWhのLFPバッテリーを搭載することで、日本WLTCモードで390kmの航続距離を確保。LFPバッテリーなので100%満充電運用が可能であり、基礎充電環境を構築できるユーザーにとってはもってこいのバッテリーといえます。さらに、システム電圧も380Vと、LFPとしては高めに設計されており、出先の急速充電でもプラスに働きます。 ただし、気になるのが、2024年モデルのEX30ではハイカレントコントロールに対応していなかったという点です。つまり、200A以上の急速充電に対応しておらず、日本以外は150kW級で急速充電できることから、そのEX30のもつ本来の急速充電性能が2026年モデルで発揮できているのかどうかは、遠出の際の充電時間短縮には非常に重要な要素となり得ます。 また、残念なのがエントリーグレードのみヒートポンプシステムが搭載されていないという点です。よって、冬場に寒さが厳しくなる地域では電費性能が大きく悪化してしまうことから、「Plusシングルモーター」は沖縄や九州、四国など、比較的温暖な環境となる地域でおすすめといえそうです。 そして値段設定については、「Plusシングルモーター」が479万円、また「Plusシングルモーター・エクステンディッドレンジ」が539万円、2024年モデルとして唯一ラインアップしていた「Ultraシングルモーター・エクステンディッドレンジ」が579万円からと20万円の値上げ、「Ultraツインモーター・パフォーマンス」が629万円、「クロスカントリーUltraツインモーター・パフォーマンス」が649万円となりました。 ちなみに気をつけるべきはCEV補助金額です。中間の3グレードは46万円であるものの、「Plusシングルモーター」と「クロスカントリーUltraツインモーター・パフォーマンス」はどちらも36万円と減額されています。よって「Plusシングルモーター」のCEV補助金を含めた実質的な購入金額は443万円となります。 次に、EX30の競合となり得る新型日産リーフ、BYD Atto 3、ヒョンデ・コナなどのEV性能を比較してみましょう。もし仮に新型リーフが470万円程度からスタートした場合、EX30と同じような値段設定となるものの、補助金で差がつく見通しであることから、リーフのほうが割安になります。また、新型リーフは補助金の助けもあって、BYD Atto 3やヒョンデ・コナと同等の値段設定となりそうです。 とはいえ、このように実用車ブランドのEVと比較しても、EX30というプレミアムブランドの競合車種が同列に評価されるのは異例です。動力性能は0-100km/h加速が5.7秒と競合を圧倒していたり、Harman Kardon製の9スピーカーシステムを採用するなど強みをもちます。まさにLFPバッテリーを採用しながら、EVのサプライチェーンが高度に完成されている中国国内で製造されていることで、優れたコスト競争力を実現してきているのです。 また、注目するべきはエントリーグレードのPlusシングルモーターの標準装備内容です。 ・18インチホイール ・12.3インチの縦長のセンタースクリーン ・プロセッサーはQualcomm Snapdragon 8155 ・USB-Cポートは前後に2つずつ、ワイヤレス充電機も搭載 ・シート調整はすべて手動調整、シートヒーターは非搭載 ・ステアリングヒーターは非搭載 ・ワンペダルドライブ可能 ・5色のアンビエントライト ・ヒートポンプは非搭載 ・リヤサイドガラスのプライバシーガラスは非搭載 ・ガラスルーフは非搭載 ・レベル2ADASは標準装備、自動車線変更も標準搭載 ・海外仕様では対応するV2L機能には非対応 ・最高出力1040Wを発揮するHarman Kardon製の9スピーカーシステム ・エアバッグは7つ、Euro NCAPは最高評価の五つ星 ・車両保証は5年間距離無制限保証 ・5年15万kmまでのエアフィルターやブレーキパッドなどのメンテナンスサービスも標準搭載 ヒートポンプシステムは標準でほしかったと感じるものの、シートヒーターとステアリングヒーターは8万円でオプション設定であり、必要に応じて追加することは可能です。Atto 3やコナと比較してみると、装備内容は貧弱であると感じますが、富裕層のセカンドカーとしては必要にして十分でしょう。このボルボというブランドにどれだけ価値を感じるかがEX30の購入の判断基準といえるのかもしれません。 いずれにしても、今回日本国内に投入してきたボルボEX30の2026年モデルは、実質450万円以内で購入できるLFPバッテリー搭載のエントリーグレードから、0-100km/h加速3.6秒を実現するパフォーマンスAWDグレード、オフロード仕様のクロスカントリーまで一気にラインアップを拡充してきたことで、大衆EVの購入を検討していたユーザーから雪国在住のユーザーまで、非常に魅力的な選択肢となったことは間違いありません。 コンパクト電動SUVセグメントは新型日産リーフやスズキe VITARAも発売されることから、さらに多くの選択肢からEVを選ぶことができそうです。

TAG: #SUV #ボルボ #輸入車
TEXT:桃田健史
ボルボのハイパフォーマンスモデルを手がけてた「ポールスター」! EVブランドになるって話もあったけどいまどうなってる?

日本導入が熱望されるEVブランド ポールスターという自動車ブランドがある。そう聞いて、欧州車に詳しい人ならば、「ボルボのハイエンドグレードでは?」と思うだろう。ボルボの各モデルで、いわゆるポールスター仕様が存在したからだ。 ハイエンド、またはハイパフォーマンスな「上位ブランド」戦略としては、メルセデス・ベンツのAMG、BMWのM、VWのRライン、キャデラックのVシリーズ、さらに日系ではトヨタのレクサス、日産のインフィニティ、そしてホンダのアキュラというイメージで捉えている人が少なくないだろう。 その後、ポールスターはボルボブランドから独立したEV専門ブランドになったが、日本ではその存在があまり知られていない。ボルボもEVブランドになるとの事業計画を発表したものの、グローバルでのEV市場の変化を鑑み、いわゆるマルチパスウェイとして各種パワートレインを併存することになった。 こうしたボルボとポールスターの事業変化によって、日本人ユーザーにとってポールスターは遠い存在になった印象がある。 筆者がポールスターのEVブランド化の詳細を知ったのは2017年だった。スウェーデンのヨーテボリにあるボルボ本社で開催された、自動運転やコネクテッドに関する国際カンファレンスに参加したときのこと。ボルボ関係者らは、ポールスターの今後についてさまざまなプレゼンテーションを行った。 その時点では、ポールスターのブランドイメージを刷新し、ハイパフォーマンスなEVブランドとして再出発させるとした。EVとしての基本コンポーネンツについては、ボルボの親会社である中国の吉利(ジーリー)が中国を含めてグローバルから幅広く調達し、将来的にはボルボのEV化とポールスターについて、生産体制を含めてバランスさせるとの説明だった。その上で、ボルボにとってポールスターは、レーシング領域を原点にしたハイエンドでハイパフォーマンスな存在だと定義していた。 こうした言葉どおり、ポールスターは欧州のモーターショーでの出展などによってブランドを浸透させていった。昨年にハイパフォーマンスSUVの「ポールスター4」を量産しており、欧米メディアはメルセデス・ベンツやBMWとのライバル車とした比較試乗など行っている。直近では、2028年登場予定の「ポールスター7」のティザーが公開されている。 斬新なボディデザインが特徴のポールスターの各モデルだが、現時点で日本市場への導入については明らかになっていない。

TAG: #スウェーデン #輸入車
TEXT:桃田健史
想定よりは遅れているがEVシフトは着実に進む! この先5年間は新型モデルの投入が相次ぐと予想!!

じつは120年前からEVは走っていた 本格的なEV普及は、いつになったら始まるのだろうか。そもそも、EVが最初に量産されたのは1900年代初頭。例えば、ニューヨークのマンハッタンではEVタクシーが走っていたという記録が残されている。 時代は進んで、1970年代初頭には排ガス規制に対する米マスキー法の影響で、大排気量車から小排気量へとクルマのトレンドが急変した。その時期、未来のクルマとしてさまざまなEVが登場するも、鉛バッテリーでは電気容量が限定的であり、またEVバスなどで大量のバッテリーを搭載すると、車内でバッテリーの臭いが気になったという。 1990年には米カリフォルニア州のZEV(ゼロエミッションビークル)規制法が施行され、日米各社がEVを導入するも普及に至らず。そして2000年代末から2010年代初頭、日産「リーフ」と三菱「i-MiEV」の2モデルが大手自動車メーカーとして初の大量生産型EVとして世に出た。 2010年代には、テスラが「モデル3」で大ブレイク。また、COP21(第21回 気候変動枠組条約 締約国会議)で採択されたパリ協定をキッカケに、欧米でのEV関連投資が急増し、とくに欧州メーカーが一気にEVシフトを進めた。 一方、中国では2000年代から継続してきた新エネルギー車政策を段階的に修正し、多様な自動車メーカーからEVが登場。いまや、世界最大のEV大国となっている。 だが、直近ではグローバルで「EVは踊り場」といわれる。欧州連合の欧州グリーンディール政策によるEV施策が先読みできず、欧州メーカーによるEVシフトが軟化している状況だ。日本では、日本自動車工業会がカーボンニュートラルに向けたマルチパスウェイを提唱するなかで、EVシフトは緩やかに進みそうだ。 こうした市場背景のなか、国産メーカーのEVは、トヨタ「bZ4X」、レクサス「RZ」「UX300e」、日産「リーフ」「アリア」「サクラ」、ホンダ「N-VAN e」と量産間近の「0シリーズ」、マツダ「MX-30 EV」、スバル「ソルテラ」、三菱「eKクロスEV」「ミニキャブEV」、スズキ「eビターラ」といったところだ。 さらに、EVの技術を応用したPHEVは、トヨタ「プリウス」「RAV4」「ハリヤー」「クラウンスポーツ」「センチュリー」、レクサス「RX」「NX」、マツダ「CX60/80」、三菱「アウトランダー」「エクスリプスクロス」、マツダ「MX-30 」などで設定がある。 一方、輸入車ではここ数年でEVやPHEVのモデルラインアップが、欧米のEVシフトの余波を受けて増加している。日本自動車輸入組合(JAIA)によれば、EVとPHEVは2020年の10ブランド・20モデルだったが、2024年9月末時点では商用車を含めて19ブランド・151モデルまで拡大している。 いずれにしても、日系メーカーも海外ブランドメーカーも、2030年代には本格的なEV普及が始まると見ており、次の5年程で各メーカーからより多くのEVモデルが登場することは間違いなさそうだ。

TAG: #EV シフト #輸入車
TEXT:TET 編集部
ファッション&アウトドア好きにも刺さるEV! ヒョンデ「インスタークロス」が先行予約開始でいまなら秋キャンプにも間に合う

冒険心を持つお客さまへ 今年発売されたヒョンデのスモールEV「インスター」に早くも新たな仲間が加わった。 9月の発売開始を前に8月8日から先行予約が始まったのは、「インスタークロス」と呼ばれるアウトドアテイストを内外装に盛り込んだ、アクティブなイメージの新グレードだ。「タフで存在感のあるアクティブなデザインに仕上げ、インスターが持つ高い実用性はそのままに、冒険心を持つお客さまのニーズに答えていく」とヒョンデは語っている。 インスタークロスは専用デザインの前後バンパーと、サイドシルプロテクター、17インチアルミホイールに加え、アウトドアテイストあふれるクルマの定番アイテムとなった大型ルーフバスケットを装備。アクティブグレードらしい外観とアウトドアシーンに必要な大型ギアを満載できる実用性を兼ね備えたEVに進化している。 ボディカラーはインスタークロス専用色となるアマゾナスグリーンマット、ダスクブルーマット、アンブリーチドアイボリーを含む全5色展開。いずれもアウトドアシーンに映える色使いが魅力だ。 それはインテリアでも同じ。スタンダードなブラックモノトーンの内装色に加え、グレーとカーキのコンビネーションシートに、ライムイエローのアクセントがあしらわれて「ダークグレーライトカーキ」と呼ばれる内装色が用意されている。 オシャレと航続性能はトレードオフ? EVとしての性能はほぼインスターのボヤージュまたはラウンジと同等。最高出力85kW、最大トルク147Nm、総電力量49.0kWhという値も一緒ならば、2輪駆動という点も変わらない。しかし、全長15mm、全高100mm拡大したボディに加え、ラウンジに対し車体重量が10kg増加した影響か、WLTCモードの電力量消費率は18%ほど悪化し、141Wh/kmとなっていることに注意が必要だ。このため、一充電走行距離はボヤージュ・ラウンジの458kmに対し393kmと発表されている。 ただし、アウトドアテイストが存分に感じられるスモールEVという存在は唯一無二。だから航続距離にはひとまず目をつぶり、このデザインだけで飛びついたとしても決して悪い選択ではないはずだ。 先行予約特典と早期納車情報 なお、9月10日からの正式発売に先立って行なわれる先行予約に申し込むと、次のうちどちらかの特典が受けられるという。 ①INSTER 5年 Health Care 「ヒョンデ・アシュアランス・プログラム」のヘルスケアを通常の3年から5年に延長し、4年目の法定12カ月点検基本料金と5年目の車検基本料金を無料で提供 ②INSTERアウトドアセットをプレゼント プレミアムネッククッション、オーガナイザー&サイドテーブル、助手席シートバックボードテーブル、折り畳み式チェア、ピクニックマットの5点セットをプレゼント また、ヒョンデは秋の行楽シーズンにインスタークロスの納車を間に合わせるべく、早期に納車が可能な初回生産車を合計25台用意した。25台の内訳は、外装色トムボーイカーキと内装色ダークグレーライトカーキの組み合わせが15台、外装色アンブリーチドアイボリーと内装色ブラックモノトーンの組み合わせが10台、それぞれ先着順ということなのでお早めに。 ファッション感度に優れた方からも支持されそうな、魅力ある内外装を備えたヒョンデ・インスタークロスの車両本体価格は、税込み372万9000円となっている。 近年需要が高まっている電化製品を用いたキャンプスタイルと、外部給電(V2L)機能をもったEVの組み合わせは親和性が高く、アウトドアシーンでの新たなトレンドになりつつある。そこにきてインスタークロスの登場はまさにドンピシャのタイミングともいえる。

TAG: #SUV #ヒョンデ #輸入車
TEXT:TET 編集部
一充電走行可能距離はついに1000km超え! 日本でもっとも長く走れる新型EV「Audi A6 e-tron/S6 e-tron」シリーズが登場

PPE採用第2弾モデルのA6 e-tronとS6 e-tron ボディは2タイプ用意 2024年9月にドイツでデビューを飾ったアウディの電気自動車(EV)「A6 e-tron」シリーズが、日本でも7月24日から発売された。 A6 e-tronシリーズは、アウディとポルシェが共同開発した新しいBEV専用プラットフォーム「PPE(Premium Platform Electric)」を採用した第2弾モデル。このプラットフォームにより、優れた走行性能、一充電走行距離、効率、充電、そしてアッパークラスに匹敵する広い居住空間が可能になったとアウディは主張している。 ボディタイプは、4ドアクーペの「スポーツバック」とステーションワゴンの「アバント」という2タイプ。それぞれ正式名称を「A6 スポーツバックe-tronパフォーマンス」、「A6 Avant e-tronパフォーマンス」と呼ぶ。 アウディ伝統のラインアップに則って、四輪駆動「クアトロ」を採用したスポーツグレードの「S6 スポーツバックe-tronクアトロ」および「 S6アバントe-tron」も設定され、全部で4グレードの構成とされた。 内外装にアウディの先進技術が盛りだくさん 車両の詳細については発表時の関連記事に譲るが、低く力強い空力性能に優れたスポーティなエクステリアをまとったAudi A6 e-tronは、A6 Sportsback e-tron performanceがアウディ史上でもっとも優れたCd値0.21(A6アバントe-tronパフォーマンスのCd値は0.24)をマーク。ボディの上面、下面、そして側面に徹底した空力処理を施しながらも、筋肉質で魅力あふれるエクステリア処理を行い「テクノロジーの可視化」を図っている。 それは近年のアウディらしさを構成する重要な要素「ライティングテクノロジー」にも現れている。マトリクスLEDヘッドライト、ならびにデジタルOLEDリヤランプは、車内の「MMI(Multi Media Interface)」を介して8パターンのライティングが可能。リヤに関しては毎秒数回の画像生成が行なえるという。 これらは見栄えだけでなく、危険を察知した際には周囲へ注意を促す仕組みが内包されており、自車および周辺を走行する他車への安全な走行環境づくりに貢献する機能が含まれている。 インテリアのデジタル化も一層進み、独自のMMIパノラマディスプレイは局面デザインとOLED技術を備えた11.9インチのAudiバーチャルコクピットに加え、14.5インチのMMIタッチディスプレイで構成される。オプションのテクノロジーパッケージを選択すると、助手席用の10.9インチMMIフロントパッセンジャーディスプレイが装備され、運転席から助手席まで続く巨大なディスプレイ空間が完成する。 運転に必要な情報をフロントガラスに仮想表示するARヘッドアップディスプレイや、第2世代のバーチャルエクステリアミラーがオプションメニューにラインアップされるなど、アウディの先進的なデジタル技術が余すことなく用意されている。

TAG: #A6 e-tron #S6 e-tron #アウディ #輸入車
TEXT:高橋 優
突如発表された6人乗りのテスラ「モデルY L」! めちゃくちゃ売れそうな中身をじっくりチェック

テスラ新型モデルは待望の6人乗りSUV! テスラが中国市場において新型モデルとなるモデルY Lを世界初公開しました。ホイールベースを3000mm超へと引き延ばして6人乗り仕様を実現。さらに、モデル3にロングレンジRWDグレードが追加設定される見込みなど、テスラの最新動向を取り上げます。 まず、突如として発表されたモデルY Lについて、全長4976mm、全高1668mm、ホイールベースが3040mmと、通常のモデルYの全長4797mm、全高1624mm、ホイールベース2890mmよりもひとまわり大きくした、いわばロングホイールベースバージョンとなります。よって3列シート搭載が可能となり、さらに2列目シートはキャプテンシートが採用されることで6人乗り仕様となりました。 この表は、今回正式発表されたモデルY Lと、通常のモデルY、およびモデルXのEV性能を比較したものです。まず、車両サイズについて、これまでテスラ車でホイールベースが3000mmを超えていたのはサイバートラックのみであり、モデルXですらホイールベースは2965mmに留まっていました。今回のモデルY Lは、全長に占めるホイールベースの長さが最大化されているのです。 また、気になるのが3列目よりも2列目のキャプテンシートの完成度でしょう。現在の中国市場は6人乗りの大型電動SUVがレッドオーシャンと化しており、2列目のキャプテンシートの快適性が重要視されています。たとえばモデルXの場合、2列目のキャプテンシートは4方向電動調整とシートヒーターが搭載されているものの、競合の6人乗り電動SUVの場合、シートクーラーやシートマッサージ、ゼログラビティシート、冷温庫、大型ディスプレイなどが完備されています。モデルY Lのキャプテンシートにどのような機能が実装されるのかは注目動向といえるでしょう。 また、現時点で確定しているのは以下のとおりです。 ・韓国LGエナジーソリューション製(LGES)の三元系バッテリーを搭載 ・フロントに3D3のインダクションモーター、リヤに3D7の永久磁石同期モーターを搭載 ・AWDグレードの最高出力は340kW ・最高速は201km/h ・ホイールには新たなデザインを採用 ・フロントタイヤに255/45R19、リヤタイヤに275/45R19という異型サイズを装着 ・車両重量は2088kgと通常のモデルYロングレンジAWDの1992kgと比較しても100kgほど重くなっている おそらく発売開始時にはRWDグレードもラインアップされると推測可能です。いずれにしても、通常のモデルYと比較して電費悪化をどれほど最小限に留めることができているのかには注目です。 そして、今回のモデルY LのさらなるEV性能を推測する上で重要な情報が、電池容量増量の可能性です。じつは欧州市場において、モデル3とモデルYの新たな車両情報が登録されており、LGES製としてLG5Mと名付けられた84kWh級の新型バッテリーが登録されました。このLG5Mによって、テスラモデル3ロングレンジRWDグレードは、これまでの702kmから750kmにまで航続距離を延長。モデルYロングレンジグレードにも同様のバッテリーが搭載見込みなのです。 そして、モデルY Lは秋から発売がスタートされるとアナウンス。よって、モデルY Lに搭載されるバッテリーはLG5Mの84kWhとなる可能性が極めて濃厚です。電費が悪化するロングホイールベースバージョンの発売に合わせて、電池容量を引き上げてくるというのも合理的に見えます。

TAG: #3列シート #テスラ #輸入車
TEXT:西川昇吾
【試乗】5台の輸入EVに一気乗り! エンジン車に勝るとも劣らない「個性」が爆発していた

最新の輸入EVに試乗! 近年モデル数が増えてきているBEV。バッテリーに充電した電力のみで駆動するクルマたちだ。国産車でもさまざまなBEVがあるが、輸入車はそのバリエーションが多い。今回は個性やコンセプトがそれぞれ異なる輸入BEVモデルに一気乗り! それぞれのもつ世界観を味わってみた。 フィアット600e 今回試乗したBEVモデルのなかで、もっとも乗り味が普通だと感じたのが600eだ。「普通」というのは、ICE車に近い乗り味ということ。スロットルに対しても自然なトルクの出方で、パフォーマンスをアピールするようなBEVにありがちなビックリな加速は見せないし、全体的な乗り味も以前乗ったことがあるノーマルモデルの500を思い出させる雰囲気だ。おそらく狙った作り込みだと思うが、日本人が「フィアット」と聞いて思い浮かべるような乗り味がBEVでも再現されている。 乗り心地も割とマイルドでフワッとした感じに仕上がっていて、BEVらしさを感じない。1580kgというBEVとしては軽量な車重もこの乗り心地に影響していそうだ。このBEVらしくない自然な乗り味は初めてのBEVにオススメの1台といえる。 MINIエースマン MINI初の専用BEVモデルとしてラインアップされているエースマン。3ドアにはBEVとICE両方がラインアップされているが、エースマンはBEVのみの専用ボディだ(3ドアもそれぞれで異なる専用プラットホームとなっている)。 MINIの乗り味といえばゴーカートフィーリングと呼ばれるクイックな操作性が特徴。ステアリングとフロントタイヤが直結しているかのようなシャープなノーズの動きが、MINIの愛されポイントのひとつといえる。しかし、エースマンに実際に乗ってみるとゴーカートフィーリングは思ったより薄め。いや、普通のモデルと比べるとフロントがクイックかつシャープなフィーリングとなっているのだが、MINIファミリーのなかで考えるとその味付けが薄い印象だ。 どちらかといえばその乗り味はBMWのBEVモデルに近いかも? と思った。MINIらしさはしっかりとあるが、BEVで濃いMINIらしさを味わいたいのであれば3ドアのほうがいいかもしれない。

TAG: #試乗 #輸入車
TEXT:TET編集部
ロングホイールベース化で後席が7シリーズ並! BMW 5シリーズ 「i5 eDrive35L」と「525Li」に「Exclusive M Sport」を追加

EVとHEVの2台の“Exclusive”モデル BMWは電動の「i5 eDrive35L」と48Vマイルドハイブリッドの「525Li」に、ホイールベースを110mm延長した「Exclusive M Sport」モデルを投入する。 「i5 eDrive35L Exclusive M Sport」と「525Li Exclusive M Sport」は、どちらもロングホイールベース化により全長は5175mm、ホイールベースは3105mmへ拡大。 後部座席の膝まわりは格段に広がり、独立型ヘッドレストクッション付きリヤシートやワイヤレスチャージを装備したアームレスト、ナノファイバーフィルターを採用して花粉・バクテリアを約99%カットする4ゾーンエアコンなど、7シリーズに匹敵する後席での居住性を実現している。 安全に関する機能では、高速道路でのハンズオフ機能を含む最新運転支援も搭載し、都市渋滞からロングドライブまでドライバーの負担を最小限に抑える。 “Exclusive M Sport”シリーズ共通の上質装備 エクステリアはM Sportバンパーと20インチアロイホイール、そしてサテンアルミのウインドウモールで伸びやかさを強調。インテリアにはBMW Individualレザーメリノシート、スカイラウンジパノラマルーフ、Bowers & Wilkinsサウンドを標準化し、ビジネスユースにもショーファーユースにも応える。 「i5 eDrive35L Exclusive M Sport」の納車は2025年9月以降を予定。価格は1048万円。2リッター直4ターボ+48Vマイルドハイブリッドを搭載する「525Li Exclusive M Sport」は、2025年5月からデリバリーを開始。価格は948万円だ。 ロングホイールベース化で拡張した居住性と、Exclusive M Sportならではの豪華装備が、プレミアムミドルクラスセダンに新たな価値を提供する。

TAG: #セダン #新車 #輸入車
TEXT:石橋 寛
GT-R NISMOやポルシェ911 GT3をぶっちぎる57秒台! 筑波最速EVの座を奪取した「ヒョンデ・アイオニック5 N」がヤバすぎる!!

アイオニック5 N TA SpecがEV最速マシンに これまで、筑波サーキットにおけるEVの最速タイムは、テスラ・モデルSのチューニングカーが出した59秒761という1分切りの素晴らしいものでした。どれだけすごいかというと、筑波で1分を切れる市販車はNISMOのGT-Rやポルシェ911 GT3といった限られたスポーツカーだけ、ということ。ですが、このテスラの記録を2秒も縮めたEVが登場しました。ヒョンデ・アイオニック5 N TA Specは57秒446を叩き出し、筑波のレーシングカー&スリックタイヤクラスのEV最速マシンの座をゲット。0.2秒ならまだしも、一気に2秒短縮となると、次元が違う速さといわざるをえません。 ヒョンデのアイオニック5 Nといえば、たしかにスポーティ、かつスタイリッシュなEVで見るからに速そうなモデル。実際、ラリー競技ではWRC世界ラリー選手権、ツーリングカーシリーズではFIA TCRワールドカップ、あるいは山をガンガン登るパイクスピークのレースにも積極的。 そんなアイオニックが筑波最速EVの座を目指して参戦したのがシバタイヤAttack筑波2025レーシングカー&スリックタイヤクラス。 ご存じの方も少なくないでしょうが、これは国内外から速さ自慢のマシンが数多く参戦するイベントで、ドライバーも軒並みプロフェッショナルがブッキングされるというガチなもの。

TAG: #SUV #筑波 #輸入車

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